愚者のエンドロール (角川文庫)

著者 :
制作 : 高野 音彦  清水 厚 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.62
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本棚登録 : 8695
レビュー : 916
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044271022

感想・レビュー・書評

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  • 前作、「氷菓」のつづきの古典部シリーズ。

    好奇心旺盛な女の子が依頼人、省エネ主義の男の子が探偵役となって進む。
    文化祭に出展する自主製作映画の未完のラストを「解いて」ほしい、と頼まれて渋々引き受けるも、なんだかもやもやしたりするお話。

    「折木」といい「千反田」といい、あまりメジャーではない苗字が出張る小説だなあ、とぼんやり思う。
    読み進める最中、入須先輩に対して怒りと呼ぶべき気持ちが込み上げてきたのは、私個人が奉太郎というキャラクターに対して親しみを感じていたからなのだろう。
    いわゆる、感情移入をしてしまうくらいには彼や彼らのことが好きになっている。

    折木姉の報復に、思わず「よくやってくれた」と微笑んでしまうくらいには。

  • アニメとは順序が違う?気がしたり、表現がアニメではわかりやすく変更されてたり
    したのねー。
    チャットの部分は、アニメより小説で読んだほうがかなりわかりやすかった。
    特に折木共恵の画策とかは本当にわからないと。
    なんで古典部が召集されて、ホータローを矢面に立たされて利用されているのかがまったく
    理解できない。
    アニメ版ではきちんと語られている、校外の協力者が折木供恵。
    原作では、その記述がないので、最後の最後のエピローグの部分でそれが繋がるというふうに
    なっていて。
    原作のがいいかなー個人的には。
    理解しやすくは、なっていたけれど。

    内容部分のオブザーバーとなって合否判決をして入須先輩に乗せられて、映画を作る。
    そしてそれは本郷の真意ではないと古典部のほかのメンツから三者三様に指摘され
    結果真実にたどり着くホータロー。

    アニメの時にはわからなかったけどウィスキーボンボンがとんでもな伏線になっていたとは。
    千反田えるの一時的な脱落(二日酔い)によって千反田えるの動物的に鋭敏な好奇心と洞察力が
    なかったからこそ一度は失敗したのだと思う。あの時に千反田えるが居たら、おそらく
    失敗することなく本郷の真実にたどりつけていたんだろうなーと。
    そうなると映画はどうなったんだろうと。
    さらに言えば、福ちゃんや摩耶花までいなくなって一人になった事が問題。
    本郷の真実の脚本は、現場の暴走によって矛盾の有る作品になっていたから結果。
    折木供恵と入須冬美の二人にいいように使われて結果映画は矛盾のない物に軌道修正。

    折木供恵の存在に気がついていれば、入須冬美のしたことも多少柔らかくなる。

    そういえばホータローが入須を糾弾しに行った際に映画はまだ見てないと答えるけれど
    原作では本当に見ていなかったりする。
    アニメでは合同試写会?クラスの試写会にホータローが出向くけれど
    原作では、古典部の部室で執り行われ、ホータローはエンドロールの最中に部室に到着なので
    嘘はついていない。
    アニメ版は途中入室だから見てるとも見てないとも取れないけど。

    余談だけど
    エンドロール最後のエピローグで。千反田えるとホータローのチャットで。
    ほうたる「怪我のことは簡単だ。あの部屋はガラスが産卵していた」
    L「ふしぎなガラスですね」
    の遣り取りは面白かった。個人的に。

  • 古典部シリーズ二作目。
    今回の話は、文化祭に出展される尻切れとんぼの自主製作ミステリ映画の結末を推理する、というもの。
    何やら突拍子もない設定だな、と思っていたのですが、話の展開や結論への導き、最終的なオチまで含めて論理的で筋も通っており、とても面白かったです。
    奉太郎が導き出した結論を読んだ時は、そうか映像でも叙述トリック的なことが出来るのか…!と、驚くより先に感心してしまいました。
    そして映像なのに叙述トリックっておかしいよな、と思いつつ読み進めていたら、里志も「叙述トリック」という表現をしていたので安心した。笑
    オチが二段構えになっていたのは何となく気付いていたのですが、自分は二つ目のオチが先にわかってしまいました。
    普通は一つ目のオチは気が付いて、二つ目のオチに驚愕するものだと思うんだけれど、自分はそれが逆だった。
    そういう点からしても、上手く裏をかかれたというか、新鮮で面白かった。
    こういう、視野の外側に真実があるようなオチは大好きです。
    奉太郎が考えた映画のタイトルと、このお話自体のタイトルもすごく好き。
    筆致がライトで読みやすいので、ミステリは敬遠してしまうという方にもお勧め。
    気楽に良質なミステリを楽しめると思います。

