ばいばい、アースI 理由の少女 (角川文庫)

  • 角川書店 (2007年9月22日発売)
3.65
  • (62)
  • (113)
  • (134)
  • (18)
  • (2)
本棚登録 : 978
感想 : 70
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784044729035

作品紹介・あらすじ

いまだかつてない世界を描くため、地球(アース)に降りてきた男、冲方丁のデビュー2作目にして最高到達点!! 世界で唯一の少女ベルは、<唸る剣>を抱き、闘いと探索の旅に出る--。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

独特の世界観と懐かしいノリが魅力のこの作品は、主人公ベルが剣を手にし、闘いと探索の旅を繰り広げる物語です。90年代のラノベを思わせる設定や文章は、かつてのファンタジーを愛した読者にとって非常に親しみや...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人々が動物のかたちを纏う世界に生まれた異形の少女・ベル。牙も毛皮も鱗もない“のっぺらぼう”の旅が始まる

    地には花、空に聖星(アース)、人々は猫や蛙、鼠などさまざまな動物のかたちを纏う。この世界に、ラブラック=ベルはたったひとり、異形のものとして生まれた。牙も毛皮も鱗もない“のっぺらぼう”の彼女は、自分と同じ存在を探す旅に出る。放浪者の資格を購うため、剣士となって〈都市〉と〈外〉との戦いに臨むベル。そこで彼女を待っていたのは――。

  • 感想)・・・なんか懐かしいノリ
    90年代の「ラノベ」を読み漁っていた世代としては、非常に懐かしいノリの小説でした。設定とか文章とかモチーフとか。(この本の刊行は2007年ですけど)。最近の「ラノベ」は、元々は普通の子が、なんか使命を課せられたり、異世界に飛んで冒険したりと、ある意味自分も入り込みやすい設定の話が多いけれど、そういや昔は最初から特殊な生まれとかにある主人公が多かったな~と思った。
    てか、この本のジャンルって?ラノベ??

    追)
    4巻あとがきに書いてあった。この本は1996年発表の改訂版なんだそうで。そりゃあ懐かしい感じもするわ。。

  • 今まで触れてきたSFは、現実と地続き(登場人物の中に現実世界を知っている人がいて、その人物が別の世界に行く)の構図のものが多かった。
    「ばいばい、アース」は、登場人物全員が初めから異世界の住人だから(ベルは厳密には違うけど)、その世界での常識を読者に詳しく説明してくれない。導き手(ガイダンス)という説明役もいるけど、これもあくまでベルの知らないことを説明してくれるだけ。
    この小説がとっつきにくく感じる原因の一つは、そこな気がする。読者が知らない言葉を説明してくれない!
    でも、だからこそ、自分の力で世界を読み解いていくのが楽しく感じる。

    アニメを見た時いまいち分かりにくい部分があったので、「原作読んだらもう少し分かるかも」と思い読み始めたが、分かりにくさは元からだった…。
    ただ、小説は分かりにくいセリフはじっと考えたり、戻って他のセリフを参照したり、言葉を辞書で引いたりが出来る。用語は解説こそ少ないけど、描写とルビで何とか察せられる。小説媒体の良さが生かされてる作品だと思った。
    アニメのおかげでキャラクターや情景のイメージが膨らませやすかったので、原作小説とアニメ、お互いがお互いの理解を助ける関係性になっていると思う。

    また作品について調べていく中で、ハイデッガーの哲学『存在と時間』がベースにある、という知見も得て、そちらも少し齧ってみた。これはかなり作品の理解の助けになった。
    音楽好きとしては、音楽専門用語が剣の世界に当てはめられているところも、いいなと思う。


    この巻の好きな部分は、ベルが家族の愛を真に理解し涙するオン・ザ・ロック亭のシーン。
    ベルの養父母が、ベルが誰かを傷つけたり逆に誰かに傷つけられたりしないか心配していたのは、純粋な子を慈しむ親の心だけれど、都市に来たばかりの頃のベルはそれが分かっていなかった。
    それがベルモットという養父母の実の子の名前を知り、自分の名前の由来を知り、やっと理解することができた。
    きっと幼少期の友人も心からベルに向き合っていた。ガフもきっとそう。「世界に交じり合いたい」と言いつつ、同じ種族のいない自分のことをベル自身が一番受け入れられていなくて、勝手に孤独を深めていたように思う。ガフの親切心が重く感じていたのも同じ理由。
    それが少し綻ぶ、とてもよいシーン。

    ==========
    発行日:2007年9月25日

    ==========
    **作品解釈のためのメモ**

    ●登場人物●
    ※ラブラックやクエスティオンなどはファミリーネームではない。ドッグタグに刻んでいるような自分自身をよく表す刻印か。
    ※お酒由来の名前が多い。

    ◆正義
    ⚪︎ラブラック=ベル
    ・いかなる種族的特徴も持たない、のっぺりとした外貌の少女。異様に身軽かつ怪力。同じ種族に出会うために、旅の者になることを目指す。
    ・クォーツの森の石の卵から生まれた。生まれた時は<剣の国>のものではない言葉をしゃべっていた。その後ミモザ夫妻に育てられ、<唸る剣>欲しさに城で騒ぎを起こした際にシアンに引き取られた(と本人は思っているが、実はベルを石の卵から見つけたのも、ミモザ夫妻に預けたのもシアン)。
    ・シアンやキティからは「理由の少女」と言われる。
    ・旅の呪いで、自分の意思とは関係なく斬れるものと斬れないものの区別がついてしまっている。
    【設定】
    ・名前
    ラブラックは「珍しい者」、ベルは「小さき者」の意味。
    ・種族
    種族的特徴がない、つまり人間の少女。
    ・ベルの呪いの正体
    <唸る剣>がベルの思いを汲み取って示している反応か。
    シアンは、ドランブイとの会話で、ベルに呪いを継承させることは不可能である旨を語っている。また、ガフも斬るものに区別がついたというベルに対して「呪いをかけられているようには思えん」と言っている。
    他の旅の者のように呪いがかかっている訳ではなく、シアンの最後の試練において語った「この世界と交じり合いたい」というベルの旅への思いを<唸る剣>が汲み取り、世界と交じり合うために斬ってはならない対象に対しては刃を出さないようになったのではないか。
    【由来】
    ・ベル
    スコットランドのパースに所在した小さな会社・サンデマン商会で、アーサー・ベル氏が作ったブレンデッドウイスキー。バニラやハチミツの風味と、スモーキーフレーバーが特徴。ボトルに『afore ye go』(「船出の前に」「汝ら、いざ進め!」)の言葉が印字されている。

    ◼︎理由の少女
    <剣の国>の秘密を暴く存在らしい。

    ◼︎導き手(ガイダンス)
    シアンがベルの中に残したもの。ベルが知らない知識を必要なタイミングで教える役割を果たしており、ベルの脳内に勝手に声が流れる。guidance

    ◼︎<唸る剣(ルンディング)>
    剣作家・ドランブイが最後に作ったベルの剣。
    ユリ科の鋼鉄から出来ており、通常時は鉄の塊のような見た目だが、戦闘時は白銀(リリーホワイト)に輝く。並外れた大きさと重さで、ベル以外は持ち上げることすら困難。身軽なベルにとって、重し代わりにもなっている。 刻印はEREHWON (エレフォーン)。
    【由来】
    growled 唸る Rondo 輪舞曲あたりか。
    ◼︎ EREHWON
    <唸る剣>の刻印。無何有郷を意味するが、作中世界ではその意味は失われてしまっている。
    ※無何有郷
    荘子の逍遥遊が出典。自然のままで何も作為のない理想郷。

