赤×ピンク (角川文庫 さ 48-1)

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281021

作品紹介・あらすじ

深夜の六本木、廃校となった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ファイト。闘士はどこか壊れた、でも純粋な少女たち――都会の異空間に迷い込んだ彼女たちのサバイバルと愛を描く、桜庭一樹、伝説の初期傑作。

感想・レビュー・書評

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  • どの女の子にも、少し感情移入できる部分があり、最後はそれぞれ「良かったね(^-^)」と思える結末でした。

  • 桜庭一樹さんの描く少女が好きなのだが、この本は本当にドンピシャだった。

    まゆ、ミーコ、皐月の3人の女の子たち、それぞれのお話による3部構成。

    まゆのことを檻から出すのは男であり、
    ミーコは皐月の助言、
    皐月は千夏という女によって檻から出る。

    大人になっても頭の隅に残っている少女性が、彼女たちの不安定さと呼応する。

    話の構成的に1編目のまゆが1番インパクトが強く、皐月にかけて尻すぼみになっていく気もするが、
    まゆがケッコンして檻から出る部分がこの小説の見せ場であり、そこにかけて加速した物語はもう減速していくだけと考えると、まあ妥当かとも思う。

    実際、まゆがケッコンすることにより少女の輪を抜け出し、それに呼応するようにしてミーコと皐月も自身の少女性・帰巣本能との戦いに蹴りをつけるのだから、
    まゆの急激な変化は最初にないとダメなのだ。

  • 「失うまいと一心不乱にかき抱く。こんなにも力を込めているのに、指と指の間から、まるで液体でできているかのようにこぼれ落ちていく。」

    親に庇護を受ける少女でもなく、自立した大人の女性でもない。おんな と こども の間の孤独で、不安定で、脆く、儚い、女の子達が愛おしい。
    「あの子に彼氏が出来た」事に反応しただけで、「あの子のシアワセ」だとか「あの子の彼氏」にはちっとも興味が湧かない。女の子ってきっとそういうもの。

    P 38「こうやってボルテージが下がったとき、わたしはふと、なんかわたし、うっかりこのまま死んじゃいそうだって気づくことがある。その気持ちには、死にたい、さぁ死ぬぞ、っていうほどの積極性はなくて、ただ、ついうっかりこの世からいなくなってしまいそうな弱さだ。」

  • 主人公視点で3話、それぞれ3人の女の子が主役のお話。
    難しい表現はなくて、とても読みやすい。
    違う視点で、登場人物が同じなので面白い心情描写とかもとても好き。
    舞台は少し、アングラっぽいけど人はピュアな人ばっかりだし、バットエンドはないので読みやすく、面白く楽しかった。
    個人的には、人間ドラマって感じがしたけどもう少し内容が重たかったらなーと思った部分もある。
    読みやすい=若干物足りないのかも
    まゆちゃん派ですかね( ー`дー´)キリッ

  • 舞台は非合法のガールズファイト。
    まゆ、ミーコ、皐月。
    性格、境遇の異なる3人の女性の視点から描かれる短編集。
    3人の共通点は、現実から逃げるようにして、闘いの場に身を任せている。
    どこか刹那的に生きている彼女たちが生き方を探っているような描写が印象的。

  • 桜庭一樹特有の不安定な少女達の描写が良い。
    廃校を舞台にしたガールファイトという設定も斬新。

  • 東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を―彷徨のはて、都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンティックな青春小説。

  • 皐月のストーリーにキュン!

  • 『赤×ピンク』読了。
    タイトルからもっと華やかな世界観を想像してたけど泥臭い少女たちのお話だった。
    ガールズファイトで戦う泥臭い少女たちが垣間みせる華やかさが際立ってちょっとドキドキした。少女であることで無敵になれるあの頃に戻りたいよ。

    2015.9.20(1回目)

  • 同性愛、SM、性同一性障害...抱えるものは人様々だね。
    全編に登場する師範代と武史が良いアクセントになってます。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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