推定少女 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3175
レビュー : 325
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281038

感想・レビュー・書評

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  • 現代の大人の薄汚れた裏側を知り、大人になんかなりたくない!!…とひそやかに奮闘する中学生の女の子。ダストシュートで偶然出会った女の子との友情。その少女は何者か…。途中に起こる出来事や正体をあえてぼやかしておいて、ストーリーの内容を読者に考えさせ、最後にあきらかにするといった展開が、好奇心をくすぐる。ただ、おれにとっては、なかなかストーリーの世界観に移入するのが難しい作品であった(ノ_・,)。

  • 大人から見る子どもって、本人達が望まないカタチで世間に歪められていて。
    本当の子どもの姿なんて、最初から理解する気が無いんじゃないかとすら思う。
    でもどんなに窮屈で息苦しくても、我慢して大人になっていくしかない。
    諦めて受け入れていくことで子どもを止める、痛みと儚い絶望を感じるお話。
    放浪エンドがいちばん好きな私は、ただ現実逃避したいだけなのか。

  • とある事情で、義父を矢で射てしまい、家を飛び出した、十五歳の少女、巣籠カナ。
    逃げ込んだダストシュートの中で、記憶喪失だという、謎の美少女と出会います。
    カナは彼女を「白雪」と名付け、共に逃亡する事に。
    新たな出会いや別れ、更に、現実とも幻覚ともつかない、不思議な体験をしつつ、二人の少女は逃亡を続けます。
    男の子とでは絶対に無理な、女の子二人だからこその、逃亡。

    『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』と近い感覚でした。
    自分の十五歳の頃の気持ちが思い出されて。
    決して忘れた訳ではないんだけれど、でも、ああ、私は大人になってしまったんだ…と、しみじみ感じました。

    作中、カフェで隣に座っていた女性が、「いいわね、あれぐらいの年って。楽しそうで、悩み事なんてなくて」と言い、白雪がキレるシーンがありました。
    白雪は、女性に銃を突きつけ、「おねえさん、十五歳のとき楽しかった?悩み事、なかった?あったでしょ」と言い、女性に謝らせます。自分達にではなく、十五歳だった時の、その女性自身に対して。
    そう。今だって、十五歳の時だって、いつでも、真剣な悩みはありました。
    ただ、悩み事の内容が違うだけ。
    大人の悩みは、自力で戦い、解決しなくてはならないけれど、十五歳の悩みは、非力な自分との戦いでもあるのです。

    作中で、もう一つ、「ああ、そうだった」と思い返した文章。
    「毎日どこかで、ぼくたちは大人にころされてる。心とか。可能性とか。夢見る未来とかを。足蹴にされて踏みつけられて、それでもまた朝になったら学校に行かないといけない。そういった殺戮は、日本中いたるところで毎晩のように起こっているんだ。」
    そんな大人たちに立ち向かえる唯一の武器は、実弾。
    決して、甘い甘い、たった十五歳の放つ、砂糖菓子の弾丸では、大人たちには届かない。

  • 普段起こり得ない事だけど、そんな文章の中に青春を感じました。

  • 巣籠カナは中学三年生で受験が控えているも将来なりたい職業が見つからないでいた。その夜、学校の裏山に未確認の飛行物体が墜落した。気がついたときにはカナは義父を部活で使っている弓で射ていた。パトカーのサイレンが聞こえる中をカナはゲーセン仲間のお兄ちゃんに別れを告げ、隠れるのに最適に見えた路地裏のダストシュートを開けると凍り付いた裸の少女が銃を握りしめている所に遭遇した。記憶喪失らしい上のに白雪と名前をつけ、そこからカナと白雪の逃亡が始まった。
    カナと白雪は変装用に服を買って義父のいる病院へと向かうが、そこで母からの辛い言葉を聞いてしまった場面ではとても悲しくなる。
    東京の秋葉原で女の子に見間違うような火器戦士、千晴とであう。彼の家に泊まり地元の噂が書き込まれている掲示板を見て電話した夜、あの時の義父との場面がよみがえりなにが起きたのか思い出す。白雪の正体が分かりかけたり黒いスーツの男達につけられたり補導員に捕まってしまったりまた逃げ出したり。
    飽きさせない話の展開、設定で楽しめることができた。白雪が何者だったのかはっきりとは分からないが、もし宇宙人だったとしてもカナと同じ悩みを持った少女である。
    この本では3種類のエンディングがあり、どの終わり方もとても良かった。

  • 桜庭作品で最も好き

  • 主人公の心理にものすごく共感。私にもあったこんな時代を忘れたくはないなぁ。

  • 再読。「ここから物語は分岐し、三種類のエンディングがあります。」と書かれたときには驚きと少しの落胆があった。あとがきによると編集部の要望で書きかえたものも含めて全部収録したという事情らしい。こういうゲーム的なエンディングはあまり好きではないが、作家が自由に書けないこともあるのだろう。自分を「ぼく」と呼ぶ少女は脅えながら戦っている。ただ生き延びるために戦っている。そんな時代が自分にもあったことを思い出させてくれる。

  • ひょんなことから父親を弓矢で射ってしまい、逃亡生活を始める女の子のSFストーリー?
    個人的には急にはじまったSF的(ファンタジー?)な流れが受け入れられなかった。
    話の終わりもマルチエンディングになっており、なんだか作り話感を強く感じてしまって、自分に合わない感じでした。

  • <図書館の所在、貸出状況はこちらから確認できます>
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=334914

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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