トヨタの段取り

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046013293

作品紹介・あらすじ

トヨタは「約1分間に1台のペースで車を生産している」と紹介されることがあります。
 こうした高い生産性を可能にしているのが、「トヨタ生産方式」に代表されるような、トヨタが長年培ってきた現場の生産システムです。
 「トヨタみたいな大企業だから、約1分間に1台のペースで車をつくれるのだろう」と思われるかもしれませんが、そうした生産システムを支えて、実際に現場でモノをつくっているのは、現場で働く従業員たちの知恵なのです。
 また、トヨタの特徴を表す言葉として「ジャスト・イン・タイム」がありますが、かんたんに言えば、「市場で売れるスピードでつくる」ということです。それを可能にするために、部品の仕入れから販売までのリードタイム(工程に着手してからすべての工程が完成するまでの所要期間)を最短化することがトヨタの自動車づくりに課されてきたミッションであり、同社の強みのひとつといえます。
 これらのベースとなっているのもまた、現場の従業員が長年培ってきた知恵であり、彼らが現場で実践してきた「段取り力」なのです。

 このように仕事の生産性を上げるには「段取りをする力」が欠かせません。
 しかし、ここで言う段取り力とは、ただ単に早く仕事を終わらせることにとどまりません。仕事のスピードを上げると同時に、仕事の質を維持しながらより高い成果をあげる、そのためのノウハウです。
 特に安全性が求められる自動車の生産では、当たり前ですがスピードを優先して「品質を落とす」という選択肢はありません。
 仕事のスピードが速くなっても、売上などの成果に結びつかなければ意味がないのです。

 トヨタで実践されている段取り力は、トヨタでしか通用しないノウハウではありません。生産現場にかぎらず、オフィスワークやクリエイティブな仕事、さらには家庭生活など、何らかの段取りが必要な場面であれば、トヨタの段取りはさまざまなシーンで応用が利くはずです。
 ぜひ、みなさんの職場でもトヨタの段取りを取り入れて、これまでよりもスピード感のある仕事、そして質の高い仕事を実現してください。

感想・レビュー・書評

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  • トヨタの段取り 2015/10/13

    仕事の属人化を避け、チーム力を上げる
    2018年7月31日記述

    ㈱OJTソリューションズによる著作。
    2015年10月10日第1刷発行。

    題名にあるように仕事の段取りに関して述べた本。

    段取りはどうやるか(HOW)以上になぜやるか(WHY)を注目する
    なぜやるかをはっきりさせておけば仕事のヌケ・モレを防ぐことが出来る
    なぜ(WHY)を確認したら他の5W1Hをきちんと押さえる

    仕事は主作業、付随作業、無駄・例外作業の3つにわけられる付随作業を短くし、無駄・例外作業を即刻なくす努力をする主作業にかける時間の割合を最大化することが生産性を上げるポイントになります

    自工程完結を意識する
    生産の工程で作業者が責任感を持って品質を確かめ、良品だけを後工程に流す

    大部屋方式で情報を共有する
    CCメールで情報を共有する

    スケジュールが遅れる原因のひとつは進捗状況が共有されていないことにある
    何らかの形で進捗状況をみんなが見えるように共有化することが大事です
    遅れ進みを常に視える化しておくこと

    問題点をあぶり出す時は、現場の人が困っていることや不安に思っていることを
    すべて吐き出します。・・放置しておくと後で大きなトラブルにつながることになります。
    問題点に対しては、いつ、誰が、何をするを必ず決めておくことがポイント

    7つの無駄を無くす

    1手待ちの無駄
    2加工の無駄
    3在庫の無駄
    4動作の無駄
    5運搬の無駄
    6つくりすぎの無駄
    7不良・手直しの無駄

    社内向けの資料などは完璧さよりも最小限のパワーで効率的に仕事を終えること、つまり完成度よりスピードが求められます。
    稟議書をスムーズにまわすコツ・・承認欄の所に「次の決済者に渡した日付」を書き入れるようにしておく。
    次に受け取った決済者がどのくらいの期間、手元の書類を持っていたのか一目瞭然となり、できるだけ早く次にまわそうという発想になるはずです

    少ない動きで済むようにモノを配置する

    営業の移動時間そのものは付加価値を生まない
    一筆書きで移動すれば無駄がない
    「なんだか行ったり来たりして落ち着かない」と違和感を覚える所には、必ず運搬の無駄が眠っているはずです。
    その違和感を大事にして無駄を改善して下さい

    いちばん早く上手にできるやり方が、最良のやり方だ
    作業時間を記録することからはじめる

    内段取り・・その人・その場所・そのタイミングでしかできない段取り
    外段取り・・作業の前後やその人以外にも可能な準備

    本来、部下がやるべき仕事は外段取りとして部下に任せるべきなのです

    内段取り作業を外段取りに移す
    自分以外の誰かに任せられることはないか
    その場所以外でできることはないか
    そのタイミング以外でできることはないか

    2つ上の職制の視点で仕事を考えなさい

    自分の役職より上の目線で自分の仕事を眺めてみる
    そうすることでやるべき仕事とやめた方がいい仕事が見えてきます
    やめる、あるいはやめてもいいような工夫を考えることは仕事の流れをシンプルにし、段取りがよくなるという効果も期待できます

