怪談徒然草 (角川ホラー文庫 118-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044493035

作品紹介・あらすじ

「平家がまだピチピチしていて、とてもよろしゅうございました」と壇ノ浦での旅行を語る加門七海が、体験した本当にあった怖い話。中国旅行中に重慶の旅館で出会った死神。無理やり造りを変えてしまったために、氏子が次々と死んでしまった神社。付き合う男性が全員死んでしまった絶世の美女。そしていまだに続いているという東京都慰霊堂と三角屋敷を巡る話(完全封印版)などありとあらゆる体験を語った「怪談本」の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 作者の加門七海さんは霊が見える人らしい。
    それで自身の霊体験を三夜に渡り語ったものをまとめたのがこの本。

    最初の話を読んで、「これ、中々いいかも・・・」と思った。
    その話というのが作者が旅先で体験した話で、幽霊が出ないし恐いというよりちょっと不思議な印象の・・・どちらかというと地味な話なのに、何だかゾクッときた。
    これはやっぱプロの作家が書いてるからだろうな・・・。
    恐い実話っていう本も色々出てるけど、そういうのって文章が安易だし、本当にあったの?こんなの?というマユツバモノの話が多いから・・・。
    と期待して読んでみた所、確かに恐い話も中にはあるものの期待したほどではなかった。
    作者の語り口調がちょっとくだけ過ぎていてふざけた印象なのも気になった。

    ただ最後の話「三角屋根を巡る話」というのはかなり恐い!
    完全封印版だとか、もったいつけているのが気になったけど、このまま小説にしてもいいくらいのよく出来た怪談話。
    作者と懇意にしている作家さんが実際に体験した話らしい。
    今まで聞いた事無い類の恐い話だった。
    もしかしたらこの話が書きたいがためにこの本を出したんじゃないか?とチラッと思った。

    私は幽霊がいると思っているし、UFOもあるだろうな~と思っているけど、今までそういうモノを一度も見た事がないし、恐い体験をした事もない。
    だからこういう話も信じていると思いながらも、どこか「本当に~?少し脚色してない?」と思ってしまう。
    この本の内容も半分は信じて半分はマユツバだと思いながら読みました。
    最初の話でさりげなく惹きつけ、最後の話で強烈な印象を与える、そういう意味ではよく出来た本だと思います。

  •  オカルトに造詣が深く、かつ自身も様々な怪しき体験をしている作家・加門七海さんが、語り形式で、自身が体験したり聞いたりした怪異譚を披露した、傑作怪談本。
     壇ノ浦から「平家御一行様」の「安芸の宮島・清盛対面ツアー」のお手伝いをさせられてしまった、『壇ノ浦の平家』
     コントのようなブラックコメディのような、でも本当の話、『嫌な感じの幽霊』
     金儲けに走って神社を改装した関係者達に降りかかる祟り話(を半ば無理矢理に聴かされた)、『九人の氏子と神主』
     「生兵法は怪我の元」と魔術を安易に行使すること、メディアが安易に広めることを戒めるような話の、『オカルト事始め?』
     そして、トリを飾るのは、明らかな悪意を持った何者かによる魔術的実験が繰り返されるマンションに引っ越した作家と、その友人である著者に起こった様々な怪異とその顛末を、後日談まで含めて語り尽くす、『三角屋敷を巡る話 完全封印版』
     もうね、『三角屋敷~』は凄いです。安価に量産されている粗雑な三流・四流ホラーなんかよりよっぽど怖い。
     これ、映画化したら大ヒットするんじゃないのか、と思うぐらいのオカルト・ウォーズです。
     でもそれは、実践者にしてみたらとんでもない営業妨害なので、企画が立ち上がったら、著者を含む全ての関係者にナニカが起こること間違い無しでしょうね。

     この本は、怖い怖くない云々以前に、面白かったです。オススメです。

  • 面白かったです。
    いたずら子狐の話みたいに癒される話もあれば、後味の悪い話は題名どおり後味が悪い話だったり、バラエティに富んだ怪談本だと思います。
    某屋敷の話も読めたし、加門さんの本集めたくなりました。

    神社で転ぶ(何らかのトラブル)のってやっぱり駄目なんですね・・・・・・。
    京都の伏見稲荷で昔転んだんだよなぁ;

  • 加門七海さんは江戸の風水とか歴史とか呪いとか、そういったものに詳しい方と思っていたけど、それだけではなかった。ご本人自体がこんなに憑かれやすい方だとは!霊の気配のないはずのホテルでもなにかを連れてきちゃったり。日々大変そうです。

    有名な三角屋敷の話は、なんとなんとわざわざ悪い土地相の場所に悪い配置で作られたマンションで、住んでいる人で実験しているのではとのこと。世の中にはこういう発想の人もいるだと驚きました。

  • 三角の建物
    検索してみたかったが調べていることもバレそうで検索すらできなかった。ビビりすぎ笑

  • 数年おきに読み返したくなる本

    座談会形式なので読み進めやすい

    さんかくのおうち……

  • 再読。

    この本を「文藝百物語」の後に読んだから三角屋敷の話者を間違えて覚えてたんだな。
    それにしてもますます興味がわく三角屋敷。
    誰が、が一番気になる。
    どなか突き止めた方はいるのだろうか?どこかでそれに関してのものを読んでみたい。

    旅館系の怪談が好み。
    宿を変えてもついてくるってのは怖いね。
    「絶世の美女の正体」のように結果がぼんやりとしてるのはまさに実話系。あぁ、その後が知りたい!


