穂村弘の、こんなところで。

  • KADOKAWA (2016年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784046014320

作品紹介・あらすじ

輝いている人は、人に見せない“芯” がある。
歌人・穂村弘が贈る、いま最も活躍している41人との刺激的なトークセッション。
写真・題字:荒木経惟

【対談者一覧】
本谷有希子(劇作家・作家) 
朝吹真理子(作家)
藤田貴大(劇作家・演出家)
尾川智子(プロフリークライマー)
康本雅子(ダンサー・振付家)
西川美和(映画監督)
蒼井優(女優)
岸本佐知子(翻訳家)
渡辺ペコ(漫画家)
皆川明(mina perhonen デザイナー)
川上未映子(作家)
名久井直子(ブックデザイナー)
武井咲(女優)
吉原由香里(囲碁棋士)
松田青子(作家)
枡野浩一(歌人)
伊藤沙月(アマチュアボクサー)  
鳥居みゆき(芸人)
綿矢りさ(作家)
金沢百枝(美術史家)
平松洋子(エッセイスト)
瀧波ユカリ(漫画家)
藤野可織(作家)
瑛太(俳優)
陣崎草子(絵描き・歌人)
二階堂ふみ(女優)
大西麻貴(建築家)
西加奈子(作家)
青葉市子(音楽家)
鴻巣友季子(翻訳家)
メレ山メレ子(エッセイスト)
滝川クリステル(フリーアナウンサー)
松任谷由実(シンガー・ソングライター)
橋本麻里(美術ライター)
ハルカ(ミュージシャン)
金森穣(演出振付家、舞踊家)
宮本信子(女優)
伊奈川愛菓(女優棋士)
松本望(作曲家・ピアニスト)
飯島奈美(フードスタイリスト)
荒木経惟(写真家)

みんなの感想まとめ

多様なジャンルの41人との対談を通じて、個々の魅力や考え方が浮き彫りになる一冊。著者の穂村弘が、作家や俳優、建築家などのプロフェッショナルたちと交わす会話は、彼らの人間性やリスペクトを感じさせる深い内...

感想・レビュー・書評

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  • ロマネスク美術の金沢百枝さんの本を読み終えたので、ほかにも彼女の本を読んでみようと思って、図書館で検索したらこの本がヒットした。
    彼女の著書ではないが、これ以外の本が最寄りの図書館にはなかった。
    どうしようかなと思ったけど、穂村弘の世界観も嫌いではないので手に取ってみた。
    金沢さん以外にもたくさんの人が穂村弘と対談している。
    雑誌の連載をまとめたもので、連載自体は2011から2012ごろのものらしい。
    はっきり言えばちょっと古かったけど、そのタイムラグを楽しんで読んだ。
    作家、俳優のほか、建築家や音楽関係など、わりといろんなジャンルの人が出ている。
    新進気鋭の人ばかりでなく、女優では二階堂ふみから、宮本信子までが登場している。
    わりと女性が多い感じ。みんな、きりっとしていカッコいい。
    宮本信子のところでは、最近、夫の伊丹十三の育児エッセイを読んだ視点から話を見てしまう。なかなか良かった。
    滝川クリステルが好きな異性のタイプを聞かれて、ミッションを共有できるひと、との答え。へえー。この本が10年以上前だから興味深い話だ。
    二階堂ふみが大学でテニスのサークルではなく、テニスの王子様サークルに入った、のところで笑ってしまう。
    テニスはせず、お菓子を食べながらテニスの王子様の話をするらしい。面白そう。(私は全然詳しくないけど)
    綿谷りさがときメモが好きだったり、素顔が見られて面白い。
    恋愛の話は別に不要なんだけど、資生堂の雑誌で連載していたから、こういう要素がつけられたのかな。

    アラーキーによる、カラフルな写真も面白かった。
    鳥居みゆき、藤野可織、鴻巣友季子、メレ山メレ子、大西麻貴(建築家、彼女のセリフ、家を建てるのってすごく面白いですよ。こんなに大きなもの1人じゃなかなか建てられないですから。が面白かった)、松本望など、読んでいて面白かった。

