理想の男の作り方 (角川ルビー文庫 110-18)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年3月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044520182
作品紹介・あらすじ
学生時代の後輩・寺國直の元に、1ヶ月の期限付きで転がり込んだ現在無職の元美容師・清水祥央。昔から心に秘めている直への思いをひた隠しにし、祥央はかりそめの甘い同居生活を満喫していた。ところがある日、直の元彼という男が現れ、童貞だと思っていた直にかつて"男の恋人"がいたことを知り動揺してしまう。元彼への嫉妬心が抑えきれなくなった祥央は、ついに直を誘惑して寝てしまうのだが-。無表情な年下弁護士×不器用な年上元美容師で贈る切ないすれ違いラブ。
感想・レビュー・書評
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10年愛、年下攻めと、萌えツボにハマリそうだったので購入。長く活躍されているのに、初めて読む作家さんです。
なので他の作品には接したことはないのですが、この作品に関しては好みでした。
無口な弁護士×元美容師が育む、超すれ違いの不器用ラブ。
そんなタイプに見えないのに、実はすごい一途で男前だった清水先輩が光っていました。最初は、乱暴な奴でこわっ!て思っちゃうんですけど。
それには、いろいろ深いワケがあって、途中から切なくて切なくてたまらなくなりました。
文章構成が上手くて引き込まれました。高校時代と現在を行ったり来たりで、人間関係もあいまいにぼかして回想されていたりするので、かなり読み込まないと流し読みでは面白さが半減してしまう、という特徴があるストーリーですね。
伏線がきれいに拾われていて、ラストはもうスッキリ。
皆、清水に感謝していることがあるからこそなのね…と、頷きまくりでした。
清水視点で最後まで描かれているので、無口でクールな直の心情が読み取りにくいのが、この話の面白さをさらに生かしていた気がします。
裏で直があれやらこれやら一生懸命走り回っていたんだな~ということは、清水同様後ではっと気付くところで、それまではほんとに焦れ焦れさせられまくりでした。
逆に互いに好き、ってところは最初からわかりやす過ぎて、意地張ってないでさっさとくっついたら幸せだよ~と教えてあげたくなっちゃいました。
自己犠牲の正義のヒーローになってしまった経緯が切なかったです。特に、母親の家をそっと訪ねたらもう別の家族が住んでいたシーン。あんな母親でも、清水にとっては唯一の母親なんですよね…悲しかったです。
その分、いやそれ以上に直がこれから先輩を愛して大事にしていくんだろうなと、幸せな未来を感じさせてくれる良いラストでした。
直は、読んでいるうちにどんどん頼もしくステキに思える男です。知らん顔して、恩着せがましいところが何ひとつ無く、理想の男です。
ところで、理想の男というタイトルはどちらを指しているんでしょうか?直かな、という気もするけど、先輩のこと?
もっと別のタイトルでもよかったかも。…イラストも今ひとつ、内容に合っていないかもです。コミック系じゃない大人な絵師さんで読みたかったです。
でも、そもそもルビーでしたね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★2.0。あまりに淡々とし過ぎてて、残念ながら合いませんでした。シチュは嫌いじゃないんですが、低テンションな書き方が私には退屈に感じてしまい盛り上がれず。それに攻が男も抱けるとわかった時点で受はアプローチとか告白とかすれば良かったのでは…とか言っちゃったら元も子もないですが。
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なんだ童貞じゃないのかーと判明した時のがっかり感と言ったら!
ないだろうとは思ってたけど自分は一途で良いんだとかあんなに語ってたから期待してみたのに。違うのかよ!ていう。まぁ本人は一言も童貞とは言ってませんけど!攻に童貞であって欲しかったのは主人公なわけで。10年越しの恋愛話でした。お互い好きなのに大事過ぎて失くしたくないあまり遠回りした話。10年側に居たのに童貞だと思い込んでたのに違った時の受もショックだったでしょうねー。
あそこまで尽くされてて、何でそこまで尽くされるか考えたりはしなかったのかなぁ。ちらりとも自分を好きだからとは思わなかったんだろうか。だっておかしいじゃない。いくら友人でも自分の人生を代償にはしないでしょ。と思うと10年勿体ないよなぁと思いました。攻も攻で一筋と言いつつ主人公と出会った後も与島とか、そこは別なの。あの台詞は何だったの理想論ですか。と残念な気持ち。そしてゲイじゃないんだから女との方が幸せなはず、と引いてたのに、その主人公も別にゲイではなかったんですよね?あれ?と思いました。
攻とするのに言い訳しなきゃ出来ないにしても、そこまで強調して言い訳しなくてもなーとか思ったり。自己保身に必死で。まぁ生い立ち的に手放したくなくて必死になるのは納得ですが。受の生い立ちは最初に思ってたよりも結構酷かったです。お約束的な和解がなかったのは良かったけど、今思うと家族とあそこで終わりなのも珍しいかなー。ルビーなのに。
攻は何で父親が嫌いだったんでしょうね。ちょいちょい出る割には理由は一切出てこなかったなぁ。
表紙から判ってたけど桜井りょうさんが余りにも別人過ぎて馬面過ぎてどうしてこうなった…という哀しみでいっぱい。昔の絵ならと挿絵がくるたびにどれ程思った事か。 -
弁護士×美容師。
正しく年下攻め。高校時代のひりひりした痛みとか、もどかしさや切なさが大変上手い。のだけれど、タイトルに疑問。 -
成宮さんも好きですよ。終わりの、どうして後輩でいようと思ったかいきさつがよくて、それだけにどうしてこのタイトルなのかなと思う。もっとセンシティブな本なのに。もっと、、、「(いちずなとかせつない系)の距離」とか「強欲の(せつんない系のなんか)」とかになればいいのに。
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これは良い年下攻。
うまくいったあとの短編みたいなのがあればもっとよかったなー。攻視点で。 -
年下攻めごちそうさまでしたーっ
受けさんが重たいもの抱えてるけど暗くはないでした。攻めくんのおかげと、あと文体かも。
攻めくんからめっちゃすきすきオーラ出てるのに気づかない受けさんかわいい。軽い女王様系かしら?
年下攻めくんやんわりヤンデレ入ってていい。これくらいのほうがおいしいです年下攻め!
弁護士の女の人との話もすき。受けさんが甘やかされまくりでごちそうさまでしたよ!! -
すごく引き込まれて楽しめたのですが、読みづらかった・・・。過去と現在へと行ったり来たりした所がちょっとしんどかったですね。でも10年間の付き合いだから仕方がないのですが、冒頭シーンが鮮明で何処で繋がる?なんてワクワクして読みました♪