愚者のエンドロール (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044271022

感想・レビュー・書評

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  • 『氷菓』の続編。

    前作を読まずに本作『愚者のエンドロール』を
    読みましたが、最初に各登場人物のキャラクター
    紹介が詳しくされていたので前作を知らなくても
    スムーズに話に入っていけました。

    記憶に新しいうちに『氷菓』を読んで、
    キー人物と本作との繋がりと垣間見える
    裏事情を確認したくなりました。

    自分はライトなミステリーの方が好みなので
    少し重いと感じましたが、本格ミステリが
    好みの方は各所に挟まれた言葉からもっと
    深く楽しめるかもしれません。

    ーーーー
    神山高校古典部へ持ち込まれた珍依頼。

    メンバーが4人が、それぞれの得意分野を
    活かして最善案を探っていく物語。

    個性的なメンバーが揃う中、生活信条が
    省エネルギーという効率主義の主人公は
    ドライというか、無気力気味というか
    熱量に欠ける男子校生。

    自分に特別な能力や技術はないと自覚して
    いながらも、誰かに認められて浮き足だって
    しまうところには人間味を感じます。

    でも独善的にはなれない点に、主人公の
    謙虚さや拭えない自信のなさもみえ隠れして
    それもまた人らしい。

    何とはなしに見える黒幕の影(少し大袈裟)から
    この先のストーリーがあるのか、またどこかで
    成長したメンバーに会えるかもしれない期待を
    匂わせてくれました。

  • 前作【氷菓】に引き続き読みやすい文体と緩い雰囲気が心地よい作品でした。
    個人的には前作よりも面白かった。
    物語の結末を制作サイドからメタ的に推理する、という設定も良かったし、
    最後の展開も忘れていた細かい伏線をしっかりと回収し、
    爽快感とまでは行かずとも、纏まりのあるいい読後感でした。
    きっと『女帝』は『女帝』なのでしょう。

    『そして誰もいなくなった』という文が少し違和感あるくらいに入っていたり、
    途中までしか読めなかった設計士の名前『中村青』とかのちょっとした遊び心も個人的に好きなところ。
    『毒入りチョコレート事件』を未読なので、
    それを読んで再度別の味を楽しみたい。

  • 登場人物のキャラがバランス良く立っている。
    とりわけ、新キャラの程良い距離感とミステリアスな雰囲気が良い味を出してた。
    「氷菓」では奉太郎に苦手意識があったが、本作では少し好感をもてた!

  • 古典部シリーズ2作目。
    駒の能力を理解して使う人も、
    使われながら自分の能力を発揮できる人も両方すごいと思う。
    謎も最後に提示されてすっきり。
    タロットカードがキー。

  • 入須先輩とのやり取りが難しくて、何回も読み直した。
    本編も面白かったんだけど、「氷菓」同様あとがきが最高に好き

  • 有名な作品のオマージュのようだが、今ひとつ没入できずあまり面白くなかった。
    最後の謎解きで明らかになる脚本家の真実についても、最初から「この脚本家に話を聞けば終わりなのに何故?」という疑問がずっと頭にあり、謎解きによる真相もさして驚かずスッキリもしなかった。

  • 米澤穂信さんの”古典部”シリーズ第二弾「愚者のエンドロール」
    先日「氷菓」を読み、かつシリーズ化されている作品ということで読んでみた。
    今回は、あるクラスが文化祭のために映画を作成、その作成が事情により中断されてしまったところを、古典部メンバーが手助けするというお話。
    クラスメイトからの話や古典部メンバーとの話を通じて一つの結論に行き着き、映画も無事作成終了、これで終わりか…と思っていたところで実は…という展開。自身も読みながら気になっていた伏線は回収してもらっての結末だったかなと。
    ただ前作に比べると、個人的には少し複雑な部分が多くてわかりづらかった印象を受けた。とはいえ、今回の作品を通じて更に登場人物のキャラも立ってきて、今後更にどういった事件が起き、それに対してどう立ち向かっていくかは気になるところ。本作でも出てきた主人公の姉の存在も、今後に向けて目が話せさない。
    第三段は「クドリャフカの順番」ついに文化祭の話ということで、こちらも近日中に読破したい。

