東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046009319

感想・レビュー・書評

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  • インターネットの普及に伴い機械処理可能なデータ量が爆発的に増加し、マシンラーニングやディープラーニングによる人工知能の実装も急速に現実味をおびてきた。
    そのような人工知能の利点、限界、人間との本質的な違いなどを一般論的に、また哲学的に対談している。
    文系的な読み物として面白く、人工知能の詳細への興味をかき立てる。

  • 人工知能は、それを作っていく時に、まず人間に似せるか違うものにするかの選択肢があるといいますが、人間に似せるほうを選んだ場合、人工知能の研究が人間自体の研究にもなっていく、それもかなり深いところまでも。ゆえにその研究者が人間の認知だとか脳や心理に、相当通じるようになる。これは人間をいろいろ総合的に知るのに良い、面白い分野だと思いました。優秀な人工知能の登場により、教育が変わり、交通が変わり、医療が変わりなどしていくだろうと予測されています。つまり、社会が変わっていき、常識も劇的に変化していくだろうと見通されていました。本書の対談によって、それらが浮いた話などではなく、現在と地続きで、近く到来する未来、それも議論されているものとの誤差はそれほど大きくはなさそうな形でやってきそうだ、とその理路や知識情報からうまく納得させられるようにそう感じました。とはいえ、いつも未来というものは、予想したそのものの通りにはいかず、けっこう違うものとなって現実になっていくような気がします。はたして、本書で語られたことがどこまで実現するか本当のところはわかりませんが、AIの研究がどういう道筋の上にあるかを知るにはうってつけだと思いました。

  • <目次>
    プロローグ えっ、人工知能ってそんなことまでできるの!?
    第一章 ウェブとビッグデータ、人工知能 − 人工知能の怖さ
     01 何をもって「人工知能」と見なす?
     02 人工知能の怖さは予測精度にある
     03 人工知能の得意・不得意が見えてきた
     04 クリエイティブなコンピューターは出現するか?
     05 核心は「近似」の判断にあり
    第二章 政治も経済も、国境すらも変わる − 近い将来、国はなくなるか
     06 「予測」の仕組みが見えてきた
     07 ディープラーニングってそんなにすごいの?
     08 株価予測で抜け駆けはできる?
     09 ビッグデータが新しい国家を作る
     10 ビッグデータは誰のもの?
    第三章 ヒトと人工知能 − 人の「意思」は作り出せるか
     11 脳をそのままコピーできるのか
     12 ネット上に自己の「意識」は放てる?
     13 「飽きる」は機械にはない特性
     14 人はイルカの「知」をもっと引き出せる?
     15 人工知能は「人」の領域を広げるか?
    第四章 ロボットに限界は必要か − すべての犯罪が記録される世の中に
     16 すべての犯罪を見逃さない社会がやってくる
     17 ビッグデータと人工知能が不平等をあぶり出す
     18 自動運転は良い事ばかりじゃない!?
     19 命を秤に掛ける判断が問われる
     20 人間と共存する機械は感情を持つべき?
     21 経済活動がリアルタイムで変化しはじめる
     22 ロボットには寿命が必要
     23 コンピューターに、愛は伝わるか?
    第五章 身体と学習、教育の役割 − もう公教育は必要ない
     24 人間は何をどう学べばいいの?
     25 勉強できる子、できない子はどうやってフォローする?
     26 教育は本当にフラット化されるか
     27 人工知能は「いまどきの若者」を底上げできる?
     28 医師やコンサルタントも格付けされる?
     29 人工知能はウェアラブルから人体直結へ?
     30 人間の尊厳はどこで保たれるか?
    エピローグ 未来はそこまでやってきている


