発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046017772

作品紹介・あらすじ

8歳で発達障害と診断された僕が、なぜ自分の才能を生かす場所をみつけて輝けるようになったのか。同じ障害がありながら、いつも僕を信じて導いてくれた母。そしてアメリカの「発達障害」に対するおおらかな環境と、学んだ英語が自信を持たせてくれたこと。されて嫌なことを人にはしないと決めた、人として愛される生き方など。ADDの特徴である衝動性を抑え、苦手なコミュ力を克服し、モデル・タレント・役者として歩んできたこれまでの道のりを語る。母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。誰もが輝けるヒントがみつかる!

<内容>
PART1 僕はADD(注意欠陥障害)
PART2 僕が輝く場所をみつけられるまで
PART3 僕が輝く場所をみつけられた理由
PART4 彼はなぜ輝く場所をみつけられたのか

感想・レビュー・書評

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  • ニューヨークと日本を行ったり来たりしながら育った栗原類さん。
    彼の「発達障害」という特性に焦点をあて、診断されてからどのように対処し、成長してきたのかについて、類さんと母、主治医の三者の視点から書かれている。
    発達障害についてアメリカでは、幼稚園で支援委員会が立ち上がり、半ば強制的に専門家による診断が実施される、というのが驚きだった。社会的に支援するシステムが確立しているのだそう。
    日本ではまず母親が「あれ?うちの子ってみんなとちがう?」と疑いを持って、自分で子どもを引き連れて受診しに行かないときっと診断には至らない。
    アメリカはその点、支援までの流れもそうだし、発達障害に対する周囲の理解も日本と比べずいぶん進んでるのだなぁと思った。

    そして、母である泉さんの、類さんに色んな世界を用意してあげられる行動力がすごい。ニューヨークと日本、それぞれで地盤を整えてあげながらサポートし、二人三脚で成長していく。

    大変なこともたくさんある中で、泉さんは、
    「発達障害というのは、ひとりひとりの特性が違います。あなたの息子さんはあなたと同じタイプではないのはわかりますね? あなたは自分が子供の頃、何の苦労もなくできたことが、どうして息子さんにはできないんだろうと理解できないかもしれない。不思議でしょうがないでしょうね。だけどそう思った時は、子どもの頃に自分ができなかったことをたくさん思い浮かべてください。そして、自分ができなかったことで息子さんができていることを、ひとつでも多く見つけてあげてください。そうすれば『なんでこんなこともできないの?』という気持ちがしずまり、子どもを褒めてあげられるようになります」
    と言われ、大切な言葉になったという。

    私にもすっっっごく響いた。この感覚で私も子育てしていきたい。子育てはこれから先まだ長くて、私は何度も忘れてしまうから、胸に刻んでおく。何か言いたくなってしまったら、その度ごとに思い出す。
    自分ができなかったことで娘ができていることを、ひとつでも多く見つけてあげよう。

  • 栗原さんの生活が毎日冒険のようで、いろんな困難を受け止めて丁寧に生きている感じがとても好感を持てました。
    当事者の方はもっと大変さを抱えているかと思うのですが、とても読みやすい文章で最後まで惹きこまれました。
    相手との絶妙な距離感だったり、モチベーションの保ち方だったり、対処法についてなど、興味深いものでした。
    又吉さんとの対談もご一緒したいような素敵な雰囲気が伝わってきました。

  • 栗原類くんが出てきた時、とっても個性的ででも言葉が丁寧で、一瞬で応援したくなる存在になりました。
    発達障害だと知って納得できた事と、小さい頃からその為にいろいろ努力をしてきたんだなと知って、ますますファンになりました。
    お母さまがとにかく凄いですね。将来を見据えての子育て。

    こんなにまともな素晴らしい内容が書けるんだもん。私よりよっぽどしっかりした大人だなと感じました。

  • タイトルにちょっと語弊があるような……?
    内容は易しいし、親と主治医と友人がそれぞれから書いてるところがADDの一事例として読むのによい。
    最後の対談に「無理はさせない、けどそれは周りが可能性に蓋をすることかも」という旨が書いてあり、ああこれ難しいいうか奥深いことだな……と。関わる人にとって大事なテーマ。
    この本を読むにこの方はその無理というのをかなりしてきているほうだと思う。例えば乙武さんとかも。周りを日本の福祉職に固められてたら、ちょっとなかなかできないのではないかというような幼少期の経過があるかなと。でもそれで伸びるものがあるのも確かなのだろう、難しい。

  • 本当の事を言えば全てが解決するわけではない、そう思いながらも、こうして本当の事を書いてくれた作者に感謝です。
    そして…お母様に感謝です、というかお母様の考えも書いてくださって感謝です。情報の海で漕ぐ櫂がなく、常に自分は間違ってないか?違う方向へ進んでしまってないか?と、不安に思っていました。当事者の声はそうですが、幼児期に発覚して、その子をどうやって育てたら?と、思ってきた一人として、とてもとても、有難かったです。
    みんなと同じじゃないのに同じように振る舞う為に、努力しないとならない…その努力は大変なことです。
    それでも、希望を持って楽しく生きていけたら・・・そう思っています。

  • 漫画とかでちょこちょこ目にした程度で、あまり発達障害の方ご本人の著作って読んだことが無いのだけれど…。先に「栗原類」さんのキャラが認知されてから、障害についての情報が出て来た、つまり「発達障害”だけど”頑張った誰か」からの認知でない分、又吉さんも仰ってた通り、一個人としての類君の姿、言葉を通して何らかの扉を開けられる、という意味では凄くいい本だと思った。

    どなたかもレビューで書いてらしたけど、まあ、単純に外から見るだけなら結構なサクセスストーリーなので、これを基準にされても困る部分ももちろんあるけど、扉を開くという意味では凄くいいな、と。