    段取り通りいかなかった時は必ずプロセスをチェック
    力業で乗り切っているとプロセスを振り返らなくなる

    再発防止ができたら類似の問題が起きないように未然防止を行う(横展)
    真因を取り除くような対策でなければ意味がありません

    早く失敗を報告する企業風土を上司が強い意思を持って風土づくりをする
    悪い報告をした部下に報告ありがとう等

    報連相を行う基準・・お客様への影響度
    定期的に報連相をする場をつくるのも方法のひとつです

    ヒヤリハット、違和感を見逃さず対策をうつ

    新しいことや変化は抵抗をまねくので
    根回しも段取りのひとつ
    経験上、根回しをされて嫌な気持ちになる人はいません
    むしろ自分に合わせて丁寧に説明・対応をしてくれていると感じて好意的になるものです。
    事前に主な関係者の了解を得ておけば知らんぷりもできないので、あとでそれぞれの現場で○○はこういうことを言いたいのだと内容を咀嚼し、フォローしてくれたりします

    うまく根回しするポイントはアドバイスを求めながらお伺いを立てに行くことだ

  • Facebookか何かで見て気になり、アマゾンで購入、即日読了。

    もうちょっと具体的な段取り論を期待していただけに・・・あまり具体的ではなかったので、現時点の自分が求めてるものではなかった。
    ただ、「不随作業の時間を極力短くする努力を」には改めて共感。会社員時代に、「ただの作業に時間かけるな。作戦考えたり新規アポのためにもっと時間かけろ」と言われたことを思い出す・・・
    さらに「時間の長くかかる作業からとりかかれ」にはちょっとびっくり。でも、「短時間でできる仕事はスキマ時間にでも置いておけばいい」という理由にはなるほど~という感じ。とにかく早くできるタスクをさっさと終わらせて、たくさん終えた!みたいな達成感を味わいたいと思ってたから。。

    明日から実践!

  • ムダを取り除く
    一筆書き

  • 生産性向上が叫ばれる中、まだまだ自分にない発想が体系化されているなという印象。特にトヨタ式の標準時間の考え方(最短を標準化する)は斬新だったし、それに対する基準時間(個人・チームの差を考慮)の考え方も絶妙な設計だと思う。
    総じて目標の定量化とそこに対する科学的なアプローチが本質ではないか。

  •  弊社の問題点として、現場レベルのマネジメント層が管理者教育を受けていないために破綻している職場があることが挙げられる。

     偉そうに言っているけど、俺だって一般職採用。
     そろそろ次の職位が見えてくるけど、部下をどうやってマネジメントするかなんていう教育は受けたことがない。
     多分、総合職はやっているんだろうけど。

     さて、本書はトヨタ流の段取りの仕方。
     段取り八分、事前に根回し、バッドニュース・ファーストは社会人の基本ですよね。
     と今では思うが、新入社員から現場一直線時代の俺は全然できていなかった。

     自分の思うように仕事を進めようとしては駄目出し食らって全部最初からってのは日常茶飯事。
     なんとなくできそう、できそうかな?って仕事を上司には素直に報告せず、上司から「あの仕事は?」って聞かれた瞬間に大目玉。

     懐かしい新入社員時代。
     今では、ホウレンソウはとにかく上に投げまくって、いやいや私は前からヤバいと思っていたんですよ、と自らのガードを固めるためにあるという真意が分かった。
    (しかし、上司が異動となった後、新上司から「どうしてこうなってんだ!」と問い詰められて無事死亡)

     で、元に戻って弊社一般職が何故にマネジメント教育がなされないのかを考えてみた。
     会社施策としては「無駄をなくせ」「働き方改革」という号令は下るものの、現場レベルが本気になるのか、それ。
     無駄をなくして余った時間、その時間を何に使うのか。
     現場で遊ぶバカはクソくらえだけど、遊びがない現場は確実に事故が起きる。

     わざと、遊びが出る余裕を作り出しているのではと考える。

     こないだ読んだ「ブルシット・ジョブ」のごとき業務は未だ残るが、そういう遊びの余地があるからこそ現場は回る。
     とはいえ、ブルシット・ジョブはやってる本人は精神に来るから、やはり無駄は無くしまくって、その分を人材教育やら自己啓発やらを業務としてやる時間を作ればよいと思うのだよ。

     という、一般ザコ兵隊は思うのであります。
     ゆえに本書は、本社様のマネジメントには参考になるかと。
     本社と現場って、仕事の質がまるで違うのよね。

  • 本来の仕事の目的は売り上げを上げることであり、それに直接繋がってる事にかける時間をいかにして増やすか。
    製造業には参考になる考えが多く載っている。

  • 段取りの大切さを知ることができる、どんなことにも事前準備がいかに大事かがわかった

  • 段取りは、[why]…まずは目的を確認!なぜやるのか。何のための資料作りなのか。いつ、どこで、だれが、何を、どうやるかを確認して、仕事の全体図を持つこと。

    段取りは、無駄取り…主作業、付随作業、無駄・例外作業と仕事からの時間を分類。

    仕事には【標準時間】をつくる…まずは作業の時間を記録することから始める。(作業時間がわかれば、スケジュールの精度が上がるから)フォーマットを作り、準備の時間を短縮する。

    バッドニュース、ファースト!ヒヤリハットは報告。違和感を見逃さない。

  • 徹底的に無駄を無くせ、それですね。

  • ●トヨタのうな製造現場に限らずオフィスの現場でも、いかに段取りを組みムダをなくしていくのか、その手法が具体的に書かれていて、非常に参考になると感じた。

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