    2015.03.17 経営協創基盤のWEBで見つける。
    2015.06.29 読書開始
    2015.07.01 読了

  •  人間の脳が人工知能に現段階で勝っているのは、抽象化能力。
     抽象化能力を磨くためには、やっぱり記憶力が必要。
     そんな思いを新たにした。



    <目次>
    プロローグ えっ、人工知能ってそんなことまでできるの!?
    第一章 ウェブとビッグデータ、人工知能 − 人工知能の怖さ
     01 何をもって「人工知能」と見なす?
     02 人工知能の怖さは予測精度にある
     03 人工知能の得意・不得意が見えてきた
     04 クリエイティブなコンピューターは出現するか?
     05 核心は「近似」の判断にあり
    第二章 政治も経済も、国境すらも変わる − 近い将来、国はなくなるか
     06 「予測」の仕組みが見えてきた
     07 ディープラーニングってそんなにすごいの?
     08 株価予測で抜け駆けはできる?
     09 ビッグデータが新しい国家を作る
     10 ビッグデータは誰のもの?
    第三章 ヒトと人工知能 − 人の「意思」は作り出せるか
     11 脳をそのままコピーできるのか
     12 ネット上に自己の「意識」は放てる?
     13 「飽きる」は機械にはない特性
     14 人はイルカの「知」をもっと引き出せる?
     15 人工知能は「人」の領域を広げるか?
    第四章 ロボットに限界は必要か − すべての犯罪が記録される世の中に
     16 すべての犯罪を見逃さない社会がやってくる
     17 ビッグデータと人工知能が不平等をあぶり出す
     18 自動運転は良い事ばかりじゃない!?
     19 命を秤に掛ける判断が問われる
     20 人間と共存する機械は感情を持つべき?
     21 経済活動がリアルタイムで変化しはじめる
     22 ロボットには寿命が必要
     23 コンピューターに、愛は伝わるか?
    第五章 身体と学習、教育の役割 − もう公教育は必要ない
     24 人間は何をどう学べばいいの?
     25 勉強できる子、できない子はどうやってフォローする?
     26 教育は本当にフラット化されるか
     27 人工知能は「いまどきの若者」を底上げできる?
     28 医師やコンサルタントも格付けされる?
     29 人工知能はウェアラブルから人体直結へ?
     30 人間の尊厳はどこで保たれるか?
    エピローグ 未来はそこまでやってきている[/private]

  • ●人工知能、とりわけディープラーニングによって、人間社会はどのような変容をとげるのか? ビッグデータの分析や単純作業は機械に取って代わり、大部分で合理化・効率化が図られそう。

  • 2:人工知能の入門書として。対談形式で読みやすく、現在どんなことができるか、今後どのような形での発展が見込めるか、が語られていて一通り読んだだけやけど何となくわかった気になってる。話の受け手としての塩野さんが博識すぎて……!
    ロボットと感情とか、ベンチャー国家の話が面白かったな。

  • テクノベート概論の参考本として。
    4年も前の本であるが本質的なイシューなどについて触れられており参考になる。一方でさすがに4年立つと前提や技術の進歩に違いがあるため、そこは斟酌して理解する必要あると思われ。

    <メモ>
    ・抽象化して考えることは、いまのとこコンピュータが苦手とする部分。
    ・人間は近さの基準を自在に変えている。ある空間の中から近さを見出すことが人間の持つ脳の能力。
    ・人間が付加価値を出すには、転移が重要。あるところでの当たり前を他の分野で応用すること。アナロジーを見出す力。
    ・優秀なプレイヤーは市場の穴を見つけ続ける。

  • 少し昔の本だが、AIの様々な活用を想定していて、そこから人間や国家のあり方まで幅広い考察がされており、AI以外の事も色々考えさせられた。
    頭の中や国家で当たり前に行われている事も見直すいい機会になった。

  • 人工知能を極めることは、実は、人間をより深く知ることにつながる、というのは、非常に興味深いですし、とても納得できます。

    それにしても、松尾先生、若い頃からずっと、人工知能について考え続けてきたんですね。
    その姿勢には頭が下がります。

  • 対話形式で、よく耳にするAIについてざっくり学べる。なんでもできちゃう人間みたいな印象だったけど、そうじゃなかった。適切な知識を得て、適度に予測して、人間が心地よい社会をつくるお手伝いとしてうまく関われたらいいなって思った。まったく無知だった人としての感想です。

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著者プロフィール

1953 年、新潟県五泉市生まれ。1978 年東京教育大学教育学部芸術学科(彫塑専攻)卒。1989 年、毎日新聞社主催・毎日郷土提言賞富山県優秀賞受賞。
著書に『新潟街角の芸術̶̶野外彫刻の散歩道』(新潟日報事業社,1987)、『富山の野外彫刻』(桂書房,1991)

「2015年 『パブリックアートの展開と到達点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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