GOTH 夜の章 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 12627
感想 : 1050
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044253042

作品紹介・あらすじ

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち-"GOTH"を描き第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。「夜」に焦点をあわせた短編三作を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 初読みの乙一小説。
    乙一小説は怖いイメージがあるので、人がいる電車の中で読むことにした。
    ぱらりと表紙をめくると……ドキッ!ヤバっ!油断していた。すぐそばでチラ見していた方もいた。ごめんよ…驚かせて^^;

    ーー犯罪者を見るのが好き。しかし第三者として留まり関わらないことをルールとしている僕。そしてクラスメイトの森野夜ーー
    遭遇する猟奇的な事件の現場に、興味津々で見物に出かける二人。事件に対峙し、微妙に関わっているように見える。
    この恐ろしいほど冷淡な二人ならではの角度から見る犯罪や犯罪者の姿が、なんとも面白いというかショッキングというか…読んだことのない話。
    森野については、秋吉理香子著「暗黒女子」のような薄気味悪い女子を思い浮かべたが、3話目「記憶」で別の顔が見えてきた。2話目「犬」は悲しい話に思った。

    読みやすくて一気読み。
    グロテスクな描写はあるものの、話の内容も構成もどんでん返しで騙されるのも面白く、読後感は悪くない。

    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、ドキドキ、ヤバイ展開が伝わりました。自分はお化け屋敷的な怖さはダメ。。。でもそうでなければグロ、イヤミス系も大丈夫。乙一さんは...
      なおなおさん、ドキドキ、ヤバイ展開が伝わりました。自分はお化け屋敷的な怖さはダメ。。。でもそうでなければグロ、イヤミス系も大丈夫。乙一さんは前者なら無理かも。近いうちにドグラマグラに挑戦するためにグロ+エキセントリックう文学を練習中です。
      2022/09/11
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      本書はお化け屋敷的な怖さはありません。グロテスクな描写はありますが、思ったほどではなく。
      ...
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      本書はお化け屋敷的な怖さはありません。グロテスクな描写はありますが、思ったほどではなく。
      それにしてもポプラ並木さんがお化け屋敷が怖いとは(・・;)!かわいい(笑)
      ドグラ・マグラ…スマホに入れたままです。少しずつ読むってありなんですかね。
      2022/09/11
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、そうなんですよ。驚かすための恐怖はイヤですね、、、でも桐野夏生・アウトのグロテスク、湊かなえ・芦沢央の強烈イヤミスは大好きなん...
      なおなおさん、そうなんですよ。驚かすための恐怖はイヤですね、、、でも桐野夏生・アウトのグロテスク、湊かなえ・芦沢央の強烈イヤミスは大好きなんですよね。ドグラマグラのヤバいやつは今年中にはどうにか挑戦したいです。なおなおさんもいつでも準備完了ですね。自分もちょっとずつがいいかな(笑)
      2022/09/11
  • 突如、年末年始一日一冊企画を思いついたので、読みやすそうな作品を厳選!
    しかし、全然そんなに読めなかったのである。普通に仕事が始まってしまった!さらには、緊急事態宣言まで出されてしまった!!

    随分と読みやすく描写もわかりやすいと思ったら、ラノベでしたか、そうでしたか。
    今となってはラノベはアニメ化が待望されたりする日本の文化のひとつのジャンルだけれど、乙一さんがこの作品を描いていた頃のラノベってかなり差別されていたんですね。

    あとがきがすごく面白くて。
    作品は残虐で残酷な描写が続くのだけれど、それが登場人物の人間性によって重すぎずに描かれているし、その人間性にもそんな意図があったのか!とあとがきで納得。

    あと、何が素晴らしいって、視点の描き方。
    「夏と花火と私の死体」の時も思ったけど、乙一さんのこの視点の描き方が非常に素晴らしい。なんとなく想像がつきそうな未来を予想しながら読んでいく、その先にある急展開、これまでの世界がひっくり返るその瞬間。
    違和感や、奥歯に物が詰まったような言い回しには全て意味があった…!
    それが分かった瞬間、振り返っていくとさらにその視点が活きてくる。植物に水を与えるように、さらにとくとくと、文章が身体に染みわたっていくような感覚。文体は何も変わっていないのに、世界が全く変わったような感覚に陥る作品は久々だった。なんか、これを「世界線」て今風の言葉を使って例えようと思ったけど、うまくいきません。

    先が気になりすぎて、寒すぎて引きこもっていたわたしの身体は、閉店間際の本屋さんへ向かったのでした。

  • R3.10.25 読了。

     人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち、森野夜と僕。サイコパスやミステリー要素の3篇からなる連作短編小説。あとがきで作者は「これはダークファンタジー」と書かれてますが…。
    やはり乙一さんの作品は読みやすい。

     「犬」は読んでいてやるせなさや悲しみにとらわれた。そしてまさかのラストに驚愕。見事に騙されたと苦笑した。
     「記憶」も森野夜に関する過去の話。森野は子供の頃から、悪趣味な遊びをしていた。そしてこの作品でもラストは驚愕の事実が判明し、「僕の章へ」。
     「僕の章」もどんな展開が待っているのか楽しみです。

