- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044271022
作品紹介・あらすじ
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。
愚者のエンドロール (角川文庫)の感想・レビュー・書評
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古典部シリーズ2作目にして、早くもホータロー以外の古典部メンバー影が薄くない?
がっつり長編なのに。
1巻後の高1の夏休み。
2年F組の未完成ビデオ映画の結末を推理するという内容。
依頼してくる先輩も、推理を披露する先輩たちも個性が際立ってて、この高校どんだけ人材豊富なんでしょ。
人が死なない日常の謎系のミステリーが、古典的密室殺人仕立てになって、また違った味わいで楽しめました。
ミステリファンには分かるいろいろ小ネタがあったんだろうなぁ。
しかし、最終的な結末はちょっと後味悪いものでしたな。
入須先輩なー、計算高いが悪い人ではないんだろうけど。
奉太郎が翻弄されてちょっと強くなったかなぁって印象です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずという。また、天はニ物を与えず、とも。
これらの警句が妥当だとするなら、天の綱紀は粛正されねばならないだろう。
とシニカルな独白で登場し、天才の活躍を羨んだり、自分にも何か才能が・・・
などと思うのは虚しいと、冒頭で言い切る奉太郎が
その信念を「女帝」入須冬実にいいように揺り動かされた挙句に味わうほろ苦さ!
まさに米澤穂信ワールドです。
「データベースは結論を出せないんだ」と、密かに淡い絶望を抱えつつ
才能を持ちながら省エネを貫く奉太郎を複雑な思いで見守る里志と
里志の知識の広範さを誰よりも理解し、彼の自己評価の低さに首を捻る奉太郎の
なにげない会話の中に、才能の浪費や無自覚、人それぞれの器など
作品のテーマに繋がるエッセンスを散りばめる、熟練の筆致。
「女帝」入須に奉太郎が抱いた第一印象が、
マリー・アントワネットをはじめとして娘たちを次々に敵国に花嫁として送り込んで
冷徹なまでに自国を守った「テレジア」であったことの
あまりに正鵠を射た運命の皮肉(?!)に、
思わず奉太郎をよしよししてあげたくなってしまう。。。
そして、奉太郎には「力」、里志には「魔術師」、
千反田さんには「愚者」、摩耶花には「正義」のタロットカードを配し
古典部にはなんの関係もない上級生の映画に纏わる謎で
4人の輪郭をくっきりと浮かび上がらせてしまった
米澤穂信さんの筆の冴えに思わず唸ってしまう、古典部シリーズ第2弾。 -
古典部シリーズ第二弾!
ここで私の結構好きな入須先輩が出てきます。
ホータローの怒るとこ、珍しかったな(あれって怒ってた…よな)。
入須先輩の性格は育った環境のせいなのか、元からなのか、わたし、気になります!! -
古典部シリーズ2作目。
駆け出しが淡々としていて、かなり進まなかった。だけど、後半の推理は一気にスピード感が出る。全編通してのホータローの語り口は、2作目になるとなかなか心地よい。
結末は…あれでいいの!?ちょっともやっと。
今回の英語題「Why she doesn't ask Eba?」をどう解釈する?気になるんだよねぇ… -
著者のデビュー作でもある前作が、正直、文章にはそこそこ不満を持ちつつ、それを差し置いて空気感やキャラクターを気に入ったので続編である本作を読んでみましたが、本作の言葉、文章はしっくりと入ってきました。
この、言葉のテンポが合う感覚はなんだろう。単にこの作品が「読みやすい」ってだけの理由では恐らく無くて、感覚的に、文章のリズムがワシの読書ベースと結構しっかりはまった作品でした。
そして、ミステリーとしてのこの角度からの切り口は、ワシが余り知らない故かもしれませんが面白い。「古典部シリーズ」が人の死なないミステリーなのは周知ですが、こういう劇中劇の扱い方もあるんだなぁ、と感心します。先輩ミステリー作家へのオマージュ的な小ネタも嫌いじゃ無い(綾辻行人氏へのそれとか)。
ただ……と、逆接で言うことでも無いかもしれませんが、本作はより青春小説になってます。どちらかと言えば、青春小説の要素にミステリー的なものを織り交ぜたかのような、主題は高校生たちの成長物語なのかな、と感じます。無論、悪いことでは無いですが。
ミステリー側のカタルシスはまぁなんとなく推理っぽいものは出来たのですが、青春小説側のそれは(残りのページ量から何か来るだろうとは思ってましたが)ちょっと面白みがありました。そここそ本作が青春小説たる部分ですが、さておき、この「トリックを用いないカタルシス」の作り方は仕掛けてみたいものです。(広義では叙述トリックかもしれませんが)
と、全体的に不満の無い作品でしたが、とはいえ内容的にすごい感銘も受けなかったので、ワシのレビューで相対化すると★3ちょいくらい、そこに言葉のテンポが合ったので(極めて感覚的ですが)★4つ、といったところでしょうか。 -
氷菓よりもミステリー色が濃かったですね。千反田さんが大人しかった気もしますが。
ミステリーの続きを探偵役に作らせるのも面白かったです。映像に映されていない箇所での矛盾はあったけど、他の探偵役の説を覆すものでしたしね。
それにしても、九命題ねー。
あとお姉ちゃん……。
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