- 角川書店 (2007年8月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784044601157
作品紹介・あらすじ
”宇宙の真の姿”について独創的な理論を構築した宇宙物理学者。だがこの理論に従うと宇宙はわずか8日前に誕生したことになる。恋人と自分の実在を確かめようとした彼は……表題作ほか4編収録。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
人の存在や宇宙の真理に迫る深いテーマが描かれた短編集で、特にダークで恐怖感を伴う物語が展開されています。作品は、創造主や自己の実在についての不安を掘り下げ、読者に考えさせる要素が豊富です。表題作では五...
感想・レビュー・書評
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何冊か読んだ山本弘氏の作品の中では、よりダークで恐怖感をテーマに描かれている世界、という印象を受けた短編集。
人の心とは何か、という深いテーマを、AIによってアプローチする氏のいくつかの作品でも見られた手法。
これは興味深い上に、まだまだ探っていくと面白い予感がするのだけれど、惜しむらくは山本氏が病魔により今後新作を期待できない状況にあることだ。
SF界にとって大いなる損失であり、いちファンにとってもとてもとても残念。
回復を祈る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良い短編集だ!
とまでは言えないが、それなりに人に勧められる本だと思う。
表題にもなってる『闇が落ちる前に、もう一度』と、『審判の日』が好き。
闇が~は、五秒前世界創造説に少し捻りを加えたもので、審判~は、人類がほとんど一瞬のうちに消えてしまった世界の話し。 -
表紙を見て、「あれ? 『アイの物語』が文庫になったの?」と思った。
しかし、よく見るとタイトルが違う。
内容は、『アイの物語』につながるし、『神は沈黙せず』にもつながる短編集である。
今の自分は、本当にいるのだろうか。この世界は誰かに作られたものなのではないのか。そんな考えを持つとき、創造神を信仰に持たない自分にとって、「創造主」は、ひどく不気味だ。
小説を読むのは良い。
しかし、自分が登場人物で、楽しみも、痛みも、喜びも、悲しみも、愛しさも、切なさも、怖さも、怒りも、何もかもが作られたものだとしたら、それは、恐怖だ。
はじめから決まっている、アカシックレコードの上にいるのも許せるものではない。
しかし、そうした怖さを、小説の中に入れ込んで、それを覗き見る、ということが、わたしたちにはできる。
作った箱庭に人を住まわせ、上から見下ろす、悪趣味な観察。
自分は、その、覗かれている人なのではないか、という、ホラーよりもホラーな恐怖がテーマになった(と勝手に思っている)物語の集まりになっている。
『闇が落ちる前に、もう一度』宇宙が終わるまでに、したいことは何?
『屋上にいるもの』意思は、誰のもの?
『時分割の地獄』わたしは、生きているの?
『夜の顔』在るべきもの、あるはずのないもの、その差は
『審判の日』審判は、誰?
