蜜は夜よりかぎりなく (角川ルビー文庫 83-23)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044468231

感想・レビュー・書評

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  •  白鷺シリーズ、最終巻。

     この本の中には3つの話が入ってました。
     一つ目が、藍と志澤の物語。
     二つ目が、弥刀と朋樹の物語。
     三つ目が、藍の父親、衛の過去編でした。

     一つ目の話は、藍が大学に行き始めて、初めて異性と一緒にいるのを見た志澤が、藍と距離をとり始めて、それに気づいた藍が、志澤を問い詰めたとき、志澤の過去が明らかになる……という話でした。
     藍視点でこの物語を見ると、周りが思っているほど、藍は天使ではないし、心が広くもないし、強くもないんだなあ……と実感できる話でした。
     皆が皆、藍を神格化しているのに、当の本人だけ、それを意に介してないところが一番、すごいし強いからとても好きです。

     二つ目の話は、強かった朋樹が現場に出て、直接人と触れ合う経験をして、逆に自分のウィークポイントのようなものに直面して、少し弱ってしまった話。
     本当に本当に強かったので、この話が出てきて、ようやくこの二人の関係が本物になって、強い朋樹が弱って、また新たな強さを好きになって。
     本当に本当に朋樹のことが好きだなあと思いました。

     三つ目の話は、これが一番、痛い話で。
     どうして衛はこんなことになってしまったのか、というのが衛視点で語られる話です。
     これがシリーズの根本の話で。
     そうせざるを得なかった衛の切ない話。

     この三つが揃ったことで、すっきりとシリーズが完結したような気がします。
     とてもいい話でした。
     ありがとうございます。

  • 志澤×藍の連作完結編。この作品で藍の成長をしっかりと見届けることができ、二人の関係もゆるがないものになったと安心して読めました。周囲の脇役のサブストーリーも収録されているのですが、福田×衛の壮絶な過去とその描写に凄く惹かれました。過去を振り返って最期を迎える衛の様子も素晴らしく、だからこそ藍の存在が引き立つのだな、と3作連作で追いかけてよかったと心から思いました。

  • 1作目 キスは大事にさりげなく
    2作目 夢はきれいにどけなく
    3作目 恋は上手にあどけなく

    4作目 平行線上のモラトリアム
    5作目 垂直線上のストイシズム

    そしてこのシリーズ最後の作品がこの
    蜜は夜よりかぎりなく です。

    1〜3作目までは志澤&藍
    4.5作目は弥刀&朋樹

    今作はそれぞれの短編小説と
    一之宮衛の物語を収録。

    プロローグにして本当のエピローグを見せてもらいました。

    またいつか最初から読んでみたいと思います。

    全てを理解した上でもう一度読むとまた違うものが見えてくる。
    著者もそう語るので間違いないと思います。

    難しい作品でした。
    でも素晴らしかった。

  • 志澤×藍編と弥刀×朋樹編そして、福田×衛編も入った白鷺シリーズ最終巻です。あとは志澤弟編があれば文句なしだったな。エロシーンも相変わらずですが、書こうと思っている世界を物凄く調べて描いているんだなーといつも思います。白鷺シリーズが好きな方はぜひ。

著者プロフィール

小説家。3月16日生まれ、九州出身。
1998年、『楽園の雫』でデビュー。
ブルーサウンドシリーズ」や「白鷺シリーズ」「グリーン・レヴェリーシリーズ」など、多くのシリーズ作品を生み出したほか、漫画原案なども手掛ける。代表作として『トオチカ』など。

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