シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精 (角川ビーンズ文庫)

著者 :
制作 : あき 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.19
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本棚登録 : 745
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044550073

作品紹介・あらすじ

人間が妖精を使役する、ハイランド王国。少女アンは、一流の銀砂糖師だった母を亡くし、あとを継ぐことを決意する。銀砂糖師とは、聖なる砂糖菓子を作る特別職のことで、王家勲章を持つものしか名乗れない。用心棒として、美形だが口の悪い戦士妖精のシャルを雇い、旅に出たアン。人間に心を閉ざすシャルと近付きたいと願いつつ、王都を目指すけど…。第7回小説大賞審査員特別賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • こんなお話求めてた!
    なんだか気持ちが疲れたら、むかーしに読んだ少女漫画のようなときめきとあたたかさが無性に欲しくなっていました。けれど、なかなか出会えず。

    主人公のアンは、ただのかよわい乙女ではありません。図太さや泥臭さを持った、それでいてひたむきな、気持ちのいい女の子です。
    人間が妖精を使役する、ハイランド王国。王国に自生する砂糖林檎から作る砂糖菓子は不思議な力を持ち、とても重要なものとされていた。
    彼女は亡き母の背中を追って、その職人の最高峰である銀砂糖師を目指す旅に出ます。
    このファンタジーな世界観が、しっかりと細かく作り込まれてあって作者の愛を感じます。

    続刊もたくさん出ているようなので読むのが楽しみ。次巻にも期待大!

  • 口は悪いけど何だかんだ言って甘いところもある気がするシャルが妙にかわいかった。ミスリルもかわいいし、妖精たちがかわいいお話だなあ。主人公もひたむきで好みです。シャルがこれからどうデレていくのか楽しみ(既に結構デレてる気がするけど)。少女小説らしい少女小説で楽しかったです。

  • 母を亡くし、同じ道を志す天涯孤独な主人公の女の子と、女の子が護衛に購入した戦闘妖精が一緒に旅をしていくお話…でしょうか。
    砂糖菓子を作るシーンがどことなく静謐な儀式のように感じられて、個人的には好きですね~。

  • これは本当少女小説投稿作のお手本だと思った。お話作りの満たすべき要件をきちんきちんとこなしていっている。題材も「砂糖菓子」と「妖精」といった女の子の好きなものをうまく使ってるし、今流行りのヒロイン職業モノとしてもレベルが高い。ただ惜しむらくは、視点がヒロインと黒妖精とで割ところころ変わるところと、シリーズ化しにくそうなところ… ビーンズが今後どう売り出していくのか楽しみ

  • うわあ、面白い!
    こんなに面白い新人賞受賞作を読んだのは久しぶり!
    かわいらしくて、ライトで、甘くて、キャラも立ってて、世界観も素敵!
    前向きで優しい主人公、クールな妖精、出しゃばりがかわいい妖精というこのパーティー。私も仲間に入りたいもん。面白い証拠だね。
    私もこんなロードムービーが書きたい!
    たき火で食事するシーンなんかは西部劇みたいで好きだよ。
    いいね、たき火は。

  • “目があった。妖精は、アンをまっすぐ見つめた。
    何か考えるように、妖精はしばらく眉根を寄せていた。が、すぐに納得したように、呟いた。
    「見覚えがあると思ったら、かかしに似てるのか」
    そして興味をなくしたように、ふいと、アンから視線をそらした。
    「し…し、失礼な……花盛りの、年頃の女の子に向かって」
    妖精の独り言に、アンは握り拳を固めた。
    「盛りも、たかがしれてる」
    そっぽをむきながらも、妖精がずけっと言った。
    「なんて言いぐさ――!?」”

    小柄で痩せていて手足が細くて、ふわふわとした麦の穂色の髪をしている十五歳の少女、アン・ハルフォード。
    彼女は、年に一回開催される砂糖菓子品評会に参加するため、護衛として黒い瞳に黒い髪をもつ、美形だが口の悪い戦士妖精シャル・フェン・シャルを雇い、品評会のおこなわれる王都を目指して旅をはじめる。
    はたして、彼女は品評会に無事参加することができるのか。そして、一流の銀砂糖師になれるのか。