  • 対談集/みんな凄い人やなあ。あるいは怖い人やなあ/あるいはニンゲンはだれもが凄いところや怖いところを持っているもんなんか/あるいは穂村弘さんと荒木経惟さんが、引き出せる凄い人なんやろう/ひとつたしかなのはどの人もあんまり日和らへんってことでしょうか。ぼくなんか日和ってばっかやからなあ…

    ■簡単なメモ(出てきた語句中心…そこだけ取り出すと意図と異なる場合も発生するやろうけどそこは個人的メモってことで。最初は一人から一言だけメモするつもりやったんやけどだんだん増えていった…)

    本谷有希子:素敵界の強者/自分をどんどんさらけ出していたら昔ほど自己像と周りの評価にズレがなくなって楽になりました。

    朝吹真理子:私には、今という瞬間しかないという感じがずっとあります。/そのすべてを担保にしていいから、今という瞬間がほしいです。/死ぬまで強烈で不慣れなことばかり続いていってほしい。

    藤田貴大:僕自身が自分の作品を誰よりも欲していて、これがないとちょっと無理です。

    尾川智子:登れない岩ばかりに出合っていたら前に進めないけれど、

    康本雅子:私がスポーツにまったく興味がないのは、目的が分かっていることに興味がないからかもしれません。/日常生活のほとんどが意味のあることで成り立っているから、ぼーっとするためにダンスを観に行くともいえます。/人の言葉より動きに反応しやすいですね。身体の動きって垂れ流しな感じがする。その人が如実に見えるんです。

    西川美和:判断しやすいものはラクだけど同時につまらないから、そこを崩せるといいなと思う。/たぶん自分がいつも嘘をついている気がしているんですよね。

    蒼井優:まともになりたい(笑)。/演技でリハビリしてるのかもしれません。/さっきから蒼井さんの魅力を言葉でとらえようとしてもできずにいるんです。

    岸本佐知子:空っぽの自分の中に/翻訳の場合は、最大の敵が自己顕示欲なので。/(個人的に、穂村弘さんのエッセイと岸本佐知子さんのエッセイはかなり近い位置づけになってます。この本を読むきっかけも岸本さんが入っていたから)

    渡辺ペコ:とにかく仕事がしたかったんです。社会に参加したかった。/今ってひとつのものに自分の全部を預けてしまったら後が大変だと思う。/若さを失っていく残念さは分かるんですが、でもそんなに大したことじゃない気がするんです。

    皆川明:苦手なことのほうが飽きないだろうと思って、/アサリを仕分けながらきれいな柄のものをポケットに入れたりしていましたから。/あり様が生き物のようなモノに惹かれますね。/ファンクションにいきすぎると、そこから命が消えちゃう。/まずは言葉です。運がよければそこに矛盾が入っていて、絵ならどうなるかな、と考えていく。

    川上未映子:絵を描きあげた後でパレット見たら、そっちの方が断然格好いいんだもの。/私が発動していることというと、二十四時間ずっと質問しちゃうことかな。何ひとつ自明のこととして保存できなくて、何年でも同じこと訊くの。/自分には興味ないの。(中略)でも相手には興味がある。/「あなた性」みたいなものに近づきたいというのが、わたしの恋愛なんですよね。/女の人が客体視されることを含まないで存在できるようになってきてる感じがする。

    名久井直子:飴にちょっとでも毒が入っていたら商品として出さない。私の中ではデザインの基準もそれと同じです。/どの本も絶対にいいところがあるんですよ。/自分の中に引き出しがないものの方が調節しやすいかもしれない。/最近、製紙工場のキャップが似合うんですよ、私。

    武井咲:女の子の中の男の子っぽさが好きなんですよね。/「こういうイメージだね」と言われると反発したくなる。/思ったことはスパッと言っちゃってる気がします。/〝作っている〟というより参加させてもらっている気持ちです。/私、人の話を一生懸命聞かないと分からないので、じっと見てしまうんです。/あんまり悩まないんです。/たいして辛くないんです。/もうちょっとひねくれてみたいなって思います。/(やってみたい仕事は)スーパーのレジ係です。

