- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044281038
感想・レビュー・書評
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中学三年の巣籠カナは訳あって逃亡を始めた。その矢先、ダストシュートに身を隠そうと開けると白雪という謎の美少女の先客がいた。裸の姿で手には銃を握って。そして二人の逃避行が始まった。
生きることに不器用な少女である巣籠カナ。白雪に翻弄され、謎が謎を呼び、結局何がどうなっているか分からないまま。それでも読む手を止められず、常に魅力を放ち続けます。物語の世界に純粋に浸ることが出来る作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
氷漬けにされた美少女って時点でワクワク。
拳銃を手に逃げる少女たち、ってシチュエーションがよかったです。桜庭さんの描く少女が好きです。
エンディングも、図らずものマルチエンドで面白かったです。 -
思春期の頃の不安定だがきらきらしていた大切な気持ちを思い出した。エンディングが三種類あり、白雪が一体何者なのかつかめない。だが、白雪が誰にせよ、カナにとってとても必要な存在だったのだろう。私も今この本に出会えて心底良かったと思う。
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大人になることへの少女の恐怖がとてもリアルで良かった。ただ、ストーリーが荒唐無稽過ぎるのと、文体がライトノベルっぽくてどうも苦手。
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繊細とのほど遠さが快い。切れ味よい。
「弱くて、傷つきやすくて、プライドだけ高くて」はミドルティーン限定ではないけれども、そのあとに続く「そのくせ人の気持ちには絶望的に鈍感な」はミドルティーンの限定かもなあ。 -
面白かったと思います。結局エンディングは Ⅲ が妥当なのでしょうか?
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小国などを舞台とした作品です。
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スピード感!すげー楽しかった、すき。
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思春期の女の子の(+少しだけ男の子の)ココロの内側をちらりと覗いたような感じがした。 僕は女性じゃないのでわからないんだけれど。
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3つの結末があって、自分で選べるんだって・・(笑)。
いろんな意味で掟破りな作品かなーって思います。
でもこれからいろいろにつながって行く片鱗が見えて面白いよー。 -
「それは大人の言葉だから」
うまく大人になれない少女のお話です。
誰もが一度は通る道なのかなと思います。
思春期特有の子供の考え方とか嫌悪感、不信感が入り混じって
なんだかすごい世界を作り出しています。
そしてなぜかエンディングが3編。分岐式。
どれもありでどれもなし…という気がします。
むしろエンディングで半端にハッピーにしてしまったのがダメだったかなぁと。 -
まるでゲームの中の話のよう。読んでて楽しいけど、混乱してるなぁ。これを中学生当時に読みたかった。
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本編よりも、あとがきが好きかな。
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『それは高度に計算された数式のように整っていた。』
『ゲームなんてやってて大人になれっかよオレは大人じゃねぇよ。これコスプレ。大人の。秘密だけど』
『わかりやすく言うと、アメリカでいうところののイリノイ州。あーあったなそんな場所もって感じ。』
『子供を一つの人格じゃなくて、自分の持ち物みたいに思ってるから「この手でころす」みたいなことを平気で言える。本当は別の人格、別の命なのに。』
『息子がやりたいことには否定的。だけどやりたいことがなにもなければ、やっぱりけなす。悔しいけれど、反旗を翻すには子供すぎる。』
『同じ色の涙をこぼしてるんだと思えた。毎日どこかで、ぼくたちは大人にころされている。心とか。可能性とか。夢見る未来とかを。』
『よくわかんないけど、親は、子供の命とか進路とか未来とかは自分のものだと思って口出ししたりするわけだし。そしたら子供は、親の財布は自分のものだとか思ってていいんじゃないの』
