神は沈黙せず(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 391
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044601140

作品紹介・あらすじ

「サールの悪魔」この謎めいた言葉を残し、優歌の兄・良輔が失踪した。彼はコンピュータ上で人工生命進化を研究するうち、「神」の実在に理論的に到達。さらにその意図に気づき、恐怖に駆られたのだ。折しも世界各地では、もはや科学では説明できない現象が頻発。良輔の行方を追ううち、優歌もまた「神」の正体に戦慄する-。膨大な量の超常現象を子細に検討、科学的・合理的に存在しうる「神」の姿を描き出した本格長編SF小説。

感想・レビュー・書評

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  • 壮大すぎて、果たして自分かどれだけ理解出来たか…。
    世の中や神様についてこんな角度から見る人もいるのだなぁ、とただただ感心するのみ。
    しかし何とも恐ろしい。
    宗教観が物凄く揺さぶられた作品でした。

  • 読み終わった〜!
    上巻は一ケ月かかったけど、下巻は最初から最後までクライマックスで、半月で読み終わりました。
    私にしては、これでもかなり早い方です。

    難しい用語ばかりですが面白い!
    「神は本当に慈悲深いのか」という視点がまず斬新。
    それと、宗派の教典なんて案外適当に、都合よく書かれているんだなっと…。

    この本は日本でしか受け入れられないっとも感じました。
    クリスマスは楽しい恋人同士の日。バレンタインは好きな人にチョコを渡す日。
    お盆の迎え火と送り火は…マンションだからやらなくてもいいね。
    二礼二拍手一礼ってお寺だっけ?神社だっけ?
    「宗教の自由」過ぎる日本。
    神を信じてないわけではなく、宗教という概念が生活から薄れてしまった。
    神を信じるのは、自分の都合のいいときだけ。
    いろいろ書きましたが、私がそうです…。

    まだ神様を見たことない方には、とても面白い本だと思います(笑)

  • 上巻ではまだ保たれていた世界が、ここに来て唐突に展開を変えていく。哲学の領域を科学的に証明しようとするのは誰もが考えることかもしれないが、ここまで具体的に書いているのはそうないのではないだろうか。自分の存在と神の存在、その意味を理解したときに人は何をするのか?この本で描かれている世界は必ずしもSFではなく、もしかすると現実もそうではないかと思わせるほどのリアリティを秘めた素晴らしい作品だった。

  • 上下巻なんとか読破。いやぁ、長かった。

    前半では、それこそ大量の「オカルト」めいた怪しい話から、「学術的」な話まで幅広い分野を網羅しながら「神」の正体に迫っていくというスリリングな息もつけない展開だったので、その核心に触れる後半ではどんな結果が待っているのかわくわくドキドキしながら読み進めていったが、ちょっと肩透かしをくらった感は否めない。

    「未来予測」的な世界観を構築しすぎたせいで、登場人物が単なる「説明係」に終始し、それぞれ人間らしい感情を吐露する場面もあったはあったが、あまり感情移入できず、小説としてちょっと機能不全な部分が目立つ。
    おそらく著者の「いいたいこと」が全面に出過ぎたせいかと。

    政治や宗教や情勢やネットの未来の行く末を、豊富な知識量から予測する力は「なるほど、納得」できる箇所もあるし感心できるが、登場人物を「代弁者」として扱うと、フィクションとノンフィクションの「ほどよい」バランスが崩壊してしまう。

    でも期待できるSF作家。

  • 上巻に同じ

  • 進化論的アルゴリズムが面白い。それを用いたシミュレーションゲーム内で神の意図を読み取ろうとするところが斬新。オカルトや超常現象についての事例が豊富でよく調べられている。「月の顔」について、みんなが意味を求め始める描写が好き。幽霊が本当にいるかどうかの実験として死んだ方がパスワードを生きている方に霊として出てきて言う実験が面白い。あと、スプーン曲げや超常現象発生の解釈が好き。超常現象が頻発し、世界が科学的な法則に則っているのはかりそめのことに過ぎないとわかった後にも、科学者たちが研究を続けたり、良輔がシミュレーションで研究を続けることに納得がいかない。進化論や進化論的アルゴリズムこそ疑いようもなく真理ということなのだろうか。神も用いているし。

  • スケールは大きいが、結末はやや弱い印象。

  • 情報の洪水に最後まで圧倒されっ放し。自分の鈍い頭では消化し切れなかったのが残念だが、とにかく何でもありの本格SFを堪能させてもらった。

  • 正しく生きたいから正しく生きる

  • そもそも本書を手にとったのは、第8回創元SF短編賞(2017年発表)の講評で大森望氏が「間近に迫るシンギュラリティに対する人類側の防衛反応として、まるで魔法のような超常現象が起きる」という作品について「この路線には山本弘『神は沈黙せず』という網羅的な洗礼があるので」と書いていたので、おお、と思って読んだのだった。
    ほんとに網羅的(笑)。ある意味、これを越えるのは容易じゃない。
    下巻に入るとひたすら超常現象に翻弄されることになって、天敵かと思われたあいつも案外あっさりと……なので、ストーリー的にはちょっと拍子抜けする部分もあった。兄の失踪の原因も、わかったようなわからないようなではあったし。でも、山本弘氏の作品はいつもそうなんだけど、ついひっぱられてぐいぐい読んじゃうのね。相性がいいのかな。つぎは「フェンデッセンの宇宙」を読まねば。(「ビブリオバトル」シリーズでもたびたび触れられているので、ほんとに著書のなかでは大切な作品なのだということがよくわかる。)

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著者プロフィール

作家。2003年に本格SFにして著者初の四六判ハードカバー『神は沈黙せず』(角川書店)を刊行。同作は読者の話題をさらい、日本SF大賞の候補となった。また2006年5月に刊行された単行本『アイの物語』(角川書店)も各書評家に絶賛されている。

「2018年 『怪奇探偵リジー&クリスタル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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