    吉原由香里:打ちたい手を打つのが私の理想ですね。勝とうと思った手で負けるのがいちばん癪なんですよ。/日本の棋士は求道者のようなところがありますね。/強くなるにはある程度人格的に磨かれることが必要なんだなって思います。

    松田青子:幼稚園の段階で「自分は駄目だな」って分かりました。/恋愛とか全然面白くないですよね、なんなんですか、あれ。/あ、変わってほしいですけれど、でもその前に、私が近づかなければいいという結論に達してます。/切ない。そんなに自分でちゃんと言語化できてしまうのが切ない。/とりあえずどんな状態でも一人で生きていけるお金がちゃんとあればいいです。/(強い欲は)家にいたい欲です。/会社とか学校ってすごく乱暴だなっていう気持ちがずっとあって、もう乱暴さに触れなくてよくなるから嬉しいなって思いました。/旅行って考えるだけでストレスが溜まります。/むしろ今が旬です。

    枡野浩一:そもそも人のことを悪く思わなくてですね。/実際以上によく思われると嫌です。/最近は誰が何をしていても、人間も生き物だからしょうがないかなって思うようになってきました。/僕、動物よりも人間が立派とかまったく思えなくて。/どんな人間も自分で自分をコントロールして動いているというよりは、メカニズムで自動的に動かされているだけじゃないかと思うんです。/僕、ただでさえ楽しめることが少ないので、/芸人のヒエラルキーで下っ端から始めてみたくなりました。/いつか芸人歌集を出します。

    伊藤沙月:人をきれいにした後で、人を殴る練習に行ってました(笑)/試合で緊張しないというのはありますね。/いつもトレーナーさんたち、お世話になった方に手紙を書いています。/アマチュアでいることにすごく魅力を感じているのでプロになる気はないです。/言われるなら「格好いい」って言われたいです。

    鳥居みゆき:本は無駄なこといっぱい書けるから。/卒業証書もらってないから永遠の高校生。/一回、お金あげたら喋ってくれたんです。/三階の踊り場に行くくらいしかできなかった。/初期設定を間違えなければ大丈夫だと思った。/何を取り返したいのか、求めているものが明確でないと損をしますよ。/素ってないんじゃないですか。/交際って面倒くさいんですもん。/寂しがり屋です。でも基本一人が好きなの。/(ラクな人は)江戸川乱歩の芋虫みたいな人。/目を大きく開けて喋ると目線が合わないことに気づいたの。

    綿矢りさ:書いて初めて、震災のことが結構ショックやったんやなと気づきました。そこまで自分は繊細じゃないよって思ってましたから。/運転している間、ずっとスーパーマリオやっている気分でした。/私も、大好きな作家の方にお会いした時、背中まるめて、エビみたいな格好で後ろに下がっていきました。/いつも私の一言ひとことが重いんです。/まずは会話が続くことを目指せと思ってます。

    金沢百枝:肩の力が抜けていたり、少し残念なものが好きです。/(所属感は)ないですね。どこも異郷ですね。/今は女性像のロールモデルがないですね。/方向性が見えずに、なんとかしようとしているところがいいのかなと思っているんです。/決められた締切はもうないので、ちょっと大きなテーマをやってみるつもりなんです。

    平松洋子:日常の些末なことに至るまでひとつの指標のように読まれることが多いとすると、ちょっと苦しくなりますね。/「ここじゃない」という感覚が少ない方向に行きたいな、と思いながら少しずつやってきた感じです。/目的や目標を設定してそこに近づこうとする考え方がないんです。/一回手足を振り回しておかないと、とは思う。/こちらの視点の据え方が違えば、ものの見え方なまったく違う、/(目標設定について)私には設定があると何か嘘くさく思えるんですよね。/ぶち当たって粉砕しても得るものがあるのにね。

    瀧波ゆかり:私は誰と会ってもそんなに緊張しないので、そこに対する想像力が働かないんです。/自分の面倒な部分はちゃんと格納容器に入っていて、ネームを描く時だけ引っ張り出しています。/「うちら憑き物同士で付き合ってたんだね」/その時はその言葉が出そうになる。「で?」っていう言葉が。/私は話をすること=相手を少しでも笑わせること、つまりサービス精神を発揮する場所となっちゃう。/極端なことは試せるんです。/朝になるまでにすごい量の情報があって、そこに興味があります。/私は間違えるところが見たいんです。/絶望するから楽しいんです。/プチセレブな俺を語る男と回転寿司を食べて自分の時間が無駄になるのを味わうのも好き。

