推定少女 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 3185
レビュー : 326
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281038

感想・レビュー・書評

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  • 《大人》からの逃避行。それは自分が大人になってしまうことから逃げることでもある。渡される進路希望調査票、未来を選ばない「ぼく」。不思議な少女と二人、行く宛のない旅をする。

    ぐるぐる目が回るような展開、どこまでがブラックアウトでどこまでが現実なのか……曖昧だけど確かな少女の手触りが残る読後。駆け抜けるような物語に着彩する描写が何よりも少女のキラキラポップチューン。最高だ。

    ラノベというかノベルゲーム的文体で最後にエンディングが分岐するという構造にもびっくりした。元々は単一エンドだということだけど、この結末が複数存在して、それがそれぞれ独立したものではなく互いに重なり合ったものになっている(!)というところにノベルゲームを超えた何かを感じた。
    複数のエンドが存在するノベルゲームにしばしば言及される問題として、「結局トゥルーエンドが唯一の真エンドで、他のエンドはキャラクターの描写や情報の補完に充てられる副エンドでしかない」といったものがあるが、『推定少女』はどれが真エンドか選び取れない気がする。僕たちはしかし選び取らなければいけないのか、可能性を?

  • 2016.9.12

  • とある事情から逃亡者となった“ぼく”こと巣篭カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。黒く大きな銃を持ち、記憶喪失を自称する白雪と、疑いつつも彼女に惹かれるカナ。2人は街を抜け出し、東京・秋葉原を目指すが…直木賞作家のブレイク前夜に書かれた、清冽でファニーな成長小説。幻の未公開エンディング2本を同時収録。

  • ラストシーンが3パターンあるので、何度も読み返して何度も楽しめました。どのエンディングも楽しめます!(クランベリー)

  • おとなになりたくない感じ、わかるなあ。

  • 読み終わった当初、その時の状況にも依存していたのかもしれないけど鬱蒼とした気分になった。
    こういった絶望系の小説に慣れていないせいなのかもしれない。
    人によっては絶望系ではないと言うかもしれないが、雰囲気が始終暗いというのはあると思う。
    終わり方が三種類あって、ゲームのマルチEDのようだが、
    あくまでも自分はどの終わりかたも納得できなかった。

  • ずっと少女でいるために必要だった家出。
    そこで出会った人たちも、そこで起こった出来事も結果的にはカナが大人になるきっかけとなっていく。
    ラストまで大人になりそうでなれない、子供のままでいれそうでいられない、不安定な状態でそこが愛おしく感じる。
    大人になることはつまらない自分を認めること。だから純粋なままの子供でいることを願ってしまう。

  • 学校の裏山にFUOが落ちたとされた夜。

    中学3年、15歳。
    義理の父親の殺害容疑で逃げる少女、巣籠カナ。
    逃げる途中のダストシュートの中で出会った凍った記憶喪失の少女、仮名を白雪。
    二人で逃げた先は東京。
    秋葉原で出会った少年、千晴。

    白雪は出会った時は全裸。髪は赤く目は青味がかっている。
    何故かデザート・イーグルを所持。
    カナと白雪を追ってくる黒服の男達。

    カナが警察に捕まるが、自称評論家によって逃げる事に成功。
    だが、実際は人ではないナニカ。
    そこから助けてくれたのは白雪と千晴。
    黒服の男達は白雪の銃によって撃ち抜かれる。
    流すのは緑色の血と、スライムのような破片を撒き散らす。
    追ってから逃げて、逃げて、逃げて。
    ついに追いつかれて、白雪は忽然と消え。
    カナは落ち込み、千晴は唖然とする。

    エンディング1
     再度、カナの隣に現れた白雪。
     本名を綾小路麗々子(りりこ)は、カナと一緒に犯罪者になろうと、愉快犯になろうと。
     やろう、やろうと軽く返すカナ。

    エンディング2
     千晴と別れて、列車に乗りった。
     途中で現れた白雪は、捕まり自信が宇宙人だと明かす。
     白雪とそれきり。
     家に帰るカナ。姿を消す電脳戦士のお兄ちゃん。

    エンディング3
     千晴と一緒にいるところに再度現れる白雪。
     千晴に促され、家に電話して。白雪と家を目指す。
     家に戻ると白雪は消え、電脳戦士のお兄ちゃんも消えた。
     高校3年の春まで女子空手部のマネジャーを務める。
     短大進学のために東京へ。
     千晴と電話したり、メールしたり、会ったり。


    幻の未公開endingを掲載。
    なので、エピローグが3本。
    未公開が1と3。
    エンディング3は1と2をミックスして、泡立てた感じ。
    同じなのは 父親を射掛けてない事 と、電脳戦士のお兄ちゃんが 入れ替わりでいなくなった事 。
    どこからどこまでが本当で、幻で。
    大人になりたくない15歳の葛藤を描いているのかしら?
    私個人の意見で言えば。
    もっとグチャグチャな内容でいいような。
    これだけやって『夢オチ』的な事は避けて欲しかったけど。
    緑色の血って設定で半分醒めちゃったかかな?
    先が読めちゃったから。
    ま、大人なんで仕方ないかな?
    でも。
    実際、自分が15歳だったとしてもちょいと物足りないかも。

  • 【185】

  • 2回ほど積ん読になってしまったけど、後半をいっき読みしたら、なんだかよかった。あのころの私が、いるなあ、と思った。いつか大人になったら、「あの頃はなんにも考えてなかったわ」とか言っちゃうんだろうか、っていう不安。大人に対する羨望のような軽蔑。家出。大人の女性に対する嫌悪感。そういうもの全部、自分に対する絶望だってこと。わかってくれている本があってよかった。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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