    こんなとこにも三津田氏が。嬉しい。
    作者と三津田氏と東氏のやりとりににんまりしてしまう。

    怪談好きにはたまらない本書。
    満足です。

  • 大好き。
    三角の建物は蚕のオウチ。

  • 福岡県民としては、稲荷の花嫁の話が気になる。それと、編集者・三津田信三の登場にふふっと。

  • まさしく徒然なるままに収拾した怪談、といった具合で、そもそもホラー文庫なんだから予想はある程度つく中での巷説怪談…なればこそ展開に突飛なく、ページをめくる指も鈍る

  • 正気かこのおばさんって思うところもあるけどこんなゾクッとするのは久しぶり!怖い話見飽きた人こそ楽しめる!

  •  おそらく再読。
     霊や人ならざるモノに対して、ことさら怯えず、敵意ももたず、ただ「在るもの」とするスタンスは面白い。
     あるいは、見えてしまえばそうなるのか。
     わからないものをわからないままにする生き方というのもいいなぁと思った。

     しかし、悪意の塊みたいな三角地のマンション怖い……。

  •  加門七海の語りを読みたいただそれだけ。

  • 怖い話好きの夫が「これは怖い」と太鼓判を押していたので、期待し過ぎたせいか、それほどでもなかったかな。

  • …ややトラウマになりました。

  • ほんとうにあった怖いお話の本です。
    霊感のつよい作者の体験談です。

    こういう話は、ほーんと怖いんだけど、
    「こえ~~~」って思うだけじゃなくて
    何か根拠があって、怖い体験になってるというのを感じます。
    やっぱりね、邪念や侮辱でいろんな事を行ってはいけないのよ。
    これは、日常生活からしてマナーや礼儀を
    ちゃんと守っていればいいのよね。
    何事も敬う気持ちを忘れてはいけないことですね

  • ふ〜〜ん…って感じで読んだ本
    こんな事ありました、あんな事ありました。と淡々と語ってる本

    心霊体験なら私も私の友達にもこの手の話はあるよ
    私の場合ホントに泣きが入ったのは1回だけで
    後はたいした事ないけど
    こうゆうのって実際体験すると洒落にならないから
    何もナイとか感じないならそれに越した事ないよ……

  • 著者が語る自らが体験した怪奇譚。淡々とした語り口のためついつい読み進めてしまうので,夜のお供にはお勧めしません。現代の実話という身近な恐怖に眠れなくなってしまいますから。

  • 著者本人の体験談で会話形式な文章で短編が何話か入っていますが最後の「三角屋敷」の話しが怖いです。

  • 怖い!三角屋敷は怖い!

  • 三角屋敷の話がたまらない!

  • なぜか二冊買ってしまった本。
    はじめの法は怖いけど、全編通して読むと なんだかホッとする(私だけ?)親切な作り。
    お気に入りの一冊

  • ご本人も書かれている通り、第三夜の話はやばかったです。
    怖すぎる…おぞぞ。
    当たり前に見える人のお付き合いの仕方を知ることが出来ました。

  • これは怖かった(汗)。加門さんが体験した怖い話が三津田信三氏との対談形式で収録されているが、語り口がユーモラスで開き直った感があるだけに、よけいに怖い。読み終えた後は周囲の物音にびくついてしまった……。鈍感なのはある意味罪な部分もあるかもしれないが、正直敏感すぎる体質でなくてよかったと思った。

  • 作家さんの不思議怪奇体験集。
    間違いなく怖面白い!

    世の中に、こんな日常を送ってる人がいるってのがすごいね。

    三角屋根の話が一番の大物です。
    現実にある現役物件。
    どこにあるのかが気になる所。

  • この著者、書いているフィクションよりも、実体験の方がずっと怖いんじゃないか。

  • 淡々と記述してるのがいい。しかし一人で色んな体験をされてて大変だなあと思った。

  • 久々に怖くて夜寝れないかもと思いました…。

    色々な怖い話が集められてるのかなぁ、と思ってたら加門さんの体験談だったんですね。

  • 実話系怪談の真骨頂でしょう!
    怖がらせるように語るのではなく、淡々と語るほうが怖いって!!

  • 2度読んでしまった。
    対談形式の実話ばかりを集めた本です。
    加門さんの本は、読みやすくてすきなのですが
    怖いです!!!!

    加門さん曰く
    神社という所は、ある意味、神様のお宅だと思っているんです。
    だから怖いとしても、人の家にわざわざ訪問しに行って、そこを「怖い 怖い」と、
    罵るのは、非常に不敬である、と。望んで入れてもらったからには、たとえ恐ろしくても、
    ちゃんと挨拶をして帰るのが礼儀です。

    この本を読んで
    「あ、あの場所だ。」とわかっても 面白半分に行って 騒いでくるのは、やめましょうね。

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著者プロフィール

加門七海
<プロフィール>
東京都生まれ。美術館学芸員を経て、1992年『人丸調伏令』でデビュー。伝奇小説・ホラー小説を執筆するかたわら、オカルト・風水・民俗学などへの造詣を生かしたノンフィクションも発表。自身の心霊体験をもとにした怪談実話でも人気を博す。小説に『203号室』『祝山』など、ノンフィクション・エッセイに『大江戸魔方陣』『お咒い日和』『墨東地霊散歩』『加門七海の鬼神伝説』など、怪談実話に『怪談徒然草』『怪のはなし』など多数。

「2023年 『神を創った男 大江匡房』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加門七海の作品

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