- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044601140
作品紹介・あらすじ
遺伝的アルゴリズムを研究するうち、「神」の意図に理論的に到達してしまった人工生命進化の研究者・和久良輔。「サールの悪魔」という言葉を残し失踪した良輔を追う妹・優歌、彼女がたどり着いた「神」の正体とは!
感想・レビュー・書評
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壮大すぎて、果たして自分かどれだけ理解出来たか…。
世の中や神様についてこんな角度から見る人もいるのだなぁ、とただただ感心するのみ。
しかし何とも恐ろしい。
宗教観が物凄く揺さぶられた作品でした。 -
読み終わった〜!
上巻は一ケ月かかったけど、下巻は最初から最後までクライマックスで、半月で読み終わりました。
私にしては、これでもかなり早い方です。
難しい用語ばかりですが面白い!
「神は本当に慈悲深いのか」という視点がまず斬新。
それと、宗派の教典なんて案外適当に、都合よく書かれているんだなっと…。
この本は日本でしか受け入れられないっとも感じました。
クリスマスは楽しい恋人同士の日。バレンタインは好きな人にチョコを渡す日。
お盆の迎え火と送り火は…マンションだからやらなくてもいいね。
二礼二拍手一礼ってお寺だっけ?神社だっけ?
「宗教の自由」過ぎる日本。
神を信じてないわけではなく、宗教という概念が生活から薄れてしまった。
神を信じるのは、自分の都合のいいときだけ。
いろいろ書きましたが、私がそうです…。
まだ神様を見たことない方には、とても面白い本だと思います(笑) -
上巻ではまだ保たれていた世界が、ここに来て唐突に展開を変えていく。哲学の領域を科学的に証明しようとするのは誰もが考えることかもしれないが、ここまで具体的に書いているのはそうないのではないだろうか。自分の存在と神の存在、その意味を理解したときに人は何をするのか?この本で描かれている世界は必ずしもSFではなく、もしかすると現実もそうではないかと思わせるほどのリアリティを秘めた素晴らしい作品だった。
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上下巻なんとか読破。いやぁ、長かった。
前半では、それこそ大量の「オカルト」めいた怪しい話から、「学術的」な話まで幅広い分野を網羅しながら「神」の正体に迫っていくというスリリングな息もつけない展開だったので、その核心に触れる後半ではどんな結果が待っているのかわくわくドキドキしながら読み進めていったが、ちょっと肩透かしをくらった感は否めない。
「未来予測」的な世界観を構築しすぎたせいで、登場人物が単なる「説明係」に終始し、それぞれ人間らしい感情を吐露する場面もあったはあったが、あまり感情移入できず、小説としてちょっと機能不全な部分が目立つ。
おそらく著者の「いいたいこと」が全面に出過ぎたせいかと。
政治や宗教や情勢やネットの未来の行く末を、豊富な知識量から予測する力は「なるほど、納得」できる箇所もあるし感心できるが、登場人物を「代弁者」として扱うと、フィクションとノンフィクションの「ほどよい」バランスが崩壊してしまう。
でも期待できるSF作家。 -
下巻になると超常現象も大量に起きてずっとテンションがピークになりますね。このお話での結論は丁寧によんできたら納得できるけど、エンターテイメントとして物足りない部分がありますが、それを超えて読ませる力がありました。
今読むとどうしても生成AIと結びつけてしまいますね。理論としてはむちゃくちゃ昔からあった生成AIですが、実現したのはここ数年。それが2003年発刊なのにここまで現実的に書かれているとは驚いた。内容が古びれてないのが素晴らしい。ビットコイン(=AVP)が日本の通貨になる未来もあり得るのでしょうかね。
山本弘さんの小説は全部読んでみようと思えました。 -
下巻に突入し、物語は大きく動いていく。
世界は神のシュミレーションだったという説を色々な事例や説明で読んでいるこちらを納得させようというもの。
つまらなくはないが、そんなに面白くないなぁ。
トンデモ理論が中心で、ワクワクしない。
上下巻からなる長編だった割には満足度はそんなに高くない。
つまらなくはないが、星は3つ。3.5といったところ。
『アイの物語』の方が断然良い。 -
複数巻を同時に読破。いつぶり?
オカルト研究家の大和田氏との対談から、神の意図を探る主人公兄妹。世界中で起こった脈絡のない超常現象の数々に、そもそも意図などというものが有るのか?その帰り、空から子供が降ってくるという現象に遭遇する…。
案の定、上巻を忘れてしまっていたうえ、「私」という一人称で、数々の超常現象の解説が続くため、あれ?評論だっけ?と思ったが、そういえば上巻からそういうノリだったな。大和田氏の名前が出てきたところでようやくわかるようになってきた。
その後は急展開ということなのだろうが、割とあっさりと人がいなくなったり、とんでもないことが起こっても、あれれ?と思うほど読み飛ばすレベルで書かれているので、月に顔が出てきたあたりも一瞬なんだっけ?と戻って読み返した。
下巻の早々に、終盤であり結論に収束していくのだが、多少息切れというか、終わりたいという意図を感じざるを得ないような、同じような内容を畳み掛けるような記述が続く。逆に言うと「神の意図」という一番書きたい内容を繰り返して解説してくれるわけなので、こういう話が苦手な人にも読みやすいであろう。
社会問題やシミュレーションなどを交え、卑近な内容でわかりやすく展開。ヘブライ語から脳神経学(心理学?)まで、相変わらず良く調べてあるなーと感心する。
その割には、神と遭った人が聖書からのみ解説されているのは、ここまでやったのなら他の宗教や神話からも有ってよかったかなと思う。
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