  • アニメを過去に視聴済み。
    流れは忘れていたが、折木の答え(1つ目)は記憶していたのもあり、そこにたどり着くまでに少し退屈だった。画面に映っていないカメラマンこそが7人目の登場人物であり、犯人であるというもの。
    しかし、古典部の皆はその答えに納得がいかない。
    そしてもうひとつの謎解き。
    ラストまでは退屈だったが、ラストは面白かった。
    冒頭のチャットは誰が誰か、千反田以外は不明だったが、最後のチャットではそれぞれ誰が誰なのかなんとなく分かり、面白かった。
    また、謎解きのために、「今からホームズの話のネタバレをしていくけど良いか?」というような発言から、ホームズの真相ネタバレが列挙されるが、いくつか未読のものもあったのでそこは読み飛ばした。読者に対する配慮が見えた笑

  • 『やらなくてもいいことなら、やらない』省エネ主義のホータローと、『毎日を推理小説風に変えてしまうお嬢様』千反田の青春ミステリ第二弾は、“なるほどそうきたか”とニヤリとするお話

    学園祭で2年F組が製作途中のビデオ映画が、エンディングを前にして脚本家がダウン
    殺人が行われたシーンまでは撮影されていたのだが…そこで古典部の4人が関係者から話を聞いて犯人とトリックを推理する

    校内チャットにヒントが…

    青春だなあーー

  • 古典部シリーズ第二弾
    奉太郎が前回よりすこしづつ省エネから脱出しつつあり、これからどう奉太郎が変わっていくのか、古典部の進展にも期待。

  • 出来れば良く知らない、けれど能力が高いとわかっている人に、ほとんど瞬間的に能力を認められる。大人になったって強烈に惹かれるシチュエーションだ。

  • 古典部シリーズ第二弾

  • クラス制作の文化祭出展映画の脚本が途中までのまま担当が制作できなくなった。
    映画は途中まで撮影されている。
    撮影途中の映画を見て、結末を予想することになった古典部の四人。

    んー。なんだか今作ははまらなかった。ラストもなんとなくバタバタで終わってしまった感じが…

  • 古典部シリーズの3作目にとても感銘を受けたと語っていた好きなミステリー作家さんがいたので、せっかくならと1作目から読んでみていた。

    しかし、この2作目では、やはり米澤さんの作品は私には合わないかもしれないとの思いを濃くしてしまった。(あくまでも個人的な感想です!ファンの方すみません)

    1つ目の理由は、作中で用いられる言葉や言い回しがやたらと難しく、普段、ましてや高校生が使う言葉ではないと思えて、とても気になってしまったこと。
    私自身たまに”そんな難しい言葉はふつう使わないよ〜”と周りから指摘されてしまう方なのだが、その私から見ても難解で堅苦しい言葉が多すぎるように思えた。
    例えば、(飲み物を)注文すること=誂える、と表現する現代の若者を、少なくとも私は知らない。

    2つ目の理由は、そうした言葉の重厚さや、登場人物たちの切れモノぶりに対して、謎の規模が小さく、トリックも単純であるように、どうしても感じてしまうこと。

    「黒牢城」を読んだ時、物語全体のスケールの大きさや登場人物の大物ぶりに比べて、ミステリー的な部分の規模が小さすぎ・単純すぎで“アンバランス”だと感じていたため、このシリーズの1作目を読んだ時は、高校が舞台で高校生が主役といった日常の方が、トリックの規模に見合っていいのかもしれない、と思った。
    でも、やはり主要登場人物たちの考えの深さと鋭さ、文章表現の難解さを考えると、謎と解の部分が浅いように思えてしまい、私の中でアンバランスさが完全に払拭されることはなかった。

    この2作目は、1作目より仕掛け部分が上手く捻られていたようには思うのだが、後味があまり良くなかったがために、最終的に残念な思いがより大きく残ってしまったのかもしれない。

    しかしながら、もう米澤さんの本は読まない!とかいうことでは全然ないので、本命の次作に期待したい。

  • また、高校生たちの言葉調べながら読みました(汗

    個人的にシャーロッキアンの端っこの人間と思っているのでネタに絡んで嬉しかったのと、「クリスティまで…」のくだりも、思い当たって面白かった。
    という細かい事より、折木くんが1作目よりグッと人間味が増して気持ちが惹かれた。
    気になったフレーズは、
    「俺はそれを、壊したら人生が終わるほど高価な美術品を見るような目で見た」

