ベティ・ザ・キッド(下) (角川スニーカー文庫)

著者 : 秋田禎信
制作 : 山田 外朗 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年10月30日発売)
3.97
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  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044299064

作品紹介

「父さんは何故殺されたの?」父の仇ロングストライドを追って、砂の大陸を旅する"賞金稼ぎのキッド"ことエリザベス・スタリーヘヴン。だが旅の途上で得た真実は、復讐のみに彩られていた旅の航路を変えていく。かつて父が辿り着いた場所-ヘヴン。「砂漠の解答」であるその場所へと導かれていくベティたちだが、ロングストライドや政府軍もまた、ヘヴンについてある思惑を抱いていた…。

ベティ・ザ・キッド(下) (角川スニーカー文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  砂漠の真実といいフラニーの選択といいベティとウィリアムの関係といい潔いまでのエピローグのなさといい、とっても秋田作品でした。いやもう普通脱出後どうなったか書くもんだと思うんですが、「書くべきことは全部書いたから要らない」と言わんばかりに満天の星空でバッサリ終了。実際大切なことはすべて伝え終わっているので文句も言えない(笑)。
     でもこの後どうなったか、というかどうするのか気になるんだけどなー。指名手配そのまんまだろうし、フラニーの微妙な立場が改善されるわけでもない、それでも彼らはそこで生きていくんだろうけど、考えてみれば変装して旅でもしないと平穏に暮らすのが困難な一行なんですよね。それとも南部とか他の国に移住するのかな。

     ウィリアムとフラニーの互いに対する清々しいまでの興味のなさが素晴らしかったです。仲が悪いのではなくドライでビジネスライク。三人組の内二人がここまで仲が良くないのは珍しいですが、仲が良くない三人組って大好きなのでノープロブレムです。二人ともベティのこと大好きだしな!
     ウィリアムとベティは、少なくともウィリアムの方は恋愛感情と言えるほどわかりやすい感情ではない(どっちかつうと父性愛?)と思うんですが、ベティからのフラグはばっちりですよね。ウィリアムてめえ17歳の女の子が父親失って仇討ちのため男装して誰も頼れる人いなくて荒んでた頃に助けを申し出て実際ことあるごとに助けて「君のために奴を殺してきてもいい」を初めとする殺し文句を連発しといていざ「わたしのことが好きなの?」と聞かれたら「いいや」と即答ってふざけんなよ! 本編終了後ベティから押し倒せばいいと思います。
     フラニーとベティは他の人の感想で親子に例えられているのを見て納得しかけたんですが、よくよく考えたら姉妹に例えた方が適切なのかな。わがままな妹としっかり者のお姉ちゃん。生まれるはずだったベティの妹は、最初「ベティの妊娠フラグきたー!」と思ったんですが、もしかしたらフラニーのことなのかも。でもやっぱり違うのかな。失われたものが帰ってくるなんて都合の良いことは秋田作品では否定されそうだし。

     砂漠の真実は、いい加減量子論を勉強すべきだろうか。この世界も他と繋がってる可能性が出てきてガクブル。今回の盲信ポジションはまさかのロングストライドさんでした。でも今までで一番わかりやすかったかな。しがらみをすべて捨てて、新しい世界に行ける誘惑。捨てたくないものを見失いたくなるほど、なかったことにしたいものが多すぎる。
     戦闘は「銃は一瞬で人を殺せる」という法則が綺麗に活かされていて惚れ惚れ。一瞬で相手を殺せるから、一瞬隙を作ればいい。一瞬相手より早ければいい。ただそれだけが酷く難しくて容易い。

     ちなみに17歳の女の子が自分の胸を揉んでる挿絵だの裸の男女が乳繰り合ってる挿絵だのが登場した今作品ですが、一番エロかったのは上巻口絵の目玉焼きを口にするロングストライドさんだと信じてやみません。どう考えてもエロい通り越して性的だったってアレ!(…)

  • 大きく予想を裏切るような展開はなかった。読んだらそれで救われるような都合のいい正義もなかった。だけど、すごく面白かった。善悪に線引きがない砂漠で、砂の一粒一粒を掬いあげるように、人物の生き様や言葉の意味を考え出したらもう止まらない。なによりカッコイイし! 繰り返し読みたい。

  • ようやく読了。
    エグゾダスかとおもったらソラリスの海でしたか。

    実のところ上下巻に分かれた長編であって、シリーズとは言いがたいもの。
    ただ、世界観のネタはおいしいので、この世界観で主人公かえて話は続けることは不可能ではなさそう。

    ・・・それじゃデューンか。

  • 父の仇・ロングストライドを執拗に追う主人公・エリザベス。いつも追いつきそうで追いつけないが、とうとうそのしっぽをつかむ機会が。
    世界観をたっぷり語る上巻と比較して、下巻ではコアとなるストーリーが展開する。が、のこり1巻では性急にならざるを得ないため、ラスト付近では駆け足の展開なのが惜しい。
    ベティ、フラニー、ウイリアムの関係がしっかり書かれていてとても良かった。
    超人的なスキルをもつが感情表現があまりないウイリアムが、ラスト付近でちょっぴりその思いを表に出すあたりがいいですなー

  • 上巻の方がおもしろかったかな。みんながみてる〜。目がいっぱい〜ってとこが正直想像はなんとなくできるんだけど、理解がついていかないってゆーか、まあ、砂漠の謎はそこかーって感じで。でも満天の星のとこは好きだな。綺麗だ、と思えること、は生きてるってことなんだなあ。

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