「マイナス金利」の真相

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046016645

作品紹介・あらすじ

2016年1月のマイナス金利導入は、妙手か?
それとも、日本経済崩壊の序章になってしまうのか!?
さまざまな議論を巻き起こす「マイナス金利」について霞が関のウラまで知り尽くす、元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏が
経済ニュースでは決して報道されない「マイナス金利」の真相を明かす!

(おもな内容)
(俗論)マイナス金利は個人にも負担がかかる
(真相)住宅ローンや自動車ローンの金利低下で大きなメリット

(俗論)マイナス金利で年金が破綻する
(真相)そもそも年金積立金の運用こそ有害なリスク

(俗論)金利が低すぎて個人の資産運用に支障が出る
(真相)資産運用は現金を減らさなければOK

(俗論)「国債暴落」の可能性が高まった
(真相)国債の価格は上昇し、暴落と真逆の動きになっている

(俗論)マイナス金利のせいで株価が下がった
(真相)中国経済への不安が世界中の株安を招いた

(俗論)日銀による円安誘導は失敗
(真相)日銀は円安を政策目標にしていない

(俗論)銀行の収益が圧迫され、信用不安が高まる
(真相)日銀から民間の銀行への「お小遣い」が減るだけ

(俗論)追い詰められた日銀総裁がマイナス金利を無理矢理押し通した
(真相)日銀の会合で反対したのはすべて民間の金融機関出身者

(俗論)金融政策では景気を回復させられない
(真相)これまでは、日銀が確信犯的にデフレにしていた

(俗論)巨額の「国債買い入れ」は日銀の信用を失わせる
(真相)政府と日銀の連結ベースでみればバランスシートは拡大していない

(俗論)アベノミクスは「禁じ手」を行っているので、政府の信用が失われる
(真相)デフレ下の「国債引き受け」にはリスクがない

(俗論)マイナス金利は景気に影響を与えない
(真相)長期金利を押し下げ、量的緩和政策を強化する

(俗論)金利がマイナスになっても銀行の貸出は増えない
(真相)採算ベースに乗る案件は確実に増える

(俗論)インフレ目標が達成された後はハイパーインフレになる
(真相)インフレは金融政策でコントロール可能

(俗論)インフレ目標の設定で「日銀の独立性」が奪われる
(真相)日銀の独立性は世界の主要国の中では異例

(俗論)日本の借金は1000兆円で世界最悪
(真相)実質的には200兆円。先進国の中では普通

(俗論)日本の債務は増え続け、増税はやむなし
(真相)日銀の国債保有で借金は解消に向かう

感想・レビュー・書評

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  • 2016/10/17
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    タイムリーに接触すべきは多面的な分析。決して専門的でなくても複数角度から考えることの重要性を示唆。

  • 元財務官僚であり経済学者である高橋洋一氏のマイナス金利の解説。

    リフレ派なのでマイナス金利について積極的推奨側のスタンスであることを差し引いても、詳しい実情やはじめて知ったことなど学べることも多数。

    読んでいるとマイナス金利(をはじめとした日銀政策)によって上手くいくと錯覚してしまいがちですが

    「実は、これまで解説した債務の解消のプロセスは、デフレが前提条件となっている。デフレ下でのみ、機能する話なのである。」(P.181)

    ここが読み終えてもどうしても気になって仕方がない。

    P.35では賦課方式なのだからGPIFの運用は不要と切り捨てているのも、少子化に進んでいることと積立方式も平行している現状を見ると話は簡単ではないな…という印象です。

  • ポイント別に分かりやすい。個人向け国債「変動10」を本書で初めて知った。

  • マイナス金利にまつわる間違った俗説を論破する一冊です。経済学を学んでいなくても理解できるように、テーマごとに分かり易い説明と図が載っていて、俗説に騙されることなく真相を理解できるようになっています。

  • 今年(2016)1月に我が国でもマイナス金利が導入されました。日銀のとったこの措置に対しては世の中では様々な議論がなされている様ですね。

    この本を書かれた、元財務相官僚で「霞が関埋蔵金」を発掘したことで有名な、高橋氏によれば、新聞などで書かれている内容には正しくないモノもあるようです。この本は、世の中にはどのような俗論があって、それに対する「真論」が何かという解説からなっています。