    藤野可織:外に出るのも怖いです。怖いというより面倒くさい。/私、自分のことを好きな人が好きなんですよ。/途中で飽きてほんま面倒くさいなと思います。/「危険やで、物盗られるよ」って言われてます(笑)。

    瑛太:(俳優について)自分ではない人間を創り出すために相当エネルギーをかけて思考している人たちですから……。/僕の考える〝いい奴〟は純粋無垢なイメージなんですけれど、そこからズレたところに行こうとしている人たちなので嫌な奴に見える、という感じです。/満足に近づくほど、いい結果を出したことがないんです。/「泣く」って書く作家は駄目なんじゃないかって思うんです。/「穂村弘」って映画を作ったらどうかって話をしたことがあるんです。/毎日「俺、お父さん……なのかな?」って思っています。

    陣崎草子:どのスイッチを押せばそこに至るのかが今も分からないです。/穂村さんの短歌に出合うまでの自分は眠っていたのかなって思う。/とてつもなく長生きしそうな予感があって、そっちのほうが心配(笑)。/才能のなさが決定的に思われて、未来がないって思っていました。/電子レンジは電子レンジに生まれたんだから冷蔵庫の機能は果たせない、ということは直感として分かっていたので、/太陽の絵を描くことは、太陽そのものになろうとす?行為が含まれると思うんです。/私、野良犬を復活させよ、って思ってます。

    二階堂ふみ:「楽しいな〜」というのが出ているんでしょうか。/これで私、もうお芝居できなくなっちゃうかもしれないって毎回思うんですよ。/普通の営みは大事にしたいです。/でも私は、仕事って親近感があることがいいことだとは思わないんです。/もっと日本にビリビリした電流が流れたら面白いのにと思ったりはします。

    大西麻貴:私が作っているものは、だいたい四角くないので、/できるならば奇抜というよりは自然に驚ける建築ができるといいなと思っているんです。/家を建てるってすごく面白いですよ。

    西加奈子:私〝センス話〟が一番苦しくなるねん。/締切過ぎたけど名文、というのにも憧れる。/でも帰りの飛行機でそれらを思い出して「わーっ」て恥ずかしくなるの。そういう感じを書きたかったの。/私、自分がやることを全部応援してあげることにしたの。/穂村さん、闇深いよなあ……。/穂村さんを成長させたくないという、女性たちの何かがあるよね。/穂村さんも幸せになったらあかん人なんやろな。/長谷川潤ちゃんがトップオブトップ。/ここでは女、ここでは男って、場面場面でスイッチしたいねん。/合ってなくてもいいっていう感覚がある。/それぞれの真実を書いてます、って気持ちがあんねん。

    青葉市子:歌が見世物みたいになるのが嫌だったの、小さい頃から。/言葉を知りたかったの、/エネルギーの使い方としては、一種の癇癪みたいな感じです。/歌うという行為は、ただ音が出るためだけの肉体になってる感じだから。/普段から起きてるのか寝てるのか分からない状態をあえて保っています。ずっと輪郭がぼんやりしていて、どこに自分の本体があるのか分からない感じで過ごしている。/自分次第で、でもいつでも逃げられるというか、移動できます。

    鴻巣友季子:影の残ってない翻訳ってどうかなと思って、/そういう翻訳ってもう、詩人の作業だよ。/翻訳者にも、自分はあくまでも筆記者だという感覚がありますね。/全員の中に翻訳家がいるからコミュニケーションが成り立っている。/私は常に見張られていないと書けないな。/(翻訳とは)私はよく「球形に光を当てる」って言います。

    メレ山メレ子:虫に台詞が当てやすかったからです。/一人のデザイナーというよりは、いろんな人の思惑が交錯した結果こんなになっちゃいました、という印象を受けることが多いですね。/生き残っているということは、それなりにうまくいったってことなんでしょうけれど(笑)。