『だけど戦うのはヘタ。とてもヘタ。自己主張するのも、反論するのも、怒ってみせるのもヘタ。ただ傷つくのだけ、すごくうまい』
『男子がスカートはいてたらパンツ見えまくりだよ。注意力が足りない。ね?』
『あぁ、おいしそうだったのに、実際おいしかったのに、食べ終わっちゃった』
『いまこんなに苦しいこと、あとほんの何年かして大人になったら、忘れちゃうのかな?それで、いいわねぇあれぐらいの年の子、悩みなんてなくて、なんて平気で言えるようになっちゃうのかなぁ?』
『おねえさん、十五歳のとき楽しかった?悩み事、なかった?あったでしょ-十五歳だったときの自分に、あやまって』
『いつかわたしとかも、誰かと愛しあうようになるのかなぁ。それこそ大人のやることって感じ。大切に思いあって、常に誰かとのペアで自分のこと考えて。よくわかんない。』
『なんだって、最初は初めてなんだよな』
『大人になっても。それは巣籠カナだからね。いまの巣籠カナだからね。大事に……してよね』
『誰か女の子がオレのこと好きになってくれたら、だよ。そしたら世界が変わる』
『白雪のこと思いだして、試しに「あいしている」とつぶやいてみた。やっぱり大失敗だった。想像していたとおり。』
『それは大人の言葉だから。』
『ぼくはきっとつまらない大人にしかなれないよ!』 -
『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家賞を受賞した桜庭一樹の作品。
主人公は自分のことを「ぼく」と呼ぶ15歳中学生の女の子。
とあることから家出をし、逃亡者となってしまう。
道中ダストシュートで出会った全裸の不思議少女、
「白雪」とともに東京を目指す。
珍しい形式でエンディングが3種類ある作品です。
が!自分はそれが逆に気に食わなかったかも・・・。
ifの話はあくまで読者の中に。
作者は一度ひいたレールは最後まで一本で通して欲しかったと思います。
グッドエンディングだろうがバッドエンディングだろうがね。
最後の方がSFチックでちょっと自分的には合わなかったですが、
主人公がいう「子供とは?大人とは?」という部分には共感しました。
自分は純粋な心をどこに置いていってしまったんだろう。 -
大人の理不尽さを糾弾するはなし
このなかだと大人は子どものことまったくわからなくて上から目線でみたいなすごーく悪者みたいに書かれてるけど別にそこまでじゃないと思うよ・・・ たしかにいやな大人もたくさんいるし自分の家が死ぬほど嫌いな子もいるんだろうけど15才なんてまだまだ若くて(人のこと言えない笑^^;)わからなくてこれからなんだから一方通行に考えるようなことはしちゃいけないんだと思う
とか上から目線すぎる うわあいやなやつ自分・・・
白雪ちゃんはけっきょくなんだったんだろうなあー
最後の終わり方がよくわからなかったなあ
でも桜庭さんらしいふわふわな女の子たちはやっぱりすてき´`
ああーやっぱり一生16歳とかでいたい 年取りたくないよお! -
何か・・・
読み終わった後に、あぁ・・・
って、心に何か大きな温かいものが
ずっしりと残る感じ。
余韻がなかなか抜けない。 -
とある事情から逃亡者となった“ぼく”こと巣篭カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。黒く大きな銃を持ち、記憶喪失を自称する白雪と、疑いつつも彼女に惹かれるカナ。2人は街を抜け出し、東京・秋葉原を目指すが…直木賞作家のブレイク前夜に書かれた、清冽でファニーな成長小説。幻の未公開エンディング2本を同時収録。(amazonより抜粋)
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(2011.3)
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桜庭一樹さんの著書特有の、ひとたび読み始めるや、ページの中から著者の両腕が伸びて胸倉を掴まれ、そのまま本の中に引きずり込まれたかのような感覚、この本にもあります。SFを敬遠しがちでも、なんだかんだで引き込まれるはずです。
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何だか最後まで読めない感じがして、もやもやした。
エンディングが沢山あって、読後はちょっとすっきり。 -
エンディングが別れてて面白いと思った。
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どうしてでしょう。本編よりあとがきを読んで泣きそうになった。ぐるぐるぐるぐる辛い気持ち、みんなあるよね?自分だけかと思ってた。でも、もうすぐぼくは大人になっちゃう。もう、そんなことは許されない理不尽な世界に飛び込まなくちゃいけない。だけど、この本読んだらなんとなく大丈夫な気がしてきた。頑張れそうかな。