クドリャフカの順番 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 787
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044271039

作品紹介・あらすじ

待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲-。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気"古典部"シリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 古典部シリーズ第3弾。本作でついに伝統の文化祭・神高カンヤ祭を迎え、古典部は制作文集「氷菓」の販売にあたって、当初30冊販売予定が発注ミスで200冊となり、どうにか完売を目指し奔走するメンバー。

    その文化祭で、事件が起きると言うドタバタ青春ミステリー。

    文集を必死に売ろうとする中で、文化祭で発生した連続盗難事件も相まってもはやドタバタ文化祭。これが私自身の高校時代の文化祭を思い出したりしてニンマリ。


    だがしかし、だがしかしだ。

    市川憂人著者作品【ジェリーフィッシュは凍らない】のレビューでも綴った、ミステリーの女王・アガサクリスティの作品が、またしてもモチーフにされており、作中でも事件が模倣されている旨が明記されている。

    彼女の作品を未だ未読の私からすれば「勿論知ってるよね」のテイで読まされている気がして、途中から冷めてしまった。いや、もとい、拗ねてしまったため、ラストの種明かしパートを流し読みにて読了となった。


    だがしかし、だがしかしだ。

    前の2作は、主人公目線の独白形式で展開していたのだが、本作は初めて古典部メンバー4人の視点が交差しつつ展開していくところは、連読してきた私としては非常に楽しめた。

    それぞれが持つ悩みや、抱くコンプレックス、妬みや羨望。それでも最後は諦めずに自分の役割を果たしていく姿は微笑ましく、総じて本作品は読み応えがあって良かった。

    登場人物に血肉が通う姿を感じられることが、私の読書の楽しみなのだから。

    著者の積読書はまだある。
    また読みたくなった頃合いで会いたいと思う。

  • 神山高校文化祭。
    我が「古典部」では、発注した部数より七倍も多い文集を抱え、頭を悩ませている。
    山のように積まれた二百部もの文集「氷菓」をいったいどうやって売りさばくのだろうか。

    「氷菓」のPRをするために福部が参加したクイズ研のイベントや、千反田と伊原を加えて三人一組で挑んだお料理対決は、ハラハラドキドキで大盛況でした。

    そして、店番と称してひとり平和に過ごしていた奉太郎は、学内で起きた奇妙な盗難事件を解決する羽目になってしまうのですが、実際に登場はしないけれど、奉太郎の姉貴が絡んでくるところなど、前作の『氷菓』の雰囲気を思い出してしまいます。

    どことなく哀愁漂う<古典部>シリーズだけど、今回は4人の視点で交互に読めて、とても楽しかったです。

  • 文化祭の雰囲気出てました。懐かしいですね。平和な駆け引きはするべきです。→遠まわりする雛へ

  • 古典部シリーズ第三弾。
    奉太郎以外のキャラが、前ニ作よりもそれぞれの個性を活かし、奮闘しているのが良かった。
    奉太郎も省エネを掲げている割には、なんだかんだ青春している所が微笑ましい。

  • 古典部シリーズ第3弾読破!
    今までの2冊は文化祭の準備をしていましたが、待ちに待った3日間の文化祭が開幕しました!

    今作は文章がすごく独特で、始終古典部4人の視点を行き来する形で、3日間の文化祭について書かれていました。
    アクシデントから始まった文化祭でしたが、4人それぞれの文化祭の過ごし方が見られて楽しかったです。

    途中でいくつか「友達に対する劣等感」を感じている登場人物が何人か書かれていましたが、ここの描写は自分にも思い当たる節があり、共感できました。

    ただ、今回は私には刺さらなかった...。何故かと考えてみたのですが、まあ思い浮かぶ理由としては2つありまして、1つは今回の謎解きは個人的にはあまり楽しみきれなかったところですかね。もう1つがかなり致命的で、今回それぞれの視点が見れる構成になって初めて気がついたのですが、私千反田さんと反りが合わなそうです...。現実にいたら絶対自分から必要以上に関わりに行かないタイプでした。

    前回のコナン・ドイルに続き、今回はクリスティの作品が多く出てきたので、そちらも読まねば...。

  • 『米澤穂信と古典部』を再読したら懐かしくなり読み返した。4人の視点で文化祭で起きる謎を追う、読み始めたら止まらない感がやっぱり楽しい。奉太郎が行動的だったのと里志が鬱屈感あるのが意外だった。

  • 学園ミステリー。古典部シリーズ第3弾

    ミステリーというよりは青春系学園モノとしての側面が強かった。

    文化祭でのドタバタ劇が凄く青春していて羨ましい。

    高校生のくせに知識量多すぎ。なんか負けた気がした。

    ☆3.5

  • 古典部シリーズ3作目。
    今までとは違い、部員全員の視点から物語が進んでいく。
    なので今までわからなかったみんなの内面がわかる。
    事件としては個人的なことにしたら規模が大きめ。
    お姉ちゃん登場。
    期待って言葉は簡単に使っちゃいけないね。

  • 文化祭を扱った今作。

    なんだかんだ、仲間のことを思う
    メンバーの繋がりが良いですね!

    また、各々にスポットが当たっており、
    個々の個性が深掘りできて好きな回でした。

  • 古典部シリーズ3作目。
    カンヤ祭(文化祭)当日、山になった文集を売り切るため古典部メンバーが奮闘します。感想としては以下3点。

    1つ目、入須先輩直伝の頼み事の方法。
    高校生とは思えない人身掌握術。言ってることはわかるけど実践するのは難しそう。流石、女帝。

    2つ目、奉太郎のわらしべプロトコル。一番役に立ったのは最後の漫画でしょうが、小麦粉も大活躍。省エネ主義の奉太郎が4階から声をあげ人を呼ぶという滅多にないことがおこります。

    3つ目、『期待』すること。
    自分と同じだと思っていた友人が自分より秀でた面を持っていた。しかもそれは自分が憧れている才能。それを喜べるか否か。
    里志がよく言う「期待してるよ、奉太郎」の印象が少し変わりました。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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