- Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046004055
作品紹介・あらすじ
戦後の皇室は、昭和二十二年(一九四七)施行の新「皇室典範」によって完全な一夫一婦制となる。初代神武天皇以来、連綿と父系の血縁家系を繋いできた天皇家。その歴代天皇の生母のうち、約半数が「正室」である皇后、約半数が「側室」の妃・夫人・嬪・女御・更衣・典侍などであった。皇后に子が生まれず、生まれても早逝・廃嫡などで皇位につけない場合、側室が産んだ庶子のうちの一人が即位して父系の皇統を受け継いできたのである。後継天皇となる皇子・皇女を産み育て、ときに天皇の役割を代行し、宮廷を陰で動かした歴代「后妃」たちの系譜・事績などを網羅した完全保存版。『歴代天皇125代総覧』の続篇!
感想・レビュー・書評
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とりもなおさず、入手性・携帯性・所蔵性に優れ、日本人として知っておくべき知識を手っ取り早く仕入れられるのは事実。ただ、巻頭の「女系(意図的に混同されているが正確には雑系)」継承推進論や、誤植の多さ、アンソロジー形式による文体(特に天皇皇族方に対する敬語の程度)のばらつき、系図の不徹底(平安期の摂関家のそれは必要だろう)、生歿年未表記(本書の主役たる皇后の他、天皇にも必要かと)など、ダメな部分も少なくない。
院政期に関しては、やむをえないものでもあろうが、当代の項ではほぼ先帝=院の物語に終始し、その人に関しては次代にて(以下同)…というズレが発生し、読みにくいことはなはだしい。また、神代における「〜と記紀にはあるが事実とは思われない」「この帝の実在は疑わしい」といういちいちの記述は必要なのか。たとえば、アンチでないキリスト教の研究書で、「イエスが手をかざしたら重病人がたちまち立って歩いたとあるが、このようなことはありえない。眉唾である」などとことさらに書きたてるであろうか。そういう検証がやりたいのなら、「中立的な本ですよ」といった衣をまとうべきではないだろう。
2014/10/1〜10/4読了詳細をみるコメント0件をすべて表示