    ⚪︎ラブラック=シアン
    ・ベルの師匠。高名な教示者であり旅の者。ローハイド王の弟(=つまり王族)で、元神官。月瞳族。
    ・旅の呪いにより、教示以外に力(=魔法)を使うことが出来ない。
    ・ベルを弟子にしたのは、自身が成し遂げられなかった、<剣の国>の神の秘密を暴くということをを代わりに成し遂げてもらうため。一巻時点では謎の多い人物。
    【設定】
    一巻時点で判明していること
    ・王族と神官という立場から逃れるために、教示者と旅の者になって、<硬貨の国>に向かった。キティともその頃に知り合っている。
    ・<硬貨の国>で「理由の少女」の存在を知り、ベルを育てることにした。
    ・ドランブイとは過去に目的を同じくしていたことがあるが、いずれかの段階で袂を分ったらしい。
    ・神を憎んでいて復讐を望んでいるらしい。
    【由来】
    ・ブラックルシアン
    ウォッカとコーヒーリキュールで作るカクテル。ベルギーのホテルのバーで、リクエストに応えて即興で作られた新しい(=珍しい)カクテル。
    ・シアン
    緑がかった青色

    ◼︎ ENOLA(エノーラ)
    シアンの剣の刻印。教示者を意味する。シアンの剣はドランブイが作ったもので、剣肌は青憐色(ラピスラズリ) 。レンゲ科の鋼鉄から出来ている。aloneの逆綴り。

    ⚪︎クエスティオン=アドニス
    ・<正義>の四大剣士の一人。月瞳族。純白の体毛に碧の目。赤の頭巾を巻いている。戦場で死者の剣を拾ったり、他人の剣を買ったりしており、剣盗人と呼ばれている。剣を盗むのは、自分では剣を育てられないからじゃないかとベルは感じ取っている。
    ・カタコームを守るコリンズ一族出身で、元は<外>だった。
    ・国の在り方、剣闘の在り方、神の在り方、世界の在り方、ありとあらゆる者に疑念を抱いて生きている。
    【由来】
    ・アドニス
    ドライシェリー(辛口のシェリー)とスイートベルモット、オレンジビターズのカクテル。ニューヨークでミュージカル『アドニス』の人気にあやかって考案された。ミュージカルは、ギリシア神話の女神アフロディーテに愛された少年アドニスの彫像が、命を吹き込まれ冒険に巻き込まれるという内容だったらしい。

    ◼︎?(クエスティオン)
    アドニスが使う剣の刻印。元の刻印の最後に加えることで、剣質をアドニスに合わせる効果がある。<疑う者>の意味。

    ◼︎バンブー
    アドニスの使い魔。犬狼花。飲食魔法でアドニスの居住空間を作っている。
    【由来】
    ・バンブー
    ドライシェリーとドライベルモット、オレンジビターズのカクテル。アドニスのアレンジレシピとして、日本で誕生した。

    ⚪︎キティ
    <硬貨の国>の王子。旅の者。ザ・オールとザ・ナッシングの2つの姿を持つ。ベルを長い間探していたようで、見つけてからはずっと後を追いかけている。長耳族。
    【由来】
    ・キティ
    赤ワインとジンジャーエールのカクテル。子猫を意味するkittenが語源と言われている。白ワインとジンジャーエールで作ると、ホワイトキティというカクテルになる。

    ◼︎キティ=ザ・オール
    ・若い見た目に反する老成した話し方をする。演算魔法の上級者。
    ・ザ・オールは「賢い者」の意味。
    ◼︎キティ=ザ・ナッシング
    ・話すことも出来ず、やたらめったら色んなものを食べる。攻撃誘発性(ヴァルネラビリティ)を持ち、周囲のものから拒絶される・攻撃される性質がある。
    ・ザ・ナッシングは「愚か者」の意味
    ※ vulnerability 脆弱性

    ◼︎<硬貨の国(デナーリラント)>
    <剣の国>から見ると大陸の裏側と呼ばれる遠い国。旅の者を多く輩出している。長耳族の住処。魔法と神代の技術に精通しており、財貨の生産をしている国でもある。
    "神楽" "なむさん" など、神道・仏教に関係する言葉が使われている国。
    【由来】
    denarius Land

    ⚪︎シャンディ=ガフ
    四大剣士の一人。剣士団筆頭。ベルの兄弟子。月瞳族。黄金色の毛並み。
    【由来】
    ・シャンディガフ
    ビールとジンジャーエールのカクテル。

    ⚪︎ギネス
    カタコーム戦の脚本者。弓瞳族。
    【由来】
    ・ギネスビール
    アイルランドのスタウト(日本では黒ビールの一種)。

    ◼︎EVREN(イヴレーン)
    ギネスの剣の刻印。意味は「勇気と臆病」。弓瞳族における最も大切な言葉。ギネスの剣は、ユリ科の鋼から出来ている。英語のnerve(神経質 / 勇気)の逆綴り。

    ⚪︎ベネディクティン
    水を操る魔法を得意とする剣士。演出者。水族。
    【由来】
    ・ベネディクティン
    フランス産のブランデーベースのリキュール。ベネディクト派の修道院で作られたのが始まり。レシピが現存する最古のリキュール。

    ◼︎<撓う剣(レーピア)>
    水族特有の剣。水鋼を鍛えた細い刀身。
    【由来】
    レイピア rapier
    16〜17世紀のヨーロッパで用いられた、細身で先端の尖った刺突用の剣。

    ⚪︎キール=ロワール
    四大剣士の一人。赤い馬体の四蹄族。
    【由来】
    ・キールロワイヤル
    シャンパンとカシスリキュールで作る赤いカクテル。白ワインとカシスリキュールで作るカクテルであるキールのアレンジ。

    ◼︎LIVED(リヴド)
    キールの剣の刻印。かつて生き、いままた生きる者の意味。キールの剣の剣肌は猩々緋(オックスブラッド)で、剣を振るうと火焔が放たれる。
    ※猩は濃い赤色。オックスブラッドも雄牛の血を意味する濃い赤色のこと。

    ⚪︎ローハイド王
    <剣の国>の王。元は月瞳族だが、今は剣樹神と同化し(=中に住まう)あらゆる種族的特徴をその身体に持つ。
    【設定】
    ・神成す者
    王によって神の存在が体現されている。巫者(みこ)、神の意思を告げる者であり、神言は王の口を通して伝えられる。柱とも表現されている。
    【由来】
    ・ローハイド
    日本でサントリーが販売していたブレンデッドウイスキー。アメリカのドラマ「ローハイド」から名付けられた。1970年代に流通。

    ⚪︎ティツィアーノ
    四大剣士の1人。水族。
    愛人を競わせる悪癖を咎められ、ガフと闘い剣を砕かれたことをきっかけに、<悪>に堕ちた。
    【由来】
    ・ティツィアーノ
    スプマンテ(イタリアのスパークリングワイン)と、ぶどうジュース(またはグレープフルーツジュースとグレナデンシロップ)を合わせたカクテル。スプマンテと白桃ピュレで作るカクテルであるベリーニのバリエーション。
    ・ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
    『ヴィーナスとアドニス』という、ギリシア神話に出てくる美少年アドニスを描いた巨匠。

    ◼︎LEGNA
    ティツィアーノの剣の刻印。使わす者の意。angelの逆綴り。

    ⚪︎ドランブイ
    著名な剣作家。水族。今は飢餓同盟の一員となっている。
    【由来】
    ・ドランブイ
    モルトウイスキーベースのスコットランドのリキュール。ゲール語の「飲む(dram)」と「満足な(buidheach)」を合成して「Drambuie」としたもので、「満足できる酒」「満足すべき飲み物」といった意味。
    ※満足できる酒→満足に"値するもの"?

