戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)

著者 :
制作 : CHOCO 
  • 角川書店
3.73
  • (16)
  • (27)
  • (26)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 176
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044267018

作品紹介・あらすじ

青く深く広がる空に、輝く白い雲。波打つ緑の草原。大地に突き立つ幾多の廃宇宙戦艦。-千年におよぶ星間戦争のさなか、敵が必死になって守る謎の惑星に、ひとり降下したヴァロアは、そこで、敵のロボット兵ガダルバと少女マリアに出会った。いつしか調査に倦み、二人と暮らす牧歌的な生活に慣れた頃、彼はその星と少女に秘められた恐ろしい真実に気づいた!新鋭が描く胸打つSFロマン。第6回スニーカー大賞金賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 厚みのある本ではないが、内容は申し分なかった。
    少女と兵士と言う、SFでは特別ではない設定ではあるが、背景が良く練られている。
    心に"ずん"と響きました。

  • 初読はまだ学生の頃
    あの頃はただただ衝撃を受けていたという覚えがありますが、いま読み直してみるといろいろと考えてしまいます
    お風呂とそこから続く不安な雰囲気が印象に残っています

  • 何もない大地、青い空、突き刺ささる巨大戦艦、白いワンピースの少女と付き従うロボット……いきなり、こういうイメージをまず出してきた時点でかなり勝利であると言える。

    少女がたった一人の場合高熱を出したらどうなるのかとか、戦争そのものが世界を維持するための「流動」にすぎないんじゃないか、とかいろいろ思うことはある。

    作者の処女作にしては非常にレベルが高い。

  • ライトノベルである。それ故に読み口は軽いがテーマは面白い。
    かなりの遠未来、銀河同盟と人類連合がいつ終わるとも判らない消耗戦を続けている(スターウォーズが銀貨英雄伝説かという舞台立てですな(^^ゞ
    人類連合の戦略拠点上にある「楽園」と呼ばれる惑星が舞台。四季折々にいろんな花が咲き実を付ける惑星だが、動物は住人であるマリアと人類連合軍の制御官ガダルバしかいない。人類連合が必死で防御するこの星の秘密を探るべく星に降りてきた銀河連盟の降下兵のヴァロワ。登場人物はこの3人のみ。
    いったいこの惑星にどのような秘密が隠されているのか。
    3人の日々が淡々と進み、最後は切なくなる物語。
    デビュー作ということもあり、文章も甘いし設定も如何なものかと言うところもあるものの、バックグランドとなるディテールにもしっかりこだわった作品になっています。
    お勧めの一冊。

  • 視点の切り替えがちょっとばかりつぎはぎだが、よいデビュー作だ。

  • 1,000年続く星間戦争に宇宙戦艦に機械化兵と、広大で確かなSF設定を背景にして、メインストーリーはとてもセンチメンタルに進んでいく。ヴァロアが段々と“誤差”に振り回され始める流れがいい。SFの枠には収まらない、しっとりしたラノベだった。

  • 主語がコロコロ変わったりと若干読みづらさを感じたものの、出会いと別れまでの話の展開もよく、まさにライトノベルと呼べる作品でした。

  • 楽園に落ちた二人の機械化兵士と少女の物語。
    SF要素はあくまでバックボーン的な扱いに回しつつ、遠未来の高度システムに取り込まれた兵士達の、漂白された人間性の再獲得に語りの焦点が合わされる。
    限りなくピュアに設えられた楽園世界の中、三人の登場人物達の逡巡する内面が感傷たっぷりに描かれている。

  • 日本SF短編の中で読後感に印象が深かった「地には豊穣」の作家のデビュー作を探して読む。デビューはライトノベルであるが近年は普通のSFを志向しているとのこと。たしかにその素養があるしデビュー作でも見受けられる。

    スニーカー大賞の金賞をとっている。ライトノベル。200pもない。
    登場人物は、三人のみのシンプルな話。楽園と言われる星の生活と秘密
    。機械に限りなく近い二人の思いはちょっとピュアすぎるかなと感じるがまあ、ご愛嬌。
    とてつもなく甘い話なのだが、人間認識についてのテーマがのぞけている。このテーマは「地には豊穣」にも通じているSF足りうる重要なテーマだ。
    そこらへんの意図が平凡なライトノベルとは異なる。ちょっと頭に描きづらい箇所があるがこれはデビュー作だからしかたないか。

  • 鮮やかに冴え渡った青空は、懐古のうちにおいてもっとも輝く。いつか夢見たあの世界は、今に投影して生きることを阻む。青臭い感情ともに今を正直に生きるとき、爽やかな春風のように時は過ぎるのかもしれない。
    夢見ていながら過ごすことのできなかった青春を、今を生きる少年に仮託して、追体験する物語は数多くあれど、それは今をむなしくすることでもある。それでもかまわない、それ独特の甘美な時間もあるけれど、今に取り込んで涼やかな風を感じる豊かさが、この小説にはある気がする。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

「戦略拠点32098 楽園」にて第6回スニーカー大賞金賞を受賞。同レーベルにて「円環少女」シリーズ(角川書店)を刊行。「あなたのための物語」(早川書房)が第30回日本SF大賞と第41回星雲賞に、「allo,toi,toi」が第42回星雲賞短編部門にそれぞれノミネートされた。

「2018年 『BEATLESS 上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)のその他の作品

長谷敏司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印

戦略拠点32098 楽園 (角川スニーカー文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする