木島日記 (角川文庫)

  • 角川書店 (2003年3月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784044191122

作品紹介・あらすじ

昭和初期の東京。民俗学者にして歌人の折口信夫は古書店「八坂堂」に迷い込む。奇怪な仮面で顔を覆った店主・木島平八郎は信じられないような自らの素性を語り始めた……。

感想・レビュー・書評

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  • 何が面白いのかよくわからないけど、奇妙に面白い。話は、折口という男色家の大学の先生が、仮面の骨董屋と知り合いになって以来、えらく感情移入する女の子に好かれ、奇妙な連中(反魂法で2度復活させられようとしてはじけてしまった月とか、人魚とか、記録する水を持ったジプシーのオカマとか、人間コンピューターを作ったユダヤ女性)と交わりながら、奇妙な話が展開する。女の子が「おそばにおいてください。お役にたちます」を口癖にしているのも面白い。

  • 民俗学者折口信夫を狂言回しにした伝奇小説。
    反魂術、未来予測計算機、偽天皇、キリストの墓、ロンギヌスの槍、人魚、八百比丘尼、記憶する水、などなど、オカルティズム溢れる事象と、奇妙な人物たちが入り乱れる奇妙な物語。頭ん中ぐちゃぐちゃになる面白さ。

  • 漫画版と小説版でヘーガーの末路というか結末が変わっててよかった。ヘーガー好きだからなんだかんだで小説版読んでよかった。

  • 懐かしい
    むかし漫画を持っていた気がする
    どうしてこういう奇天烈な話が好きなのだろう

  • 昭和初期の東京を舞台に、あってはならないものがわんさか描かれる物語でした。
    こういうオカルトな世界、好きです。荒唐無稽ですが微妙に現実を絡めてきて面白かったです。
    どれも心掴まれる話ですが、特に人間コンピューターと、偽天皇の話が好きです。厩戸ちゃん悲しみ。
    キャラクターも好きです。美蘭ちゃんと、土玉氏が良いです…土玉氏は意外とちゃんとした人に見えます、この中では。
    「多重人格サイコ」に繋がる瀬条機関そして学窓会…作中の昭和も軍国への傾きが険しくなってきました。この昏いまま戦争に雪崩れ込むのか。続きも読みます。

  • 折口信夫と木島平八郎が主人公。実在の人物と架空の人物をうまく絡めながらフィクションを現実に混ぜ込んでいる。舞台は昭和初期の東京(時代も世相も現代の私からしたら十分に現実離れしている)で、未来予測装置、偽天皇、草薙剣、ロンギヌスの槍、人魚、変若水、ムー大陸などの題材がこの物語世界の中で溶け込み融合している。こういった作風は、作者の真骨頂とも言える。漫画『サイコ』の登場人物や用語も出てくるため、知っているとますます楽しめる内容だ。

  • 37766

  • 実に興味深く、面白いストーリー。
    でも、文体のリズムが合わずに読み進めるのに時間がかかった。
    キャラクター、ストーリーも好み。
    時代の翳りに湿度の高い物語に飄々としたキャラクター同士の会話部分が浮きそうなものだが、ものすごく微妙なバランスでしっくりきている奇妙な味わい。
    仕分けされるものの艶っぽく生々しい描写が病み付きになりそう。

  • 民俗学者・折口信夫は仮面で顔を隠す木島に出会ってから、奇妙な人々に出会い、さらに奇妙な出来事に巻き込まれていく。 ロンギヌスの槍や偽天皇など、とにかく好きな人にはたまらないネタが盛りだくさん。

  • 微妙なのに、いい

  • 個人的に、こういう小説(ライトノベルっていうんですか?)は受け付けないので、読み出した瞬間、あ、しまったと思ったんだけど、仕方ないので最後まで読みました。

  •  妄想と幻想がおりなす不思議なお話。時代背景が昭和初期であることが重要である。江戸川乱歩、横溝正史ばりの奇怪な雰囲気が漂う。

  • じわじわとのめり込む
    読み始めと終わりで登場人物の印象がかなり変わります
    木島があんなに可愛らしい人とは思わなかった

    戦前の昭和、国家、宗教、オカルト
    当然フィクションですが、なんとも言えない奇妙さが蔓延る作品

  • 昭和初期の世相やオカルトに詳しい人が読めば尚更楽しめると思う。自分は昭和史に疎いのでドコまでが事実か気になった。 折口は美蘭の結婚後がオモロイ。確かに美蘭はカワイイから折口の気持ちは理解できる。 京極堂も坂の上でしたっけ?「~堂」って古書店の店主は変わった人が多いなぁ。モデルになった何かが有るんかなぁ?