    『審査員全員が激賞!!第7回小説大賞審査員特別賞受賞作!!』……ということでちょっと気になって読んでみた。
    一言でいうと、良かった。
    宣伝に偽りなし。

    “アンはどこか、図星を指されたような気がした。自分でも意識せずに感じている、自分の砂糖菓子に対する、引け目のようなものを的確に言い当てられた。”

    舞台設定から登場人物は、もしかしたらそれなりにありがちのものかもしれない。
    でも、この展開はすごいと思う。
    アンが人間と妖精の関係と、自分とフェンの関係を見つめ直すところとか。
    アンが自分の欠点を克服することができたところとか。
    フェンが自分からアンのところへと戻ってくるところとか。
    そのどれもが、すごい道筋立って、納得できる。
    しっかりとしていて、それでいて面白いトーク、目が離せない展開。
    久しぶりに、良い本読んだなって思えた。

    “「とことん失礼な奴だな、シャル・フェン・シャル!いくらアンが、どっからひいき目に見ても、かかしにそっくりとはいえ、かかし、かかしと呼ぶな!」
    「かかしをかかしと言って、何が悪い」
    「なっ、おまえ!!かかし、かかしと連呼するなよ!」
    「かかしを連呼してるのは、おまえだ」
    「とにかく!事実でも、言っていいことと悪いことが、世の中にはあるんだ!かかしなんて、かかしなんて!!そっくりすぎて、笑えないだろうが!!」
    力なく、アンは笑う。
    「あなたたち……、二人とも失礼なんだってこと、いい加減自覚してくれる?」
    すると二人の妖精ははたと気がついたように言い争いをやめて、お互いに顔を見合わせた。
    ――今年、銀砂糖師になれなかった。でもまた来年来るようにと、王妃様がおっしゃった。それで充分。
    美味しい砂糖菓子を欲しがる、黒曜石の妖精と。
    無理やり恩返ししたがる、水滴の妖精と。
    すくなくともこれからは、ひとりぼっちじゃないと知る。
    ――わたしは、一人じゃない。いつかは、銀砂糖師になれるかもしれない。未来がある。これは最高。
    アンは、微笑んだ。
    「ま、いいか。かかしでも、カラスでも。わたし、あなたたちのために、砂糖菓子を作る。素敵な砂糖菓子をね。わたし、それしかできないから」
    空は高く澄んでいる。
    王都の広場には、たくさんの砂糖菓子の、甘い香りが漂っていた。”

  • まず、イラストレーターがあきさん、という事で迷わず購入を決め、選考員の方々の言葉は、あまり意識しない様に心がけて読んだ。
    正直、序盤は世界に入り込めず、白けそうになった。章の間ごとにシャル視点の話があるが、どうにも主人公に対する感情や年相応ではない思考に不自然さを感じた。しかし後半、アンが苦境に陥るところからクライマックスにかけては、そんな事も忘れる勢いで読む事ができた。恋愛要素が薄いと評してあったが加筆によるものか、ほのかに甘い展開もあり、良い意味で予想を裏切られた。審査員特別賞にふさわしい作品で、とても満足できた。

  • 当たり前のように奴隷を使役する環境のなかで、アンはどうして友達になろうと思えるんだろうなあ
    そこが素敵なとこなんだけど
    自分も旅するよそ者だったから、マイノリティの気持ちがわかる、とか
    でもそれだけじゃ理由が薄いから、日曜学校をサボってた話になるのかも
    この時代の正とされる倫理観が備わってないからこその妖精への素直な気持ちなんだろうな

  • ひさびさに少女小説的な物が読みたかったところで図書館に全部揃ってたので一気読み。主人公の芯がしっかりしてて本当に素晴らしい。ほどよいきゅん、そしてスカッと系ハッピーエンド。読むぞー!

  • アンが可愛い。銀砂糖師になれなかったけど、ハッピーエンドです。
    個人的には、シャルが好き。毒舌美青年(本当は優しい?)、タイプです。
    続きに期待します。

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著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「ここは神楽坂西洋館」など。

「2018年 『一華後宮料理帖 第七品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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