少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 4638
レビュー : 478
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281052

作品紹介・あらすじ

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、そして出奔を繰り返す母の優奈-誰もが七竃に、抱えきれない何かを置いてゆく。そんな中、雪風と七竃の間柄にも変化が-雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大変、美しい文章。
    優奈の、泣き出す場面がとてもきれいで印象に残った。きれいすぎて泣けた。
    桜庭一樹は二作目だけど、少女の繊細な気持ちを表現するのがうまい。うまく作品を説明できないけど、この本とても好きです。

  • ぼくはビショップが好き。

    桜庭先生のお話は静かな感じがして良い。

  • いただいた本
    初めて読んだ作家さん

    美しかった。美しさとか、田舎の怖い感じとか、危うさ、頭のおかしさなど、興味深いテーマがたくさん。電車もいい。

  • いんらんの母親を持ってしまった娘の物語かと思いきや、「母と娘」という永遠のテーマで締められて、最後は思わずじんわりきてしまった。

    純愛。それぞれに、「一番側にいて欲しい」と心から願う人が、側に居てくれない切なさ。母にかけられた呪い。叶わぬ想い。永遠につきまとう呪縛。かんばせ。

    桜庭一樹さんは、作品によってガラリと作風が変わるので楽しい。少女七竃と少年雪風の、丁寧で独特の喋り口調がとても味わい深くて良かった。また、飼い犬ビショップ目線で描かれた章もとても良かった。

    「女の人生ってのはね、母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ。ある瞬間は、ゆるせる気がする。ある瞬間は、まだまだゆるせない気がする。大人の女たちは、だいたい、そうさ」

  • 重そうなテーマなのに、ユニークで優しい。

    感想を言語化するのが難しい。

    2014.10.26

  • 桜庭一樹さんの本は装丁が綺麗。
    内容がキャッチ―。
    展開がロマンス。

    でも、やっぱり自分の中で「おしゃれのために読んでる感」が拭えない。

  • 汚れた世界で、美しすぎて純粋な少年少女の恋というのはあまりに残酷な結末を迎えるのです。

  • この、せまいせまいスノードームのような世界にすごく惹かれました。
    せまくて、脆くて、真っ白な世界。

    あれがなかったら、これがなかったら
    なんて、結局意味がなくて。

    結局は与えられたものを生かして、生かして、生かして、
    自分で生きていくしかないんだな、なんて。


    全体的にすごく好きな話だけど
    欲を言えば最後に祖父の視点からのお話が欲しかったな。


  • 美しいかんばせを持つ少女、川村七竃が主人公。

    旭川の冬の美しい情景が浮かぶ、綺麗な文章でした。

    1「この世の果てだ。若くなくなってもずっと続いてゆく、女の人生。日常という名の果ては、なにやら、やわらかい。」

    雪風の母である、桂多岐。
    6人の子供を持ち、働かない夫の代わりに、毎日働いている彼女の光のない日常が、とても切なかった。

    若い頃にあった女としての光は、歳をとると消えてしまう。そんなもの悲しさがあった。

    2「頭がよすぎるものも、悪すぎるものも。慧眼がありすぎるものも、愚かすぎるものも。性質が異質で共同体には向かない生まれのものは、ぜんぶ、都会に紛れてしまえばいい。」

    都会に紛れてしまえばいい。七竃にとっては、魔法のような言葉だったと思う。
    人混みにいれば、誰も自分のことなど、見えていないように思えてくる。周りが気にならなくなる。
    都会とは、そういうところなのだ。

    3「つぎに町で会ったときには、すれちがっても互いにわからないほど、少年もまた変化しているのかもしれない。
    変化した自分こそが、そのあとの、唯一無二の自分なのだ。いまのわたしたちは永遠に消える。」

    七竃と雪風の別れ。
    唯一、分かり合えた友との別れ。
    いまの雪風とは、もう永遠に会うことはできない。
    時の流れが、容赦なく彼らを変えていってしまう。

    とても痛切でやさしい愛の物語だった。

  • ある日辻斬りのように男と関係を持とうと思った25歳の小学校教師。狂ったような季節の先に妊娠して、生まれたのはあまりにも美しい容姿をもった少女七竃。

    そのあまりに美しい容姿とは関係なく、本人はぼーっとしているというかちょっと理屈っぽいというかとにかく淡々としている。そんな七竃が関心を持つのが鉄道と、同じく鉄道を愛し、七竃に良く似た美しい少年雪風。

    やがて七竃はゆっくりと消費され美しくなくなってしまうことを目指して上京する。若い女は若くなくなると「若くない女」になるのだ。なんという恐ろしい話。

    でもなんとなく七竃はいつまでも美しい気がする。誰にもその実を食することを許さず、冬になっても赤い実を実らせたままただそこにある植物の七竃のように。

    少女から大人になっていく過程が上手くかけていると思いました。なんかめんどくさいんだ、この季節って。

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著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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