自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046020185

作品紹介・あらすじ

なぜ私は東日本大震災のとき、福島第一原発に対してヘリ放水を「決心」したのか――。当時、自衛隊トップの役職である統合幕僚長を務め、映画『シン・ゴジラ』の統幕長のモデルともされる伝説の自衛官が、自らの経験を振り返りながらいま、戦略を語る理由は何か。

世界がますます不安定化するなかで、変化に機敏に対応するためには、これまでのPDCAに基づく戦略だけではなく、自衛隊が最も大切にする「IDA」サイクルを理解し、さらには経営戦略の源流である軍事戦略を知る必要がある、と折木氏はいう。

その他にも本書では、日本のアカデミズムが取り上げない「戦史研究」の意義、危機の現場で人と組織を動かすための極意、地政学を超える「地経学」の重要性から、戦略の成功確率を上げるための「戦力回復」の真髄までが、一気に語られる。


ビジネススクールでは絶対に教えられない、しかしビジネスパーソンがいまどうしても知らなければならない、明日を生き抜くための「戦略の本質」。


内容例:「戦史研究」こそ戦略論のケースメソッドである/「キューバ危機」は意思決定の最高の研究素材/ノルマンディー上陸作戦が教える「シナジーのつくり方」/「戦略目標の統一」の大切さをミッドウェー海戦に学ぶ/「出口戦略」を含めた全体構想がなかった日本/戦略立案で決定的に重要な「情報」と「作戦」のバランス/なぜ私は原発に対してヘリコプター放水を命じたか/「PDCA」とは似て異なる、自衛隊の「IDA」サイクル/中間管理職は「抵抗勢力」化させずに躍らせよ/日本企業の「地政学的リスク」への意識は突出して低い/「主権国家」ではなく「サプライチェーン」がつくる新秩序/ウィラード司令官との協議で痛感した日米の違い/日本人は「ハイコンテクスト文化」のなかに生きる民族/睡眠時間の長短はパフォーマンスに大きく影響する/「休む」と同じくらい重要なのは「身体を鍛える」/「少しストレッチしないとできない任務」がなぜ大切か

感想・レビュー・書評

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  • 第3代統合幕僚長である折木良一氏が、自身の経験に基づき一般社会人向けに著した本。
    自衛隊のトップともなると、様々な分野の造詣も深く、人間的にも立派な方なんだなぁというのを本書を読みながらしみじみ実感。

    以下、メモ。
    ・軍事は最先端技術が集積。日本の戦後復興を担った製造業にも、その技術の根幹には旧日本軍の軍事技術があったといわれる
    ・ナポレオンの軍団制度は、企業の「事業部制」とほぼ同じ制度といえる
    ・戦略実行のためには、「戦略回復」の視点が不可欠。いくら本能・直観が備わっているとしても、健康でなければそれらは機能しない
    ・チャーチル「歴史に学べ、歴史に学べ。国家経営の秘訣はすべて歴史の中にある」
    ・アイゼンハワーは会議の合間を縫って、現場に足繁く通っていた。「総司令官たるもの、部下と感情的に溶け合っていなければならない」
    ・目的が曖昧な作戦は必ず失敗する。米軍はそれができていた、日本軍はそれができていなかった
    ・作戦の基本原則=「集中」「統一」
    ・第1ラウンドの勝利で油断することなく、最終ラウンドでの勝利を目指す企業だけが王者となれる
    ・「情報」と「作戦」のバランスが重要。日本軍は、作戦課の影響力が強すぎたといわれる
    ・使命感と情熱のないリーダーに部下がついてくることはない
    ・自然国境と、人工的な政治的国境と、文化・言語・民族、それが完全に一致して、一国を形作ってきたという歴史は、世界中で日本だけが持つ特色

