黒い季節 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 531
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044729103

感想・レビュー・書評

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  • 身のうちに病を飼い、未来を望まぬヤクザ「藤堂」、記憶を喪い、未来の鍵となる美少年「穂」、未来を手にせんとする男「沖」、沖と宿命で結ばれた異能の女「蛭雪」、未来を望まずにはいられぬ少年「誠」、誠と偶然で結ばれた異能の女「戊」―縁は結ばれ、賽は投げられた。

    いろいろな人物や舞台設定、背景や組織を作った割にはあっさりと終わってしまった印象。ここまで作るならば、続編とかがあった方が話に深みが出た気がする。バトル描写とか面白かった分、残念。

  • 「眠っていた厨二魂が疼く」

    いわゆる符牒や「右眼の龍を少し起こした」などのいかにも厨二病な表現は若干恥ずかしさを覚えるが、裏の世界のそのまた裏、この世界の平行に我々が気づかないだけでずっと存在していた世界とその住人という設定が胸熱すぎてすぐに物語に引き込まれる。

    現在の組織の成り立ちに関わり今は変化を望まないやくざと記憶を失い過去を持たない代わりに赤い棒と大きな刺青を持つ少年、父の描いた絵を失い苦しむ青年と人智を超えた能力を持ち弟を探す少女、大いなる野望を抱く片青眼の若頭と不吉な能力を持つ赤目の女性。この六人がそれぞれの目的のために手を組み三つ巴となり、世界が壊れ始める。

    主人公がやくざというなので、 死ぬということに恐怖の重点が置かれていないように思う。むしろ読み手としては、ありえない世界を文章で表しているのに容易にそれを想像させられてしまうのが恐怖だった。あの世でも夢でもない不気味な世界に自分が迷い込んだような錯覚を覚える。

    文中では分かりづらい単語もあるので何度か手が止まり一気に読み終えてしまうような疾走感はなかったが、一度入るとなかなか抜け出すことのできない世界観。ライトノベルの新人賞を受賞したとはとても思えない暴力的でヘビーな今作はいま読んでるのドス黒さと読後の爽快感が対照的なのもいい。

    文庫版のあとがきを読んで天地明察の作者だったことを思い出す。ああ、原点はここだったのかとしみじみ考えた。
    2014.9.11 MORIOKA TSUTAYAで購入

  • /1a&…&&ー&&&74p~gwww22rs(>_< )(((>_< )(>_< )>_< )^_^)>_< )

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  • 個人的にファンタジーは苦手な分野だが、これは一気に読めた。現実と非現実の境目を上手くぼかしてある気がした。
    神道や陰陽道好きなら、さらに楽しめる一冊だと思う。

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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