  • 今回は、「自分の役割」がテーマかな?
    適材適所という言葉があるけれど、素質と自分の意志(やる気)のバランスが大切だよなあと思う。素質があってもやりたくないことをやるのは辛い。一方で、やる気があっても向いてないことをやり続けるのも辛い。でも、ホータローが里志に「なろうと思えばお前はいつか、日本でも指折りのホームジストになれると思う」と言った言葉を信じたい。

    ということは、つまり支えてくれるのは人の言葉なわけで、今回ホータローは入瀬にそれをうまく利用されてしまったわけで…。
    私も人の言葉に励まされて背中を押されることがあるけど、それがどうか心からの言葉であってほしい。もしくは、そうだと自分を騙したい。

  • 古典部シリーズ2作目。

    なんか、どんどん話の中身が軽くなっている印象。「氷菓」の謎解きはもうちょっとヒントがあって切実さとか邪悪さみたいなものがあったので比較すると物足りないなあ。

    本郷先輩が病気で脚本が書けないという設定自体に「なぜ?」という疑問が拭えないがゆえに世界観に入り込むのがだいぶ難しかった。

    厳しいし感想になってしまったが読みやすさは◎。
    個人的には空想くらい死人が出てもいいのでは、それこそがミステリーなのではと思うが….。

    愚者のエンドロールは死人無しで成立しているので千反田さんにお勧めします。

  • 正確に書くと星3.5。
    この氷菓シリーズの中では1番分かりにくい気がする。
    結末がなぜこうなったのかよく分からず、キャラクターの良さも少し薄い気がして、あまり3度目を読む気になれなかった。

  • ★俺ならば、きっと……。(p.198)

    【感想】
    ・「女帝」のキャラが強すぎて、自主制作映画のことが格下の話題に見えてしまう。だから、なぜ彼女がそんなどーでもええようなことを、わざわざ外部に依頼してきたのかってのがずっと気になってた。
    ・あと、しだいに脚本を書いた人物自身を解いていく感じになっていくのになぜ、死んだわけでも面会謝絶でもないと思われる脚本担当に誰も答えを直接聞こうとしていないのかが不思議だった。けっきょくその辺がキーだった。

    【内容】
    ・いくらかタロットモチーフ。
    ・文化祭向けだったが脚本担当が倒れてしまい未完のまま停止している自主制作映画。「女帝」と呼ばれる生徒から依頼されかかわることになった古典部。現在までの映像からその後の展開を読み解く推理合戦がはじまる。

