自分で考える練習 毎日の悩みを解決できる「哲学思考」

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 87
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046017864

作品紹介・あらすじ

「0→1」を作るために知っておきたい哲学2500年の叡智が教える“思考のワザ”とは?
プラトン、デカルト、ニーチェ、マルクス……難しい理屈は抜きにして、古今東西、世界最高の哲学者達が導き出した世界最高の「答え」がこの1冊に!
2時間後、あなたは「自分の意見」を言えるようになる。

感想・レビュー・書評

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  • 「“偉人”の言葉をありがたがり、自分で考えることを諦めた瞬間、哲学の“魂”は死んでしまう」

    古今東西の哲学者たちは、後世に“偉人”と崇め奉られるために難しい言葉を残した訳ではない。

    目の前に山積する問題群を解決するために、その叡智を絞ったのだ。

    古代も中世も近代も、当時の人々にとっては現在。

    その崇高な営みの結果が現代に伝えられているのだ。

    ならば表題の「悩みを解決する」にはどうすればいいのか。

    「人間とロボットの違いは何か」

    「家族の意味は何か」

    「なぜモテたいのか 恋愛の意味は何か」


    まずは自分自身は何を考えているのか。何に悩んでしまうのか。

    目の前の人は何を思い、それを言い表したいのか。

    絶対的な原理の追究ではなく、相手との共通合意を探り見つけていく。

    分断か、統合か。

    決裂か、対話か。

    「差異へのこだわり」を「抜きがたい1本の矢」と称した東洋哲学の知恵にも相通じる人間哲学。

    学び続け、努力し続け、対話と交流を続けてもがいていく中にしか、「毎日の悩みを解決できる」術はない。

  • 内容が少し難しかった。
    しかし、物事の考え方がわかった。
    正しさを求めるのではなく、了解を求めることが大切。そして、物事を噛み砕き、考えて行く。

  • 表紙とタイトルで読んでみたんだけど、哲学の専門的な考え方がメインなので、難しかった。
    これなら、嫌われる勇気のほうが数段良い。

  • 竹田青嗣の考え方をベースに著者なりに現代人にわかりやすく、哲学の歴史的な流れの概要を説明しながら現象学の手法に基づき「ロボット」「家族」「恋愛」「目標」「自由」という具体的項目で現象学の手法「本質感取」を行った著作(表紙がJKなのは、なんか理由があるのでしょうか?)。竹田青嗣氏の著作よりも更に現代風に表現し直して、わかりやすく説明していて哲学初心者にも「なるほど」と思わせます。

  • 思考法について悩んでいたので読んでみた.んが哲学的思考についての本だった(笑)
    でも,読んでみてなるほどなと思う所も多々あり,哲学本を最近読んでるせいもあり解説本としても良かったです.
    が,この本はどの人向けの本なのかちと疑問も.

  • 「哲学の本を読むとしたら、どれがおすすめ?」と聞かれたら、たぶんこの本をおすすめすると思う。
    私の哲学に求める力を、わかりやすく丁寧に解説してくれるので。

    著者・平原さんの本は「読まずに死ねない哲学名著50冊」以来2冊目。
    最初の「哲学は先人の知恵を教えてくれるものではない」という言葉に、はっとさせられてそのまま読み進む。
    哲学の本は割と読んでいるほうだと思うので、大まかな流れや主義なんかはなんとなく把握している。
    それでも、やっぱり「なるほど」「そいうことか」と考えながら読んだ。

    「正解」のない時代に自分で考え自分の人生を成立させる。
    今までの哲学者たちも、そういった動揺の時代を思考という武器を使って生きたんだろうなと思った。
    そして今の私も、その時代を生きている。そして自分で考えて生きることができる。

