少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 4655
レビュー : 478
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044281052

感想・レビュー・書評

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  • あまり適切な表現ではなさそうだが、
    全体で、ひとつの景色になっているような話

    一面に広がる、薄情な白い雪
    そこに落とされた何者にも染まることのない、
    美しき七竈の実

    自身の小さな世界で生きる七竈が、
    大人たちに翻弄されながらも、
    懸命に前を向いて生きていく
    そんなお話

    自分としては、全てを理解するにはレベルが高すぎた作品・・・

  • 桜庭一樹の小説はぬめぬめしている。
    人間のぬめぬめとした汚さ、底に澱み黒々としたおそれを美しく描く。
    決して後味は良いと言えない。しかしそこにこそ儚い美しさは宿る。
    その事をよく知っている作家であり、それがよく表われた作品。


    幼く狭い世界の物語は閉じられているからこそ続く。
    七竈と雪風。美しい幼なじみ。
    永遠に続かないあの年頃の、呪いにも似ていた恋。
    期限付きの美しさを、女としての欲望を、押し付けられ逃げようのない血の呪いを、静かに見つめる少女はそれらを許さないことで自分を受け入れる。
    しかし許さないという答えを出すことで初めて許せたのだと気付くにはまだ少女は幼かった。
    幼なじみ。美しい、七竈と雪風。

  • 独特な文章で、読んでいると不思議な気持ちになる。
    言い回しが独特だからか、少し読むのに時間が掛かる。

    でもなんか好き。そんな本。

  • 七竈が主人公なのだけれど、スポットは周りの大人達と言う感じかな。
    はかなさとかジレンマとか、苦悩とか表現したい物が色々な感情となって伝わってくるけど、その正体はぼんやりしてる感じがとても印象深い。
    まあ、僕がちゃんと読めてないだけと言う話もあるけど。
    そう言えば桜庭一樹ってこう言う作品書くんだったなあと思い出させてくれた感じでもありました。
    GOSICKも並行して読んでたので、それを強く感じたのかもしれません。

  • 面白かったけど、ここまで美を嫌悪するのはやりすぎだと思うけどなあ。
    比類なき面貌と知性を併せ持つと、色々と思い悩んでしまうのだろう。
    天に二物を与えられた人間もそれはそれで大変なのね。

  • 言葉の使い方が好みでした。七竈と雪風の。あとジュピター目線が面白くて良かった。少女が大人になっていく素敵なお話でしたが、個人的には雪風と逃避行くらいしてほしかったなあ。

  • たぶん四年ぶりくらいの桜庭さんの作品。文体が甘い!!!江國香織とは別の甘さ!!あとなんかむず痒いけど語り手どんどん変わって面白かった。お察しの通り雪風くん大好きでした。

  • 人が人であって悲しみを抱えてやりきれなさを抱えていきて行くことはいつだって一緒だと思った。案外それでも生きちゃって、生き切ることができちゃうものなのかもね。悲しいことを、悲しいと感じることができた。

  • 倦怠感と北国が緻密に絡み合っている。憂鬱の向こう側を体験した様な気分。

  • どうしようもない母親・優奈から生まれた美しい少女、七竈の物語。
    裏表紙のあらすじからドロドロした物語かと思っていましたが、そんなことなかったです。

    奔放な母とその美貌のせいで居場所がなく、孤独な七竈。彼女を支えるのは幼馴染の雪風と鉄道模型、そして祖父とおじいちゃん犬のビショップ。
    ビショップから見た七竈が幼く見えてとても可愛いかったです。
    雪風や緒方後輩とのやりとりも微笑ましい。
    母から娘へと連なる呪縛。許すことはできるのでしょうか。「だけど、ビショップ。人間にはそれがなによりむずかしい」
    七竈の話し方がとてもすきです。

著者プロフィール

桜庭 一樹(さくらば かずき)
1971年、島根県生まれの小説家。
1999年「夜空に、満点の星」で第1回ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。
『赤朽葉家の伝説』で第60回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)、『私の男』で直木賞を受賞。他の代表作に『GOSICK -ゴシック-』『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』『赤朽葉家の伝説』などがある。
ゲームのノベライズやライトノベル作品や、山田桜丸名義でゲームシナリオを手がけるなど幅広く活躍している。

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