    それから本作はミステリ映画の結末を推理するということで、古今東西様々なミステリ作品が引き合いに出されます。
    それらの作品を知っていればより楽しめるかも。
    個人的に、文字がかすれて途中までしか名前がわからない「中村青」という建築家が話題に出て来たのには思わずニヤニヤしてしまいました。

  • なんとなくそうかな?と思ってた結末で、米澤作品にしては少し意外性がなかったかも…

  • 神山高校文化祭に出展されるクラス展示の自主制作映画。
    それは廃屋の密室で生徒のひとりが腕を切り落とされ、死んでいる場面で撮影がストップしていた。
    脚本担当が病気のためリタイアしてしまったのだ。
    結末探しを依頼された古典部の4人は夏休み返上で関係者に話を聞いて回る。
    万人を納得させられる結末を見つけることができるのか。

    古典部シリーズ第二弾。3・2・1の順で読むことになりましたね。図書館だから仕方ないけど、文化祭に向けての盛り上がりを一緒に感じたかったです。
    これが「クドリャフカ~」ででていた「女帝事件」になるのですか。
    面白かったです~!「クドリャフカ~」よりもミステリ色強めだし。
    いきなり劇場の平面図なんてあったりして「お、館モノ?」な~んて思わせちゃったりして。
    ホームズものをまともに読んだことがないのでヒントはわかりませんでしたが、真相にはびっくりでした。
    奉太郎の結論に「なーんだ、どっかで見たようなネタじゃん」って思ってたらひっくり返されました。
    しかし奉太郎のお姉さんってほんと謎の人ですね。

    そしてまた小ネタに反応ですが、劇場の設計図に「中村青某」の名前が!
    まさかまさか、角島で死んだあの某風変わりな建築家!?ってことは過去にこの劇場でも殺人があったりなんかして。。。な~んて、いらない妄想爆発なのでした。

  • 古典部シリーズ2作目。
    巻末にもあるとおり、『毒チョコ』をモチーフとした長編。

    もちろん『毒チョコ』を知らずとも楽しめる。
    今作では青春ミステリには少ない主人公の「探偵としての自覚」が見えてシリーズ作としても楽しめる。

    主人公以外の登場人物の推理もカッチリとしたミステリのそれで、事件全体像を浮き彫りにする機能(手続き?)としても役立っている。

    話の構成が上手なんですよね。とても読みやすい。

    青春ミステリのシリーズものだと、登場人物の成長も見どころに一つになるから楽しい。
    古典部シリーズは薄っぺらい「キャラ」で収まらない登場人物だからこそ、なおさら。

  • 神山高校古典部の文集「氷菓」を文化祭に出品するにあたりデザイン会議。千反田えるがクラス展示の2年F組制作のビデオ映画試写会に誘う。古丘町の廃村、楢窪地区を取材しようと雨が降り出し雨宿りに入った廃劇場、各部屋を探索中1人が死亡、というところで映像が終わるー

    ◆鉱山あとの廃村なんて、いつも通り過ぎるだけだった日窒を想像してちょっと見てみたくなっちゃった。いいように踊らせられちゃったなぁホータロー…でも、優秀だと思うよ。いい仲間にも恵まれてるし。女帝はシタタカだったけど。優しい女性に御される獰猛なライオン

  •  面白かったが、この話でもやはりアニメの演出の上手さを改めて実感することとなった。古典部シリーズ通して、アニメから入った自分が一番期待しているのは、奉太郎の心情描写の補完だ。その意味で、彼の増長(というにはささやかだが)と挫折を描くこのエピソードは好きだし、大いに期待していた。
     けれど、小説で読むと、挫折と復活の間隔がやや短く感じられること、また「深刻なダメージを受けた」と描写されていても、態度からはそれほどそのダメージが伺えないように感じたことなどは、些か残念だった。この頃の自分は、かなり感情に着目して物語を追うようになっていると思う。そんな自分にとって、このエピソードでは、省エネ主義だった奉太郎が他人からの承認でやる気を出すという意外性と、そこに僅かなりとも誇りがあり、また認められた自分の技術を拠り所にするような描写が見受けられることが、非常に好みだった。小説の描写では、その振れ幅があまり大きくないように見えたのが、少し物足りなかった。だめとかじゃなくて、単にアニメの描写の方が好みだった、という話なんだけど。
     アニメ、小説を経て、愚者のエンドロールというタイトルの意味にはっきり思い当たることができたのは収穫だろうか。

  • 青春ミステリーと言った感じだった。
    正直、映画の行方とかには興味がなく、折木奉太郎や古典部の面々の会話や日常を楽しんだ。
    だが、ラストのチャットの「あ・た・し」の正体が分かった時はとてもスッキリした。

  • 当然ながら面白い
    でもね
    青春ミステリー読むとね
    「これ青春というか、ファンタジーだろ」
    って思うような青春しか見たことない
    いや、青春って何?

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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