    滝川クリステル:おっちょこちょいで隙だらけです。/小さい頃に黒柳徹子さんを見て、人がひとつのメディアとして伝える力を持てるんだと感じたことがあ大きかったですね。/仕事であっても自然の中に行くことが、自分をリリースする作業になっているような気がしますね。/(エレガンスとは)女性として生きることに自信を持つということですね。/ああ、優先順位って変わりますね。

    松任谷由実:人を緊張させるのに四十年かかっています(笑)。/背後の時間というのは確かにすごく意識しますね。/時間感覚を長く持てばいいんじゃないですか。/だってその人が何に才能があるか分からないじゃないですか。/同じ場にいても情報の量は人それぞれだと思います。/落ちないとまた行けないから。/傷つく心を持ち続けたい。

    橋本麻里:黒衣体質なので写真を撮られるのは苦手なんです。/自分では翻訳者みたいなものだと思っています。/危ない時ほど頭が冴える感覚が自分の中にありますね。/私は「私が」という主語は必要としていないので、/全員まずは模写すればいいのに、と思っています。

    ハルカ:短歌のほうが、より自分に近くてパーソナルな感じです。/声がひっくり返って失敗したと思った時のほうが実は伝わるみたいですね。/私は一人で本を読んでいる子がいちばん強いと思うんですけど、/自分はどこから見ても偽物だという感覚がありました。/有名になるのが夢でした(笑)。/私も完全に凡人コンプレックスがあって、狂っている人っていいなあってすごく思います。

    金森穣:でも裾野を広げたいとは思わないんです。/私もいろんな人に嫌われていると思います(笑)。/自分の信じる舞台芸術という活動が、これからの国のあり方や子供たちが生きていく社会と少しでも密接な関係のある状況のほうが生き甲斐を感じるんじゃないか、と思いました。/なかでも鈴本忠志さんは師匠と仰いでいます。/感性を養うための最大限の力は、優れた舞踏家に囲まれるということと、優れた作品に出合うことでしょうね。

    宮本信子:いろんな人間を演じたいというのは性質なんですね。どう演じるかを考えるのがね、もうものすごく楽しいのよ。/穂村さんはゴージャスにならないほうがいい歌ができそう(笑)。/私、いつも一人で行動しますけど、大体消えてます。/評価は人がして下さればいいので、精一杯やれたかどうかが自分にとっての問題ですね。/自分がどう日々を生きているか、その積み重ねが大事。

    伊奈川愛菓:(棋士は)何かを訊いた時に、答えるまで時間がかかる人が多い印象です。/コンピューターの良さもあれば人の良さもあるということ。

    松本望:「なんとなく」としか言えないことが多いですね。/すごいピアニストになると、演奏を通してその人の生きざまやメッセージ、感じていることがそのまま出ますよね。/自分の音を探すには、まずピアノという楽器からどういう音が出せるのか知ることが必要になってくるんです。/その人は、頭でイメージしている音色を肉体的に完全に再現できる回路ができているんだと思います。

    飯島奈美:私は日常の料理をおいしく作る、家庭料理のプロになろうと思っています。/どうやったら売れるかとか、そういうのを編み出すのが好きみたいです。/自分の特徴は「設定」だと思ったんです。/食べ続けているから味覚の変化に気づけるんですよね。最近子供が食べないものは一切出さない家庭がありますが、そうしたら一生食べないのにな、と思います。/おばあちゃんが死んだらもう食べられなくなる。そういうものを習って、残したいです。

    荒木経惟:写真は偽りの恋だからね。/この人は私を吸い取ってくれるって思うんじゃないかな。/(ビョークやガガについて)うん、いい意味でエゴとエロを持っていて、自分に正直だよね。/それは俺の翳りだろうな。/一瞬の事件が起きたほうが魅力的なんだ。/やっぱり変容していくところに惹かれるんだな。/時を止めるんじゃなくて、何分の一かの時が動いている写真にしたいんだよね。/風景の頂点は空。/被写体からフレーミングを教わったんだ。/ま、今は死神と女神の性交を撮っているような時期だね。/そう。それこそ「性」が「聖」の文字に変わるような写真なんだよ。

