サクラダリセット6 BOY、GIRL and ‐‐ (角川スニーカー文庫 こ 1-1-6)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 343
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044743062

作品紹介・あらすじ

「これで、最後だから。たぶん、あと数日で、すべて終わる」復活後、姿を見せなかった相麻菫。しばらくぶりの彼女からケイへの連絡は、奇妙なものだった。一つ目は、春埼と一緒に交差点でゴミ拾いをしろというもの。一方、管理局対策室室長・浦地は"咲良田のリセット"-全能力の消滅を目論んでいた。彼は未来視能力を持つ二代目魔女・相麻に接触し…。初代魔女が名前を失う前、咲良田の「始まりの一年」が明らかに。最終章突入。

感想・レビュー・書評

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  • “サクラダリセット”というタイトル,そういうことだったのか! あとがきで「最後まで書いてから時間をかけて何度も修正する」とあるので,もしかしたら第1巻のころからこのラストネタは温めていたのかもしれないし,そうではないのかもしれないけど,すごいの一言に尽きる.第1巻から続く,悪者のいないとても清らかで救われない世界観を,桜田という街全体に広げたらこうなりました,という感じ.早く次巻が読みたいです.

  • なかなか面白い
    複雑に絡み合ったストーリーが融合した

  • 題材だけみると少年マンガてきな「能力者バトル」であるはずなのだが
    それがなぜか
    とらわれの眠れる姫君と身を引くサブヒロインと勝利を約束された主人公、
    という「劇的」な構図になぜか収まっている転回がすごい
    この作品のひっくりかえりっぷりこそまさにこの作者作品の魅力である

  • 異能を持つ人々が多く住む咲良田市。今、大きな計画が動こうとしていた。リセットの力を使うケイと美空が選択するのは、どんな道なのか……。他にないような透明感のある文章とキャラクターが魅力のシリーズですが、鉄板で面白いなあ、ほんとに。異能ものでありながら、他の異能ものに全くない方向に飛んでいっています。普段異能ものなんて読まない女の子にもおすすめできる、丁寧で綺麗な描写も素晴らしい。強さではなく、「弱さ」を語る物語。いいではないか!スニーカー文庫で一押しです。ケイならなんとかしてくれるのはわかってるけど、続き早く出ないかな……。

  • 最終章突入。今まで分からなかったことや、これから向かっていく方向が掴めた巻。話のスケールは大きいけど、それを動かしているものは人々の個人的な想い。自分の望むことを実現するために、周りを巻き込んでいるだけ、か。当たり前のことかもしれないけど、読んでいてそれを強く感じた。それと、今までまどろっこしいくらいに頭の中で考えを捏ねていたケイが、いつもより衝動的な想いで動いているのが好ましかった。そう、中野の言葉も良かった。そのくらいパッキリしてる方が、私は好きかな。早く最終巻も読もう。

  • 浦地正宗の目的とは、春埼美空の胸の奥深くにある靄のようなものとは、相麻菫の死の真相とは。様々な問題が交差し、複雑に提示されている。浦地の目的はサクラダをリセットすること。それは春埼のリセットとは別で、根本的に咲良田から能力を奪うことである。その一方、春埼のリセットがもたらす効果は何かをやり直せる代わりに、春埼からありとあらゆる記憶を奪う。即ちせっかく積み上げた感情を奪う。そして、それは咲良田の能力を守る唯一の方法でもある。相麻は、管理局が既に春埼のリセットの対策をしていることを知っている。また、みんなが知らない浦地の目的も知っている。相麻は、未来視の能力を活かして管理局の対策を回避し、咲良田から能力がなくならないチャンスをケイに与える。ケイは悩む。能力によって失われるものがあり、能力によって救われるものがある。それと同じように、能力がないことによって失われるものがあり、能力がないことによって救われるものがある。それは宇川のように明確に善悪の判断が出来るものではない。ケイはもがきながら、でも最後までーー宇川とは反対にーー2つの選択肢を残すことを望んだ。とても膨大なストーリーで、頭の中で整理するのが大変だった。でも、こんな巨大な物語を作ることが出来る河野裕先生に更なる尊敬の念が湧いた。次巻の最終巻まで目が離せない。

  • 物語もいよいよ終盤。
    物語は加速し、かなり密度の濃い内容に。

    前半部分で学園祭の話があるが、レビューするために読み返したときに思い出したぐらいには内容が濃い

    サクラダの歴史、タイトルの意味、相馬菫の計画、などなど明らかになってきた
    次回が最終巻。どう完結するのか楽しみである。

  • 物語がクライマックスに向けて動いています。激動です。前回からの続きで、ケイと春埼の関係がどうなるのか不安だったのですが、思った以上にしあわせな関係になっていてすっごくしあわせな気持ちになりました。しかし、そのしあわせな展開からの、相麻との会話や、浦地の計画、春埼の時間が巻き戻ったりと…怒涛でした。絶望的な気持ちになりました。このあと1冊しかないのに、みんながしあわせになるのか、計画は阻止できるのか。記憶は無事に戻るのか、心配です。ケイがどこまで信念を元に行動できるのか。彼の素敵な能力と言葉と対話で世界が、桜田が救われることを望みます。そして相麻と浦地も救われますように。
    河野先生は、やはり言葉がきれいです。切なくてでも暖かくて、気持ちがいい。哲学的なお話も新しい視界が開ける気がします。独特な考え方や独自の世界観が大好きです。

  • 春埼の笑顔が表紙で驚いたな~。

  • 始まりは日常的な感じだったけど、最後の方は続きが気になって仕方がなかった。いろいろな伏線が回収された。

    次巻はついに最終巻だけど、どうなるのやら・・・。

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著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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