歴史が面白くなる ディープな戦後史

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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本棚登録 : 85
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046001665

作品紹介・あらすじ

「一橋大」の問題は東大よりも面白い!?最難関大の入試問題で、使える歴史が身につく!!

感想・レビュー・書評

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  • ○この本を一言で表すと?
     一橋大の試験問題をベースに戦後史を解説した本


    ○この本を読んで興味深かった点・考えたこと
    ・一橋大については、大学院がハーバードと提携していることや、一橋大の経営学者の本を読んだことがある程度で、あまり大学自体について詳しくなかったのですが、一橋大のレベルがかなり高く、実学を優先する校風ということを初めて知りました。

    ・試験問題とその解答を見て、この問題の答えをかけるだけの知識を身につけるのはかなり大変そうだと思いました。「詳説 日本史研究」を読んでもここまでの内容は出ていなかったので、独自の勉強も必要で、かなりの難関ということが実感できました。

    ・戦後のGHQと政府のやり取り、せめぎ合いに関してかなり詳細に述べられていました。平和条約で、当時のアメリカと中華人民共和国、中華民国の関係で調印に参加しなかったり、状況が変わって別の条約では参加したりと、国家間のパワーバランスが如実に出ているなと思いました。財閥解体の実施内容やその不徹底度合いについて詳細に触れているところも印象的でした。(第1部 占領下の日本)

    ・自民党の結党理念が憲法改正と安保改定であったことは初めて知りました。後者の安保改正については、片務的な内容から双務的な内容に改定できたものの、その手段として強行採決を実施したせいで、日和見的だった国民が反発したという流れは、「空気」に左右されるいかにも日本らしいところだなと感じました。(第2部 保守政権の誕生)

    ・外貨の固定相場と戦争需要、財閥解体不徹底等によって経済成長できたことと、農地改革が徹底されたことで零細農家が現代まで残っていることの対比が皮肉られていました。(第3部 高度成長期の内政と外交)

    ・沖縄返還と基地問題、ニクソン・ショックとオイル・ショックなど、各年代に大きな転換点があり、当時の政府がうまくいくかどうかがかなり外的要因に左右される大変な時代だなと改めて思いました。(第3部 高度成長期の内政と外交)

    ・戦前に自作農や労使協調などの土台ができて、それが戦後に結実していったという話は初めて知り、なるほどと思いました。(第3部 高度成長期の内政と外交)


    ○つっこみどころ
    ・吉田茂が安保条約の調印で、池田勇人の経歴に傷をつけない配慮を見せた箇所について、著者の見解では吉田茂が日米関係の構築という宿題を後の世代に託したとみているそうですが、深読みのし過ぎではと思えました。単純に自分の後を継ぐ存在への配慮でしかなかったように思えます。

  • 予備校講師が母校一橋大学の日本史の入試問題を題材に一般紙向けの連載に書いたものを新書にまとめた本。
    近現代史に重きをおく母校の入試。一通りの入試勉強を終えた後、参考書じゃなくて、昭和史の新書とかを読んでいたよなとかも思い出したり。経済史の先生とかがいるから、近現代史が多いんだろうなと思っていましたが、今を語るには、当然知っていなければならない時代。理解していないと安保法なんて批判も出来ません。

    歴史は流転す。筆者も「歴史とは古来、平時において乱世を忘れぬよう治乱興亡の跡を明らかに書き留めておくこと」と「おわりに」のところで書いています。
    「勅令の定るところにより」と政府に権限を委ねていた戦前の国家総動員法の国会審議の中で、野次と謝罪のエピソードが書かれていて、まるで、今年の出来事かと錯覚もしてしまったりも。

    私が受験した際の問題も取り上げられていて、かすかに覚えていたキーワードの総評と春闘が正しかったとわかり、ちょっと安心です。

  • 教科書よりも戦後の(国際情勢との関係を踏まえた)流れが良くわかる。

  • ○東進ハイスクール講師の相澤氏の著作。
    ○「東大日本史」シリーズ(?)の3作目。本作は、一橋大学の入試問題をベースに、”戦後史”にテーマを絞った作品。
    ○前作同様、解説が適確で面白く、あっという間に読めてしまった。特に戦後史は、学校でもさらっとやってしまった気がしており、出来事や条約などの名称は覚えていても、具体的な内容や意味については、ほとんど覚えていなかった。本作の様に整理して勉強すれば、きっと楽しく覚えられたのかと思う。
    ○著者の言うように、再読してみたい。

  • ≪目次≫
    第1部  占領下の日本
     第1章 日本国憲法は「押しつけ」なのか?
     第2章 冷戦は日本にどのような影響を与えたのか?
     第3章 サンフランシスコ講和条約をめぐる争点とは?
     第4章 財閥解体は成功したのか?
    第2部  保守政権の誕生
     第5章 自由民主党の結成理念とは?
     第6章 安保闘争はなぜ盛り上がりを見せたのか?
    第3部  高度成長期の内政と外交
     第7章 高度経済成長が達成できたのはなぜか?
     第8章 沖縄返還の背景にあったものは?
     第9章 田中角栄内閣が掲げた内外の政策とは?
    補講  「戦時体制」から「戦後体制」へ

    ≪内容≫
    『ディープな日本史』の相澤さんの新著。どちらかというとこちらの方を書きたかったのかな?と思います。いろいろと示唆に富む内容です。
    あとがきにあるように、「歴史学は実学」であるべきですし、「一橋大学の日本史試験」は難問でも悪問でもないと思います。よく練られた問題です。現代日本に様々な問題が積み上がり、その理由を問うている。それだけです。

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