失はれる物語 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.75
  • (1382)
  • (1596)
  • (2409)
  • (124)
  • (31)
本棚登録 : 12797
レビュー : 1281
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044253066

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 乙一の短編集

    Calling you
    ★★★☆☆
    時間軸の違う相手へ電話できるという能力を持った女の子が主人公。
    よくまとまっているのだが、過去を変えたときの現実の振る舞いかどうなるかというSFなら最初にやっておくべき定義がなく混乱した。
    またプロットが甘いため、いくつも無難に危機を回避できる方法があったはずなのに感動を作りだすためにわざわざリスクのある方法をとる人物たち、という見方ができてしまって興醒めしてしまった。

    失はれる物語
    ★★★★☆
    交通事故で視覚を含む体の自由を奪われ、右腕の肘から先の痛覚しかなくなった男の話。
    全編を通してそら寒い恐怖感が支配する。


    ★★★★☆
    手を触れるだけで他人の外傷を自分に移すことができる少年とその親友の物語。
    キリスト教の教えに「愛とは許すこと」とあるが、それがこのお話のテーマになっている。

  • はじめての乙一。確かこれは、中一の春に読んだ。まだ文庫本が出てないときで、ハードカバーを買った。持っている乙一の、唯一のハードカバーだったりする。読んだときの感想は、「このひとやばい!」だった。大好きな本屋さんでこれを見つけて読んだ時は、運命だと思った。おもいっきり表紙に惹かれて買ったんだけども。もう、それから乙一の虜で。あの不思議な文章…、やっぱりこのひとやばい。

  • しまった。面白い・・・。表題のとおり、なにかを失う(っている)物語の切ない短編集なんだけど、感覚的に受け入れてしまう。

  • 短編集です。表題の失はれる物語が悪い意味で
    心に残ってます。こんな現実ってあるのかな
    こんな辛いことって……
    自分のことじゃないのに自分の身にふりかかった
    ことのように思えてぶるぶるした。

  •  初めてまともに読んだ乙一さんの作品がこれだったのはちょっと失敗だったかなあ……と反省したくなってしまう本。
     乙一と言われて期待するようなものものしさはなく、それでもやっぱり「人と関わることが苦手」な人が主人公で。
     多分、この描写の生々しさは、乙一さん自信がそうなんじゃないかなって思ってしまいました。
     ここまでこういう主人公の共通点が続くとね。
     ただ、最後のページの初出見ると、結構いろいろな雑誌に書いていたのが最後にまとまってこの形になったのだから、乙一さんとしては無意識だったのかもしれない。こんなに主人公の形が似通ってしまうのは。

     でもやっぱり、作者さんの傾向ってあるよね。
     そして、この人は誰も「裁かない」人なんだなって思いました。
     例えその人が真犯人でも、あっさり逃げることを許しちゃうんだ。
     まあ、逃げたからって何になることもないし、真相が闇の中だからって、乙一さんが書く物語では、誰も楽にならなかったんですけど、やっぱりなんていうか。優しいんだろうな……っていうのが一番の感想かな。

     まあ、それで作者と読者が納得するなら、それが一番いいと思おう。

  • 頭の中で作り出した携帯電話で、北海道に住む男の子と電話をする「Calling You」。

    事故のせいで右腕の肘から先だけの感覚しかない男性の物語「失はれる物語」。

    父親からの暴力のせいで自身も暴力的になってしまう少年と、
    他人の傷に触れただけでその傷を自分の体に引き受ける不思議な能力を持つ少年・アサトとの交流を描いた「傷」。

    自分のデザインした時計を売り出したくて泥棒をしようとする男は、
    部屋に空けた穴から壁越しにいる女性の腕をつかんで会話することになってしまう「手を握る泥棒の話」。

    周囲との交流を拒む青年が引っ越した先で感じたのは、
    先日殺されてしまった前の住人・雪村の霊的な雰囲気だった「しあわせは子猫のかたち」。

    ボクと賢いパンツくんの不思議な交流を描いた「ボクの賢いパンツくん」。

    鈴木恭介は、電車に轢かれた亡くなった鳴海マリアの指を拾ったことから、彼女を殺した犯人を見つける「マリアの指」。

    彼女がいると周囲に嘘をついていたのは自分だけではなく池田君もだったと知り、それから2人で協力してお互いの嘘をカバーしあう「ウソカノ」。



    数年前に初めて読んだ時に受けた衝撃のおかげで内容をほとんど覚えていました。

    読み終わって、どの話も誰かを、何かを失う話だなと思いました。

  • 短編でここまで引き込ませるのはさすがだと思いました。
    表題作の「失はれる物語」は本当に切なさというか苦しさがしばらく尾を引きますが一番好きでした。「傷」は映画KIDSの原作です。
    色んな物を失って、それでも前を向くお話ばかりです。乙一さん、さすがだなーと思いました。
    乙一さんの作品をもっと読みたいと思います。

  • 1calling you
    2失はれる物語
    3傷
    4手を握る泥棒の物語
    5しあわせは子猫のかたち
    6ボクの賢いパンツくん
    7マリアの指
    8ウソカノ

    相変わらずあざとい。
    悲しいものがたりにもっていって切なくさせようとしているのがすごくわかるのだけど、やっぱり悲しいし切ない。
    お気に入りは4と5と7。
    伏線の張り方というかどんでん返しの方法がだんだんとわかってきてしまうのだけど楽しく読めた。
    そしてキャラクターそれぞれに自分を見つけてしまう。

  • 喪失の物語達。人は失くしてからじゃないとその大切さに気が付かない。

  • 綺麗な乙一の短編集
    どれも面白かった
    一番好きなのは「しあわせは子猫のかたち」

全1281件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

乙一(おついち)
1978年福岡県生まれ。山白朝子(やましろ あさこ)、中田永一(なかた えいいち)の別名義で執筆する小説や、安達寛高(あだち ひろたか)という本名名義で脚本を記すこともある。
1996年に『夏と花火と私の死体』で、第6回集英社ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞してデビュー。
2003年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞受賞。2012年、『くちびるに歌を』(中田永一名義)で第61回小学館児童出版文化賞。
代表作として、映画化もされた本屋大賞ノミネート作『くちびるに歌を』のほか、『暗いところで待ち合わせ』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれる物語』などがある。作品の多くが漫画化、映画化された。

失はれる物語 (角川文庫)のその他の作品

乙一の作品

ツイートする