- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044271015
作品紹介・あらすじ
何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。
第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作
2012年4月より、京都アニメーション制作でTVアニメ放映予定!
感想・レビュー・書評
-
『満願』に引き続き、米澤穂信さんのデビュー作を読んでみました。
『満願』が成熟した大人の物語だとしたら、今作は米澤穂信さんの若き日を覗いているような感じがして、ちょっとこそばゆくなってしまいました。
高校生になりたての男女四人。進学校というだけあって、四人の会話はなんだか大人びていて、時に理屈っぽかったりする。
特に主人公の折木は自他共に認める省エネタイプで、何かに夢中になったりハメを外したりすることはない。そんな折木が古典部の四人と行動を共にし、同じ謎に向き合い頼られていく中で少しずつ、何かに熱くなるのもなかなか悪くないぞと思っていくところがいいですねー。青春って悪くないかも‥‥って思うところが青春!
推理というよりは謎解き。ティーンエイジャーは絶対好きなお話だと思います。アニメ化されるのも納得。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文化系部活動が活発な高校で「古典部」という廃部寸前の部活に入部した男女4人が、過去の古典部に隠された謎を解き明かす青春ミステリー。
今回、短作品で面白そうなものをと、積読棚を捜索中に、たまたま目があったので手に取った。
著者の作品はボトルネック以降2作品目。
前作はストーリーの秀逸さに好印象だった。
高校生が主役の青春ミステリ…
果たして、おじさんにも楽しめるだろうか。
7割不安で読書開始。
結果全集中で一気読み読了。
いやはや、まず読み応えある文体に満足。
本作だが、物語の内容は特段面白いわけではなかった。
兎角、主人公の語彙力が豊富が故、文章が巧みで秀逸。
高校生が過去の古典部の資料を集め、検証し、仮説を立て、推論していく過程が実に面白かったのだ。
高校生に古風キャラを充てがったのはミスキャストなのか、はたまた意図的なのか。私は後者に1票。
そして最終章で、古典部の文集『氷菓』のタイトルに秘められた真実が判明した時はアッパレだった。
本作は著者が23歳頃に書かれたデビュー作というのだから、地頭の良さを感じる。
早速、続編も読んでみようと思う。-
2021/12/24
-
魚雷屋の読書録さん、こんばんは。
コメントいただきありがとうございます。
本作に続き、クドリャフカの順番、愚者のエンドロールまでは読んだので...魚雷屋の読書録さん、こんばんは。
コメントいただきありがとうございます。
本作に続き、クドリャフカの順番、愚者のエンドロールまでは読んだのですが、卒業まで描かれてるのですね。私にとって米澤穂信ワールドは独特なので、作品の良し悪しがハッキリ分かれるのですが、本シリーズは受け入れられました^ ^2021/12/24
-
-
米澤穂信さんのデビュー作。
“古典部”という人気シリーズになっており、ずっと読んでみたかった作品です。
高校生が活躍する青春ミステリー。
主人公たちは、廃部寸前の“古典部”に入部し、その仲間達と日常に起こる小さなミステリーを解決していく。
これがまたテンポよく描かれていて良い。
ライトな文体だけど美しく、ちょっと難しい言葉選び。読んでいて気持ちが良い。
登場人物たちは、名前がちょっと変わっているけど、キャラは分かりやすくて、魅力的。
そして高校生のわりに語彙力が高く、どこか古風な雰囲気。
これもまた“古典部”らしくて良いのです。
この作品の一番大きな謎解きは、「氷菓」という題名の文集に秘められた真実を突き止めること。
「氷菓」の意味を知った主人公たちは、大切なことをしっかりと受け止め、成長していくのでしょう。-
あおいさん。こんにちは~^^