  • 穂村弘さん、こんなに対談してたのか。
    瑛太と青葉市子が面白かった。

  • まず、メンツがどちゃくそいい。
    それから、装丁と写真もいい。
    対談は相手によって話す内容が自然と違うのが面白い。
    プロフェッショナルだなあという話もあれば、その人の人としての根源の話も、男女や人間関係の話もある。
    穂村さんと相手の関係性から語られる、互いのリスペクトの上にある信頼関係が垣間見える相手は特に興味深く読んだ。
    穂村さんの本音が引き摺り出されている様にも、にまにましながら。

    あと読みたい本が数珠つなぎで増えて困る。

  • 穂村弘が「素敵な人っていつから素敵なんだろう?」
    と、「付き合うなら、才能のある人か自分へのホスピタリティのあるひとか?」、というインタビューをしている。
    半分近く、知らない人だったから、検索しながら読んだ。

    花椿の対談だから、読みやすいし、なんかオシャレな人ばかりでおもしろかった。
    オシャレというか、最近あまり感じることのなかった東京のキラキラ感があっておもしろいと思った。エキセントリック礼讃な感じもなんかなつかしい。

    けど、この本ももう8年前なんだよね。時代の価値観の変化もすさまじいし、コロナ後の変化も知りたいから、同じ人にまた話を聞いてみてほしい。

  • 澁谷克彦氏のアートディレクションぢからがすごい…

  • 穂村自身や対談者の多くが、一般社会への馴染めなさを、率直かつお洒落に表明しているところがいい。

  • 写真も良かった

  • たくさんの人たちが登場し、それぞれ違う価値観を持っているが、共通しているのは、幸せに思われたくて生きているわけではなくて、どんな生き方をするのが自分にとって本当に幸せかをよく知っているところだと思った。

  • さくっと読めてよかった。

  • 資生堂の雑誌「花椿」で連載された対談集。
    アラーキー氏の写真付き。
    穂村さんて、こんなに足が長いのかとびっくりした。
    肩幅あるし顔も小さいし。
    エッセイで想像される男子の姿よりよっぽどカッコイイじゃないか。
    対談の相手の一言がとても印象に残る本だった。
    分量は短くても、内容が濃いのは穂村さんが聴き手であるのも大きい。
    こういう対談のホストは、
    いろいろなことをを知識の上っ面だけでなく知っていることが
    対談を面白くする大きなポイントだと毎度思う。
    瑛太の演じる穂村弘はすっごく見てみたい!
    撮影用なのかもしれないが、女性がピンヒールを履いてる姿が多く、
    こういうのがやっぱ絵として美しいんだろうなあーと思った。

  • 輝いている人は、人に見せない“芯”がある-。松任谷由実、川上未映子、瑛太…。歌人・穂村弘が贈る、いま最も活躍している41人との刺激的なトークセッション。『花椿』掲載を書籍化。

    最後にアラーキーとの対談もあるのだけれど,KaoRiさんのことを語っていて,微妙に感じた・・・。

  • 短歌の売れっ子穂村弘が各界の有名人との肩の凝らないざっくばらんな対談の数々。いずれも共通するのはクリエイティブな分野で名を成した人たち。写真家の荒木経惟との対談もあり、荒木の撮った対談者たちの写真がこれまた楽しい。
    それにしてもいろんな分野の美女たちが登場しているのも興味深い。男性より圧倒的に女性が多い。実に様々な分野で、彼女たちがどうしてその道を選んだのか、実に興味深かった。とりわけボクシング、クライム、ダンス、将棋などは珍しいだけに実に面白かった。そして写真を見る限り、似たタイプの美女たちだ。
    脚本家(本谷有希子)、翻訳家(岸本佐知子、鴻巣友季子)、エッセイスト(平松洋子、メレ山メレ子)漫画家(渡辺ペコ、瀧波ユカリ)、アナウンサー(滝川クリステル)、ブックデザイナー(名久井直子)、作家(朝吹真理子、川上未映子、綿矢りさ、西加奈子、松田青子、藤野可織)女優(武井咲、蒼井優、二階堂ふみ、宮本信子)、囲碁(吉原由香里)、将棋(伊奈川愛菓)、クライマー(尾川智子)、ダンサー(康本雅子)、ボクサー(伊藤沙月)、芸人(鳥居みゆき)、美術史家(金沢百枝)、歌人(陣崎草子)、建築家(大西麻貴)、音楽家(青葉市子、ハルカ、松本望)、映画監督(西川美和)、歌手(松任谷由実)、美術ライター(橋本麻里)、フードスタイリスト(飯島奈美)。一方、男性は荒木の他、劇作家(藤田貴大)、デザイナー(皆川明)、歌人(枡野浩一)、俳優(瑛太)、演出振付家(金森穣)と僅か6名。

