さびしいまる、くるしいまる。 (角川文庫)

  • 角川書店 (2006年2月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784044125264

作品紹介・あらすじ

私はホストに恋をしてしまった。よりによって十五歳も年下の…。彼の愛の言葉は金のため? それとも本当に私のこと好きでいてくれるの? 幸福の絶頂と地獄の苦悩の間で揺れ動く日々を赤裸々に綴った感動エッセイ。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

心の奥深くを見つめることがテーマのこのエッセイは、ホストに恋をした著者の複雑な感情を赤裸々に描いています。年下のホストへの愛情と、彼との関係がもたらす幸福と苦悩の間で揺れ動く様子は、読者に深い共感を呼...

感想・レビュー・書評

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  • とあるホストへ一千万超を貢ぎながら自分の心の奥を見つめていた中村うさぎが、
    自分の心の有様を赤裸々に描いたエッセイ。
    一般的な目で眺めれば、彼女がどのように言おうとも、
    15も下の「春樹」という名のホストへ彼女が「ハマった」その姿を覗き見ているようなものだろう。
    しかし私は、この本のそこかしこに溢れている、
    「私は『私』を欲している」という彼女の悲痛な声にフォーカスしてしまう。
    実際、言い訳ではないのだ、と似たような道を歩んだ私はひとりごちる。
    勿論私はホストに貢ぐという形ではなかったし、買い物依存症にもなりはしなかった。
    それでもこの本を読んでいると、
    まるで暗がりの中に光る小さな鏡の中に映った、
    もうひとりの自分を、
    うっかりと見つけてしまったようなそんな気分になった。

    「それは私の「他者」探しだったのです」

    そう綴る彼女の言葉は、
    まるで荒野をからからと乾いた草が転がるような、
    もはや寂寥という言葉ですらないほどに乾いた裂け目のようだ。
    この裂け目から私は這い出し、もう随分と旅をしたのだ。
    光る眼をして暗がりを覗きこむ私は、今は遠い空を見つめている。

    この本に限っては、あとがきはやはり最後に読むのをお勧めする。
    そして本編とあとがきの間に流れた時間が、奔流となって溢れてくるのをどう感じるのかは、また、読む人それぞれの心の有様を浮き彫りにするだろう。

  • ゲイ相手のノンケのウリセン。確かに。


    別の本での下記セリフもかなり衝撃でした。


    この話(「ミニスカ―トを履いてるのは、男に見せる為なんだから、太ももくらい触ったっていいだろう」と言われた)を聞いて、男性の理屈を正しいと感じた貴君は、たとえば自分がブティックで一目惚れして買ったお洒落なショートパンツを穿いていたら隣に座ったホモに太ももをなでられた、という場面を想像していただきたい。
    世の中には男の身体に欲情する同性愛者が存在するという事実を知っていながら無防備にショートパンツなんか穿いてる自分が悪いのだ、と、はたしてあなたは思えるか。思えないのなら、ミニスカートを穿いてる女の理屈も理解していただけよう。

    「ノリちゃんから奪った純情を、ホストはどうしたのかしらねぇ?」
     「ゴミ箱に捨てたんじゃない?ホストは女の純情なんか欲しくないんだもん、。あいつが欲しいのは、金。だけど、女は金を純情でラッピングして捧げるから、仕方なくラッピングごと受け取るのさ。で、純情をベリベリと剥がしてゴミ箱に捨てて、中の金だけ懐に入れる。プレゼントの包み紙を捨てて、中身だけ、いただくようにね。何が悪いの?皆、そうしてるじゃない?」」

    この世界が用意するのが、思考停止のハッピーエンドだ。静かな諦観とともに人生を受け入れ、無為な戦いを放棄する。

  • 「ねぇ、私を必要として。」

    「それは悲鳴にも似た耳障りな愛の告白だ。
     男たちにそれを求めすぎて、ぎゅうぎゅうに追い詰めて
     私は、いくつもの関係を壊してきたのかもしれない。」

    一夜に何十万も何百万もお金が動く世界。ホストクラブ。
    通い続けるうさぎさんのギリギリな感じが
    読んでいてなんとも言えなくなります。
    出版社に前借までして。
    口座差し押さえまでされて。
    残高0になるまで。

    “花も実もない人生だけど”では、面白おかしく書いていましたが
    こちらは、かなり読んでいて苦しくなります。

    なるほど、
    景気が良い訳でもなく
    今にも奈落に落ちるような
    自分の血肉を捧げるような
    ギリギリな状況で
    ボトルをあけていくのかあ。

    それは、もう救いを求めてるのに
    自ら破滅に向かってるような、真摯で健気な姿。

    ホストに求めていたのは「自分」であり
    ホストに投影していたのも「自分」だった。

    くるしいまるは、うさぎさん。
    さびしいまるは、春樹。

    そう言ってたけど、
    どちらももしかしたらうさぎさんなのかもしれない。

    そして、それは私自身なのかもしれない。

    お客がホストを支配している関係だったのに、
    「いつの間にか支配関係が逆転する」のには驚きました。
    ホストから連絡があれば、
    駆けつけてしまうお客さん。なんかわかる気がする。
    だからこそ近寄れない。