    ▼古典部についての簡単なメモ

    【アニメ】アニメの「氷菓」は全部観ていてよくできてたなあと思ったがじつはほとんど覚えていない。覚えているのは最初の回で窓際の千反田えるが振り返るシーン、先輩(女性)と奉太郎が喫茶店らしき場所で話しているシーン、ヘリコプターが立山連峰っぽい山を背景に飛んでいるシーン。運動会かなにかで料理をつくっているシーン。えるが祭りかなんかでお雛様みたいなかっこうをして牛車みたいなのに乗って高山っぽい町並みの中しずしず移動しているシーン。それだけ。ストーリーはまったく記憶にないなあ。録画はしてるのでもいちど観ようかなあ。ま、全部読んでからね。
    【糸魚川養子/いといがわ・ようこ】司書教諭。
    【伊原摩耶花/いばら・まやか】→摩耶花
    【入須冬美/いりす・ふゆみ】冷厳さをかもしだす美貌の先輩。あだ名は「女帝」。「桁上がり」の四名家に並ぶ名家、恋合病院の経営者一族。「エンプレス」と言ったら「絶チル」の紫穂を思い出した。他者を操るタイプ。「必要な技術のない人間にはいい仕事はできない」愚者のエンドロールp.103。そらそうや。どうやら奉太郎の能力をそこそこ高く評価しているようだ。《誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。》愚者p.183
    【映画】二年F組の体育会系部員が自分たちも文化祭に参加したいとつくった映画。仮称「ミステリー」。登場人物は海藤武雄、杉村二郎、山西みどり、瀬之内真美子、勝田竹男、鴻巣友里の六人と、名前は出ていないが撮影している誰かの計七人。
    【える】→千反田える
    【江波倉子/えば・くらこ】入須冬美が寄越した案内役。
    【大出/おおいで】古典部の顧問。
    【尾道/おみち】厳格で鳴らす数学教師。
    【折木供恵/おれき・ともえ】奉太郎の姉。海外にいる。古典部のOGで奉太郎に古典部救済のため入部を命じた。特技は合気道と逮捕術。痛くするのは得意。
    【折木奉太郎/おれき・ほうたろう】→奉太郎
    【神山高校】奉太郎が入った高校で、主要な舞台となる。多彩な部活動を誇る。アニメでは立山連峰っぽい姿が描かれていたことがあるから富山県か岐阜県。祭事のときの町並みが高山っぽい感じやったんで場所的にはその辺かなと思う。生徒数は一千人。ウチは二千人弱やったんでこぢんまりしたイメージ。
    【神山高校五十年の歩み】書籍。革張りで細密な装飾が施されており黒ぎりぎりの濃紺という色合いが重厚さを醸し出している校史。五人の二年生女子生徒が金曜日の昼休みに借り、その日の放課後に返却している。重しにでも使う必要があるのだろうか?
    【カンヤ祭】神山高校の文化祭、通称「カンヤ祭」は有名でこの地域では若者文化の華といえるほど盛大。えるの発案で古典部はそれに向けて文集を出すことになった。教師は「カンヤ祭」とは呼ばない。
    【桁上がりの四名家】荒楠神社の十文字家、書肆百日紅家、豪農千反田家、山持ちの万人橋家。ちなみにえるは千反田家の一族。それに並ぶのは病院長入須家、教育界の重鎮遠垣内(とおがいと)家。ちなみに「桁上がり」というのは里志の造語。
    【郡山養子/こおりやま・ようこ】「氷菓」第二号で関谷先輩のことを書いていた、おそらくこの時点での古典部部長。養子という名は司書の糸魚川先生と同じなので同一人物だろう。えるの疑問は彼女に聞けばほぼ解決すると思われるが、たどり着けるか? まあ、ストーリー上たどり着くのだろう。
    【古典部】新入部員がなく廃部のピンチだったが姉の命で奉太郎が籍を置くことになった。部室は地学講義室で特別棟四階、神山高校最辺境の地にある。何をする部活かよくわからないがとりあえず文集はつくっていたもよう。
    【古典部員】奉太郎、える、里志、摩耶花が一年生のときに入部。なんとか存続。里志は手芸部と、摩耶花は漫研とかけもち。
    【里志/さとし】福部里志。奉太郎の旧友にして仇敵。いつも微笑みを浮かべ背が低く遠目には女の子に見まがうルックスで巾着袋をぶら下げ口が減らず不要な知識をいっぱい持っているデータベースと言える普通の男子高校生だ。奉太郎いわく似非粋人。モットーは「ジョークは即興に限る、禍根を残せば嘘になる」氷菓p.24。興味を抱いたことは追求し、必要なことを二の次にできる肝のすわったヤツ。手芸部と掛け持ちで古典部に入った。スポーツはサイクリング一本。意外にも文章を書くのが苦手なようだ。シャーロキアンではなくホームジストに憧れているらしい。
