現代語訳 信長公記 (新人物文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046000019

作品紹介・あらすじ

『信長公記』は織田信長の旧臣・太田和泉守牛一が、慶長十五年(一六一〇)頃に完成させた、信長の一代記である。首巻一巻と本記十五巻の全十六巻からなり、信長の生誕から本能寺における謀殺までの生涯が、全編リアルな筆致で記述されている。信長の姿を真近で実見していた側近による記録なので、その信頼性は高く、歴史書としても一級史料と評価されている。本書では原文を時系列に並べ替え、主語を明確に補い、人名を通称から実名に改めるなど、現代語に直訳しただけではわかりにくい文章を、平易に読めるように工夫した。

感想・レビュー・書評

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  • 織田家中であった、太田牛一が日記のように記録した、信長公記は、信長の第一級資料と冒頭にある。

    大田牛一は、本能寺の変以降も生き延びて、豊臣家に仕え、慶長18年大阪城で現役のまま亡くなる。大阪冬の陣が始まる1年前のことであった。

    首巻は、天文3年(1534)から永禄10年(1567)までを、以降は、本能寺の変が起こる1582年までは、年単位で日記状にまとめられている。

    本書は完全に口語訳がなされていて読みやすい。地名や、人名についても、注がつけられていて、具体的に誰のことをいっているのかが紐づけられている。

    事実がテーマ別に時系列にならべられていて、当人の感情がところどころに見れるもの。史実をそのまま記載しているところが、第一級資料たるところなのでしょうか。

    目次 と主な出来事

    首巻(入京以前)信長誕生、父信秀の死、道三との会見、弟信行謀殺 尾張平定 桶狭間、稲葉山城攻略、入京

    巻1 永禄11年(1568)畿内平定
    巻2 永禄12年(1569)伊勢攻撃
    巻3 元亀元年(1570)小谷城攻撃、姉川の合戦
    巻4 元亀2年(1571)佐和山城摂取、比叡山焼き討ち
    巻5 元亀3年(1572)北近江攻撃、三好3人衆謀反、三方ヶ原の合戦
    巻6 元亀4年(1573)足利義昭謀反追放、一条谷攻撃、浅井氏滅亡、北伊勢出陣
    巻7 天正2年(1574)越前攻略 石山本願寺挙兵 河内長島平定
    巻8 天正3年(1575)長篠合戦 石山本願寺和睦 
    巻9 天正4年(1576)安土築城 石山本願寺挙兵
    巻10 天正5年(1577)柴田勝家加賀出陣 羽柴秀吉播磨出陣但馬播磨平定
    巻11 天正6年(1578)別所長治謀反、荒木村重謀反、
    巻12 天正7年(1579)摂津播磨の陣 安土城天守閣に移転 明智光秀丹波攻略
    巻13 天正8年(1580)羽柴秀吉三木城攻略 石山本願寺と和睦 柴田勝家 加賀能登制圧 羽柴秀吉 播磨但馬平定 
    巻14 天正9年(1581)越中加賀反乱を平定 羽柴秀吉鳥取城包囲 織田信雄伊賀平定 
    巻15 天正10年(1582)甲斐出陣武田氏滅亡 羽柴秀吉高松城攻め 明智光秀中国出陣 信長上洛 本能寺の変 織田信忠切腹 徳川家康堺から退去

    信長公記 関係系図
    信長公記 記事年表

  • 信長さんの旧臣、太田牛一が綴った信長の一代記
    全16巻を一つ集約し、それを現代文に訳してあるので理解し易い
    読書と言うよりは資料閲覧って感じです。困ったら再度開くでしょう(^^;

  • 面白かったですね。
    聞きかじりより、作品を読むのが一番です。
    そして、やはり、何故、本能寺の変が起こったのか、わからない。

    大河ドラマではどのように描くのでしょうか?
    楽しみです。

  • これはいわゆる歴史小説ではなく、信長の側近による記録。なので同じような事が何度も繰り返されて少々読み難くはあったけど、面白く読めた。

    著者が信長を崇拝していて
    「信長こそが正義、故に天が味方する」
    という姿勢で書いているため全てを鵜呑みにすることは出来ないが、近い立場の者ならではの情報が拾えている。

    信長は確かに残酷なところはあったけど、案外律儀で家臣達に全幅の信頼を寄せている。家臣や領民の暮らしぶりを気遣い、楽しませる術も心得ている。

    小説や映画は作り手によって強調される部分や端折られる部分があって時間軸がぼやけたりする。これは時系列に書かれているので、時間感覚が掴みやすかった。

    浅井・朝倉との戦いが何年にも及び対武田線にも物凄く時間を費やしている。これまでのイメージでは長篠の戦いで武田軍に圧勝して、それで終わり…だったが、勝頼は意外にしぶとく長々と戦が続いていた。

    武田勝頼が自害したのが1582年の3月21日、
    同じ年の6月1日に本能寺の変が起っている。
    天下とは幻のようなもの…なのだな。

  • 信長とともに生きた家来が書いた伝記で、臨場感が伝わってくる。人に聞いて綴った内容も多いと思われるが、それでも当時の様子や動きが細かく書かれており、一触即発の様子や駆け引きをしている様子が伝わってくる。武将の名前や立場を知らないとなかなか関係性が分かりにくいかもしれないので、信長を取り巻く武将の関係図などをネットなどで調べておいて読むと良いと思う。

  • 織田信長の記録として著名な本書だが、著者が信長の側近であるため、信長を持ち上げるような記述が目立つ。また、少なからずフィクションも入っているのだろう。

    それでも、織田信長という人物に関する重要な資料であることに代わりはない。

    また、歴史小説とは違い、出来事が淡々と書かれているだけである。このことが生々しさを感じさせる。現代語訳も読みやすいものとなっている。

  • 信長の波乱に満ちた一代記として面白かった。
    現代語訳も読みやすく、章ごとに注釈も丁寧に書かれていました。

  • 歴史はやっぱり原典を読むのが一番まちがいない。
    作家の妄想に付き合う前に、まず原典を読んでおくのは必要。
    春秋戦国なんかなら間違いなく「史記」が一番おもしろいし重要なのと同じ。

  • 想像できないほど大量の人が死んでいて頭が混乱してくる。そんな世でも道義に生きる人がいて胸を打たれる。こういう時代があったのだとリアルに感じられた。‬
    「信長に憎まれた者は、すべて自然に死んでいくのである」この言葉は怖い。
    辞世の歌が悲痛で、一人一人の無念さに胸を打たれた。追い詰められても人を恨まずに、家族を愛して主君を愛して、潔く死ねるものなんだろうか。
    生きるために、名を残すために、それぞれに正義があるのかもしれない。

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著者プロフィール

大永七年(1527)‐慶長十五年(1610)。織田家の家臣。織田・豊臣両氏の興亡から徳川政権確立の過程を体験する。他著作に『安土日記』『大かうさまくんきのうち』など。

「2019年 『地図と読む 現代語訳 信長公記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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