アンダカの怪造学〈8〉Every DayDream (角川スニーカー文庫)

著者 :
制作 : エナミ カツミ 
  • 角川書店
3.50
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  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044810085

作品紹介・あらすじ

虚界の魔王に対する"最終兵器"になった空井伊依は、魔王軍の先兵だった竜王・憤怒大公を退けることに成功した。だが、次なる相手は冷酷なる邪神・悲哀大公。伊依の友人たちを巻き込んだ狡猾な罠が迫るなか、最兇最悪の怪造生物・ヴェクサシオンまで介入し、事態は三つ巴の激闘へ。一方、ヴェクサシオンに捕らわれた仇祭遊を巡る伊依とヴェクサシオンの恋のトライアングルもヒートアップし-少女たちが織りなす青春ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • “「そうだな……」
    蟻馬はしばし考えて、神妙に答えを待つ伊依を一刀両断した。
    「馬鹿だな。お前は」
    「馬鹿ですか」
    厳しい評価だ。
    蟻馬は頷き、溜息をひとつ零した。
    「何でもかんでも抱えこむし、思いこんだら止まらないし、すぐ視野狭窄になって失敗して落ちこんで――。俺から見たら、かってに自分に試練を課してかってに挫折して、それを繰りかえして、出口のない迷路をぐるぐる廻っている馬鹿にしか見えんね」
    「…………」
    びみょうに言いかえせないのが哀しい。
    けれど不思議と嫌な気持ちにはならない。べつに蟻馬も伊依を罵倒したいわけじゃなく、ほんとうにすなおな感想を聞かせてくれているのだろう――悪意は感じなかった。
    蟻馬は静かに、前からずっと言いたかったのだというように、台詞を吐きだしてくる。
    「いいか、空井伊依。やたらおまえを褒めてちやほやする連中がいるがな、だからって調子に乗るんじゃねぇぞ。おまえは天才じゃない。よくいる頭悪い馬鹿だ。使命だなんだ背負ってても、親がどんだけ偉い怪造学教授でも、関係ない――ただの人間としてみたら、どこにでもいる十六歳の馬鹿な子供だ、いいか?弁えろよ?」
    「………はい」
    なぜか涙が溢れてきた。
    でもそれは、嫌な涙じゃなかった。
    肩の荷が下りたというか、胸がすいたというか、ほっとした。”

    井口文女 いぐちあやめ:怪造学会防衛部副部長

    ヴェクサシオンと遊が救われてよかった。
    最後はちょっと涙目。
    ヴェクサシオンが可哀想すぎて、泣けてくる。
    でも、伊依ちゃんが彼女を助けてくれて本当良かった。

    “「――見せつけてくれちゃってね」
    不意に……声がした。
    軋むような、車椅子の音も。
    「公衆の面前で、恥知らずに抱きあってさ。馬鹿みたいな台詞を言いあって、あんたら脳みそ膿んでんじゃないの?あぁ気持ち悪い。吐き気がするね。死んだほうがいいよ。目障りだね。どいてよ……通れないじゃない」
    抱擁をしあっていた伊依と遊は、弾かれたように声の方向を見た。式場の建物――その傍、狭い道路の街路樹の下にいたふたりは、なるほど通行の邪魔ではあった。けれど、弔問客はおおむね揃ったようだし、遅れてきた誰かがいるとは思わなかったのだ。
    でも。
    そうか。
    まさか――いろんな意味で、来ないだろうと思っていたけど。
    彼女は、やってきたのだ。
    (中略)
    「いつか君が元気になったら、そのとき――ゆっくり喋ろう。君と話したいことがたくさんあるんだ。言いたいこと、聞きたいこと、たくさんあるんだ。嫌だとは言わせないよ、そのくらい……いいでしょ?」
    そして彼は、目の前の少女を人間として、呼称したのだ。
    「姉さん」
    平凡な、遊の願い。
    不器用な、その宣言。
    その言葉が、感情が、どのように受けとられたかはわからない。呼びかけられた相手は、一瞬――呆然として、何かを言いかけて、口を何度か開閉して……けっきょく、言葉にならず、目元にみるみる涙を浮かべた。
    「……うん」
    しっかり頷き、寂憐院友樹は、その表情を隠すみたいに。
    震える指で麦わら帽子を持ちあげると、深くかぶった。”

  • 久しぶりツッコミどころ満載な内容。とりあえず、気になってたヴェクサシオンが救われる形になって一段落した。
    あとがきで、著者の説明を聞きたいところも多々あったけれど、主人公の恋愛事情といい、今回の暴走といい。(まーライトノベルだしな)いよいよクライマックスの形相でちょっと寂しくなってきた。ハッピーエンドが嫌いそうな? 著者だけど、さてどうでるか。

  • 伊依を襲う邪悪な罠──人気シリーズ、最新刊!?最終兵器?として、魔王軍の先兵・憤怒大公を退けた伊依。次なる相手は狡猾かつ冷酷な悲哀大公!さらに最悪の怪造生物・ヴェクサシオンまでが介入し、事態は三つ巴の激闘へ──少女たちの青春ファンタジー最新刊

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