宮廷神官物語 王子の証と世継の剣 (角川ビーンズ文庫 39-9)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044491093

作品紹介・あらすじ

ニセモノの慧眼児という疑いも晴れ、宮廷に戻ってきた天青。保護者代わりの鶏冠らと、楽しい正月を過ごすが、正月明けに事件は起きた。現王が、世継の藍晶王子に、王位継承の儀式を行うと告げたのだ。しかし、世継の証となる宝剣は行方知れず。そこで王子は、代わりの証を得るため、天青らを連れて冒険の海へ!謎めいた霧の島で待受ける数々の試練、そして判明する衝撃の事実とは!?冒険心がうずきだす、韓流物語第6弾。

感想・レビュー・書評

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  • ハイ…。もうね…。

    間を開けすぎるといきおいがなくなる! ちゅうことで、続けて読もうと思っております。
    前作を読んでから1か月半でこの巻を読んだので、私にしてはかなりいいペースかと。

    このいきおいで、この文章を書いたら続編を予約してくるわ。


    …ほんでね…。もうね、ああもうそうくるかー!! ちゅうね。

    著者ってなかなか意地悪じゃない(笑。いい意味で)!?

    天青みたいな可愛くて明るくていい子を出してくるから、さぞ天青を中心にしたほのぼのファンタジーなんやと思ってたら、

    全 然 違 う し!! 騙されたわ! (いや騙されてはない)

    (そしていい意味で読んでください)


    だって~!!
    黒苑遊はやめてあげてっていうたやん、鶏冠がかわいそうやから!!

    前作のラストシーンで黒苑遊が話している黒幕の親玉が虞恩賢母っていうのもやめてあげてっていうたやん、曹鉄がかわいそうやから!!


    まんま、それやんかーーー!!!!



    鶏冠も曹鉄も打たれ弱そうすぎて、かわいそうなのよ…。
    今回で、藍晶王子も大概やばいぞ…、と、思った。藍晶王子も大概打たれ弱そう。赤烏絶対に助けてあげて。アンタまで打たれ弱いとか、ヤメテ…。

    結局、強そうなのは、紀希。あとは櫻嵐。なんだ、どっちも女子やんかー(笑)!!

    天青ももちろん打たれ強いと思うけど、こちらは慧眼児なので、特別枠。笑


    それにしても…。
    曹鉄の木剣が承影剣なんちゃうんかという振りはここ数巻で出てたからアレとしても、藍晶王子の「仲間」がその剣を所持してるんやから、
    「さすが、次期王に仕える人は違うわ」
    っていう展開になるんかと思ってたら、まさかの曹鉄が第一王子というね…。

    (私の予想が甘すぎるのか)

    曹鉄と藍晶王子に溝とか、うまれんといてね!?
    どちらも自分の欲に走るわけではなく、国のことを思って、引けないものがあると思うゆえの対立とか、見たくないよう…。
    どのような形であれ、みんなが幸せになれる結末がありますように…。(ほんまに)


    今回、藍晶王子の年齢が何度か書かれてたけど、彼はまだ十七歳やねんね…。
    曹鉄や鶏冠だってまだまだ若いよね。ファンタジーすぎて年齢を感じにくいけど、当然、迷ったりためらったりする年齢やもんな。

    やらなければならないことを、みんなの力を借りて懸命にやるだけだ、と、いうのはグッときた。
    その結果、自分がそれだけのことをやれる器があるのかどうか、やるにふさわしい人なのかどうかの評価はあとからついてくる、と、いう。

    そうかもなあ。
    どうも、最初から周囲に「自分にはこれだけのことができると認めろ」と、思う気持ちが先に立って、イカン。
    まずは実績をつくらんとあかんのは、頭ではわかってるけどね。
    実績がないのに、周囲の評価も「まだまだ見定め中」なのに、「やらなければならないこと」を、懸命にがんばらんとあかんという状況は、結構、きついよねえ。

    だからこそ、藍晶王子はえらいなあ、と、思うのだけど…。

    ひつこいけど、そこまでがんばれるのはひとえに熱量やで。
    もちろん責任感も大事やけど、結局は、自分が、やりたいか、やりたくないか、だけやもんね。

    藍晶王子には、生まれ育ちがあるとはいえ、「自分がやらなあかん」ひいては「自分がやる」と、いう気持ちがある。
    曹鉄にはそれはないはずやろ。
    あるけど、曹鉄のそれは、「国を治める」と、いう方向ではないはず。

    せやったら、各々、望む場所で望むように励めるよう、配慮したったら、エエやんか! ええ!? 違うの!?


    (まさかの虞恩賢母に対する逆ギレ)


    あー、やだやだ、身分の高い人は体裁ばっかりでね!!


    どこからともなく現れた(?)苑遊が、曹鉄に
    「私はあなたの味方です」
    と、いうたときは、

    エッ、まさか苑遊黒幕説は、ないのか?