  • 本棚整頓中に手に取って再読。

    昭和12年の夏、民俗学者の折口信夫は、勤務校のひとつ国学院大学に向かっていた。
    歩き慣れた道を間違え、だらだら坂を引き返しもせず歩いていた折口は、坂の途中で少女「美蘭」と出会う。
    そして坂の上に現れた古書店八坂堂で仮面の男「木島平八郎」と邂逅したそのときから、折口の現世と幽世の境をさまよう日々、「あってはならない」物語が始まる―

    折口信夫を狂言回しに仕立てた、大塚英志の偽史三部作のひとつ。
    昭和初期という舞台設定に民俗・伝奇・オカルトがネタと来れば、個人的嗜好を満たしまくりド真ん中射抜きまくり。
    小説家が本業でないからかちょっと読みづらい部分もあるけど、文句なく5つ星を付けてしまいませう。

    サヴァン症候群の少年たちを用いた人間計算機、キリストの墓と偽天皇、ジプシーの「記憶する水」の秘技とナチス…
    オカルティズムと軍部の接近というものをひとつの軸にしながら描かれる、作中世界の空気感がたまらない1冊。エンターテインメント小説としてオススメ。

    それにしても、大塚英志ほどエンターテインメント作品に堂々と昭和天皇を登場させる作家もいないかもしれない。
    この作品でも天皇その人とは言わないけどその人でしかない形で登場させ、しかも主戦論者であるかのような振る舞いをさせる。大丈夫か。
    まぁ大塚が原作を手がけて絵でズバリ描いてしまった『オクタゴニアン』よりはおとなしめか…

  • 歌人にして民俗学者の折口信夫。

    偶然なのか、憑かれたのか、彼は夢とも現とも分からぬ坂の上にある古書店「八坂堂」に辿り着く。
    そこには、他ならぬ折口の名を騙る仮面の店主・木島平八郎が居た。

    死者の蘇生、八百比丘尼、科学的未来予測計算機、偽天皇、ロンギヌスの槍、記憶する水、ユダヤ人満州移住計画―それは、昭和初期の日本の暗部。あってはならない物語。偽史は“仕分け”ねばならない――。

    「死者の書」で著名な折口信夫博士を狂言回しに展開される伝奇小説。
    陰鬱で、でも軽快で、それは悪夢のような、悪夢以上に質の悪い現実のような物語。
    コミックのノベライズ版。

  • 再読



    改めて読むと、コミックスの方が魅力的?

  • 木島うわああああ好きだああああ!!昭和の謎、っていうか裏、っていうか、そういうのに淡々と迫っていくのがいいです。木島さん男前。月ちゃんをいつまでも引きずり続ける木島さん。そして根津。根津かっこいいよ根津。

  • 奇譚が好きです。
    中でも日常に接ぎ木したような現実から少しだけ浮き出た物語が好きです。
    この物語はうっとりするような幻想を描いた作品ではまっったくないですが、実際にあった(とされる)モチーフがふんだんに盛り込まれており、事実と妄想の境界が曖昧になる感覚が楽しめます。

    舞台は昭和初期の日本。
    前年に二・二六事件が起き、右傾化する世相にオカルトと猟奇事件を絡ませながら進みます。

    作者曰く
    「民俗学は偽史である。」
    「木島日記は戦前、オカルティズムと軍の一部が奇妙に接近した事実を素材としている。」
    とのことで、実際の事件や人物にオカルト色を足して妄想を膨らませています。
    ええ、それはもう好き勝手に。

    主な登場人物↓
    【木島平八郎】
    『この世にあってはならないもの』とそうでないものを仕分ける仕分け屋。
    恋人の屍肉が左頬に張り付いており、それを保護する為に仮面をつけている。

    【折口信夫】
    物語の狂言回し。民俗学者。
    <孤児妄想>の持ち主。

    【美蘭(メイファン)】
    折口博士が坂の途中で出会った少女。
    実験材料として、満州から日本に連れてこられた。

    【根津】
    木島の助手。
    『人類三大タブー(殺人・食人・近親相姦)』研究の被験体。

    使われているモチーフ↓
    死者の書・サヴァン症候群・八百比丘尼・緘黙症(かんもくしょう)の語り部・持衰(じさい)・竹内文書・津山事件・死なう団事件・ヒトラーの産湯・河豚計画 等々

    ……胡散臭いですね。

    作者が説くオカルトとファシズムの親和性は、モチーフの絡ませ方にも色濃く出ています。
    正史や倫理から離れた奇譚ばかりなので、苦手な方にはとことん合わないかも。。

    余談ですが子供の頃「魍魎戦記 MADARA」という漫画が好きだったのですが、この漫画の原作者も大塚さんだということを後から知りました。

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著者プロフィール

大塚 英志(おおつか・えいじ):大塚英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。

「2023年 『「14歳」少女の構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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