    ⚪︎カシス
    黄牙の神官で、カタコーム戦の伴奏者。月瞳族。黒の体毛。
    【由来】
    ・クレーム・ド・カシス
    クロスグリを原料とする、甘みの強いフランス産の深紫色のリキュール。

    ⚪︎カンパリ
    カタコーム戦の指揮者。元振り付け師。月歯族。
    【由来】
    ・カンパリ
    苦味のあるイタリアの赤いハーブ系リキュール。製造方法は公開されていない。

    ⚪︎ゴードン
    カタコーム戦に参加した水角族の剣士。
    【由来】
    ・ゴードンズ
    ロンドン・ドライ・ジン(高品質のジン)を代表するブランドの一つ。

    ⚪︎ペリエ
    月瞳族の剣士。
    【由来】
    ・ペリエ
    フランスの炭酸水。家に代々受け継ぐ剣を頼りにして財貨を稼いでいる、実力の伴わない剣士のため、酒ではなく炭酸水から名付けられたか。

    ◼︎OUROBOROS(ウロボロス)
    ペリエの剣の刻印。永久なる者を意味する神代の言葉。名家の月瞳族で好まれる言葉。
    【由来】
    ・ウロボロス
    己の尾を噛んで環状になった蛇または龍の図案

    ⚪︎ベルの家族
    ◼︎ミモザ夫妻
    ベルの養父母。月瞳族。
    【由来】
    ・ミモザ
    シャンパンとオレンジジュースのカクテル。
    ◼︎ベルモット
    ミモザ夫妻の実子。月瞳族。
    【設定】
    ベルの妹を意味する言葉。
    【由来】
    ・ベルモット
    白ワインにニガヨモギなどの香草を加えて造られるフレーバードワイン。wermut(ニガヨモギ ドイツ語)に由来。


    ◆悪
    ⚪︎ジンバック
    <悪>の指揮者。蛍族。
    【由来】
    ・ジンバック
    ジンにレモンジュースとジンジャーエールを加えて作るカクテル。バックとつくカクテルは、指定のお酒とレモンジュース&ジンジャーエールで作られるカクテル。バックとは牡鹿を意味し、飲みやすい割に牡鹿のキックのように強いという意味がある。

    ⚪︎ミスト
    <悪>の剣士。クラウドの双子。足長族。
    【由来】
    ・ミスト
    ウイスキーの飲み方。砕いた氷をたっぷり入れたグラスにウイスキーを注ぐ。普通のロックよりキンキンに冷え、グラスの外側に水滴がつく。その様子を霧(ミスト)に準えて名付けられた。

    ⚪︎クラウド
    <悪>の剣士。ミストの双子。足長族。
    【由来】
    ・クラウドカクテル
    青空と雲をイメージした水色のカクテル。他にもレッドクラウドなど、空をイメージしたカクテルにクラウドとついているか。
    ・雲
    霧と同じ現象であるが、地上にある霧と違い雲は上空にある。ミストの双子ということで同現象だが異なるものから名前が取られているか。

    ⚪︎トゥディ
    カタコーム戦の際にいた足長族。
    【由来】
    ・トディ
    蒸留酒に甘味を加えて、熱湯で割るカクテルスタイル。

    ⚪︎フローズ
    カタコーム戦に参加した足長族。
    【由来】
    ・フローズン
    氷と共にお酒他材料をミキサーにかけて、シャーベット状に仕上げたカクテルスタイル。

    ⚪︎スノウ
    カタコーム戦に参加した足長族。
    【由来】
    ・スノースタイル
    グラスの縁をレモン果汁で濡らし、食塩や砂糖を付着させるデコレーション技法。

    ⚪︎コラル
    カタコーム戦に参加した足長族。
    【由来】
    ・コーラルスタイル
    グラスの側面をレモンシロップやリキュールで濡らし、食塩や砂糖を付着させるデコレーション技法。

    ⚪︎ハギス
    <外>にある宿屋アマレット亭の亭主。弓瞳族。
    【解釈】
    旅の者を目指すベルに、長い沈黙の後「神が許さない」と伝えている。元々旅の者を目指していたか、あるいは知り合いが旅の者を目指したがなれなかったか。
    【由来】
    ・ハギス
    羊の内臓とオートミールや野菜を刻んで、羊の胃袋に詰めて蒸した料理。スコッチウイスキーと一緒に供されることが多い。
    ・アマレット
    アーモンドのような香りのリキュール。Amaretto はイタリア語で少し苦いものの意味。


    ◆外
    ※コリンズ一族は、外にあるカタコームの管理者一族。正義でも悪でもなく、ただカタコームを守ることを使命とする。

    ⚪︎トム=コリンズ
    アドニスの父。カタコームを守るコリンズ一族。月瞳族。
    【由来】
    ・トム・コリンズ
    オールドトムジン(18世紀イングランドで人気があったジン)、レモンジュース、ソーダ水から作るカクテル。ジョン・コリンズのジンをオールド・トム・ジンに変えたアレンジ。現在オールドトムジンは終売しているため、ドライジンを使うレシピが一般的。

    ⚪︎ジョン=コリンズ
    アドニスの長兄。コリンズ一族。月瞳族。
    【由来】
    ・ジョン・コリンズ
    オランダジンまたはウイスキー、レモンジュース、ソーダ水で作るカクテル。蒸留酒に甘酸味と炭酸飲料を加えたカクテルをコリンズスタイルという。考案者の名前ジョン=コリンズに由来する。現在は人を使う際はドライジンを使うことが一般的。

    ⚪︎サンディ=コリンズ
    アドニスの次兄。コリンズ一族。月瞳族。
    【由来】
    ・サンディ・コリンズ
    ジョン・コリンズのベースをスコッチウイスキーに変えたもの。


    ◆その他
    ⚪︎J(ヤー)
    チェーサー湖を治める月歯族の代表。
    【由来】
    不明。ドイツ語だとすれば"はい"を意味する言葉。

    ◼︎チェーサー湖
    水が特産の地域。<剣の国>の田舎町。
    【由来】
    ・チェイサー
    酒を飲む際、酒と一緒に飲むメインのお酒よりアルコール度数が低い飲み物。水など。


    ●世界設定●
    ◆国
    ⚪︎<剣の国(シュベルトラント)>
    ベルが暮らす国。
    「剣(シュベルト)と花(シュベルテル)の咲き乱れる国(シュベルトストライヒ)」
    【由来】
    ・Schwert 剣 Land 国家 (独)
    ・Schwerter 剣の複数形
    剣も花の果である鋼鉄から出来ているので、花=たくさんの剣ということか。

    ◼︎剣撃(シュベルトストライヒ)
    剣で斬ること。その切り口。
    【解釈】
    「咲き乱れる国」とも書く。様々な剣によりなされる剣楽と、それにより発生する剣撃の音を、花の果から剣が出来ていることにかけて、「咲き乱れる」と表現しているか。
    【由来】
    Schwert 剣 Streich 一撃 (独)


    ◆都市
    ⚪︎都市(パーク) park 独 ※公園
    <剣の国>の城下町。六芒星の形をして、7つの区に分かれている。中王区は城があり、東側3区は<内>、西側3区は<外>。東西の各区には基本色がある。

    ◼︎都市の区
    ・中央区(キャストラル):城がある中心部 。オン・ザ・ロック亭がある。castle
    ・上位西 ※未言及
    ・中位西 ※未言及
    ・下方西(アンダーウェスト):黄色。アマレット亭がある。 under west
    ・上位東(トップイースト) top east
    ・中位東(ミドルイースト):ベルが住む剣士の宿舎がある。middle east
    ・下方東(アンダーイースト):若草色。ベルの養父母が暮らす街がある under east
    【色】
    ・若草色(ジャスパーグリーン) jasper green 碧玉

    ⚪︎法(テーマ)
    守らなければならないルール。
    【設定】
    法律というより、行動原理といったほうがニュアンスが近い。手段としてのルールではなく、目的と化したルール。守ることが重要であり、なぜ守らなければいけないかは考える余地がない。
    【由来】
    theme 主題

    ◼︎都市の法
    民は生まれた時から正義と悪に分かれて定められ、神言に従って戦闘をしなければならない。
    【設定】
    法に反した行いをすることは、それだけで裁きに値する。よって刑を決めるのに取り調べは不要。(正義は神言に従い戦うことが多いから、取り調べをすると無罪になり裁けなくなってしまうのか?)
    "神言に従って"闘うことが重要なため、神言に背く闘いは行ってはいけない。(<悪>が襲撃してくる前に予め<悪>を襲撃しておく、選出されていないのに戦闘に加わるなど)

