闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)

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著者 : 山本弘
  • KADOKAWA (2007年8月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044601157

闇が落ちる前に、もう一度 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 良い短編集だ!
    とまでは言えないが、それなりに人に勧められる本だと思う。

    表題にもなってる『闇が落ちる前に、もう一度』と、『審判の日』が好き。

    闇が~は、五秒前世界創造説に少し捻りを加えたもので、審判~は、人類がほとんど一瞬のうちに消えてしまった世界の話し。

  • 表紙を見て、「あれ? 『アイの物語』が文庫になったの?」と思った。
    しかし、よく見るとタイトルが違う。
    内容は、『アイの物語』につながるし、『神は沈黙せず』にもつながる短編集である。

    今の自分は、本当にいるのだろうか。この世界は誰かに作られたものなのではないのか。そんな考えを持つとき、創造神を信仰に持たない自分にとって、「創造主」は、ひどく不気味だ。
    小説を読むのは良い。
    しかし、自分が登場人物で、楽しみも、痛みも、喜びも、悲しみも、愛しさも、切なさも、怖さも、怒りも、何もかもが作られたものだとしたら、それは、恐怖だ。
    はじめから決まっている、アカシックレコードの上にいるのも許せるものではない。
    しかし、そうした怖さを、小説の中に入れ込んで、それを覗き見る、ということが、わたしたちにはできる。
    作った箱庭に人を住まわせ、上から見下ろす、悪趣味な観察。

    自分は、その、覗かれている人なのではないか、という、ホラーよりもホラーな恐怖がテーマになった(と勝手に思っている)物語の集まりになっている。

    『闇が落ちる前に、もう一度』宇宙が終わるまでに、したいことは何?
    『屋上にいるもの』意思は、誰のもの?
    『時分割の地獄』わたしは、生きているの?
    『夜の顔』在るべきもの、あるはずのないもの、その差は
    『審判の日』審判は、誰?

    これを読んでみて、気に入ったら、ぜひ、『神は沈黙せず』を。

  • ホラーがかったSFの思考実験が中心の話5つ。もしも世界が8日前に始まったものだったら、AIが殺人のために、別の人格を持った人物を想像したとしたら…等。

    思考実験的なAIの話は、わかるんだけど他の作品よりも怖くもないし意外性も少なく、何でこれだけSFマガジンに収録で、あとのは単行本のための書き下ろしなのかなあ?という印象。

    小松左京「こちらニッポン」みたいな「審判の日」と「屋上にいるもの」は非常にシンプルなホラーでありSFなので、万人向けに読みやすいのだが、他の作品はちょっとメタな世界観を理解できない人には辛いかもしれない。

    買う場合は、電子書籍もおすすめします。ちょうどいいボリュームなので。

  • SF短編集。しかしもともとホラー文庫で出すために書かれたそうで、そういう風味で読みやすい。しかし科学で原理や未来について考える必要がある問題は、哲学に近くなるね。高度な人工知能は心を持つと言えるのか、とか。

  • 「神は沈黙せず」と同じように「アイの物語」の為に読んだ本。短編集です。
    やっぱり山本氏好きだ!
    これでやっと「アイの物語」を読む準備ができた。

  • 短編集。多少想像し過ぎて混乱するのも有りましたが全体的に好きです。 多分1番ベタで途中でオチも分かるけど『屋上にいるもの』が1番好き。『審判の日』は大阪に住む自分でも少し東日本大震災を思い出してしまったので被災地の人が読むと辛いかも知れません。 『世にも奇妙な物語』が好きな人にオススメかも。

  • 短篇集。

  • 表題作「闇が落ちる前に、もう一度」を含めた5編で構成された短編集。
    ジャンルはSF・ホラー。
    擬似的な体を与えられたことで心・意識を獲得し、アイドルとして活動しているAIの少女と、AIには心などないと考えるタレントの男性、二人の問答で展開される1編「時分割の地獄」が特にお気に入り。
    自分の認識している世界の姿は本当に正しいのかを考えさせられる異質な世界のあり方を描いた表題作や、誰もが一度は妄想するような世界の終わりに翻弄される少年少女を描いた「審判の日」など粒ぞろいで楽しめた。
    ホラー色の強い残り2編も独特の雰囲気のある話だった。

  • 山本弘って読んでないなー。と学会に敬意を表して読んでみよっかなあ、と思って買ったけど、何か読んだことあるような気がする。

    最後まで読んでも結局読んだことあるのかないのか思い出せなかった。

    センス・オブ・ワンダーを追求している作品群なのにワンダーが足りん。

  • 「闇が落ちる前に」☆4
    ストーリー:
    宇宙物理学を学ぶ学生を主人公に、「極大エントロピー宇宙モデル」の証明実験が導き出した恐るべき世界の真実が明らかに・・・
    感想:
    読んでいて「小林泰三」を髣髴とさせる専門用語、そして未知なる分野へのロマンを感じずにはいられない内容でした。科学でありながらホラーのような寒気を含んだストーリーが非常に良かったです。

    「屋上にいるもの」☆3.5
    ストーリー:
    マンションの最上階に住む男性が、ある雨の夜に、屋上からまるで太鼓をたたくような音を聞く。いったい屋上には何がいるというのか・・・
    感想:
    冒頭から露骨なぐらいホラーの雰囲気を醸し出しているのに中々進まない話にやきもきしましたが、これは「闇が落ちる前にもう一度」とはホラー×不思議な感じが黒「乙一」のような感触でした。

    「時分割の地獄」☆3
    ストーリー:
    バーチャル・アイドルのゆうなと、AIに心があることを認めない男との対話を通して、心とは何かを問う。
    感想:
    男とゆうなの答弁が非常にうまく、哲学的な面白さが目立つ作品でした。最後の「良心」は非常にうまく出来ているなぁと感心してしまいました。

    「夜の顔」☆2
    ストーリー:
    会社員の青年が婚約者の実家に挨拶に行った帰り道、夜の街で、路地の奥から彼を見つめている中年男の顔を目撃する。青年は、世界そのものへの懐疑心、作り物ではないかといった恐怖を募らせていき・・・

    感想:
    なんというか・・・中途半端に哲学的要素を加えたホラー?といった感じで、うまく組み合わせたというよりは中途半端でどっちつかずな感じ。文章、表現、語り口調といった面はさすが「山本弘」と言えるからこそちょっと勿体無さを感じる作品でした。

    「審判の日」☆3.5
    ストーリー:
    ある日突然、ほんの一握りの人間を残し、この世界から全ての生物が消えてしまった。その世界に直面した姫田亜矢子と蓮見悟は困惑しつつも生き抜く術を考えていくが・・・

    感想:
    実際良くあるストーリーかもしれない、でも結末へのもってきかたでいくらでも色を変えられるストーリーなのかもしれない。こういったストーリーの作品は、特に「自分だったらどうするだろう」とか感情移入してしまい、色々考えさせられた作品でした。

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