    と、やや色めき立ったんやけど、なんのことはない、曹鉄個人の味方なわけであって、藍晶王子一派の味方ではなかった…。
    それ、話がややこしくなるから!!


    「自分は味方やから」
    と、いう相手に対して、有難いと思う気持ちと同じぐらい、なんだか飲み込めない何かがある気がしてたのは、そうか、
    「自分は味方」
    と、宣言する以上、
    「誰かは敵」
    ちゅうことやねんねえ。
    ああ、なるほどー。

    できる限り周囲に敵(も味方も)を作りたくない私としては、身を呈して守ってくれるほどの味方もいなくていいから、攻撃をしかけてくるような敵もいらん、と、思ってるわけで。

    そういうタイプからすると、有難いような、有難くないような、びみょうな一言やったわけやな、と、思った。


    何度も頭に浮かべたことは、現実になりやすいかあ…。

    成功のイメージを持つことが成功につながるって、この半年で何度聞いたか。
    ほんで、それがいかに難しいかもいやってほど身に染みた。

    私はコッテリ体育会系なので、スポーツでその理論を必須とされてきたけどね…。
    練習の中で
    「これをしたら勝てる」
    と、いうような流れを自分の中にうえつけるのよね…。

    結局、何度も繰り返して練習して成功イメージを体に覚えさせるっちゅう話なので、一度の成功のために何万回と練習するっちゅうだけの話やけど…(笑)。

    そういう経験値がある私でも、それがスポーツではなくて一般的なこととなると成功イメージを持つのがなんで難しいかって、成功するイメージを作れないことをやらなければいけないのが、つらかったのかも。
    何万回と練習するのは苦しいけれど、努力すれば身に着く成功イメージなら、まだ手が届く気がした。
    何もないところから成功イメージを作るって…。何を、根拠にすればええん?
    新しいことを始めるときって大概そうなのかな?

    わからないけど、成功のイメージをたくさん持ってる人のほうが、強いのかもしれへん。
    ほしたら、ひとつの物事を終えたときに、
    「よし。これは成功した」
    と、自分でしっかりインプットしないとね。

    あれはあかんかった、これはもひとつやった、っていう反省は、終わってからはいらないのかも。
    次はこうしよう、なら、まだ、成功に近い気もする。

    気がするだけやけど。


    それにしても、「カブキブ」と、全然イメージが違う…。
    「妖琦庵夜話」とは、たしょうイメージが似てる(救いようのなさが)。

    BLはどんなんなんやろう…。
    いやもう、曹鶏と赤藍で楽しんで読めるけどもな。お姫様抱っこありがとう。このシリーズを読み始めたときに天青の総受けなんかなとか思っていてスイマセン。
    天然でイチャイチャする曹鶏や堂々とイチャイチャする赤藍に対して、天青、櫻嵐、紀希は常識的なツッコミ役やわ。


    って、そんな軽いナナメ見ができるかどうかも、次巻にかかってる気がする!
    大丈夫かな、いろいろと…。まず、直接関係のないはずの鶏冠が体調を崩してそう…。

    なんかし、早く続きをリクエストします。
    しかし角川ビーンズ文庫、なかなか読み応えがあって、いいな。


    ■■■■

    ■舫綱

    船をつなぎとめるのに用いる綱。やりて。てやす。


    (2017.07.01)

  • うぉう。こんなところで終られるとは! 今まで割とキリの良いところで終っていたのに! しかし、まあ曹建がそうではないかとは、前から薄々思っていたのが、やっぱりだったのね~。

  • まさかの流れ。最後のページでこの本の人々の苦労がすべてぶっとんだ笑

    2019.4.21
    61

  • 宮廷神官シリーズ第6弾。
    無くなった宝剣の代わりとなる立太子の証を手に入れる冒険の旅。いつもと違った雰囲気で新鮮。
    証も手に入れ、いざ立太子の式に至り、やはりというか、まともや嵐の予感。

  • やっぱりなー!!そうだと思ってたよ〜〜!!!って興奮。

  • 藍晶王子の立太子編.証となるものを手に入れるため,いつものメンバーで霧の島の水神官の元への冒険.そして,やっと立太子かと思いきや,ずっと思わせぶりだった苑遊と虞恩賢母の登場でやっぱりの事実判明.次が面白くなりそう.

  • ああっ。そんなところで続かないで?、という巻。

  • お姫様だっこありがとうございます…!

  • え~!!何という展開で続き!
    いやぁ、薄々は感じていたことではあったけど。そして、やはりあの人は。な展開だった。

  • また旅に出るんかい。

    「宮廷神官物語」なのに旅に出すぎじゃないか?

    しかも、普通に旅に出て徴を手に入れて帰ってきて終わりましたね。

    あと、最初の投壺競技で苑遊の真の実力が出てきましたね。

    能ある鷹の隠した爪が見えた感じでしょうか。(チラ見せ?

    最後のあれはついに来たなって感じの展開でした。

    続きが気になります。

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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