  • 乙一 著

    『GOTH』表紙GO の部分?青服の女性写真
    [夜の章]本作品は…
    暗黒系

    記憶
    の三部作で構成されていましたが…
    どの作品にもあの2人が鍵を握っている、
    というか、妙にやっぱり関わっている(・・;)
    不思議とも不気味とも形容し難い作品だけど、
    やはり今回も読ませるという意味合いでは同じ。
    それで、それで…と事件を追う探偵じみた気持ちで、息を殺して…
    (読んでるだけだから、息を殺す必要は全く
     ないのだけど(~_~;)とにかくです、、)
    主人公の僕と森野の動向を追った。
    この2人の悪趣味というか異常性に慄きながら⁉︎
    いや、実は意外と慄いておらず冷静に2人の姿を見ていた。あまりに冷淡な2人の態度に、それを見逃さずにはいられないように、読み進めてしまう。
    猟奇殺人に興味を持つなんて尋常じゃない!それが趣味だと言われても…(・_・;かなり⁉︎絶対にヤバい2人なんだけど、悪い人間ではなさそう。

    あの残酷な手口と凄惨な現場の状況を手記した犯人の手帳を拾った事を収穫のように、
    しかも宝物のように持ち運び、お互いが思い巡らし、意見し合うとは普通では考えられないことだけど、2人が交互にやり取りしていることに、不安と要らぬお節介のような気分で、その犯人のものとおぼしき手帳持ち歩くなんてマジでヤバいって!
    そちらの方が心配になってドキドキしながら真相を追ってゆく私は、探偵失格だな(ーー;)
    しかも2人は真相よりも…、うむ〜。
    コレはレビューすべきじゃないな、、(-。-;
    犬の繋がりは、記憶へと…
    やっぱり巧いね!この作家さん
    あとがきを見れば、大学卒業して一年目に書いてるって〜。え〜(*´Д`*)何この才能!
    ただ、妖怪の仕業?って言うのは…!?(・_・;
    ダークファンタジーと言えば、納得ですが…
    色んな世界観に通ずる作家さんだから、どの方向にも向かえるんでしょうね。
    『GOTH』の下巻のあとがきに続くという
    乙一さん本人のあとがきも楽しみにしつつ…
    とにかく、この作品も正直、面白かったです‼︎
    下巻へGO”TH”(僕の章)も楽しみ(≧∀≦)

    • 松子さん
      あぁ〜、揺れてるかぁ  
      つっ、つらいね(>_<)

      フェリーにバイキングがあるなんて豪華だけど
      苦しそうだよっ
      本はちょっとお休みだっ
      う...
      あぁ〜、揺れてるかぁ  
      つっ、つらいね(>_<)

      フェリーにバイキングがあるなんて豪華だけど
      苦しそうだよっ
      本はちょっとお休みだっ
      うぅ〜、耐えて〜
      もう、そんな時は寝ちゃうのが1番☆
      酔っ払いさん、静かにぃー!
      2022/08/14
    • hiromida2さん
      まっちゃんVSどんちゃんの掛け合いコメント笑える〜(*゚▽゚*)
      旅行キャンセルにまで至る親娘喧嘩とは⁈∑(゚Д゚)
      特殊能力はその素直さだ...
      まっちゃんVSどんちゃんの掛け合いコメント笑える〜(*゚▽゚*)
      旅行キャンセルにまで至る親娘喧嘩とは⁈∑(゚Д゚)
      特殊能力はその素直さだよ(。◠‿◠。)♡
      笑ってる場合じゃない!連休返上でTOEIC
      勉強だ٩( ᐛ )و
      楽しみにしてたフェリーの映画残念(;o;)
      元取る為のバイキングで食べ過ぎ〜
      満腹と揺れで気持ち悪くなる始末ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄
      あるあるの情景にグフフつ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
      楽しませてもらいました(*^^*)
      素敵なお盆休みを…☆彡
      2022/08/15
    • 松子さん
      ひろみ、おつおつ(^^)
      連休返上でTOEIC勉強……あと、3冊!
      あと3冊読んだら、また勉強がんばるぅー!
      励ましありがとっ♡
      ひろみ、おつおつ(^^)
      連休返上でTOEIC勉強……あと、3冊!
      あと3冊読んだら、また勉強がんばるぅー!
      励ましありがとっ♡
      2022/08/15
  • 連作3話のミステリー短編。
    主人公2人の無感情かつ無機質なキャラが本作の魅力を高めている。伏線回収、叙述トリックも秀逸。

  • 面白かったけど星3個なのは
    とにかく怖かったから!
    ひぇー‼︎って言いながら読んだ!

  • 「ZOO1」が好みだったので、乙一さんといえばコレ!という情報を得て手にとりました。

    なんとも記憶に強く残ってしまう話が多いですね、乙一さんは。

    「犬」は忘れられないでしょう。

    僕の章へいってきます。

  • 乙一さんが20代前半で書いた小説。
    映画化されました(観ていないのに知ったかぶりです)

    GOTH の1冊目。夜の章には3つの話が入っています。

    「暗黒系」に衝撃を受けて、「犬」でさらに大きな衝撃を受けました。
    「記憶」は怖いけれど、もの悲しい。

    さすがです。
    続けてGOTH 僕の章を読んでいきます。

  • 3つの連作ミステリが入った本作。
    どれも伏線がきいていて、
    読みながら解けずに悔しい思いでした。

    特に「犬」は衝撃でしたね!

    GOTH...
    良い意味で、イメージとは少し違う内容で
    楽しめた作品です。

  • 感情や背景なんかは書かれず、最小限の事実と語り手の思いで進む。本編がダークなのに、あとがきはあっけらかんとしてその対比が楽しかった。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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