    ホストクラブという私にとって未知の世界を
    興味深く書いてくれています。
    月末は勝負なんですね。
    売り上げとナンバー入りかあ。
    プライドって人の中のいろんな場所にある。

    「身を削って稼いだ金は、私の血肉だ。
     その血肉を春樹に分け与えるのだから、
     これが“愛”じゃなかったら何なんだよ。」

    やっぱりカッコ良いし、
    ブルブル震えながら愛を求めてるのに
    噛み付いていくうさぎさんは素敵すぎる。
    そして、
    ダンナさんも素敵。

    あとがきのあとがきも文庫のこちらには書かれているので
    かなり贅沢です。
    春樹さん・・・・・もー!!怒泣
    手の届かない星でいてほしかったよ。でも人間だもんね。
    いつまでも「神」でいてほしかった。

    装丁もキレイでした。

  • なんかねー、これ読んでて、



    「ん?」って思うホストの発言があって、



     何なんだろうって思ったら、





      そういえば彼氏はその昔ホストのバイトだった




     ってことを思い出したw








     ホストの人って、 恋愛できるのかなぁって
     聞いてみたら、



     
    「客と結婚した人ならいたよー。」と彼氏。





     擬似恋愛から本物に発展するのはかなりの例外で、



     よほどその職業に理解のある人でないと、


     ホストさんと本気の恋愛って

     難しいきがするなぁ、なんて思ってしまいました。


     職業差別でしょうか…。ごめんなさい。

  • 壮絶だった

  • これだけ自分と向き合う人って少ないと思う。これからもファンであり続けるね。

  • 買い物依存症から、整形、ホスト依存と、何かと話題に事欠かない著者。
    ホストにはまった顛末記の本書、そして、衝撃の後日談。恋愛が絡んだ話だからか、久々に読んだ著者のエッセイは、買い物依存の頃の作品と比べて、どこか痛々しさが残る。
    著者はどこに行こうとしているのか。

  • 正直すぎる独白。やっぱりな、でもあるし驚きでもある結末(あとがきまで引っ張られる!)まで目まぐるしい展開で読ませられる。

  • ホストにはまったきっかけとその顛末を綴ったエッセイ。エッセイ冒頭に置かれた童話「さびしいまる、くるしいまる。」うさぎ氏は、くるしいまる=自分、と書かれていますが、私はくるしいまるが私自身に思えて仕方なかった。
    中村うさぎが怖いです。でも、目が離せません。 まるで虫眼鏡に集められた光のように、その強さで炎すら起こしてしまうような彼女の叫びに、同調する人間は引き寄せられ、彼女と一緒に叫ぶのだろうと、そう思います。

  • ホストクラブ狂時の始終を語ったエッセイ。痛々しいけれど,
    最後まで読みたい,見届けたい気持ちにさせる。

  • 今度はホストクラブにはまってしまった中村さんのその始終を語ったエッセイ。痛々しくもあり、なんだか切なくもなってしまいました。でも全部本音なんだろうなぁって思いました。

  • 先日読んだ、『愛か、美貌か―ショッピングの女王』でも書かれていた、ホストクラブに通いはじめてから終わるまでの経緯。
    『愛か〜』では笑える内容だったけれど、この本では同じ出来事でもまた違った側面が書かれています。
    この本を読んだら、かならずあとがきまで読んでください。
    衝撃的だし、壮絶だし、あまりにも痛々しい。

  • 私はきっと一生この本を手放さないと思う
    どんな恋愛小説よりも純粋なものが、ここにある気がした
    でもやっぱり、文庫版のあとがきも含めてこの小説は成り立つと思いますね

  • 中村うさぎがホストに狂っていた頃のエッセイ。元々だめんずうぉ〜か〜でちょうどその頃の話が掲載されていて覚えていたんだけど、あのダックスフンド春樹の話だったとは。
    そして現在の春樹のブログを発見したんだけど髪の毛がうすーくなり、おっさんになっていて悲しくなったw

    これは文庫版あとがきまで読むべき本。「これも含めてめっちゃ分かる」と思ったから。この人の、「手に入らない相手を崇拝の対象にしちゃう」っていうのすごく分かるんだよな〜。その崇拝の対象がただのクズに成り下がって行く様も含めて。

    文庫版あとがきから10年経ってるけど、この人は幸せになれているのだろうか。

  • 非現実的な散財をしながら、やっていることはひたすらな自己分析・・・なんでしょうか。不毛さと壮絶さがどことなく自己破滅型な感じもします。
    軽めの文章のおかげか、不思議と悲壮感が無く読みやすいですが。
    「決して報われる事のない片思い」がきれいごとでは終わっていないのが現実的。読むのであれば文庫版あとがきが追加された方をおすすめします。