これを読んでみて、気に入ったら、ぜひ、『神は沈黙せず』を。-
つまりは、自身で自己肯定感を持ちうる程度には、肯定され、承認されてきたのだろうと思います。
ま、末っ子という特性上、親の期待は薄いもの...つまりは、自身で自己肯定感を持ちうる程度には、肯定され、承認されてきたのだろうと思います。
ま、末っ子という特性上、親の期待は薄いものですし、性格的にも、承認より、自己満足が優先され、わがまま放題の幼少期でした。
人はあらかじめ、ニュートラルで、プラマイゼロです。しかし、人がそれぞれ自己規定し、感じることで±が生じます。
どれだけ出る杭を打ち付けても、0以下には沈み込みません。
むしろ、沈んでいるのだとしたら、その中で輝いていたからこそ、シャーンドルさんを見つけられたのだと思います。2018/02/02 -
過去は変えられませんが、記憶は変えられるんですよ。
特に、記憶の価値は。
なので、今まで、マイナスの側面しか見えなかったものに、別の...過去は変えられませんが、記憶は変えられるんですよ。
特に、記憶の価値は。
なので、今まで、マイナスの側面しか見えなかったものに、別の角度から光を当てればいい、そう思います。
わたしなんて、ただのわがまま娘でしたから。叱られてばっかりだったように思いますが、性格上、気にしないタイプだったことが、ポジティブな評価ばかりを印象に残しています。
つまり、本当に評価が高かったかというより、いいとこどりする、単純な子供的感性をもって育ったんですよ。「お前は、家出願望がある」と、親によく言われましたし。一方、今の方がずっとネガティブですし、冒険しない。
シャーンドルさんは、早くに大人にならざるを得なかった部分があるのでしょうが、その分、等身大を過小評価しているともいえます。子ども時代の万能感って言ったら、無敵ですからねえ。それを早くに卒業してしまった。そして、大人のたしなみを持ち過ぎた。
そのうち、何かしら、いっぱい自慢話を聞かせてください。無理にでも!(笑)2018/02/05 -
2018/02/06
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代表作『アイの物語』で心温まる短編を惜しげもなく披露してくれた作者だけに同傾向の話が多いのかなと思って読んでみたが、引き出しの多さに驚かされた。「屋上にいるもの」は完全にホラー小説の類だけど、怖さにステータス全振りしていない所が良い意味で作者の味だと思う。
「夜の顔」や「審判の日」みたいに、普段通り過ごしていたはずの日常が異世界へと姿を変えてしまう描写は、ディックの作品を連想させる。 -
29:宇宙の本当の姿を追い求めて独自の理論を打ち立てた主人公だが、その理論は宇宙論の先達にあっさりと誤りを指摘され、理論が間違っていると証明する実験を行うことに。しかしどうしてか、実験によって主人公の理論が正しいことが証明されてしまう。
表題作のほか4つの短編が収録されています。共通するのは、現実世界の物理法則を超えたメタ的な存在を感じさせることでしょうか。そのせいか、どちらかといえば暗めの話が多いのですが、表題作はとても面白かったです。 -
短編集ですが、読みごたえあります。
特に『審判の日』は著者ならではの作品だと思います。 -
ホラーがかったSFの思考実験が中心の話5つ。もしも世界が8日前に始まったものだったら、AIが殺人のために、別の人格を持った人物を想像したとしたら…等。
思考実験的なAIの話は、わかるんだけど他の作品よりも怖くもないし意外性も少なく、何でこれだけSFマガジンに収録で、あとのは単行本のための書き下ろしなのかなあ?という印象。
小松左京「こちらニッポン」みたいな「審判の日」と「屋上にいるもの」は非常にシンプルなホラーでありSFなので、万人向けに読みやすいのだが、他の作品はちょっとメタな世界観を理解できない人には辛いかもしれない。
買う場合は、電子書籍もおすすめします。ちょうどいいボリュームなので。 -
SF短編集。しかしもともとホラー文庫で出すために書かれたそうで、そういう風味で読みやすい。しかし科学で原理や未来について考える必要がある問題は、哲学に近くなるね。高度な人工知能は心を持つと言えるのか、とか。
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「神は沈黙せず」と同じように「アイの物語」の為に読んだ本。短編集です。
やっぱり山本氏好きだ!