    本の中では「還元」と「本質観取」がもうびっくりするくらい出てくる。
    でもこれが「自分で考える練習」なのだと納得させられる。
    最後のチャプターがまさに「自分で考える練習」で、ケースごとに本質観取を繰り返すのだけれど、
    それに至るまでの哲学史(時代背景や先人の考え方)をきちんと踏まえているので、思ったよりも苦しくない。
    あ、これさっきやったやつだな、と思いながら進められる。
    短い区切りのなかで、きちんと振り返りながらステップアップして展開していくので、平原さんはきっとすごく優しい人なのだ…と思う。

    哲学書を読むとたびたび出てくる「共通了解」。なんとなく概念は分かっていたつもりだけれども、これだけ納得しながら読めたのは平原さんの力だと思う。
    「共通了解」には、長らく私たちに求められているコミュニケーションが必ずかかわってくる。
    コミュニケーションは話し上手ではなく、聞き上手である必要があると思う。相手と自分の差異を認め、どう展開させるか。
    本の中では「よい耳をもつこと」と書かれていた。そしてそれは自分以外の他者だけでなく、自分自身に対しても。
    そして「普遍的な共通了解」は時代ごとに常に編みなおされるものだということ。これは「先人の偉大な知恵が、正解ではない」ということだと思った。
    先人の思考の歴史を知ることで、それが答えだと飛びつくのではなく、現代の私たちはどうするか?を考える必要がある。

    私のなかで課題に思っていた、生活経験の差。これについても触れられていた。これは経験がないからできない、というわけではないという。もちろんそうだと思う。もうちょっと一歩踏み込んで、理解できそうな気がする…まだ読み解けていない部分もあり。

    まとめると、
    短いスパンで振り返りながら展開していくので、読みやすい。そして自分の経験をうつしながら理解できる部分もあったので、読み進める抵抗が少ない。
    そして読みながらの納得性もある。
    なので、おすすめは?と聞かれたら進めたい一冊。
    そして自分自身も、ふと読み返したいと思う本だった。
    あらためて、私は「私が世界を理解するために」哲学を求めているのだと思った。

  • 真理の概念は多様性に取って代わられ、正解ではなく了解を追究するのが哲学的として、フッサールの現象学を推奨。第4章は演習問題的に、還元と本質観取を用いて、主として自由や承認について論じている。全体的に説得力はあるように思えるが、この方法論が「正解」とは限らないので、現象学そのものに対して還元と本質観取を行うという作業が必要なのではないか?という疑問は残る。

  • 近代哲学からニーチェ、フッサールに至る認識論を踏まえ、還元と本質観取によって共通了解を深めることの大切さと、具体的方法論を提示する。
    哲学の考えを時代を背景とした必然的結果として、神を中心においた中世哲学の主知主義と神秘主義の対立と、それを乗り越えるための認識論のアプローチは、自分にとって新鮮かつ理解しやすかった。
    一方で、人間とロボットの違いとは? 道徳は本当に良いものか? 家族の意味は? 目標の意味は? 恋愛の意味は? 自由の意味は? といった問いに対する還元と本質観取のサンプルには、言葉の定義づけ(例えば「道徳」という絶対的なものがあるわけではなく、文化に照らしあるべき良き行為をそのように呼んでいるだけなのでは?)の問題意識やそもそも共通了解が得られる素地は単に個人の経験的思索を超えた普遍的要素があるのでは?(たとえば周波数の長い音を「低い」と感受・理解するのは単に文化や体験ではないものではないか?)といった考えも浮かんで、必ずしも共通了解しかねるものを感じた。
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著者プロフィール

哲学者。1986年北海道生まれ。早稲田大学文学研究科修士課程修了(人文科学専攻)。古代から現代にかけての哲学の歴史・思想・著作を紹介するウェブサイト「Philosophy Guides」主宰。哲学者、竹田青嗣早稲田大学教授に師事し、デビュー作『読まずに死ねない哲学名著50冊』(フォレスト出版)が異例のベストセラーとなり、今、各メディアにて大注目の若き哲学者。

「2017年 『自分で考える練習 毎日の悩みを解決できる「哲学思考」 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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