    ◼︎世界の法
    楽しむこと。楽しみを得るために生きること。人生の法と言い換えられる。同時に神を楽しませる必要もある。<楽(シュピーレン)> spielen

    ⚪︎<正義> / <内> / 城内民 (トップドッグ)
    ⚪︎<悪> / <外> / 城外民 (アンダードッグ)
    <剣の国>の都市において、法に定められた民の立場。都市で暮らす人は、必ずどちらかに定められる。<正義>は城壁の内側に住み、<悪>は城壁の外に住む。
    <内>には聖灰があり病気や怪我がないが、極端に子供が産まれにくい。<外>は農作物や楽器といった生活必需品が不足している。
    【設定】
    ・漢字の使い分け
    <正義><悪>は、対立する2つの組織に所属する人のことを指して使う。
    <内><外>は人に限らず、地理や生活習慣などの環境を含めた言い方。コリンズ一族は「<外>ではあるが、<正義>でも<悪>でもない」と語っている。
    <城内民><城外民>は<正義><悪>と同じく、人のことを示す言い方だが、住む場所に特化した言い方。
    ・善悪ではない
    神が神言によって行動を促すのは、城内民の剣士に対して。つまり、"正義" "悪" というのは善悪の話ではなく、命令を出す神にとっての区分け。神の言葉に従って戦闘を起こす側が正義であり、城内民。
    【由来】
    top dog / under dog
    Godの逆綴りがDogであり、神に統治されている民を意味する言葉。

    ⚪︎飢餓同盟(タルトタタン)
    この世を楽しめなくなった人の集団。影法師の姿で身体中に印を書き込んでいる。取り込まれたらこの世の影となり、未来永劫苦しみながらさまよい続ける。
    都市に現れたのは、もうすぐ仲間になる者がいるかららしい。
    【設定】
    世界の法である<楽>を守れなくなった者の集団。
    【由来】
    ・安部公房『飢餓同盟』
    飢餓同盟は爪弾きものによる革命のための秘密結社
    ・タルトタタン
    キャラメリゼしたりんごの上にパイ生地をかぶせて焼き、ひっくり返してお皿の上に出したお菓子。失敗から生まれたお菓子であり「世界最高の失敗作」と呼ばれる。

    世界に適合できない人たちの革命結社であり、世界の転換に成功することへの暗示か。

    ◼︎NOWHERE
    飢餓同盟が唱える神代のことば。無何無郷という、「どこにもゆけない。どこにもいられない。」ということを意味する言葉。
    【解釈】
    唸る剣の刻印であるEREHWONと真逆の綴りになっており、ベルも<唸る剣>とは「正反対の方向に引き寄せられる」と言っている。

    ⚪︎オン・ザ・ロック亭
    旅の者が集う酒場。都市の中央区にある。
    【由来】
    ウイスキーの飲み方の一つ。氷を入れたグラスに酒を注ぐ。いわゆるロック。

    ◯カタコーム 
    都市の西にある墓地。<悪>にとっての聖域。<正義>と<悪>の区別なく埋葬される信仰の場。
    【由来】
    catacomb。地下に作られた共同墓地。

    ◆城
    ⚪︎剣と天秤の間 (パブリックオブジャスティス)
    <剣の国>の紋章を象った三つの広間の総称であり、国の聖所。剣樹神を中心に扇形の三つの劇場が囲んでいる。
    【由来】
    ・剣と天秤
    正義の女神テミスが手に持っているもの。テミスは、司法や裁判の公正さを表す正義のシンボル。
    ・public of justice
    <正義>にとって、神言が告げられる公の場所。剣闘の結果により財貨も与えられる。

    ◼︎<玉座の間>
    ・王に謁見する広間。東方にあり、青の刻を司る。
    ・神官の服は青。魂のない人形のような動きをしている。
    ◼︎<剣闘の間>
    神の前で剣闘を行う広間。下方西にあり、黄の刻を司る。
    ・神官の服は黄牙。中は通常の人。<錠す剣(チェーンド)>という鎖で繋がれた剣を持っており、神に許された時のみ剣を振るうことができる。

    ⚪︎剣樹神(ユグドラシル)
    <剣の国>の神。不死の剣の樹。王国を意味するEMOCLEWの刻印が刻まれているが、度重なる増殖によって刻印としてはてよく分からなくなり、樹全体に明滅する光のようなものになっている。
    【由来】
    北欧神話に登場する、世界を体現する巨木。三つの根が幹を支えており、地下には泉がある。大蛇ニーズヘッグによって、3つ目の根が齧られている。

    ◼︎癌種の剣
    <剣の国>の神の別名その1。剣樹神が癌のように無限に増殖していく木であることを示している。
    【解釈】
    死に至る病=「死ぬ」という病
    ・通常の病:(例)心不全(病名)→死ぬ(結果)
    ・癌種の剣:「死ぬ」(病名)→死ぬ(結果)
    →「死」という病が「死ぬ=(なくなる)」ということは、死が無くなるということで、死なない・不死ということ
    ◼︎機械仕掛けの神(デウス・エキス・マキナ)
    <剣の国>の神の別名その2。法のみを己の存在意義とせざるを得ない者。擬神。
    【設定】
    キティは癌種の剣について「 死に至る病をもって、擬神の御座となる」と語っており、癌種の剣に擬神が寄生していることが示唆されている。つまり、剣樹神=癌種の剣+機械仕掛けの神 といえるのではないか。
    【由来】
    古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜して解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在として神が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという手法を指した。(水戸黄門の印籠がそれに近いらしい)

    ◼︎EMOCLEW(エモクルウ)
    王国を意味する刻印。welcomeの逆綴り。

    ⚪︎旅の者(ノマド)
    国を出て世界を旅することができる存在。放浪者。
    旅の者になるには、
    (1)呪いを帯びる(先達から血で継承する)
    (2)都市で王と契約の儀を交わす
    (3) 剣士として3つの試練をこなす
    (4)偶然に出会う
    (5) 旅の鍵を奏でる
    を全てクリアしないといけない。
    【設定】
    国を支配する神から逃れられる存在である。
    【由来】
    nomad

    ⚪︎聖灰
    <内>にある、あらゆる病気や傷を治す粉。城の礼拝堂で神官によって厳しく管理されている。<城内民>は負傷や病気の際に都度受け取り使用する。<外>では、実は猛毒であり<内>に子供ができにくいのは聖灰のせいではないか、と言われている。
    【設定】
    一巻時点で判明していること
    ・どうやって作られているのか不明
    ・剣を直すことも出来るらしい

    ◼︎ 礼拝堂(ゴーグ)
    聖灰の管理所。<玉座の間>に直結しており、負傷者はそこで聖灰を受け渡される。
    【由来】
    ユダヤ教の会堂をシナゴーグという。


    ◆剣楽
    ⚪︎剣楽
    儀式としての剣闘。剣撃によって、世界に己の存在意義を問い、存在の証を立てる。それによって神を楽しませる。
    【解釈】
    ・神楽
    音楽と剣を用いた神楽と言える。実際、キティもカタコーム戦の際に、<硬貨の国>にある神楽というものについて剣楽に対する地の文の説明と同じ説明をしている。
    ・世界を穿孔する行為
    剣楽における世界を穿孔する行為は、神がそれすらも予定調和させ世界をそのままの形にしようとするのではないか。そのことが神を楽しませているのではないか。「秩序と混沌の境界」とは、世界を穿孔することで生み出させる混沌と、それを押さえ込んで予定調和させ秩序を保つ神、ということではないか。

    ◼︎快楽原則 (ニルヴァーナ)
    剣楽の在り方を示す言葉。剣楽は、劇場で行われる催しの中で<楽>を体現する、神や民にとっめ最も重要なものであるという意味。
    【由来】
    ニルヴァーナ (サンスクリット語)。涅槃。仏教などにおける輪廻から解脱した状態。最高の幸福状態。

