遠まわりする雛 (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044271046

感想・レビュー・書評

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  • ホータローの心境に大きな変化が訪れる。今後のチタンダエルとの関係がきになります!

  • 古典部シリーズ、一年目の総括ともいうべき、短編集。
    春から夏、秋、冬、そして巡っての春まで、緩やかな変化と共に。

    春休みの雛と桜の対比が、美しく。

    - 折木さんに、紹介したかったんです

    この言の葉にこめられた想いは、無意識の発露でしょうか。
    ん、二年目の物語が楽しみです。

  • 手作りチョコレート事件が特に好きです。今まで掘り下げられなかった里志と摩耶花の関係性が本当に遠回りだなと。

  • 『手作りチョコレート事件』が好きです。甘すぎず辛すぎず。
    今巻はミステリーというより青春モノにカテゴライズしたくなります。ゆっくりゆっくり、ちょっとずつ変化していく人間関係が堪りません。詳しく書くとネタバレになってしまうので、米澤先生の描くキャラが好きだ!って人は是非読んでほしいです。

  • 古典部シリーズ第4部作。今回は短編集で、時系列が今までとは違い、1年全体を通した話。時間と共に変化する古典部メンバーの距離感や心境。あぁ、なんか青春って感じ。今作はミステリーよりも、古典部メンバーの心境の変化が楽しめた。タイトルの「遠回りする雛」にあるように、劇的ではなく、ゆっくりとした変化。お洒落だと思う。

  • 一言。
    ホータローよ、まじでか。
    としか、言いようが無い。
    これは、私の女子の好みの問題でありますが…。

  • 一話一話読むごとに古典部のメンバーと時間を共有できるような短編集。最後の「遠まわりする雛」で予想外の胸キュン。

  • 『つまらない話でも面白がって聞くことが円滑な人間関係形成の第一歩だよ』

    『省エネ主義とは正反対に位置するこの精緻な細工を見て、粘り強さや出来栄えへのこだわり心の襞で感じ取ったところで、何か一言ないのかな』
    『異文化との接触はいつでも刺激的だと思います』
    『素直な感想で、たいへんよろしい』

    『「死体を隠すなら戦場」効果も期待できるよね』

    『たとえば、傲慢なところがまったくない人というのは、自信がない人のことじゃありませんか。誰からも強欲と言われない人は、きっと家族を養うことも難しいでしょう。世界中の人が誰にも嫉妬しなければ、新しい技術が生まれるとは思えません』

    『そうですね。どんなことにも怒れないとしたらたぶん、何も好きになれないんじゃないでしょうか』

    『…それなら戻ることはあっても、進むなんてありえないじゃない。脳味噌使ってよ。脊髄反射で喋ってないで』

    『折木にこないだみたいなこと期待してるなら、あんまり当てになんないよ。そいつ、前世がキリギリスだから』

    『折木さん…。なんだか、きなの匂いがしませんか』
    『…千反田。それは「きな臭い」でひとかたまりの常套句だ』

    『でも、でもでもですよ、それはありえません現実的ではありません論理的ではありません破綻してますカタストロフです!』

    『人の視点から見ると確かに参拝だが、神の視点から見ると、仕事依頼がベルトコンベア式に運ばれてくるようなものではなかろうか。「健康で過ごせますように」や「世界人類が平和でありすように」ぐらいのスタンダードな祈りならともかく、「爺さんの病気が良くなりますように。あ、でも、気が弱くなったところは元に戻らなくてもいいです。あと、子供の受験が成功じすように。正確には私学は落ちて公立が通りますように」などの入り組んだ願いでは、先方も把握するだけで一苦労だろう。』

    『凶のみくじは珍しい。珍しいものはめでたいものだ。だから、凶のみくじはめでたいものだ。完璧な三段論法により、こいつは春から縁起がいいや、ということになった。』

    『何を目的にしているのかもわからない謎の古典部に入部ふることになったのは、詩的にいえば運命の悪戯であり散文的にいえば事の成り行きの結果だ。』

    『伊原は笑顔を浮かべた。いや、そんか爽やかなものではない。大仰な表現をするなら、「彼女の喉がくつくつと鳴るのに私は慄然とし、背に冷たい汗が浮かぶのを止めることはできなかった。かの少女の口許には、暗い情熱への歪んだ悦びが滲んでいた」とでもなろうか。』

    『中央教育審議会略して中教審の答申によれば、近ごろの子供はゲームばっかりしてるそうだよ。なら、近ごろの子供としてはゲームの一つも嗜まないと教育上問題だ』

    『裁きの日はやってくる。どれほど多くの人間がどれほど真摯にその到来を妨げたいと願っても。時は止まらず、暦もまたしかり。それが許せないならば光速で走るがいい、誰も止めはしない。』

    『板チョコ一枚おみやげです! 折木供恵よりふるえる哀をこめて』

    『…俗説に、生物は自らの遺伝子を残すため、つまりは子孫を残すため存在するという。恋とは昇華された繁殖欲求であるという。その観点から言えば、俺はまだ生物として不完全なのかもしれない。』

    『で、ある日、僕はそれに飽きた。こだわることをやめた。いや、違うな。こだわらないことだけにこだわるようになったんだ。きっかけは、もう忘れたよ。』

  • 古典部の短編集。ただ推理物だけじゃなく、登場人物達の成長も描かれていて、次作が大変気になる感じでした。

  • 古典部シリーズ第4段です、高校入学から春休みまでの一年間を、過去3作品の合間を埋めるべく短篇集としてまとめています。

    読み初めは、ホータローの省エネ主義のやる気のなさと高校生離れした誤謬散乱する会話にやや食傷気味でした。
    ミステリ的見地からは、明解なロジックから導き出された推論が、最後のピースを埋めるごとく物語を成立させていて、満足できる内容です。

    が、高校生を主人公に据えたシリーズで、最終章を迎えた時に(おそらくですが)どんな着地点を作者は考えているのか?と想像すると、なんとなく不安な気持ちを抱かずにはいられない…そんな序盤でした。

    そんな風に思いながらページもなかなか進まなかったのですが、終盤に入りそのような不安を一掃するべくストーリーはダイナミックに加速していきました。

    4人の男女の人間関係においての加速ゆえミステリ的には特筆すべきではないと思いますが、青春モノのシリーズ的には、おそらく迎えるであろう最終章が甘酸っぱい?ほろ苦い?はたまた…?と、読者の妄想掻き立て次作への期待新たにさせてくれる仕立てでした。

    ホントに省エネというより怠け者のホータローが気付いた自分の気持ちと、そのとまどい、それが里志と麻耶華の関係にまでフィードバックされて、序盤のダラダラ感もここに至る伏線だったのでは?と思えるほどでした。

    文庫版には作者のあとがきがありました。それによると今作は『時間』をメインに据えているとのこと、来たるべきシリーズのラストにおいて時間の経過によって起こる変化を読者は期待し、その変化を作中のキャラ達が気付いた作品だったと思います。

    次作『二人の距離の概算』は既刊となってます、古典部の4人はどうなっていくのか…

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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