昭和と日本人 失敗の本質 (中経の文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046012487

作品紹介・あらすじ

新聞がリードした開戦への道、知られざる東条暗殺計画、幻のソ連の「日本本土侵攻計画」……。半藤一利氏が、今を生きる人々に伝えたいメッセージとは? 戦後70周年に改めて読み直したい名著が待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和史の史実の背景や裏付け、そこから得られる教訓と反省。太平洋戦争前後の一通りの流れを頭に描いてみれば、今更なるほどと唸らされるところも多かった。「聖戦」「アジアの解放」の戦争目的を信じ込んだ指導者、大衆が多かったのは事実だろうが、史実に基づく限り、「開戦の勅書」では対米営戦争の目的は「東亜の安定を確保し」すなわち自衛に尽きるとされていた。にもかかわらず、昭和18年5月の御前会議で決定された「大東亜政略指導大綱」では「マレー、スマトラ、(中略)は、大日本帝国の領土とし、重要資源の供給源としてその開発と民心の把握につとめる。(中略)これら地域を帝国領土とする方針は、当分、公表しない」

    この他、開戦の勅書において、それまでの日清、日露、第一次大戦の勅書において当然記載していた「国際公法の条約に基づき」の一文を意識的に削除していたこと、この世界情勢の無視や独善的な政策、自衛権の過信が悲劇に繋がる端緒であったことなど。

    逆に心を打たれるエピソードもある。終戦の決断のタイミングやプロセスなどはまさに紙一重であったと感じた。

    ソビエトの侵攻により北海道が完全に分断され分割統治される最悪の事態は避けられたし、また、新潟市はほぼ無傷であったのに対し、県二位の都市長岡はなぜ焼夷弾の嵐に壊滅させられたのかなど、歴史のアヤを感じた一冊であった。折に触れ、また読み返そう。

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