    ◼︎恐怖が四方から迫る (パシユフル)
    剣楽原則に背く者に対する呪詛の言葉。
    【由来】
    旧約聖書のエレミヤ書より。
    ユダの滅亡を予言した預言者 エレミヤを打たせたユダのパシュフル。エレミヤはパシュフルに、「神はお前の名をパシュフルではなく『恐怖が四方から迫る』という。お前はバビロンに捕囚され、そこで死ぬ」と言う(神によって、その行いが裁かれる日が来るということ)。

    決められていること(=剣楽の原則)に逆らうということは、それに相応する罰が与えられることになり、この呪いの言葉こそが罰と言える。

    ⚪︎剣
    鋼鉄の実から作られる。剣士は様々なものを斬ることで剣を成長させる。剣士にとって剣が折られることは、体を斬られるよりも耐え難いことである。
    剣の質と刻印によって、剣の効果が変わる。
    【解釈】
    剣の色はその使用者と関連性が高い(名前と関連性が高い色など)
    刻印について、新たに入手した幼剣に「彫っていない」と記述があることから、自分で好きなものを入れる場合と、剣作家が予め入れている場合があるようだ。

    ◼︎水鋼
    極細・超軽量の鋼。糸として洋服に編み込むこともできる。<撓う剣>やカタコーム戦の制服は水鋼から出来ている。

    ⚪︎剣士 / 剣楽の者(ソリスト)
    剣士。剣闘によって神の天秤から財貨を得る。soliste
    【設定】
    「剣の語(と)いし戦(おこな)いにより」、王より財貨が与えられる。戦闘でろくな働きをせずとも、剣が立派であればそれだけで剣が語うものがあり財貨が保証される。

    ◼︎最高階級(トップヒエラルキア)
    剣士の中で最も高い階級。ガフ、キール、アドニス、ティツィアーノの4人。四大剣士とも称される。

    ◼︎決闘許可証(ドッグタッグ)
    剣士の証。都市ではこれを所持していないと剣闘を行ってはいけない。
    【由来】
    dog tag 認識票

    ◼︎主導権(スポット) spot
    剣闘における剣士としての中心的役割。
    【由来】
    spot light 主役に当たるライト。

    ⚪︎教示者(エノーラ)
    剣技の指導者。その教えは秘儀であり、卒業と同時に弟子からは師についての記憶は消される。

    ⚪︎剣楽隊 (バンド)
    神言に従って戦闘をする際に組む陣のこと。様々な役職があり、それぞれが協力して戦闘する。band
    【設定】
    音楽用語が多く用いられている

    ◼︎指揮者(コンダクター)
    最高指揮官 conductor
    ◼︎演出者(ディレクター)
    魔法で結界を作る director
    ◼︎脚本者(リブレット)
    参謀。作戦立案担当。作戦=脚本
    【由来】
    libretto(オペラやミュージカルの台本)
    ◼︎振り付け師(コーレグラファー)
    剣楽隊の練習指導者。choreography
    ◼︎伴奏者(ピアニスッス)
    戦況の報告を逐一報告する役目。黄牙の神官が役目を担う。pianist
    ◼︎補助楽隊(コーラスバレット)
    歌で結界を補佐する役割。その歌は援護魔法(リサイタル)として機能する。
    【由来】
    ・bullet バレット 弾丸
    ◼︎編成者(エディター)
    選抜された剣士を、楽隊のどの役職を担わせるか、複数楽隊あるならばどの楽隊に加えるか決める役割。editor
    ◼︎衣裳師(デザイナー)
    剣楽隊の衣装制作をする。designer
    ・制服衣裳 (グラスウェア)
    剣楽隊の制服。カタコーム戦の第一楽隊は紅色(カメリア)。
    【由来】
    ・glass wear。
    ガラス製の食器類。お酒が名前の由来になっている登場人物たちが着る服。
    ・カメリア
    Camellia。椿の花。花の落ち方にカタコーム戦の結果をかけているか。



    ◆音楽
    農作物を成長させる(=農楽)、建物を作る(=建楽)など、何かを産み出し作るためのもの。

    ⚪︎音楽を行う人
    ◼︎楽器奏者
    ・演奏者(シンフォニア) sinfonia
    …農楽を行う者。大地の演奏者(ファームズシンフォニア)

    ◼︎ 吟遊詩人 (トウルバドール)
    歌を生業に旅をする人。何かを産み出すためではなく、歌そのものを聞かせる。現実世界の音楽に対する考え方に近い。
    【由来】
    Troubadour。中世フランスで、オック語(南仏の言葉)で詩や歌を作り歌った人。


    ◆魔法
    ⚪︎筆記魔法(グラマー)
    要素をつないで印を作ることで作用する魔法。
    【関連語】
    ・基本線(ライン) line
    ・要素(ワード) word
    ・印(スペル) spell
    ・修飾印(モディファー) modifier
    ・決定印(ピリオド) period
    ・意訳する…印の効果を消すこと
    ・文法能力…筆記魔法の能力のこと
    【由来】
    grammar
    関連用語は英文法から。印の書き方も英文の書き方を準えている(基本文に形容詞を用いて文のバリエーションをつけ、ピリオドを打つことで一文が完成する)

    ◼︎印 / 刻印(スペル)
    筆記魔法によって生み出される魔法。剣に書かれているものは神代の文字を使用している。
    【設定】
    印と刻印の使い分け方は微妙だが、魔法そのものを指す場合はおおよそ印を用い、対象物上で効果を発揮している印を刻印としている。

    ⚪︎演算魔法(マスマティクス)
    因子を<式>に組み込んで演算を展開する魔法。
    【関連語】
    ・因子(ナンバー) number
    ・<式(フォーミュラ)> formula
    ・演算
    ・暗算…<式>を用いない演算
    【由来】
    mathematics
    関連用語は数学から。(公式に数字を当てはめて計算を行う)

    ⚪︎飲食魔法(レスト・ラント)
    対象を異空間へ飲み込む魔法。
    【由来】
    飲み込む→飲食→レストラン→restaurant


    ◆神代
    ⚪︎神代の文字
    剣に刻印として刻まれている文字。古い文字のため自在に読むことはできないが、一部の刻印の意味や読みは口伝によって理解している。
    【解釈】
    現実世界でのアルファベット。英単語やその逆綴りが用いられている。

    ⚪︎聖星(アース)
    夜空に浮かぶ大きな青い星。伝説の神話では神々の住み処とされており、母なる星とも呼ばれている。神話によると、神々は聖星を捨て無窮の彼方に去ったらしい。
    【解釈】
    earth、つまりそのまま地球。神は地球を住処としていた生き物、すなわち人間。時は、地球で暮らすことのできなくなった人間が地球を捨て去った未来。


    ◆種族
    ⚪︎月瞳族(キャッツアイズ)
    猫。<剣の国>の都市・城の主族(=貴族)。尻尾の様子で年齢が分かる(幼い子供は「尻尾が取れていない」)
    【由来】
    猫の目はの満ち欠けのように変化する。cat's eyes

    ⚪︎弓瞳族(シープアイズ / やぎ)
    ヤギ。群で行動する。巻き角の様子で年齢が分かる。
    【由来】
    ヤギの目は瞳孔が横に細くなるsheep eyes

    ⚪︎水角族(ミノタウロス / うし)
    牛。力自慢の種族。
    【由来】
    水牛の角。
    Minotaurus ギリシア神話に登場する上半身が牛、下半身が人間の生き物。

    ⚪︎足長族(フロッギー)
    カエル。跳躍力が高い。frog

    ⚪︎蛍族(ロイテライテ)
    蛍。薄荷煙草が食事であり、武器でもある。耳聡い。
    【由来】
    loiter light  ※loiter ぶらぶらする。

    ⚪︎水族(マーメイド)
    魚(?)。眉目秀麗。性別を変えることが出来る。あらゆる水を操る。三枚耳(ドライツェン)と肘の鱗骨が特徴。
    【由来】
    mermaid 人魚
    魚類には性転換が可能な種がいる。