  • 穂村弘さんと才気ある方々との対談集。アラーキーの写真もありで豪華。美人度も高かったな。
    才気ある方々だけあってやりとりも興味深いものが多かった。穂村さんの自著だと自分で好きなように装えるけど対人だとそういう訳にいかない。もちろん礼儀正しくお互いの仕事等についての話に終始してる場合もあるけれど普段付き合いのあるならではの鋭い言葉が飛んでいる場合もある。特に印象に残ったのは川上未映子さんで、思わずニヤリとした。

  • 17/10/29 (74)
    本谷有希子、蒼井優、岸本佐知子、皆川明、川上未映子、瑛太、二階堂ふみ、西加奈子と好きな方々が並んでてなんて豪華な対談だ!と。鳥居みゆきさんは一見すごく奇抜なのに言ってることがわかるなあて共感。

  • 豪華すぎてくらくらした。好きな作家さんだらけ、しかもみんな美人で…。お顔を見たことなかった陣崎さんや松田青子さんも美人でびっくりした。
    アラーキーの写真かっこいいし、対談は面白いし、俳優陣も組み込まれてるから見ごたえたっぷり

  • 歌人・穂村弘氏が話題の人物と対談する。
    写真はアラーキー。

    必ずしも、「わかりやすく」はないかな。
    でも、わかりやすく言えないようなことって、ある。
    そんなところがところどころに出てくるのが、穂村氏の味なんじゃないか。

  • 大阪帰りの飛行機で読了。
    なんでだろう、、、少し穂村さんが嫌いになった。なんでだろう?

  •  綿矢りさが芥川賞を受賞した時のことを覚えている。学校の中がほぼ全てだった私とほぼ同い年(綿矢さんが1歳上)の、膝を擦りむいた可憐な女の子が、小説を書き、伝統ある賞を受賞し、メディアに露出している。なんやろう、居心地が悪い。心のザワつきがきこえた。
     あれから10年以上経つけれど、同じような経験を何度もしてきた。村上春樹は30歳、星新一は31歳、司馬遼太郎は32歳、いや、夏目漱石は37歳!いやいや、2012年に75歳の黒田夏子さんが芥川賞したで!まだ大丈夫。表現する側にいける可能性はまだある。(思うだけなら誰でもできるわい!)

     この本でほむほむと対談している皆さまは、いずれも若くして自分の道を見定め、まっすぐに突き進んでいる。苦しい。くるしい。こういう人たちに出会うのが一番苦しくて、自分のみっともなさを思い知る。そして、自分はやっぱり特別ななにかになりたいんや、と実感する。年齢はものさしにもなるけれど、絶対じゃない。と言いつつ、やっぱり今の自分へのがっかり感が止まらない…。

  • 青子さんは恵文社で働いていたのか!

    青子さん:私は二十代で穂村さんや岸本佐知子さんのエッセイを読んだ時に「キタ!」って思いました。
    穂村弘さん:二十代女子が僕の本でそうなるとは不憫だな・マジョリティにチューニングを合わせられなかったんですか。

    マジョリティにチューニングを合わせられなかったのかー。
    馴染めていないのは、そういう部分が原因な訳ではないから、そっち側にもいききれない感じがして、哀しいのかな。

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著者プロフィール

1962年生まれ。短歌をはじめとして、エッセイ、評論、絵本、翻訳などを手がける。『シンジケート』『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』『水中翼船炎上中』『世界音痴』『蛸足ノート』『短歌の友人』『短歌ください』等著書多数。伊藤整文学賞、講談社エッセイ賞、若山牧水賞他を受賞。

「2026年 『百人一首バトル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

穂村弘の作品

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