    【沢木口美崎】二年F組の映画の広報。撮影にはタッチしていない? 「別にいいじゃない、鍵ぐらい」愚者p.168。ミステリ好きすべての敵という考え方。犯人はめちゃくちゃ脚が速かったとか、立ったまま十メートルジャンプできるとか、いたらすべてが無効になってしまう。というようなことをぼくもよく考える。このミステリすごく細かいけど特殊能力持ってるヤツがいたら意味ないなーとか。
    【手芸部】カンヤ祭では曼荼羅絨毯を縫う。なんか、凄いぞ。
    【ショッキングピンク】里志の基本属性らしい。他の色に染まることはない。
    【新聞部】神山高校には新聞が三つある。隔月発行で各教室に配られる「清流」が新聞部。不定期刊行の「神高生徒会新聞」が生徒会。八月と十二月を除く毎月昇降口前に貼られる「神高月報」が壁新聞部。壁新聞部には四十年の歴史がある。
    【シンボル】入須冬美のあだ名が「女帝」だったのにつられて里志が考えた古典部メンバーのシンボルは、摩耶花が「正義」、里志が「魔術師」、えるが「愚者」、奉太郎は、里志は「力」だと言い、えるは「星」だと言う。うーん、星のほうが近い気はするけど?
    【関谷純/せきたに・じゅん】千反田えるの伯父。母の兄。十年前マレーシアに渡航し七年前から行方不明。三十三年前「コテンブ」にいた。
    【千反田える/ちたんだ・える】隣のクラスの「女学生」。「楚々」とか「清楚」とかいう言葉を体現し観察力と記憶力にすぐれており家がとてつもない名家であり時折好奇心の申し子となり「わたし、気になります」が決め文句で大きな目のチカラが半端ではない普通の女子高生だ。暑さに強く日焼けもしないらしい。《パーツではなくシステムを知りたいんです》氷菓p.87。彼女の好奇心をクリアするために奉太郎は省エネを捨てねばならないが逃げようとするともっと多大なエネルギー消費が必要になってしまう。
    【チャットルーム】愚者では最初と最後にチャットがある。そこに登場するのは入須冬美、本郷真由、奉太郎の姉(たぶん)、千反田える、奉太郎。
    【遠垣内/とおがいと】先輩。壁新聞部の部長。教育界の重鎮、遠垣内一族。部室は特別棟三階の生物講義室で数年前の古典部部室。
    【中城順哉】二年F組の映画の助監督。
    【灰色】里志いわく奉太郎の基本属性らしい。他の色には染まらない。貶めて言っているのではない。
    【パイナップルサンド】喫茶店。焦げ茶を基調とした色合いの静かな店内と酸味を利かせたキリマンジャロが奉太郎のお気に入り。ぼくは酸味のあるコーヒーはちょっと苦手、苦味の強いほうがいい。
    【羽場智博/はば・ともひろ】二年F組の映画の小道具班のひとり。でしゃばりらしい。ミステリ好き。
    【氷菓】古典部の文集の名前。作品名になっているくらいだから当然なんらかの意味が含まれているのだろう。カンヤ祭に向けて発行していたようだ。新たな氷菓の内容は、摩耶花がミューとかナンバーズとかが出てくる古典的マンガについて。おそらく「地球へ…」のことだろう。サトシはいるけどポケモンではないと思う。里志はゼノンのパラドックスについてのジョーク。まあ、それ自体ジョークみたいなもんで言った本人も茶化すつもりやったんやと思うし。。奉太郎は今回たどり着いたことについて書いたようだ。えるが何を書いたのかは不明。
    【文化祭】→カンヤ祭
    【ベナレス】葬式の街でひっきりなしに葬式が行われている。ここで死ぬと仙人と同格になれる。土地の言葉ではバナーラシーという感じなんだとか。
    【福部里志/ふくべ・さとし】→里志
    【奉太郎/ほうたろう】主人公で語り手。折木奉太郎。ちょっと賢くて省エネを信条とし動くよりはまず考えようとしやらなくていいことはやらずにすませたい普通の男子高校生だ。
    【本郷真由】二年F組の映画の脚本を書いたが途中で倒れてしまい結末がわからなくなった。
    【摩耶花/まやか】伊原摩耶花。奉太郎とは小学校以来九年間同じクラスになったことがある。ルックスはよく七色の毒舌も爽やかな普通の女子高生だ。「あれ、折木じゃない。久し振りね、会いたくなかったわ」p.49。ちなみに里志に求愛しつづけている奇特な女性でもある。漫画研究会所属だが里志を追っかけて古典部にも掛け持ちで入部。
    【ミステリの原則】十戒とか九命題とか二十則とかあるらしい。
    【森下】声が大きく竹刀を藻ったら似合いそうな教師。