    ◼︎水憂い者(オンデューン)
    水の近くを好まない種族(?)。水族は水憂い者に含まれる種族。
    他人の精神を土台にして自分の精神を築くため、広く浅く多くの者と情を交わす。

    【由来】
    on dune 砂丘の上

    ⚪︎長耳族(ラビッティア / うさぎ)
    ウサギ。<硬貨の国>に住む種族。機械時計を大事にする。rabbit

    ◼︎機械時計(マキナクロック)
    ゼンマイ式の時計。machina clock
    透殻時計(スケルトンクロック) とも。

    ⚪︎月歯族(マウティー / ねずみ)
    ネズミ。
    【由来】
    齧歯類の"齧"を"月"にしてゲッシ。mouse

    ◼︎知恵深き月歯族(ワールドワイズ・マウティー)
    ただの月歯族と異なる種類のネズミか(野ネズミとか)
    【由来】
    world wise世古に長ける。

    ⚪︎四蹄族(ケンタウロス)

    【由来】
    Centaurus ギリシア神話に登場する上半身人間、下半身馬の生き物。

    ⚪︎燕尾族 (スワロウテイル / つばめ)
    ツバメ。剣の国ではあまり見ない種族。
    【由来】
    swallow tail


    ◆花
    【設定】
    動物や様々な材料が花の果実として生まれており、子孫も種で残す。
    ◼︎現実世界では花から生成しないもの
    ・鋼鉄
    ・泡

    ⚪︎媒花(けもの)
    花から生まれる生物全般。
    ・水媒花(さかな)…水中生物全般
    ・虫媒花 (むし)…虫
    ・風媒花(とり) …鳥
    ・獣花(けもの)…動物

    ◼︎<八つ手(ネグローニ )>
    タコ。水媒花。
    【由来】
    ・ネグローニ
    ジン、ベルモット、カンパリで作る赤いカクテル。

    ◼︎甲檻花 (ゴブレット)
    亀。移動式の檻。甲羅部分が檻になっている。
    【由来】
    goblet 酒を飲む入れ物。登場人物の名前が酒であり、それらの人物が入る移動式の檻の名前。

    ◼︎甲輿花 (ステムグラス)
    亀。剣楽隊の神輿。代表戦力が乗る乗り物。 【由来】
    stir glass。ステア(酒を混ぜ合わせる)するグラスから、酒の名前を冠した人物たちの乗り物

    ◼︎犬狼花(ウォルヴス)
    オオカミや犬のような姿の獣花。アドニスの使い魔・バンブーはこの生き物。
    【由来】
    wolves

    ◼︎綿猫(ポップス)
    綿(ポー)の木から生まれる獣花の猫。
    【由来】
    ・pop ポンと音を立てる、飛び出す
    ・ポポーの実(?)



    ◆道具
    ⚪︎時計石(オクロック)
    時計兼方位磁石になる石。時間帯によって色が変わり時刻が分かる。地面に置くと色相環が浮かび、方角が分かる。 o'clock

    ◼︎色
    色相環(グラデーション)
    藍、青、緑、黄、赤、紫、の基本相6つ。各色にはもっと細かく名前がついており、対応する方角と時刻がある。gradation
    【基本相】
    ・藍:真夜中の色
    ・青:東方と朝を象徴する色
    ・緑:下方東と午前の色
    ・黄:下方西と昼頃の色。黄の刻(マチネ)。
    ・赤:午後の色
    ・紫:夜の色。紫の刻(ソワレ)
    【色名】
    ・淡香紫(ヘリオトロープ) Heliotrope
    …夕暮れ時。ヘリオトロープは花の名前。
    ・鈍紫色(ヒーザー) Heather
    …日暮れ後。ヒーザーは花の名前。
    ・宵藍 (ミッドナイトブルー) midnight blue
    …真夜中
    ・泉色 (ファウンテンブルー) fountain blue
    …明け方
    ・霞色 (ミストグリーン ) mist green
    …昼前
    ・砂色(サンドイエロー) sand yellow
    …昼時
    ・薄紫色(ライラック) lilac
    ※ベネディクティンの髪の色

    ◼︎クォーツの森 quartz
    時計石の産地。石と木々が貪食作用を繰り返している森。すり鉢状の地形(「まるで巨大なものが落ちてきたかのよう」)。
    ◼︎石の卵
    クォーツの森にあった球形の石。ベルはこの石から生まれた。金属とも陶器とも異なる材質と描写される。
    別名<賢者の石(シュタイン・デル・ヴァイゼン > ※Stein der Weisen 独 

    ◼︎ 石精/ 守護精 (ノーム)
    獣花以外の動物で、森などの自然を守っている。
    【由来】
    ・ノーム gnome
    四大精霊のうち大地を司る精霊。主に地中で生活し、鉱脈の場所に詳しい。
    ◼︎ 岩鰐(オクロックダイル)
    ワニ。石精。
    o'clock + Crocodylus 。

    ⚪︎財貨(デナーリ)
    貨幣。別名 枯れない鉄。
    【由来】
    denarius 古代ローマの少額銀貨。デナリ、デナリウス

    ⚪︎新聞/風聞 / 郵便 (ディール)
    言伝。手紙形態の場合は、郵便公社(ディールズハット)から風媒花によって届けられる。
    【設定】
    風媒花が手紙を持ってくるわけではなく、風媒花自身に言葉が刻まれている。届いた風聞は水籠に入れておくことで、しばらく手紙を読むことが出来るが、しばらくすると言の葉は枯れてしまい、手紙を読むことは出来なくなってしまう。
    【由来】
    deal 取引 hut 小屋

    ◼︎ 死告鳥(レイブン / からす)
    訃報を告げる風媒花。ディールの一種。Raven

    ⚪︎石
    ・蛍光石 (ランプ)
    光源になる石。lamp
    ・水晶
    水族が作る水やお湯の固まり。割って使う。
    ・火晶石 (マッチ)
    火をつける石。Match


    ●キーワード●
    ◆呪いがいつか祝福に変わる
    旅の呪いの意味を理解し、受け入れることが出来たら旅の扉は開く。呪いは枷ではなく、前に進む力になる。
    【語源】
    ・キリスト教的には
    人間の災いが呪い、それを救う神の加護が祝福。キリスト教でよく現れる考え方。
    ・神道的には
    「呪い」と「祝い」は、元はおなじく神前で祈りの言葉を唱える様子を表す漢字であり、表裏一体の言葉。


    ◆世界を穿孔せよ(デュルヒ・ブレッヒェン)
    ただ日々を緩慢と過ごすのではなく、行動に意志を持ち、現在の自分の状況・居場所からもう一歩先に進むこと。成長。自分の存在価値を示すこと。
    【設定】
    <唸る剣>の意志。<花が咲くこと>とも書かれ、剣楽の意義でもある。剣楽に関連する言葉でもあるため、関連語句に音楽用語がルビで当てられている。
    ・適所(ピッチ) pitch 英
    ・由縁(リズム) rhythm 英
    【語源】
    durch 通過 brechen壊す 独
    ハイデッガーの世界内存在を元にした考え。
    ・現存在:自己を現にそこにある者として自覚する存在。人間。Dasein
    ・世界内存在:現存在は世界と対立してあるのではなく、常に世界と一体となっており世界の内に存在している、という在り方を示す。世界は人間を内包しており、人間と世界は切り離すことのできないもの。世界というものの中に人間がいるのではなく、人間がいることも含めて世界は成立している。In-der-Welt-sein
    ・適所性:道具がその道具として手頃な大きさ・形であり、しかるべき場所に置かれていること。Bewandtnis (例:箸は20cmほどの長さで、細長い2本組で、テーブルの上にあってこそ箸たりうる)
    ・適所を得させる:道具が、現存在の手元において利用目的のある道具となること。道具は適した場所に置かれてこそ、その道具としての意義を持つ。Bewendenlassen (例:箸は物置に仕舞い込まれていては、箸としての役割を果たせず存在してないも同然だが、物置から食器棚に移し日常的に用いられるようになれば、存在意義を持つことができる)

