木島日記 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.57
  • (50)
  • (53)
  • (140)
  • (4)
  • (3)
本棚登録 : 487
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044191122

作品紹介・あらすじ

昭和初期。オカルト、猟奇事件、ナショナリズムが吹き荒れる東京。歌人にして民俗学者の折口信夫は偶然に、しかし魅入られるように古書店「八坂堂」に迷い込む。奇怪な仮面で素顔を隠した主人は木島平八郎と名乗り、信じられないような自らの素性を語り出した。以来、折口のまわりには奇妙な人、出来事が憑き物のように集まり始める…。ロンギヌスの槍、未来予測計算機、偽天皇、記憶する水、ユダヤ人満州移住計画。-昭和の闇を跋扈するあってはならない物語。民俗学伝奇小説の傑作、登場。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何が面白いのかよくわからないけど、奇妙に面白い。話は、折口という男色家の大学の先生が、仮面の骨董屋と知り合いになって以来、えらく感情移入する女の子に好かれ、奇妙な連中(反魂法で2度復活させられようとしてはじけてしまった月とか、人魚とか、記録する水を持ったジプシーのオカマとか、人間コンピューターを作ったユダヤ女性)と交わりながら、奇妙な話が展開する。女の子が「おそばにおいてください。お役にたちます」を口癖にしているのも面白い。

  • 昭和初期の東京を舞台に、あってはならないものがわんさか描かれる物語でした。
    こういうオカルトな世界、好きです。荒唐無稽ですが微妙に現実を絡めてきて面白かったです。
    どれも心掴まれる話ですが、特に人間コンピューターと、偽天皇の話が好きです。厩戸ちゃん悲しみ。
    キャラクターも好きです。美蘭ちゃんと、土玉氏が良いです…土玉氏は意外とちゃんとした人に見えます、この中では。
    「多重人格サイコ」に繋がる瀬条機関そして学窓会…作中の昭和も軍国への傾きが険しくなってきました。この昏いまま戦争に雪崩れ込むのか。続きも読みます。

  • 折口信夫と木島平八郎が主人公。実在の人物と架空の人物をうまく絡めながらフィクションを現実に混ぜ込んでいる。舞台は昭和初期の東京(時代も世相も現代の私からしたら十分に現実離れしている)で、未来予測装置、偽天皇、草薙剣、ロンギヌスの槍、人魚、変若水、ムー大陸などの題材がこの物語世界の中で溶け込み融合している。こういった作風は、作者の真骨頂とも言える。漫画『サイコ』の登場人物や用語も出てくるため、知っているとますます楽しめる内容だ。

  • 37766

  • 実に興味深く、面白いストーリー。
    でも、文体のリズムが合わずに読み進めるのに時間がかかった。
    キャラクター、ストーリーも好み。
    時代の翳りに湿度の高い物語に飄々としたキャラクター同士の会話部分が浮きそうなものだが、ものすごく微妙なバランスでしっくりきている奇妙な味わい。
    仕分けされるものの艶っぽく生々しい描写が病み付きになりそう。

  • 民俗学者・折口信夫が仮面は顔を隠す木島に出会ってから、奇妙な人々に出会い、さらに奇妙な出来事に巻き込まれていく。 ロンギヌスの槍や偽天皇など、とにかく好きな人にはたまらないネタが盛りだくさん。

  • 微妙なのに、いい

  • 個人的に、こういう小説(ライトノベルっていうんですか?)は受け付けないので、読み出した瞬間、あ、しまったと思ったんだけど、仕方ないので最後まで読みました。

  •  妄想と幻想がおりなす不思議なお話。時代背景が昭和初期であることが重要である。江戸川乱歩、横溝正史ばりの奇怪な雰囲気が漂う。

全66件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

まんが原作者・批評家。1958年東京都生まれ。筑波大学卒。国際日本文化研究センター教授。80年代には徳間書店、白夜書房、角川書店で編集者として活動。詳細は『「おたく」の精神史』『二階の住人とその時代』を参照。まんが原作者としての著作に、『多重人格探偵サイコ』『アンラッキーヤングメン』、批評家としては、文学・民俗学・政治についての著書多数。

「2021年 『物語消費論 「ビックリマン」の神話学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大塚英志の作品

木島日記 (角川文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×