  • うさぎの気持ちがわかるなんて思いたくもない
    悔しい

  • 片思いとはそんなもんです

  • 最初は、かるーいうすっぺらーい本をどうしても読みたくて(恋愛方面にいろいろあって疲れてたから。)、book offで手に取った一冊。共感する所はたくさんはなかったけど、納得する所が多々あった。
    あと、この本の作者、中村うさぎは、とにかくはちゃめちゃに元気がよろしい。悲しい時や絶望した時でさえ、なぜかテンションが高い。こういうの、大好きだ!
    で、なんでこんなテンションを保ってられるのかというと、彼女の中に人が2人いるからだ。悲しい時は、めそめそぐすぐすしている自分と、それに向かってカーーーツッって突っ込みまくって喝を入れている自分がいる。その二面性がなんだかいいコンビなのだ。バランスが保たれている。この中村うさぎの中のどっちかがいなくなったらバランスが崩れてしまう。この絶妙な間合いやアップダウンが、彼女の特徴なのだろうと思う。
    そしてたぶんこの彼女の中の2人って言うのは、当事者である中村うさぎと、それを客観的に見ている(同時に、じゃなくても、後からの場合が多いだろう、エッセーとしてつづっているのだから。)中村うさぎなのだ。この当事者と客観の話し合い、というかむしろディスカッションとか戦い、とかいう表現の方がいいのか、そういうぶつかりあいが新鮮で、私は好きなのよねー。

    かくいう私は、今日、ものっそい落ち込んだ。その時に、まず何をしたかって、この本をあけて続きを読んだ。そしたら、くよくよしてんのがばからしくなった。あたしよりばか(というか、「愚か」の方があってるかも!)な人がいるんだ、ってね!笑
    でも、そんな愚かな性格、ばかばかしい生活が、うらやましいとも思う。そこまでまっ直線になれるのは、いっそ清々しいとさえ思う。世間一般からは、この中村うさぎさんのような性格や生き方を蔑む傾向があるが、それは、みんな彼女のような生き方ができないから、一週の嫉妬のような面もあるのだと思う。そして私も世間一般の一市民だよ。まったく。ちくしょう。


    抜粋
    ・P143 そうだ。「命」に関しても、私にはなんとなく「たまたま与えられたもの」という、どこか他人事っぽい意識がある。いつかは失われるものであるし、いつ失うか、どんなふうに失うか、自分で決められるものでもない。自分でコントロールできないものは、私のものではないのである。その代わり、「人生」は私のものだ。たまたま与えられたものだけど、その期限付きの人生をどう生きるかは、私にまかされている。だから、「いつまで生きるか」よりも「どう生きるか」のほうが、私には大切な問題。夫と仕事は、私が獲得した「人生の一部」だから、私にとって大事な宝物だ。

    ・P223 みなさん、私は気づいてしまったのです。私の世界には、「私」意外、誰も存在しないのだ、と。私は、「私」という惑星に住む、たったひとりの孤独な住人だったのだ、と。

    ・P225 そうだ。私は現実の春樹なんて見ていない。春樹の中の「私」を見つめ、「私」に恋し、「私」に金を注ぎ込んでいるにすぎないのだ。恋愛とは二者間のコミュニケーションであるはずだ。だが私の恋愛は、いつもいつも恋人の中の「私」を相手にした、きわめて自閉的な「私」遊びだったのではないか。私の恋愛がいつも不本意な結果に終わるのは、結局、「私」遊びに飽きてきた頃、相手を始めて「他者」と認識した瞬間に、これまで培ってきた(と思っていた)関係が一気にガラガラと崩壊してしまうからではないか。

    共感する所もところどころ。
    ・P190 解読されるのが、怖い。解読されてしまったら、相手にいいように操られてしまうような恐怖感がある。それに、私のことはこの私ですら解読できないのだ、他社にするりと読み説かれてたまるものか、とう奇妙な意地もある。


    面白い分析をするなぁと思ったのは、自分に対するコンプレックスと、散財の関係性。自分の魂に穴みたいなものがあいてしまっていて、それをうめるために日々あくせく生きている。その穴の部分の自分を、春樹に投影して、それを求めるために、大金を春樹に注いでるという。で、お金は心身一生懸命使って得たものであるから、体の一部であり、従って、体の一部を春樹に与えている事になる。それはつまり愛なのだ、と筆者は説いていた。実に斬新な考えだ。

    この本の中では、よく「相手に自分を投影して、可愛がる」というシーンがあるのだが、どうも納得いかない。それはまだまだ未熟だからかしら。うーん。。。単に相手をかわいがる事があっても、投影はするだろうか。

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著者プロフィール

1958年2月27日生まれ。
エッセイスト。福岡県出身。
同志社大学 文学部英文学科卒業。
1991年ライトノベルでデビュー。
以後、エッセイストとして、買い物依存症やホストクラブ通い、美容整形、デリヘル勤務などの体験を書く。

「2017年 『エッチなお仕事なぜいけないの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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