    「得難い適所を自ら外れ、唸りを上げろ。」
    …適所を得ることは簡単なことではない。だが、せっかく得た適所を捨ててでも、世界を構成する要素としての自分ではない、自分自身の存在意義を示せ。
    「それがお前の望むもの、お前が行こうとしている所。お前がそこに存すことの由縁を取り戻せ。」
    …世界によって存在を許されているままにせず、自分の存在理由を自分の中に取り戻せ。
    「世界を穿孔せよ」
    …自分の存在を示すことで、閉じた世界に穴を開けろ。世界の調和を崩せ。


    ◆因果の糸
    【解釈】
    キティの身の回りで起こる出来事は、因果応報に導かれる。(キティを襲った弓瞳族はベルに叩きのめされ、ベルのために時計を手放したキティには巡り巡って時計が戻ってくる)
    【由来】
    仏教的な因果応報の考え方に基づく。
    ・善因楽果…善が楽を生む
    ・悪因苦果…悪が苦を生む


    ◆偶然に出会う
    旅の者になるために必要なこと。自分の行動原理を、世界から自分の中に取り戻す。
    【設定】
    ローハイド王曰く、偶然とは既に自分の中にそれが発生する原因はあるけれど、まだ事象化していない事柄。
    逆に必然は世界によって予定調和されている事象のため、発生原因は己ではなく世界の中にある。「世界を穿孔せよ」と似た考え方。


    ◆この樹は私を見ていない
    国を支配している神に自分が認知されていないことを感じとり、ベルは自分が世界に交じり合えていないどころか、世界から外れた存在であり永遠に郷愁を満たせないのではないかと愕然としている。
    【解釈】
    カタコーム戦の前のシアンとキティの会話に「神々の抵抗」「理由を遠ざけん」「理由の芽を潰す」などとあるように、神はベルの存在を抹殺したがっている(選抜者の相性が悪く、カタコーム戦が正義の勝ち目が薄い人選にされていたのもおそらくそのため)。そのため、ベルとの対面において神はベルの存在を無視したのではないか。


    ◆舞台において男は死んでいた
    <剣の国>や世界における役割(王族・教示者)から解放された、ということか。
    【解釈】
    アドニスがカタコーム戦のことを「お祭り騒ぎの舞台演劇(ロールプレイング)」と表現している。ロールプレイングは、決められたシナリオにおいて、自分に与えられた役割を演じることで行う学習方法のこと。すなわち自分たちの戦いは、神が想定したシナリオ通りに行われるものであることを言っている。
    よって「舞台」とは自分の意思で動いているわけではなく、神が決めたシナリオ・役割通りに生きることを強いられているこの世界を指しており、舞台において死ぬということは神から解放されることを意味する。


    ◆燕尾族の歌
    ベルのこれまでとこれからを暗示する曲。
    【解釈】
    ・第一節(夢の中〜):石の卵から生まれたベルと忘れてしまったその前の記憶
    ・第二節(ひとときの〜):シアンとの楽しい暮らしと、裏腹に深まる郷愁
    ・第三節(鍵を奏でる〜):旅の者になり郷愁を埋め安らぎを得る
    【関連語】
    ・幻の言葉…神代の言葉か
    ・幻の少女(アリス)…理由の少女
    ・鍵を奏でる…旅の鍵
    ・帰る道…旅の果てに辿り着きたい場所のこと
    【由来】
    鏡の国のアリス



    ●章ごとの解釈

    ◆Prologue 出立。赤い時刻にて
    【難表現の解釈】
    「どうして、という問いは、ここにはない。あるのは選択だけだ。」
    …どんな場面のどんな状況も、それまでの場面・状況で選んできたことの結果である。
    【ルビ】
    琥珀細工(アンバー・ワーク) amber work
    白詰草(クローバー)clover
    師匠(マイスター) Meister
    妖精(フィー) Fee
    円卓(テーブル) table
    大地(ベッド) bed
    由来(ルーツ) roots
    【オマージュ】
    ・銀河鉄道の夜
    …お台場(プラットフォーム)、天気輪の塔
    ・美女と野獣 ※Beauty and the Beast
    …野蛮(ビースティー) / 美徳 (ビュート)


    ◆Ⅰ 由縁。聖星照(アースシャイン)の下
    【難表現の解釈】
    「孤独が淋いと感じるのは、忘れられないものの中でこそだ。」
    …大切だった(らしい)人のことを何も覚えていない今となっては、孤独を淋しいとは思わない。
    「<悪>たるか、<悪>なすか、その違いを知らんやつが、剣を執るな」
    …自分が<悪(アンダードッグ)>に定められているということと、悪行を行うということは全く違うことである。その違いが分からないやつには、剣を振るう資格はない。
    【ルビ】
    すり鉢状(クレーター) crater
    白亜片(チョーク) chalk
    青玉(サフィユ) sapphire
    鉱青石(アズライト) azurite
    紅玉(ルビー) ruby
    屋根付きベンチ(バスステーション) bus station
    椀(カップ) cup
    膨果粉(パウダー) powder
    蜜籠(ハニーポット) honeypot
    六芒形(ヘキサグラム) hexagram
    花茶(フラウ) flower
    集落(ファーム) farm
    聖星の光(アースシャイン) earth shine
    【オマージュ】
    ・不思議の国のアリス
    …赤チョッキと黒ズボンを着た、時計を大事にするウサギ
    ・ピーターパン
    …チクタクと時計の音を出しながら近づくワニ
    ・オズの魔法使い
    …エメラルドの都につながる道・黄レンガの道(イエローブリックロード) yellow brick road


    ◆Ⅱ 訣別。大地を奏でる者たち
    【難表現の解釈】
    「世界を敵に回した甲斐はあった」
    …神の支配から逃れ、旅の者になった甲斐があった。
    「花が一つそこに咲くとき、それは、そこに咲くかもしれなかった他の、無数の花の亡骸の上に咲いているのだ。」
    …存在の証を立てられず、埋もれていった多くの人の土台の上に存在を証明している。
    「我が責だ」
    …ベルの身の上は弟シアンによるものであり、延いては兄であり王である自分の責任である。
    【ルビ】
    頭巾(バンダナ) Bandana
    肉桂(シナモン)cinnamon
    銀板(カード) card
    湯場(バス) bath
    皮綿(スポンジ) sponge
    終幕(フィナーレ) finale
    天幕(テント) tent
    電気石(トルマリン) tourmaline
    謎々(エニグマ) Enigma
    黄牙(アイボリー) ivory
    仕掛け(フェイント)feint
    状(フォルム) forme



    ◆Ⅲ 演技。剣と天秤。正義と悪
    【難表現の解釈】
    「あなたが今探しているも物は、とても大事な物だ。そう…….たとえば、あなたが旅に出るために出会わなければならない、偶然というものの鍵を握るほどにね」
    …ベルは時計石を探しているが、それはただの物体ではなく義両親と暮らした思い出の象徴。誰かとの大切な出会いの象徴であり、それは"偶然"の本質と深く繋がっている。
    「忘れてしまうことと、失うことを、同じと考える必要はありません」
    …家族との別れは、家族を失うことではない。忘れたものはまたいつか思い出す時があるかもしれない。別れの挨拶をしたからといって、家族を捨て去る必要はない。
    「天秤が動く」「天秤が傾く」
    …正義と悪のバランスが崩れ、国が傾くことを指すか。波乱があることの隠喩。(「ひと雨きそうだな」的なニュアンス)
    「可愛げなど薬にしたくもなかった」
    …不快な気持ちを解消するのに、可愛げなんてもので理由づけをしたくはない。

