GOTH 僕の章 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 9918
レビュー : 810
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044253059

作品紹介・あらすじ

この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ-そう自覚する少年、「僕」。殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせる「GOTH」の本性を隠し、教室に潜んでいた「僕」だったが、あるとき級友の森野夜に見抜かれる。「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」という言葉で。人形のような夜の貌と傷跡の刻まれた手首が「僕」の中の何かを呼び覚ます。彼女の秘密に忍び寄った彼が目撃するのは…。圧倒的存在感を放ちつつ如何なるジャンルにも着地しない乙一の、跳躍点というべき一作。「僕」に焦点した三篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。
    あっという間。
    土は怖すぎる。
    読んでいるうちに
    どんでん返しがあるってこっちも分かってたから
    最後の話はわかった!て読み進めていたら
    また騙された。この展開読める人いるの!?笑
    追いつかず二度読み直してしまいました。
    内容は重いものを取り扱ってるから分かれると思うが
    どんでん返しは誰が読んでもすごいと思う。

  • 最終話「声」。馬鹿なので一読しただけではわからず何度も読み直してしまったw

    最後は、神山樹と森野は永遠に袂を分かつというか、冒頭の殺す側と殺される側に分かれてしまったことを、森野が自覚する、というのが個人的な解釈。

    一方「僕」はずいぶん早いうちから、森野と自分は違う人間だと知っていた。
    最後の「言われなくても知っている」という台詞はそこから来てる。
    もしかしたら出会った当初は同じ人だと思ってたかもしれないけど、森野よりも早く、自分は森野の側(正常)には行けないことを自覚してたと思う。

    どこで自覚したかというと上巻の「記憶」。
    「僕」は「記憶」という話で、森野がロープを切って姉を殺したと推理した。
    しかし実際はロープは自然に切れただけで、森野は姉を助けようとしている。結果的に死なせたけど、そのことで傷ついている。
    ここで「ああ、森野はあっちだ」と気付いたんじゃないかと。
    それがあってのこの最終話。本当に良かったです。

    上巻からずっと、森野と「僕」の間にある危うさを感じてて、上巻では、その危うさは、森野の死体を観たいという感覚から来ているだけかと思ってました。
    でも、下巻では「僕」と森野の間に漂う危うさは、殺す側とターゲットのそれだと思いました。
    「リストカット事件」では、「僕」は森野の「手首の傷が美しいから傷つけない」と言う。
    最終話では、森野を殺すなら自分しかいない、みたいな感情と、その森野が生きていることへの美しさとの境目に「僕」がいる。
    今は殺さないし、永遠に殺さないかもしれないけど、その日が来るかもしれないみたいな、そんな不安がある一方、
    逆に考えると森野を殺そうとする人からはどんな手を使っても守るというような絶対的な心情も垣間見える。
    森野を守りたいのに殺したいというアンバランスさが、「僕」の唯一人間臭い部分と言うか。
    森野の生き死ににこだわるというこの「執着」は上巻には無かったような気が。
    この「執着心」書かれたので、下巻は「僕」を掘り下げている感じがするんじゃないかと思った。

  • 3篇ともサラッと残酷で…良かった?笑 それにしても「僕」って…もう一回読み直したくなりました。

  • リストカット事件。
    タイトルからしてセンセーショナルだ。
    (作られたストーリーならって話ね(笑))

    GOTHっていう大項目の中の中項目のリストカット事件。とても秀逸なタイトル。

    3編の全てが、とても面白かった。
    土も声も、とても印象的でした。

    ミステリーを好きになるきっかけと言っても
    過言ではないかも!

  • 「GOTH 僕の章」
    異常者達。


    人間には殺す人間と殺される人間がいる、僕は前者だ。人の心の暗い側面に魅かれる者の一人である僕は、森野との出会いを始めとして、様々な殺す側の人間と心を交わす。はっきりと異常者であり、GOTHである。GOTHは、好奇心や快楽、興奮を味わうため躊躇なく殺人を繰り返す。このある種の純粋さは、罪の意識が無いことをアピールするかのようでタチが悪い。


    ただ、異常者達のストーリーだからといって、残酷さばかりが目立つ訳ではない。僕はGOTHながら一般人の感覚もあり、普通に学生生活を送っている。一瞬普通の人間かと思わせるが、直ぐにGOTHが垣間見える。グロテスクだけではなく、本性が見えない怖さがある。


    森野に関しては、勝手にGOTH一派かと思いきや、ちょっと違うようで、それに驚いた。特殊な感覚により巻き込まれてしまう所があるのか、僕が利用しているのか。


    どちらにせよ僕は怖い。僕の欲は尽きることはなく、人を殺める側に立ち続けていく訳だ。ほんと怖い。

  • 短編集。
    叙述トリックが得意な作家は他にもいるけれど、乙一さん独特の世界観と相俟ってその効果は倍増しているように感じた。
    「騙されたっ!!」と気づいたときは悔しいけれど、「こうきたかっ!!」という楽しさの方が勝っている。
    短篇にもかかわらず妙に心に残る。
    そんな物語が収められている「夜の章」と「僕の章」。
    特に「土」が印象に深く残った。
    合わない人には徹底的に合わない作家なのかもしれない。
    それでも、読まずにいるよりは試しに1回は読んでほしいなぁと思う作家のひとりだ。
    もっとも時代小説などを普段読んでいる年配の人たちにはきっと無理だろうなぁとは思うけれど。
    あとがきもぜひ読んでほしい。
    乙一さんの作品が好きな人はきっと楽しめるはずだ。

  • 終始、孤独がつきまとう感じ。「声」が一番印象に残ったかも。

  • わー。まじかー!みたいな展開。
    こういうのが好きなんだな、ってわかるよね。笑
    先へ先へ、どんどん進みたくなる。
    展開に驚かされるだけではなく、描写もすごくきれい。
    乙一さんはすごい、と言わざるを得ない。

  • ミステリーはあまり詳しくないが、この作品は所謂叙述トリックに入るのかな?
    ところどころ会話の流れとかで無理なところはあるけれど、それでも全体的に見ればさほど違和感なく読み進めることができた。

    「夜の章」よりも犯人側に寄ってる作品。どれも犯人視点で話が進む。
    好きなのは「土」。この短編だけ犯人がとても人間らしいというか、犯人の心情が細かく描写されているので異色。他は単純な妖怪モノとして楽しめたが、これはともすれば純文学的な楽しみ方もできるかも。ラスト付近で犯人が土を掘り返す場面は秀逸。
    ラノベ×エンタメ(ミステリ)×純文学、ジャンルの垣根を越えた多角的な小説の面白さが詰め込まれた作品。

  • 暗い、グロい、暗い。
    乙一ワールドが炸裂している。取り返しのつかない物語であり、またそれ故に何処までも純粋で、真っ直ぐで、無垢である。
    これぞ乙一。もう一冊と合わせてどうぞ。

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著者プロフィール

おついち
1996年、17歳でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を『夏と花火と私の死体』で受賞し作家デビュー。2003年『GOTH』で本格ミステリ大賞を受賞。叙情豊かな描写と斬新な語り口で時代を代表する若手ミステリ作家となる。著書は『暗黒童話』『暗いところで待ち合わせ』『ZOO』『箱庭図書館』人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』のノベライズ『The Book』など多数。マンガ・絵本の原作、映画・舞台の脚本執筆、別ペンネームでの活動(?)など、縦横無尽な創作活動を続ける。

「2016年 『銃とチョコレート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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