    高橋氏は現在進行中の、新アベノミクスを支持しているようです。現在の日本に活気を与えるためには何かをしなければならないのは事実ですが、批判は楽ですが、今までとは違った方策を考えて、実行して成果を得ることは大変な事のように思います。平成30年を過ぎて、東京五輪が終わった頃にアベノミクスの結果が明らかになると思いますが、その経過をしっかりと見ておきたいものです。

    以下は気になったポイントです。

    ・個人向け国際「変動10」は、一度購入したら中途解約しない方がいい。10年間手を付けずに済む資金で購入すべき(p28)

    ・国債の利回りが低下するという事は、国債の価値の上昇を意味している。国債の利回りがマイナスになるとは、価値が高まっていることに他ならない(p31、40)

    ・GPIFの資産運用によって賄われる年金は、全体の8%程度。9割以上は、将来の現役世代からの保険料収入と国庫負担によって賄われる(p34)

    ・中国の民間消費はGDPの4割にも達していない、この構造は中国の政治体制が一党独裁であることが根本的な原因(p46)

    ・政策効果の分析は、長期的指標である、GDPや雇用から測定するもので、そうした経済指標が変化するまでの副次的な指標として、株価や為替の話がある(p51)

    ・日銀が導入したマイナス金利は、2016.2.15以降に新たに預け入れした資金が対象、それまでに積みあがった当座預金250兆円には0.1%をつける。民主党政権時代に、臨時かつ時限的な措置として導入された(p57、58、119)

    ・EU圏でマイナス金利を採用しているのは、ECB(欧州中央銀行,-0.4%)、スイス(-0.75%)・デンマーク(-0.65%)・スウェーデン(-1.1%)である((p69)

    ・アベノミクス以降(白川→黒田総裁)は、失業率も減少し、労働力人口は増えている(p87)

    ・買いオペ(国債減と日銀券の増加)は、有利子の国債から無利子の日銀券への転換を意味する。この転換が、通貨発行益(=運用益)という利益を発生させている(p91)

    ・日銀のバランスシートでは、国債という資産が増えて、当座預金という負債が増えるが、政府と日銀を連結させたバランスシートでは、資産は変化なし、負債は国債が減り、日銀券が増えることになる(p93、96)

    ・国債が売られない理由は、国債が金融市場において品不足であることに加えて、デフレ下での財政ファイナンスには、リスクがないから(p100)

    ・インフレ率2%を目標にしているのは、フィリップス曲線(インフレ率と失業率は逆相関にある)から設定している。インフレ率が2%程度になると、失業率が2.5-3.0%となり、完全雇用が達成されている状態とみなされる(p107)

    ・マイナス金利を導入した日銀の狙いは、手数料(マイナス金利)を払いたくない銀行が、民間企業への貸出に回すようにすれば企業の設備投資につながり経済活動が活発になることを狙っている(p120)

    ・日銀を加えた連結バランスシートによれば、資産は政府単体の資産(出資金・有価証券・貸付金・土地=500兆円)に加えて、日銀が保有する国債300兆円、負債は、政府が保有する国債1000兆円および日銀券300兆円(国債と異なり無利子なので債務とは言えない)となり、実質的な借金は200兆円であり、GDP比較では30-40%であろう(p177)

    ・通貨発行益を1年で全額貰うか、毎年小分けにしてもらうか(金利相当の1000億円)の違いはあるが、政府紙幣と量的緩和は巨額な通貨発行益(10兆円)が発生する(p190)

    2016年8月28日作成

  • 高橋洋一先生著

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著者プロフィール

高橋洋一(たかはし・よういち)嘉悦大学教授。1955(昭和30)年、東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980(昭和55)年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣参事官等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」などの政策を提案・実現。主な著書に『さらば財務省! 』(講談社、第17回山本七平賞受賞)『戦後経済史は嘘ばかり』(PHP研究所)『マイナス金利の真相』(KADOKAWA)『日本を救う最強の経済論』(扶桑社)など多数。

「2018年 『愛国のリアリズムが日本を救う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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