    ◼︎キティとシアンの会話
    シ「旅の者ではあるが、もはや旅をする目的地はない」
    キ「この国に戻り、ついにこの剣の国を滅ぼそうとしているということか?この世界の謎を解き明かすために<剣の国>から遠く離れた<硬貨の国>までたどり着いた人との言葉とは思えない。流浪とはまさに定住せず各地を転々とすることであるのだから、目的を遂げてからが真の流浪であると言えよう」
    シ「相変わらず、物事を前向きに考えることが上手い。取り決めた通り、ベルを探しに来たのはあなただけだ」
    キ「今のところはただ見守っているが、ベルが剣の国から出たらどうするかは分からないよ」
    シ「国から出る前に、まずは旅の者にならなければいけない。それはつまり剣の国に理由を問うということである」
    キ「やはり旅の者と機械仕掛けの神は繋がっているということか…。私はそもそもベルの存在意義を見定めるために、ここに来ている。この国から連れ出すのは見定めた後のことだ。」
    シ「どういう意味だ?」
    キ「ベルが邪悪な存在であるならば、ベルとその存在を知る者全てを抹殺するつもりである、ということだ。」

    【ルビ】
    店(イン) inn
    食事処(デリカ) delikatessen
    秘密 (アルカナ) arcanum
    謎かけ(リドウル) riddle
    物語 (イストワール) Histoire ※歴史
    楽園(パラデイ) paradise
    回廊(パサージュ) passage ※ガラスアーケードがある商店街
    迷宮(ラビリンス) labyrinth
    秤動(バランス) balance
    敷布(カーペット)carpet
    詠唱(チャント) chant
    鍵鎖(チェーン) chain
    嗜眠(レダルギア)
    機械式(マキナ) Machina
    天蓋(ドーム) Dome
    幽霊(ガイスト) Geist

    【オマージュ】
    ・鏡の国のアリス
    …古い歌の通りに進んでいく物語、燕尾族の歌の中に出てくる"鏡"と"少女(アリス)"

  • 専門用語が少し独特でとっつきにくさは初めこそあったが、読んでいくと寧ろクセになる。
    ベルの旅路を見守っていく。

  • 長らく積んでいたが、アニメ化を知って読んでみた。設定や用語が独特で説明もされない点はややとっつきにくい。初期の作品であるためか色々とこなれていない印象はある。

  • 「出立。赤い時刻にて」
    自分と向き合うために。
    どれだけ探しても同じ種族が見つからなければ、歳を重ねる事に気になるだろうな。

    「由縁。聖星照の下」
    騒ぎを起こし連れられ。
    弱者として虐げられていたのだろうが、本気を出せば捕まらず逃げるのは簡単では。

    「決別。大地を奏でる者たち」
    助けに行った先で見た。
    嬉しさを噛み締め夢見心地だったろうが、聞こえた言葉に現実を突きつけられたな。

    「演技。剣と天秤。正義と悪」
    闘いの終着点はどこに。
    隊列を組んで挑むには不向きなのに、一瞬でも隙を見せてしまえば死しかないだろ。

  • 冲方さんの初期の頃のSF
    マルドゥック・スクランブルから、こっちに飛んできた。
    言葉の使い方が特徴的で、なかなか難しい。
    でも物語は理解できるし、サクサク読める不思議。

  • ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)

  • これは何度も繰り返し読んでみて欲しい本です。造語が多くてなかなかとっつきにくい文章だと思うんですけど、それが違和感なくススッと頭に入ってくるようになると最高に楽しい本になります。

  • 「黒い季節」を読んだ直後なので、それよりは読みやすかった。
    最初は世界観に付いていけず、「よーわからん」と思いつつも引き込まれて気がついたら読了していた。
    説明なしに、あたかも既存の設定であるかのように、人の名前が出てきたりしたので、いちいちいろんなページを繰っては「やっぱりわからんなー」とか・・・読みにくいところがあった。

  • 用語で世界観を表現しようとしているせいで物語に入り込むのがとてつもなく辛い。
    文章自体は上手くない。これがマルドゥックヴェロシティぐらい上手くなるかと思うと感慨深くなる。

  • これ、デビュー後の最初の書き下ろし作品なんだそうです。
    す、すごいな。よくコレ、出版してもらえたな……。

    固いです。そして、超中二的。
    でも、しっかりと冲方 丁で、ものすごく計算されて書かれている感じがする。

    このアリスの服は、なんで青くないんだろう?

  • とにかくルビ多用のハイファンタジー。
    独特の世界観を説明無しでガンガン描写してくる。
    特にアルファベット表記の効果音?が最初の内はドン引き要素で、実に150ページ越えるまで、「何じゃこりゃあ」感満載のまま読んでました。
    主人公のベルの「異形」「孤独」に真実味を出すためなんだろうけど、それにしても説明されないままに孤軍奮闘の場面が長い。

    ベルがようやく仲間を得て以降、戦闘シーンのテンポの良さは圧巻。
    仲間意識が生まれていく過程もじわじわくる。
    これ1冊の中でのストーリー展開を考えると、いかにもバランスが悪いように感じるけど、どうやら長い話を文庫化に合わせてぶった切ってるらしい。
    ちょっと作者さんが可哀想な気もしましたよ、と。

  • ライトノベルにしては話も構成もしっかりと楽しめた。
    RPG的で、設定がユニーク。

    で、この後まだ続くのかよ~すっきり一旦終わらせてくれーと思った。

  • 文を目で追っているだけで脳ミソ気持ちいい、めくるめく文章世界。日本語の使い方が上手いなあと。

  • 独特の世界観が説明のための説明はなしに書き綴られていき、いつの間にかその世界のあり方に引きこまれていくような綴り方です。
    世界観は独特だけど、そのメインとなるテーマは自分の由縁や葛藤という泥臭いものなので、表面のファンタジー要素をすかした先にいろいろと人の本質を覗き見ることができます。
    SFではなくファンタジーとしての良さが感じられる作品だと思いました。

  • 読みにくいと思いながら読んでたらいつの間にか夢中になっていた。
    初めはよくありそうな闘うアニメみたいなイメージで読んでたけれど、後半は頭の中をもっと幻想的なイメージが占めていた。
    とても不思議な感覚。
    沖方丁さんの作品は天地明察しか読んだことがないけれど、それとはまた違った雰囲気が楽しめました。

  • 言葉に酔いしれる世界観。ファンタジーでアクションで。まるで、映画のような確固たる世界観に圧倒される。そして、心地よい。

    のっぺらぼうのベル(小さき者)異端児であるが故の、私はどこからきて仲間はいるのか。と、哲学的かつ青臭さをまき散らす。ベルの冒険譚という体をとっているが、セリフ回しは押井守を思い出させる理屈っぽさと煙巻型哲学論。

    でも、それが嫌じゃない。世間知らずのはねっかえりがどう成長していくのか、仲間はいるのか。理由(ことわり)とはなんなのか。ワクワクする。

  • 宗教とか哲学とか不思議の国のアリスのモチーフとか、いろいろなものの概念やパーツが混ざり合っていて
    そこにうまい具合に厨二な感じが貫かれていて
    けっこうな好みでありつつ、やはり少し読みにくかった。

    私は、日頃は「簡単なことは簡単に」というシンプルさを好んで本を読んでいる人間なので
    この文体は好きではないはずなのだけれど
    それでも引き込まれるものがあった。
    また繰り返し読みたい、と思えるだけの作品。

    主人公と彼女をとりまく人々の凛々しささ清々しさや、それぞれの腹の括り方がカッコ良かった。

  • 感想)・・・なんか懐かしいノリ
    90年代の「ラノベ」を読み漁っていた世代としては、非常に懐かしいノリの小説でした。設定とか文章とかモチーフとか。(この本の刊行は2007年ですけど)。最近の「ラノベ」は、元々は普通の子が、なんか使命を課せられたり、異世界に飛んで冒険したりと、ある意味自分も入り込みやすい設定の話が多いけれど、そういや昔は最初から特殊な生まれとかにある主人公が多かったな〜と思った。
    てか、この本のジャンルって?ラノベ??

    追)
    4巻あとがきに書いてあった。この本は1996年発表の改訂版なんだそうで。そりゃあ懐かしい感じもするわ。。

全62件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

冲方丁の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×