  • ファッションモデルでテレビでも活躍する栗原類氏が自身の発達障害と向き合いながら現在までの半生と母親や主治医との付き合いについて書いた一冊。

    本書を読んで、氏が抱える障害が日常生活への支障があるだけでなく、健常者に比べてかなりのハンデがあるにも関わらず、テレビなどで活躍していることは本当に凄いことだと感じました。
    そして、よくある芸能人のエッセイ本とは一線を画す内容で発達障害の理解が深まる内容だとも感じました。
    また、母親の教育や生活面での指導が氏の人格の形成に大きく影響しているだけでなく、芸能界で信頼を得ている礎にもなっていると感じました。

    母親や主治医である高橋猛氏のインタビューそして友人である芸人兼作家の又吉直樹氏との対談も載せられており、子育てする母親の目線から見た発達障害との向き合い方や医学的見地からの見方など発達障害について様々な角度から知ることもできました。

    特に本書を読んで感じたのが、母親の泉氏が息子の障害と信念を持って真摯に向き合う姿が印象に残りました。
    その中でも相手の行動に対する情緒面の根本を教えたことが強く印象に残りました。
    自身のことを理解しながらそれに応えようとする氏本人の努力や素直な人柄も本書から感じ取ることができ、メディアを通したイメージとは違う一面を抱くこともできました。
    また、発達障害の人は体で感じることで覚えていく経験が大事であるという高橋氏の指摘も印象に残りました。

    本書の中でも指摘があるアメリカと日本の支援の違いは考えるべきところであると思いますし、多様性を認めて、求めすぎず無理をさせないことがやはり大事なのではないかと感じました。
    人それぞれケースは色々あり何が正しいとは言えないものですが、メディアの露出が多く目に触れる機会が多い氏の公表により日本社会の障害への理解がより深まればいいなと感じました。

  • #読了 2022.4.30

    笑っていいとも!とか出てた頃から発達障害なのかなぁとは思っていた。最近は1歳10ヶ月の娘とEテレを見てることが多く、英語の番組に栗原類さんが出ているのを見かけた。英語が上手なのはもちろんだけど、ダンスとかもあって苦手そうだけど全力で頑張ってる姿に陰ながら応援したいなぁと思っていた。そんなときに本書を図書館で見かけて手に取った次第。

    本書に書かれたケースはあくまで栗原類さんの場合かとは思うが、発達障害の方がどんな思考でどんなものが苦手なのか、日常生活でどのようなサポートをしてほしいかどのような理解でいてほしいか、そのあたりが具体的によく理解できた。
    私の心象として、一般的にモデルの人とか容姿端麗な芸能人とか、もちろんそういう世界は苦労も多いし、努力もしてると思うけど、小さい頃からモテたんでしょ?と思うと、自分が容姿にコンプレックスがあることでの心労や他人から得られる自己肯定感に差があるだろうなとなんとなく共感したいと思えなかったのだけど、栗原類さんの発達障害という大変なハンデキャップに対する考え方や取り組み方を知って、心からその努力を労いたい気持ちになった。

    そして、何よりお母さん(泉さん)がとにかくすごい。なんなら正直、本人よりお母さんの方が苦労しただろうなと思う。こんな考え方ができるなんてどんな生い立ちの人なのだろうと思っていたら、「ブレない子育て」という本書と対になるようなアンサーになるようなものが出版されてたのでそちらも引き続き読むことにする。

    ◆内容紹介◆
    母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録
8歳で発達障害と診断された僕が、なぜ自分の才能を生かす場所をみつけて輝けるようになったのか。同じ障害がありながら、いつも僕を信じて導いてくれた母。そしてアメリカの「発達障害」に対するおおらかな環境と、学んだ英語が自信を持たせてくれたこと。されて嫌なことを人にはしないと決めた、人として愛される生き方など。ADDの特徴である衝動性を抑え、苦手なコミュ力を克服し、モデル・タレント・役者として歩んできたこれまでの道のりを語る。母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。誰もが輝けるヒントがみつかる!

  • 例え本人にお会いしていなくても、本を通してその人の経験や考えに触れ、擬似体験すると、少し身近は存在に感じられるようになりました。

    彼の目線とお母様の目線で書かれています。取り繕っていない言葉に、障害を受け止め、理解して過ごす事の苦労(という言葉は適当ではないかもしれませんが)をひしひしと感じました。

    彼が芸能界で活躍している姿を見ると、応援するというより、尊敬の念を抱くように。
    発達障害という言葉を身近に感じている人も感じていない人も、読んで欲しいなーと思います。あまりにも世の中の障害に向けられる目は、偏見と誤解で溢れているから。自分にないものを理解するのはとても難しいことです。
    歩み寄る第一歩は『知る』ことにあると思うのです。とても読みやすくて、心が温まって、考えさせられます。

    私には些細な行動も、彼にとってはとてつもなくエネルギーがいるんだってわかったら、もう少し彼らに優しくなれて、この本を読んでよかったなって思う。
    彼らの日々は大変だったんだろうなって、他人事ながら感じました。

  • ちょっと読みづらかったな。

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著者プロフィール

1994年東京生まれ。イギリス人の父と日本人の母を持つ。8歳の時NYで「発達障害」と診断される。11歳で日本に帰国。中学時代にメンズノンノなどでモデルデビュー。17歳の時、バラエティ番組で「ネガティブタレント」としてブレイク。パリコレモデルなどを経て、現在はモデル、タレント、役者として、テレビ、ラジオ、舞台などで活躍中。2016年10月に出版したエッセイ、『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』(KADOKAWA)は15万部突破のベストセラーとなる。

「2017年 『マンガでわかる 発達障害の僕が 羽ばたけた理由 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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