これでやっと「アイの物語」を読む準備ができた。 -
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短編集。多少想像し過ぎて混乱するのも有りましたが全体的に好きです。 多分1番ベタで途中でオチも分かるけど『屋上にいるもの』が1番好き。『審判の日』は大阪に住む自分でも少し東日本大震災を思い出してしまったので被災地の人が読むと辛いかも知れません。 『世にも奇妙な物語』が好きな人にオススメかも。
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短篇集。
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表題作「闇が落ちる前に、もう一度」を含めた5編で構成された短編集。
ジャンルはSF・ホラー。
擬似的な体を与えられたことで心・意識を獲得し、アイドルとして活動しているAIの少女と、AIには心などないと考えるタレントの男性、二人の問答で展開される1編「時分割の地獄」が特にお気に入り。
自分の認識している世界の姿は本当に正しいのかを考えさせられる異質な世界のあり方を描いた表題作や、誰もが一度は妄想するような世界の終わりに翻弄される少年少女を描いた「審判の日」など粒ぞろいで楽しめた。
ホラー色の強い残り2編も独特の雰囲気のある話だった。 -
山本弘って読んでないなー。と学会に敬意を表して読んでみよっかなあ、と思って買ったけど、何か読んだことあるような気がする。
最後まで読んでも結局読んだことあるのかないのか思い出せなかった。
センス・オブ・ワンダーを追求している作品群なのにワンダーが足りん。 -
「闇が落ちる前に」☆4
ストーリー:
宇宙物理学を学ぶ学生を主人公に、「極大エントロピー宇宙モデル」の証明実験が導き出した恐るべき世界の真実が明らかに・・・
感想:
読んでいて「小林泰三」を髣髴とさせる専門用語、そして未知なる分野へのロマンを感じずにはいられない内容でした。科学でありながらホラーのような寒気を含んだストーリーが非常に良かったです。
「屋上にいるもの」☆3.5
ストーリー:
マンションの最上階に住む男性が、ある雨の夜に、屋上からまるで太鼓をたたくような音を聞く。いったい屋上には何がいるというのか・・・
感想:
冒頭から露骨なぐらいホラーの雰囲気を醸し出しているのに中々進まない話にやきもきしましたが、これは「闇が落ちる前にもう一度」とはホラー×不思議な感じが黒「乙一」のような感触でした。
「時分割の地獄」☆3
ストーリー:
バーチャル・アイドルのゆうなと、AIに心があることを認めない男との対話を通して、心とは何かを問う。
感想:
男とゆうなの答弁が非常にうまく、哲学的な面白さが目立つ作品でした。最後の「良心」は非常にうまく出来ているなぁと感心してしまいました。
「夜の顔」☆2
ストーリー:
会社員の青年が婚約者の実家に挨拶に行った帰り道、夜の街で、路地の奥から彼を見つめている中年男の顔を目撃する。青年は、世界そのものへの懐疑心、作り物ではないかといった恐怖を募らせていき・・・
感想:
なんというか・・・中途半端に哲学的要素を加えたホラー?といった感じで、うまく組み合わせたというよりは中途半端でどっちつかずな感じ。文章、表現、語り口調といった面はさすが「山本弘」と言えるからこそちょっと勿体無さを感じる作品でした。
「審判の日」☆3.5
ストーリー:
ある日突然、ほんの一握りの人間を残し、この世界から全ての生物が消えてしまった。その世界に直面した姫田亜矢子と蓮見悟は困惑しつつも生き抜く術を考えていくが・・・
感想:
実際良くあるストーリーかもしれない、でも結末へのもってきかたでいくらでも色を変えられるストーリーなのかもしれない。こういったストーリーの作品は、特に「自分だったらどうするだろう」とか感情移入してしまい、色々考えさせられた作品でした。 -
図書館より。
SFとホラーの短編集。
好きな短編は表題作の『闇が落ちる前に、もう一度』ある理論を発見してしまった科学者が彼女に送ったメール形式の話です。
宇宙の寿命などといったアイディア自体はなにかで見覚えがあったのですが、この話は物理学の理論がしっかりしていてそのため単なるフィクションと笑い飛ばせない雰囲気を感じさせられました。
