ダンタリアンの書架1 (角川スニーカー文庫 123-21)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.68
  • (64)
  • (96)
  • (116)
  • (19)
  • (2)
本棚登録 : 984
感想 : 83
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044241131

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本にとりつかれた人々との関わりがテーマの物語。
    主人公の不思議な青年と表紙の少女との関わりがうっすらと示されているけれど、どんな風に一緒にいることになったのかは今のところ描かれていない。そこが気になるところでもあるし、二人が関わる古い本をめぐって、本にとりつかれた人の人間臭さが出ていて、救われない人から、切ないものまで色々。
    文章もこまごまとしてなくてすらすら読める。あまり世界観に関しての情報がたくさんあるというわけではないのに、背景を想像しやすい文章です。

  • 苦手。
    ラノベをあまり読まないというのもあるけど、本をテーマにしている理由があまり感じられなかった。
    これから盛り上がるのかしれないけど、導入にしては弱い。

  •  短編なのでさらっと読みやすかった。めちゃくちゃ面白いとは言えないけど、ダリアンが可愛いのでそれなりに楽しめた。ただ、話の内容とイラストが合わない。

  • 一話完結のダークファンタジー。

  • 【収録作品】第一話 「美食礼賛」/第二話 「血統書」/第三話 「叡智の書」/断章一 「独裁者の書」/第四話 「仕掛け絵本」/断章二 「天寿の書」/第五話 「焚書官」

  • 一つ一つの短編が短くて、読者を引き込む力に欠けるが面白い。特に第一話の完成度がすごく高い。
    エグいのを期待していたけど、思っていたよりはずっと上品。

  • 借本。

  • “「……出よう、ダリアン」
    少女は呆れたようにヒューイを見上げると、手甲に覆われた腕を差し出した。
    「何を言っているのですか。私は揚げパンを食べるのです。早くそれを寄越すのです」
    「きみの知り合いのハーストン一族は、この街じゃずいぶんな嫌われ者らしい……僕たちの目的地があの家だとバレると騒ぎになりそうだ」
    そう言いながらヒューイは荷物をまとめ始めた。それを見て慌てたのはダリアンだった。焦って立ち上がりながら手を伸ばし、
    「こら、ヒューイ、なぜパンをしまうのですか。まだお砂糖をかけてないのです。ヒューイ!」
    「この近くで辻馬車を拾うのもやめたほうが良さそうだな。仕方ない……少し歩こう」
    「こら。何をするのですか。その手を離すのです。どこを触っているのですか、いやらしい!」
    ヒューイは、じたばたと暴れる小柄な少女を、まるで荷物のように小脇に抱えて店を出た。
    テーブルの上に残してきた砂糖壺を名残惜しそうに眺めて、ダリアンは涙声で呟いた。
    「お砂糖……」”[P.69]

    短編であっさり読める感じ。
    時間軸が定かになってなかったり、同じ世界観でメイン二人と何らかの関係ありつつもメイン二人のでない話とかその辺りの構成はキノっぽい。読みやすい。

    “「君が壺中天だったんだな……ダリアン」
    ヒューイは静かに問いかけた。
    ダリアンは何も答えなかった。乱れた衣服の襟元を直して振り返ったときには、リボン代わりの大きな古い錠前が、彼女の胸元を元通り堅く閉ざしていた。
    ヒューイはそれを眺めながら、
    「思い出したよ。僕は前にも一度どこかで壺中天に迷いこんだことがある」
    少し懐かしげな表情で微笑した。
    「その中で、ダンタリアンという名前の少女と会ったよ。あの鍵は、彼女にもらったんだ……」
    ダリアンがぴくりと動きを止めた。
    ヒューイと目を合わせないように、彼女は頑なに顔を伏せている。
    「そのときにその子と約束をしたんだ。彼女の友達になって、いつか彼女を外に連れ出すと」
    「……そう……ですか」
    艶やかな唇を震わせて、ダリアンが小さく何かを呟いた。覚えていたの、というふうに。
    その耳の先が少しだけ赤く染まっていた。
    「ダンタリアンは悪魔の名前だ。書物を持った姿で描かれる、知識を司る悪魔」
    空っぽの右手を強く握って、ヒューイが言った。
    黒衣の少女は静かに顔を上げた。
    無表情な彼女の瞳は、すべての質問を拒絶しているように思えた。
    それでもヒューイは敢えて問いかけた。
    「君の名は、ダンタリアンの愛称なのかい、ダリアン?」
    ダリアンは何も答えなかった。
    代わりに細い顎を、つい、と上げ、
    「これからどうするつもりなのですか、ヒューイ。私は、お腹が空いたのです」
    どこか偉そうな表情を浮かべて少女は言った。”[P.226]

  • 取り立てて読みづらかったり、共感できないわけじゃないけど、
    起伏が少ないような印象。

    短編集なので、まとまりが弱く、文章も割かし平坦なため、じわじわとしか読めなかった。

    ただ、ダリアンが可愛い♪

  • 読了。

全83件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)銀賞、第1回日本SF新人賞、第5回スニーカー大賞特別賞を受賞。代表作は『ランブルフィッシュ』シリーズ、『アスラクライン』シリーズ。

「2023年 『ソード・オブ・スタリオン 種馬と呼ばれた最強騎士、隣国の王女を寝取れと命じられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三雲岳斗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×