日本史有名人の身体測定

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046012180

作品紹介・あらすじ

西郷隆盛、足利尊氏、平清盛は約180cmで、高杉晋作、徳川家康、源頼朝は160cm以下! 身長と体重、持病と死因から見えてくる、歴史人物の生活習慣と人となり。斬新な視点から、歴史の真実を解き明かす!!

感想・レビュー・書評

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  • 日本史に名前を刻む人物132名の、身体の状況を推測する内容。
    ・はじめに・・・身体計測は、遺体の計測の他にも様々な方法で。
    第1章 古代・奈良時代・・・ヤマトタケル、聖徳太子など、7名。
    第2章 平安・鎌倉時代・・・藤原道長、平清盛、源義経など、14名。
    第3章 室町・安土桃山時代・・・足利尊氏、織田信長など、28名。
    第4章 江戸時代・・・松尾芭蕉、平賀源内、葛飾北斎など、31名。
    第5章 幕末・勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬、高杉晋作・・など、25名。
    第6章 明治・大正・昭和・・・森鷗外、野口英世、力道山など、27名。
    各1ページ、上部にDATA(生没年・出身地・身長・体重・体形
    持病・死因、等)とその人物の姿を当時の平均身長との比較。
    下部に簡単な生涯。病や死の状況多し。
    主要参考文献有り。
    身体測定との題で、各章の総論での当時の身体や医療についての
    説明や考察は、著者の医師としての知識が活かされています。
    但し、メインは、多分こうだったのかも身長。
    本文中で遺骨や遺体等の計測や的確な史料を言及しているのは
    少なめで、大部分は提示していません。まぁ、遥か昔の人物が
    描かれている文章は、虚々実々で曖昧模糊ですから。
    なんでこの人物?とか、誤記その他、気になることも多い。
    ですが、こんな体形で活躍していた姿を想像するのは、楽しい。
    そして、頑強であろうとも、頭脳明晰であろうとも、
    偉業を成したであろうとも、病は有り、
    死は等しく訪れるものだとも、しみじみと感じました。

  • 著者の篠田氏は医者であり歴史小説家。歴史上の人物の身長を、遺骨、古文書の記述、肖像画、人相書、本人の縁故者の証言、肖像写真(幕末・明治以降)、本人の遺品(着ていた洋服など)、身体計測の記録、外務省発行のパスポートなどから推測した。総勢132人。

    あとがきの遺伝の考察がおもしろかった。身長や体形は多数の遺伝子の複合効果によって決まる。すべての生物は全体として平均値に近づく性質があり、両親が高身長でもこどもはかなずしも高くならない。美男美女のカップル、頭のよい人同士の子女にも同様の原理が働く。トンビが鷹を生むのは突然変異によるのである。ただし時代によって栄養状態や生育環境が異なるので同じ日本人でも江戸時代と現代ではずいぶん体格にひらきがある。


    肖像画では上腕骨と身長には相関関係があり、
    男性の身長=(上腕骨の長さ)×2.8+73センチ
    女性の身長=(上腕骨の長さ)×2.5+79センチ 

    時代ごとに平均身長の黒シルエットを右に配し、各人のその身長のイラストをずらりと並べる。身長差が分かりおもしろい。そのだまさあき氏のイラストがよい。

    平均身長
    ○古代:男性160cm、 聖徳太子180cm
    ○平安・鎌倉時代:男性159-163cm、女性146-151cm
       清少納言148cm、紫式部145cm、源頼朝155cm、源義経147cm
    ○室町・安土桃山時代:男性157cm、女性149cm
     足利尊氏180cm 織田信長170cm、豊臣秀吉140cm、徳川家康159cm、お市の方155cm、淀君168cm
    ○江戸時代:男性157cm、女性146cm
      徳川家光163cm、水戸光圀170cm、徳川綱吉124cm、天英院143cm(近衛基煕の娘で第6代将軍家宣の妻)
    ○幕末:男性157cm、女性146cm
     勝海舟156cm、西郷隆盛180cm、大久保利通178cm、近藤勇168cm、土方歳三169cm、坂本竜馬169cm、徳川慶喜166cm、和宮143cm、(この本には載っていないが渋沢栄一は150cmだという。当時としてはちょっと小柄な人くらいの感覚か)
    ○明治以降:1910年代男性162cm、女性150cm
         1960年代男性165cm、女性153cm
      明治天皇167cm、太宰治176cm、三島由紀夫163cm、手塚治虫173cm、美空ひばり157cm(150cmというのを見た記憶もあるが)