米澤穂信さんも好きな作家さんです。
けっこう黒くてトリッキーな作品も書く人ですが、古典部シリーズは安...あおいさん。こんにちは~^^
米澤穂信さんも好きな作家さんです。
けっこう黒くてトリッキーな作品も書く人ですが、古典部シリーズは安心して読めますよね。
「やらずにすむことならやらない。やらなければならないことなら……」
という、ちょっとものぐさで賢いキャラもいいですね。2022/06/26 -
土瓶さん、こんばんは^_^
米澤穂信さんも作品が沢山あって、どれから読もうか迷います。
私は「満願」に続き、これが2作目。
直木賞の「...土瓶さん、こんばんは^_^
米澤穂信さんも作品が沢山あって、どれから読もうか迷います。
私は「満願」に続き、これが2作目。
直木賞の「黒牢城」は、難しそうな感じがして、二の足を踏んでます(^.^;
この「氷菓」は、結構好み♪
シリーズ続編も少しずつ読んでいきたいと思います。
ホント、省エネ少年・奉太郎は好キャラ♪2022/06/26
-
-
高校に入学した折木奉太郎は、海外にいる姉からの手紙がきっかけで廃部寸前の〈古典部〉に入部する。
特にやりたいことのない『省エネ』少年奉太郎と、好奇心旺盛なお嬢様千反田える、悪ふざけの好きな福部里志の三人で、伝統ある〈古典部〉が復活し、学校での小さな謎を解決していく青春ミステリ。
謎が解決されたあとには、高校生らしい爽やかさが残って、なんとも微笑ましい。
米澤穂信さんのデビュー作ということで読んでみたが、とても好印象だった。
〈古典部〉の実態や、『氷菓』というタイトルの文集が何を意味するのか、とても興味深く、登場するキャラクターも面白く描かれていて、あっという間に読み終えてしまった。
自分の通った高校のことをふと思い出したりして、懐かしい気持ちになれたし、高校の部活や行事にも長い歴史があるのだということに改めて気づかされた。
続編もあるようなので、ぜひ読んでみようと思う。 -
米澤氏のデビュー作とのこと。
学園物であり学生向けでもあるのか4人の生徒のキャラがしっかりと伝わってくる。真面目で応用力のない秀才の千反田女史と積極性が無く受け身の主人公「ほうたろう」。次々と出てくる謎をやる気も無くほうたろうが解決して行く。
最後の謎の表題の「氷菓」の意味を辞書で調べたが・・。自分の理解で良かったのだろうか? -
それぞれがつながり、キャラも明確。→愚者のエンドロールへ
-
気品あふれる文体で書かれるライト文芸×ミステリーの傑作! 青春、真っただ中の古典部シリーズ第一弾。
古典部に入部した高校生たちが、日常の小さな謎を解き明かす、爽やか青春ミステリー。
まず、米澤さんの本は読んでて癒されます。美しく気品ある日本語で書かれる文章は芸術性が高く、読んでいると脳みそがほぐされていく感じがします。
ファンタジー、時代小説、社会派、ラノベどんな種類の文芸にも、ミステリーを組み込む名手ですね。ホント凄い。
ほんわか優しい物語で、それでいてミステリーファンを心をくすぐる謎がちりばめられており、楽しく読み進められます。メインの謎である氷菓の由来についても、耽美で物悲しく、静かな涙を誘うものになっています。ああ綺麗。
登場人物たちも個性豊かな面々で、今後の展開がとても楽しみ。個人的には姉と主人公の関係性がどうなるか凄く気になります。古典部シリーズの次の作品もぜひ読んでみたいと思いました。
優しい時間を過ごしたいときに読みたくなる素敵な作品、おすすめです。 -
青春あり日常の謎ありサクッと読めるけど
なんか少し昔にタイムスリップした感覚もある。 -
著者のデビュー作。
私がいつも読むようなミステリのジャンルでは無くて、いわゆる、日常の謎(コージー・ミステリ)で、人が死なないミステリで、非常にスッキリと
読めますし。登場人物のキャラも良くてすぐ読めました。直木賞を受賞した著者の瑞々しさが詰まった内容でした。
-
米澤穂信さんの本を読み出してて、古典部シリーズを読み出した。デビュー作ということで、そもそも2001年に刊行なのと、内容がそこから33年前の事件の真実を解き明かすというものだったので時代感は否めないが、ストーリーはおもしろく、続きが気になって一気読みだった。
