400年の流れが2時間でざっとつかめる 教養としての日本経済史

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046011671

作品紹介・あらすじ

世界で戦う日本人になるためのキーワードは「川を上り(=歴史に学び)海を渡れ(海外の状況を知る)」。歴史とは私たちが生きている社会ができたプロセス。流れを捉えるれば今、起きていることの意味が見えてくる

感想・レビュー・書評

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  • 士は己を知る者の為に死す、とは言うが、小泉純一郎に対する偏愛ぶりは凄い。益々、彼等の功罪を思いながら、小泉純一郎に対する下馬評が、竹中平蔵その人の評価も重ね、よく分からなくなる。

    本著は多少荒くも、要点を捉えて経済のターニングポイントが学べる本。例えば、日本は石油危機をきっかけに少ないエネルギーで稼働する機械の開発が進みエネルギー効率が高い国になった等、今の日本が成り立っていく歴史的な出来事と因果関係について。

    日本に関わる世界の動きにも触れる。グラススティーガル法については、思い出しながら読んだ。商業銀行は特定多数の預金者がいて公共性が高いので法律によって厳しく取り締まる、州をまたぐ展開や金利も規制。一方、投資銀行は取引を仲介して手数料を取るブローカーなので徹底的に自由にさせ、競争を阻害しないようにした、など。

    または、小林一三や松下幸之助、中西功など、伝説の経営者についても語る。どれも知っていたという気もするが、反復でも役に立つ内容だった。

  • ・明治維新において急激な近代化をどうして成し得たのかといえば、それは「危機感」であり、危機感があったからこそ、人々は改革を受け入れた。 → 危機感をどううまくリーダーが醸成できるかが鍵。

    ・少しずつ変えるというやり方では、古い権益を持った人たちが力を持ち続けて、常に揺り戻しを起こすので一気に変えなければならない。

    ・戦後の日本ではすべての領域に投資をできなかったので、特定の分野に資金、人材、資材を集中させ、相互が循環することによる産業全体の拡大を目指した。(傾斜生産方式)しかし、そのことが企業と政府をくっつけすぎてしまった可能性も否めない。

    ・トップたるもの、何をやっても批判される。それを受け入れる度量がなくてはダメで、批判をすべて受け入れ、それでも自分の考えを貫く必要がある。何かを変えようととすれば血が流れることもある。多方面から批判が来る。それが普通。

    ・やればできるのにいつまで経ってもやらない。スピードが上がらないというのはよくあること。締め切りがあるのにやらなければ叩かれるので、すぐに取り掛かり、スピードも上がる。

    ・小泉は経済のことあgわかっていないから竹中に丸投げだ、という批判に対して、「一番わかっている人にやってもらえばいいんだよな」といった。誰に任さればいいか。的確な人材登用を行うことこそが見識であり、指導力である。

  • 数々の大臣を歴任し、経済に精通されている竹中平蔵氏が経済史から自信の経験や見解をかかれた一冊。

    本書を読んで経済史の勉強にもなり、かつ大臣を歴任されていたこともあり、元首相の小泉氏の横顔や安倍現総理の話も載っており、非常に勉強になるとともに参考になる話も多くあると感じた一冊でした。

    本書で印象に残っている場面では、オリンピックでのインフラの発展の話などは面白かったことやサステナブルが良く使われるようになった要因も知ることができたことは印象に残っています。
    また、民主党の失敗などからリーダー論や時代の変革に伴う条件なども書かれており、勉強になりました。
    あと、トップは批判に対する受けの姿勢が大事なことは非常になるほどと感じました。

    日本がここまできたことを本書から学ぶと共に一時代に最前線にいた著者の話は非常に刺激を受けました。読了後、これからまた新しい革新的なリーダーが出てきて、民間と政府が協力して経済を盛り上げていく姿を期待したくなる一冊でした。

  • 少し小泉元総理びいきが見受けられますが、それだけ経済的にも大きな影響を与えた人なんだろうと思う。

  • 公的資金を投入する目的は金融機関を救済するためではなく、金融システムを守ること。
    民主党の失敗は、自民党を全否定したこと。
    景気は空気の景色、それを変えようとsているのがアベノミクス。

  • 中高で習って以来、体系的に歴史に触れることが無くスッカラカンに近い脳には、とても読み応えがあった。ビジネスマンとして知っておくべき最低限の経済知識が流れとともにわかる。マクロな視点で歴史と今日の経済を考えるとこうなるのか、と目から鱗。非常に勉強になった。

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著者プロフィール

1951年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長。経済学博士。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所主任研究官、ハーバード大学客員准教授等を経て、現職。2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣、2002年に金融担当大臣、2004年には郵政民営化担当大臣を兼務。2005年総務大臣。この間、2004年には参議院議員。2006年小泉内閣の解散とともに辞職。著書に『研究開発と設備投資の経済学』(1984年、サントリー学芸賞受賞)、『対外不均衡のマクロ分析』(1987年:共著、エコノミスト賞受賞)、『日米摩擦の経済学』(1991年)、『民富論』(1995年)、『経済ってそういうことだったのか会議』(2000年:共著)、『構造改革の真実――竹中平蔵大臣日誌』(2006年)、『闘う経済学――未来をつくる[公共政策論]入門』(2008年)、『改革の哲学と戦略――構造改革のマネジメント』(2008年:共著)など。

「2013年 『パターン・ランゲージ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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