『時分割の地獄』はAIに心はない、という持論の男性とAIのアイドルとの対話とそれぞれの思惑が交差する話。
この二人の対話を通して、心とは何かということをまったく違う見方から考えさせられました。男性の口撃に対し終始AIが論理的な姿勢を貫き返答し、二人の対話がとても興味深かったです。
『審判の日』は人類のほとんどが消失した世界での少女の話。
少女と生活を共にすることになる少年が魅力的。といっても彼の真の魅力が分かるのは話の最後の方の、彼が少女にある告白をする場面です。なんだかとても感情移入できました。
また「恋」や「愛」なども問いかけてくる話でもありました。
ハードSF的なところもあるのですが、文系の自分でもなんとか理論にはついていけました(笑)たまにこういう本を読むと、全く自分からは飛び込もうと思わない世界や考え方に触れられるので、いろいろと新鮮な発見があるなあ、と再認識出来ました。 -
日本を代表するSF作家の初期短編集。
山本弘氏のすごいところは、SF世界のバックボーンとなる科学知識が非常に卓越しているところである。
とくに人工知能に関する理論的記述は凄まじい。
そんな山本氏であるが、本書は各章によって若干完成度にばらつきがあり、「審判の日」「闇が落ちる前に、もう一度」は短いながら熟成された世界観があるが、「屋上にいるもの」や「夜の顔」など若干オカルト方面に傾きすぎた話もある。
山本SFの入門書としてはおすすめ。 -
トンデモ本を研究する「と学会」会長としてお馴染み、山本弘のSF短編集。『審判の日』のタイトルで出版された単行本の文庫化だ。
表題作のほか、「屋上にいるもの」「時分割の地獄」「夜の顔」「審判の日」の合計5編を収録。どれも完成度が高く、SFの入門書としてもおススメの一冊である。
特に表題作は二十数ページほどの短さながら、自分と世界の存在に疑問を突きつける衝撃の一編。読み終えると、たまらない不安感と共に、大切な人のもとへ走りたくなる、そんな秀作だ。
その他の収録作もSF的アイデアに溢れている。すべて強固に信頼してきた常識やルールがあっけなく崩れ去ってしまうガジェットが仕掛けられ、読後に何とも言えない寂寥感と、自分の周りの世界が変容してしまったかのような印象を残す。
この世界は本当に存在するのだろうか?それこそが近年の山本作品に多く見られるモチーフであり、SFでしか描き得ない、人類共通のテーマであろう。
とはいえ本書では山本氏のアニメ・特撮好きの影響も見られ、またジュブナイル(ライトノベル)で鍛えられたと思しき展開のスピーディさでとても読み易いのも特徴。哲学的な方向へ振れすぎず、そこがSF初心者への入門編としてもおススメな所以である。
しかし、本書で一番長い「審判の日」には実は多少の不満が残っている。大半の人類が消えてしまった世界の設定がとてもよくできているのだが、その設定ならあのラストよりもっと違うラストになったのではないか…と思ったりする。もっと絶望的な…。なんか偉そうだけど、その方が読者の心にもっと訴えたのではないだろうか。とりあえず、これだけで一本の長編になりそうな内容ではある。もっと描き込んで欲しかった。
現実が崩壊していく感覚。もしこの世界が明日なくなってしまうとしたら、あなたはどうしますか? そんな古典的な問いにあなたは答えを出せるだろうか。
そうだとしても…明日世界がなくなっているとしても、大切な人を愛し、人間らしく生きることは大事なのだ。それが一番難しいんだけど。
本書を読んで、そんな事を考えてしまった。 -
最近凝っている山本作品をまとめて借りた。短編集である。
文庫版で「闇・・・」を、ハードカバー版で「審判・・・」を借りたのだが、中身は同じだった。タイトルを変えて発刊したんだなぁ。もう少し考えて借りればよかったかな。
作品は、ラスト1行が素晴らしい冴えを魅せる「闇が落ちる前に、もう一度」、オカルト風でイマイチの「屋上にいるもの」、AI・仮想現実のひとつの解釈となる「時分割の地獄」、ディックあたりが書きそうな(というか実際に書いている)「夜の顔」、発想がユニークだが昇華しきれていないと思う「審判の日」。
まぁまぁかな。 -
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山本弘の作品