このメンバーで続くのかなと思ったら、全7冊ともう完結してた。
ぼちぼち読み進めていこうと思う。 -
氷菓の意味がわかった時、男子高校生の悲しみ、怒り、悔しさなどの感情が一気に伝わりました。
なんか悲しくなってしまった。 -
2001年 224ページ
時間がかかり過ぎた読書の後は、短くてサラッと読めるものをと思い、積読本の中から選びました。米澤穂信さんは初読みです。
主人公は省エネタイプの、薔薇色の高校生活とは反対のような枯れたイメージの高校生、折木奉太郎。彼が、ちょっとした謎解きをするというライトミステリーと思いきや、後半、けっこう重たい内容なのです。
セリフの端々にヒントが隠されていましたが、最後まできてようやく『カンヤ祭』『氷菓』の謎がパッと思いついたのです。謎解き直前だったので「ヤッタゼ‼︎」と自己満に陥りました。
『氷菓』のところでは、頭の中で榊原郁恵さんが歌い出しました。
でも、物語がスッキリと終わっていないな、と思ったら古典部シリーズだということで、また機会があったら読もうと思います。
読書マラソンを始めようと思い、読んだページ数を記録することにしました。 -
何事にも積極的に関わろうとしない「省エネ」がモットーの高校一年生・折木奉太郎(おれきほうたろう)。彼は姉からの手紙をきっかけに古典部へと入部した。部員ゼロと聞いていた部室には、同じ新入生の千反田(ちたんだ)えるがいて──。
いつの間にか密室になった教室。毎週必ず貸し出される本。そして、古典部の文集『氷菓』という題名に秘められた33年前の真実。「わたし、気になります」という一言から、古典部の仲間たちはその謎へと挑むことになる。米澤穂信先生のデビュー作であり、古典部シリーズの一作目。刊行当時に読んで、アニメも視聴済み。ただ、かなり昔のことでほどよく展開を忘れていてほぼ初見状態で楽しく読めた。
現在は廃部寸前の古典部。そこに姉のアドバイス(圧力)で入部した奉太郎。かたや園児だった頃、伯父・関谷(せきたに)純が話してくれた古典部のことで涙を流した理由を調べに来た千反田える。正反対な目的の二人が出会ったことで、灰色の世界が動き出す!そこに福部里志、伊原(いばら)摩耶花という旧友も合流。「偉大な仕事は四人がいい──名曲を世に残したバンド達も四人組だ──」(ファブルの宇津帆)という言葉を思い出すほど、かけ合いや推理が心地良い。
連作短編とまではいかないまでも、彼らが出会う謎たちを解明しながらテンポよく進むのもいいよね。毎週必ず貸し出される本(読んだ形跡はない)は不可解で興味をそそられた。そして、『氷菓』にまつわる謎を調査し解明していく共同作業も面白い。レモンの爽やかさとライムのほろ苦さが香る、夏に読みたくなる青春ミステリ。 -
「わたし、気になります!」を連発して、
娘に「ママ、うるさい。。。っていうか、ウザイ!」と白い眼で見られる今日この頃。
アニメ化前になんとか読破しようと思っていたのに、イナカの図書館には置いてなくて
アニメ化の余波で、古書店ではあっという間に値上がりして、
ようやく読めた古典部シリーズ第一巻。
主人公 折木奉太郎の、イマドキの高校生にはあり得ないような、
古き良き時代の文士崩れの如き独白。。。素敵です♪
「高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活」
と、遥か時の彼方に去った私の高校時代でも口にできなかったような台詞を
冒頭で彼に呟かせる米澤穂信さんが、
このデビュー作を書いた時20代前半であることに驚きます。
学帽にマントを羽織っているほうがしっくりくるような
奉太郎と里志のインテリゲンチャ風会話に
オートロック、赤外線センサー、データベースなど
いかにも現代らしい単語が飛び交ったり、
里志ネーミングによる、大時代がかった「桁上がりの四名家」の一員であることが
出自などまるで関心なさそうな今現在の高校での事件の発端になったりと、
一見、パラレルワールド?と思えるような、その微妙なズレ感が素敵。