    著者は2015年まで20年間にわたって「歴史読本」で歴史上の人物の既往歴や死因などを連載した。2012年に文芸春秋スペシャルから歴史上の人物を一堂に並べて背丈や体格を比較する企画を進められたのが本書の基となっている。

    2016.3.1第1刷 図書館

  • 遺骨の発掘調査や信頼性の高い史料をもとに、日本史上の著名人の身体的特徴や持病、死因を科学的に検証する本、と思っていたら見事大ハズレ。身体的データは小さく紹介されるにとどまり、しかも殆どが断片史料のみからの推測。また古代の伝説上の人物や昭和の人物まで取り上げるなど、選定基準も滅茶苦茶。偉人だからといって誰が現代人の身長を知りたいと思うだろうか?(その上、一部は推論で語られている)。結果、略歴や身体に関係無いエピソードを記した、ただの人物事典になってしまっている。それなら本物の日本史人物事典を読んだほうが早い。

  •  歴史上人物の体格がわかると思い浮かべるよすがになる。江戸時代は小さい。西郷隆盛は180㎝110kg(二代目若乃花とほぼ同じ)体だけで威圧感あるが態度は謙虚で背を丸めるようにして話したという。小村寿太郎は162㎝欧米外交官に比べると小さいが(しかも貧乏で割勘を払わず逃げるが常習)度胸は大きく、日英同盟、ポーツマス条約をまとめあげた。昔の人にも長生きはいるが長く生きたとしても今の政治家にできない業績、享年57歳/北里柴三郎60歳にして研究所を取り上げられるが奮起‥北里研究所
     
     江戸時代の体躯矮小化は著しい。コメなど穀類ばかり食べて栄養が偏っていたのと、農業が重労働だったからではないか。島国には猛獣も少なく、戦争ばかりしているヨーロッパと逆で弱小者が生存に有利とも考えられる。

    ひょっとしたら、日本人の卑怯な国民性も江戸時代に形成されたものか。

  • 日本史に出てくる有名人の身体測定記録と簡単な略歴。
    着想が面白い。
    簡単な日本の歴史も学べて一石二鳥な感じ。
    ゴロデラで紹介されていたので読んでみた。

  • 読書録「日本史有名人の身体測定」4

    著者 篠田達明
    出版 KADOKAWA

    p107より引用
    “ 江戸前期は食生活が質素で武士も玄米を
    常食とした。家治の時代になると町民たちは
    白米飯を腹一杯食べねば満足せず、江戸城台
    所も精白米しか買い入れなかった。このため
    脚気患者が多発した。”

    目次から抜粋引用
    “古代・奈良時代
     平安・鎌倉時代
     室町・安土桃山時代
     江戸時代
     幕末”

     医師であり歴史小説家である著者による、
    日本史上の有名人身体測定結果をまとめた一
    冊。
     ヤマトタケルノミコトから美空ひばりまで、
    実物の遺骨や歴史資料などを手がかりとして
    記されています。

     上記の引用は、江戸幕府十代将軍徳川家治
    について書かれた項での一節。
    口に美味しいものばかり食べていては、体に
    良くないということが、江戸時代には既に
    言われていたようです。家治自身も、美食を
    遠ざけていたと書かれていますが、脚気に
    罹っていたようです。
    現在は、江戸の頃より一層美食を楽しむ世の
    中になって、テレビのグルメ特集は殆ど毎日
    どこかのチャンネルでやっているのではない
    でしょうか。見なければ済む話ですが。
     どの程度正確かはわかりませんが、同じ時
    代の有名人を並べると、なかなか面白い背比
    べになっています。物語などでデカイと書か
    れている歴史人物は、やっぱりデカかったん
    だなぁと改めて思うことうけあいです。特に
    弁慶。

    ーーーーー

  • 面白い企画なんだけど、読みにくいのと誤植が多くてつまらない

  • 2016/7/5読了。

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著者プロフィール

篠田達明〔愛知県医療療育総合センター名誉総長〕

「2020年 『秀吉の六本指/龍馬の梅毒』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠田達明の作品

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