  • 含みのある真実が隠されていたのが面白かった!けど、ぐいぐいと入り込むには、氷菓の方が面白い。

  • 古典部シリーズ第2弾。 解決編が撮られないままになったミステリー映画の犯人とトリックを推理することになった古典部。 ホータローくんががんばります。 ミステリーものを読むたびに、トリックそのものより、それをうまくミスリードさせたり一見矛盾のなさそうな推理を披露してみせたりすることが、すごいなぁーと思う。 答えを全て知ってる作者が、フラットな目線でストーリーを展開していけるってのは、やっぱり想像力よなぁ。いやーすごい。

  • 古典部シリーズ二作目。文化祭の自主映画に関わる推理に駆り出される古典部のメンバー。
    大人びてはいるがまだ高校生である主人公の成長が垣間見えた。苦い思い出となるかもしれないが、この数日間が青春の1ページに加えられるのだろう。
    底抜けに明るくエキセントリックで個性的な先輩に心奪われた。こういう人物に弱い。

  • 最後に奉太郎の姉が関わっていることが分かって面白かった。5章だけタイトルの付け方が違う理由が気になる。

  • 米澤穂信の「古典部」シリーズ、2冊目。

    2年F組が文化祭のために制作した"ミステリー映画"。しかしそれは、脚本家の体調不良により結末が分からず、未完成のままとなっていた。「この映画の結末を見つけて欲しい。」<女帝>の異名(?)を持つ2年F組の入須の依頼を受け、奉太郎ら古典部の面々は2年F組の映画制作関係者に話を訊きながら真相を探る――――。

    自力で予想するにはシャーロック・ホームズの一部短編の内容を知っておかないと厳しい。個人的には、こういった特定の作品等の知識が要求される謎解きはマイナス。

    あと、奉太郎の推理を基に完成された自主制作映画を鑑賞した後の奉太郎以外の古典部3人の態度・・・いや、小説だから芝居がかった風になっているのだろうけど・・・あんな態度取られたら腹が立つよ?依頼主の入須もちょっと芝居がかりすぎで鼻につく。このシリーズは2冊目だが、全般的に登場人物が好きになれなくて辛い。

    と、文句ばかり書いているが、気軽に楽しめる学園ミステリーとしては良い作品。

  • 前作よりミステリー要素が強め。こっちのほうが面白かった。

  • 氷菓シリーズ第2弾。
    文化祭に出展するクラス制作で作成された映画。
    しかし、脚本を書いたクラスメイトが体調不良で続きを書けなくなり、撮影も途中で終わっていた。
    その脚本のオチを推理してほしいと古典部に依頼が来たことから話は始まる。

    一人一人関係者に話を聞いてその推理を聞き、それが正しいかどうかをジャッジしていく形式。
    ちょっとしたどんでん返しがあって、一作目より面白かった。

  • 2作目もとても面白かった。最初なんの始まりかと思いきやそういうサイトなんですね。多少時代を感じます。軽いけど学園で起こるミステリーとまでもいかない、謎解き。1作目より後味の良い読後でした。登場人物のキャラはそれぞれ濃いけど、私はどうも千反田さんが苦手。入須さんは好きなキャラでした。それにしても、下手なディナーより高価なお茶ってどんなん。それを持てる財力の高校生ってのもすごい。

  • 大袈裟な茶番に付き合わされている気分で読んでいましたが、それは古典部にとっても同じこと。2年F組の(いやその大ボスの)謀った茶番です。実際主人公が関わるミステリーの方が好みなので、こういう論理だけを追求するような展開には少々退屈しました。謎解きに付き合うだけなら面白いのかもしれません。里志と伊原の「館ものか!」「館ものなの?」には笑いました。そして表題になっているLとほうたる(笑)のチャットも面白かったです。このシリーズは途中はイマイチに感じるのに、ラストでしっかり締めてくるのが良い。

  • ライトのベルって言うやつなのでしょうか。さくっと読めるのは良いし、謎解きみたいのものいい。ミステリー好きにはちょいとそそられる小ネタもあるしね。
    でも、なんか物足りないのは自分の年齢のせいか?個人的にはもうちっと本格的にやってほしいかな。

  • 青春ミステリ、古典部シリーズ第2弾。高校生が主人公で、舞台が学校なので、事件そのものは警察沙汰にもならない些細な出来事。さらっと読むことができた。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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