- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044253059
感想・レビュー・書評
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米澤穂信先生のイチゴタルト事件をどす黒く暗くしたイメージ。少しだけ無理矢理なところはあるものの最後に驚かせる仕掛けがあるのは評価できる。
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前作に引き続き不穏な空気が漂ったまま話が進み、すっきりとしない結末になるのでは、、と心配しながら読みましたがこの本はあくまで「ミステリ」だと言うことを忘れてはなりませんでした。
面白かったです。 -
利己的な一人称により進む物語。
続編。
語りで描かれる自分を認め他者を虐げることが当たり前だと伺える文章が、この小説の根幹なような気がする。
特に好きなものは土。土に人を埋葬することに囚われ男の、焦燥と怯えがどちらも妄想を起点に持ち上がるもので。
それが夏の日の影の濃さと朝顔とにうまくはまり気持ち悪いノスタルジーを想像させる。 -
なぜか自宅に『僕の章』だけがあった(読了していた)ため、『夜の章』もあわせて、2冊とも通読。
残虐な事件に興味を持つ「僕」と「森野」(女子生徒)が身近な殺人事件に巻き込まれる、あるいは好んで関わる短編集。
ホラーのイメージが強かったのだけど、僕と森野の各キャラとコンビがユニークで、作者ご本人もあとがきでおっしゃっているように、ライトノベル色が強く、さらっと読みやすく楽しめて、後味は軽め(ただしグロいのが苦手な人は注意かも? そこまでではないけど……)。
また、「ゴス」(ゴシック。ゴスロリのゴス)を意識されているだけあって、視覚的にも美しい文章が並び、読み返しても飽きません。
本格ミステリ大賞を受賞しているだけあって、謎解きの面白さや叙述トリックも楽しませてもらいました。
強烈に心を揺さぶられ余韻が何日も続く、という類ではないものの、エンタメとしての完成度はかなり高く、作者が「こういうものを読ませたい」と意図したとおりの出来になっている……のではないかと読者の私は思いました。サスペンスやミステリーを読みたい、と言われたらおすすめしたいです。
六編の中では、土に埋める話がヴィジュアル的にきれいで好きです。
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こちらは後編。こちらも面白かった!連作短編三作品
【リストカット事件】
連続手首切断事件が起こっていている中……僕と森野夜も、それに関わっていくお話。
最後の文章も、ぐっときて、好みの終わりかた。
【土】
人を生きたまま閉じ込めて、地面に埋めたいという男が起こす事件に、僕と夜が、関わっていく……。
これも恐いけど……面白いと思った
【声】
郊外にある病院の廃墟で若い女性が惨殺される。その被害者の妹は、知らない学生服の男から音声テープを渡されるところから始まるお話。
これは訳わからない、ややこしさにやられて、ちょっと難しかったな。
でもそれぞれの人の心情は、伝わってきて惹き込まれてしまう凄さを感じた…
ダークなものも受け入れられるようになってこの作品も楽しめました。
読み終わってのお楽しみのひとつ。乙一さんのあとがきも好きです~
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怖かった。主人公の少年の心が怖すぎる。