カリフラワードリーム―タクミくんシリーズ (角川ルビー文庫)

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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044336028

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズ、2作目まではスニーカー文庫として出てたんだよね。今で言うライトノベルの走り?

  •  くっついたタクミとギイのその後の生活を短編集でつなぐ話。

     多分、この小説を書いていた当時の作者さんは、本当に書きたい時に書きたい話を書いていたんだろうなあ……という感じがすごくします。
     なので、物語と物語につながりがなかったり、急に違う登場人物が主人公になってたり……そんなことは日常茶飯事。
     なんでここで今、この話……? ってなったりもするんですが、それも多分、作者さんが「書きたかったから」なんだろうなあ……と、失礼ながら思ってしまいました。
     その辺りは、今のすっかり商業化されたBLとは違ってどちかというとまだ同人誌よりの、自由さが残っていたなあ……と思います。

     ただ、今、商業BL読みなれてる人が読むと違和感になったりするんだろうなあ……ってことも否定しません(苦笑)
     どちらがいいのか悪いのかは、その人によると思います。

     まあ感想はこれくらいで、中身の話を少しだけ。

     一つ目は「裸足のワルツ」。
     こちらは、タクミが憧れているバイオリニスト、「井上佐智」が急遽、学園でコンサートを開くことになり、大ファンのタクミはぽーっとのぼせ上がってしまうけれど、実は佐智はギイの友人で……という話でした。
     まあ本当に中身も何もないんだけど、ほんのちょっと、タクミがバイオリンを止める前の話が少し。
     そしてそこからギイにバイオリンを借りたタクミがもう一度、バイオリンを再開することになっていきます。

     二つ目は「右腕」。
     前風紀委員長と・柴田とその「右腕」と言われる森山がギイとタクミのラブシーンを見てしまって、そこから一悶着起こる話。
     森山はどういう流れか、タクミに「付き合え」と迫ってきて……というちょっとしたハプニング話。
     実はこれにはタクミの知らない裏があって……というところもあるんですが、なんかまあ、ものすごく簡単にぶった切っちゃうと、「よくあるBL理論」な話でした。
     読んだらわかると思います。

     三つ目は、「カリフラワードリーム」。
     夏休みを挟んでアメリカから帰ってきたギイが持ってきたのは「カリフラワー」。
     それをタクミに育てるように急に言い出して、仕方がないからタクミが大事にそれを育て始めたら、実はそのカリフラワーが「遺伝子改良された特殊なカリフラワー」だのなんだの……と妙な噂が錯綜して、タクミは呆れるけれど、ある日、カリフラワーが行方不明になって……という話でした。
     一応メインは、ギイがカリフラワーなんかをタクミに渡した真意……ってところになるのでしょうか?
     わざわざ表題作にするまでもないんだけどなあ……と思ってしまうような、ただののろけ話でした。

     四つ目は「てのひらの雪」。
     当初、ギイに片思いをしていた学園のお姫様だった泉と吉澤道雄のその後の話。
     前の話で吉澤くんがキレちゃってそのまま泉の手を引っ張って行っちゃったから、てっきりいくところまでいっちゃってたんだと思いきやそうではなくて足踏み状態だったようで、そこから泉がなんとか頑張って前進しようとするも、から回っちゃうちょっと切ない話でした。

     そして最後が「天国へ行こう」。
     タクミと出会う前のギイの話。
     ギイはある自殺未遂者を助けるけれど、その自殺をしようとした理由は恋愛がらみで……という話でした。
     偶然が綴る話ですが、まあ、多分、今の商業誌なら載せないだろう小話ですね(苦笑)
     この片割れが自殺未遂をした彼らがまた物語に出てくるのは不明です。

     以上、5つの話が入ってました。
     ダメではないんですけど、結構脇道にそれた話も結構入っているので、そういうのが基本的にめんどくさい人にはオススメしません。

     これ、かなりの巻数出ているので、果たして私は最後までたどり着けるのかどうか、疑問です。

  • 裸足のワルツ
    右腕
    カリフラワードリーム
    てのひらの雪/吉沢高林
    天国へ行こう

  • 【友人から拝借】

    まだBLという単語がなかった時代の作品。 なんかも〜キャラの性格とか時代が出るなぁ( ̄∀ ̄) 設定・読み味ともに少女テイスト満載。

    主人公のタクミくんがギイと結ばれ、女王様だった高林泉もルームメイトとくっついたんだけど…この寮、見事にゲイの巣窟だなぁ(笑)

  • 高校2年7月~

  • タクミくんシリーズの短編集。

    吉沢と高林くんのお話「てのひらの雪」が
    よかったです。

    表題作の「カリフラワードリーム」は、ゆる~いほんわかした空気が流れていました。
    そんな空気感が、タクミくんシリーズの好きなところです。

  • 泉と吉沢のすれ違いにやきもきしつつ…最後は仲良しな二人に癒されます(。-_-。)

  • 山奥の全寮制男子高校・私立祠堂学院。
    人間接触嫌悪症の葉山託生は、全校の憧れの的ギイこと崎義一の真実の愛に心を開き始める。
    誰にも話せずにいたあの忌しい出来事をうちあけた後も、変わらないギイの愛。
    託生はギイを信じる事で、大嫌いな自分を好きになれる様な気がした―。
    表題作「カリフラワードリーム」、天才バイオリニスト井上佐智とギイの関係に揺れる託生の心を描く「裸足のワルツ」、ギイのN.Y.番外編「天国へ行こう」等、全5編。
    結ばれかけた、2人の愛の絆は危うくせつない―。
    大好評“タクミくんシリーズ”待望の第2弾。

  • 映画化を知って、数年ぶりに再読中。吉沢×高林カップルが可愛くて好きですv/(2008.02.17読了)

  • おおや和美さんのイラストで選んだ。初ごとうしのぶ作品。全寮制の男子校、と聞いただけでも心うきうきしてしまうが、このシリーズはタクミくんやギイをはじめ、登場人物の心の深い部分も細やかに書かれているのが好き。新刊の発売を心待ちにしてしまう作家のひとりです。

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著者プロフィール

静岡県に生まれる。ピアノ教師を経て小説家に。著作に「タクミくん」シリーズ、「カナデ、奏でます!」シリーズ、『崎義一の優雅なる生活 BLUE ROSE』『崎義一の優雅なる生活 エリカの咲く庭』などがある。

「2023年 『タクミくんシリーズ 30th Anniversary Fanbook Memorial Days』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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