  • 一般読者向けで平易。地政学や地経学が、わかりやすい。

  • 戦略と戦術の重要性を過去の戦争史実を元にわかりやすく説明している。
    戦力回復のための睡眠や3つの自信の重要性も凄く納得した。

  • 自衛隊の元統合幕僚長が組織戦略について記した著。
    自衛隊という巨大組織でありながら、結局は個々に向き合うことが必要だ、日米の共同訓練から得られる日本人の思考様式(甘え、他者依存、主体性のなさ)など、自衛隊の経験を踏まえて書かれている部分は説得力があった。
    一方で現実のビジネス戦略に絡めてようとするあまり一般的な題材が多くなってしまったのは残念。編集を工夫すればもっと面白い本になった気がする。

  • もっと実際に自衛隊で行なった事例が知りたい。
    本の紹介が多いけど読んだことのあるものが多く意味なかった。

  • 大きな組織を動かすとか、その中で動くとか、そういう観点での発見を期待して読んだ。「経営において、情報を最も有しているのは中間管理職」だとか、「戦力を逐次投入するほど愚かな策はない」だとか、その辺また読み返そう。
    読むのにちょっと間をあけすぎたので。。。
    働きすぎかなぁという自分自身の意識からか、一番目に留まったのは戦力回復の話。遅れて発現する疲労とか、組織では常に誰かが疲れているものだと思ってフォーメーション組むべきとか。

  • 巷の戦略論が見落としている五つの視点、特に第五の「戦力回復」が新鮮だった。

  • 有名経営者たちがこぞって愛読する「孫子の兵法」や「君主論」。そもそも「経営戦略」とは軍事に関する「戦略」をベースにして応用されたというのは有名な話しです。

    でも、いくら「経営戦略」の原点は「軍事戦略」にありと言って、孫子や君主論を読んだところでなかなか一般化しづらいのが正直なところではないでしょうか?

    元自衛隊トップの著者が「そもそも軍事戦略とは?」「世界と日本の軍事事情の違いとは?」という話しから、「軍事戦略と経営戦略の類似点とは?」という視点を噛み砕いて説明している一冊。

    日本の自衛隊は戦争には参加できないのですが、つねに万全の備えをするという意味では「守りの戦略」はとても大事。また「東日本大震災」のような有事の時の対応力こそ一番試されるとき。そんな具体的な事例からみる「戦略論」は結構面白い。

    読み終わって直接書いてあるわけではないのですが「選択と集中」とか「意思決定プロセス」とかやはり大事なことは共通しているのでしょうね。

    日本も「太平洋戦争(第二次世界大戦)」という大きな失敗からたくさんのことを学んでいるはずです。本来は「失敗」から学ぶべきことはたくさんあるにも関わらず、太平洋戦争の敗戦を分析して、考察している名著「失敗の本質」はだけと言っても過言ではありません。

    でも、「失敗の本質」は正直ちょっと難しい。。。(僕はそう思います)という方は是非この本を手に取ってみてください。なるほどね!と思えると思います。

  • P129
    経営において、情報を最も有しているのは中間管理職。
    現場の一次情報もとれるし、経営の一次情報も取れるという恵まれたポジションにある。

    P141 木村尚敬 「ダークサイド・スキル」
    中庸な事業は、すぐに手をつけなかったからといって"即死"するわけでなはい。だから、優先順位は下がってしまい、それが積もり積もって収益力の低下につながってしまうのだ。そうした中庸な事業をきちんと議論のテーブルに載せて改革を進めていくには、情報を持っているミドルが動くことが大前提となる。経営トップには見えていないからだ。

  • 給料上げるよりお休みを増やしたほうが効果的なんじゃ?と思った。
    それにしても災害救助の部隊がしっかり管理されてて良かった。
    メンタルズタズタにされなくてよかった。

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著者プロフィール

1950年熊本県生まれ。自衛隊第3代統合幕僚長。1972年防衛大学校(第16期)卒業後、陸上自衛隊入隊。陸将・第九師団長、陸上幕僚副長、第30代陸上幕僚長を経て、2009年に第3代統合幕僚長就任。退官後、防衛省顧問、防衛大臣補佐官(野田政権、第2次安倍政権)などを歴任し、現在、防衛大臣政策参与、内閣府宇宙政策委員会委員。著書に『国を守る責任(PHP新書)、『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』(KADOKAWA)など。

「2018年 『日本人のための軍事学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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