人生の指針が省エネという奉太郎、自らをデータベースと言い切る里志、
好奇心をエネルギーに生きる千反田さん、七色の毒舌を誇る摩耶花、と
ちょっと毛色の変わった生徒たちが集うのが
よりによって「古典部」というところも面白く、
学校ならではの些細な謎が、やがては学校の歴史に眠る
苦い真実に辿り着くあたりにも、米澤さんらしい緻密さが発揮されて
アニメで大筋がわかってしまっていても、やっぱり続きが。。。
わたし、気になります♪ -
姉の手紙に導かれるように、廃部寸前の古典部に入部した“省エネ”少年、奉太郎くん。そこで出会った千反田えるちゃんが、どうしても気になって仕方のない謎「いつのまにか密室になった教室」を解いたことを皮きりに、彼の日常が動き出します。それはまるで灰色の生活がほんの少しずつ薔薇色に色づいていくようです。
謎が謎を呼び、謎が仲間を呼び、そして古典部の文集『氷菓』という題名に秘められた真実へと辿り着きます。それは現代の高校生にとってはもう自分たちとはかけ離れた時代の色褪せた昔話のようなものなのかもしれません。でも、自分たちで謎を解き、その意味に触れた古典部の彼らには、この題名を記したひとりの高校生のメッセージをしっかりと受け取ることが出来ました。
その想いは、いつの時代にも高校生にとって引き継がれるべきものだと思うのです。 -
ほんとに身近な日常の謎。
なのでとんだもないカラクリとかいうのはなく、なーるほどー!とスッと入った感じ。
周りに巻き込まれて事件(というよりも謎)を解き明かすことになる主人公。
表紙からもっとおどろおどろしいホラーチックな話の展開になるのかと勝手にイメージしていたので、ちょっと拍子抜けしたりもしたな。
お姉さんに問いかけようとしたのはどんなことだったんだろう??
それと…あとがきのラストの事の真相も気になるよー。 -
Netflixには『氷菓』のアニメが無く、ずっと気になっていたところに、ちょうど「カドブン 夏推し 2023」のポップアップコーナーに本書があり、思わず購入しました。
割と薄い本ですが、持ち込まれるいくつかの「謎」で構成されているので、読んでいた感想としては、短編集を読んでいるような感じでした。
ジャンルとしてはミステリーではありますが、自分が挑戦したことの無い、「青春学園ミステリー」といった感じで、全く重く無く、スイスイ読めました。
古典部のメンバーたちが4人でディベートしている場面は、かなり話が込み入っており、私の理解力が追いつかない部分もありましたが、最後はいつも奉太郎が順を追って、わかりやすくまとめてくれるので、結果としては、毎話、すっきりと謎が解けました。
文章の中に奉太郎が拾ったヒントと全く同じものが書かれているので、普段読むミステリーとは違い、凡人脳な私でも、みんなと一緒に推理に参加することができ、読んでいて非常に楽しかったです。
〈古典部シリーズ〉は他にも何作かあるみたいなので、全冊読破を目指すとともに、1回でもいいので、自分で拾ったヒントから奉太郎と同じ結論に辿り着き、謎を解くことも目標にします! -
うーん、こうゆうのは苦手だな。
33年前のことがどうのとか気にならなかったし、主人公が、わずかな実証から解き明かしてゆくのって悦になってるとゆうか心の声聴こえてるし、イラッとしてしまうんです。想像つかないようなレベルなら別ですけど、小説だから都合よく合わせることだってできちゃう訳だし・・
むしろことごとく推理が外れている方が面白く見れるし応援したくなるんですけどっw
それよりも叔父さんが失踪した方が気になりましたし、姉が何処旅しているかの方が無茶気になりましたっw
そのうち謎の組織から変な注射打たれて小学生にされたるんじゃないかと心配になりました。 -
再読。遡って古典部シリーズを読んでいる。米澤さんのデビュー作がこれって‥驚き!こんなにも愛しい登場人物達とその空気感が既に出来上がってた。
-
日常ミステリでライトな読み口と適度な緩さが良かった。
短編集のように細かく話が分かれていて読みやすく、
謎の部分も大掛かりではないもののしっかりとロジカルに纏まっていてよかった。