発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 732
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046020765

作品紹介・あらすじ

【ネットで大反響!発達障害の人はもちろん、グレーゾーンの人、仕事がうまくいかない人にも役立つ仕事術】
発達障害の著者が、数々の失敗をやらかしながら身につけた仕事術をまとめた1冊。
片づけ、時間管理、かばん、メモの取り方、うつから抜ける方法、雑談の技術……当事者ならではの、「本当に役立つハック」が満載! 普通には生きられなくても、生きていくことはできるし、食べていくこともできる。仕事で死にたくなった日に読んでみてください。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の借金玉さんが、血ヘドを撒き散らしつつトライ&エラーを繰り返してきた人生で掴んだ、『生存』のための工夫を惜しげもなく伝授してくれる。
    発達障害の方だけでなく、会社に、社会に馴染めない、と感じて日々苦しんでいる人たちにも生きてゆける勇気を与えるかもしれない好著。

    読みはじめてまず文章の面白さと分かりやすさに惹き付けられた。鋭く、ユーモアに満ちた比喩がポンポン出てきて楽しくなる。『社会的バナナの皮』には笑った。...そうか、それを踏みまくってたんだな。自分。そしてこれからも踏みまくるのかも(笑)
    その言語センスのおかげもあり、頭の良い方なのに嫌みがないように思える。

    『日本一意識の低い自己啓発本』と売り出しているが、『アンチ自己啓発本』の部分もあり、そういう本に抵抗のある方も一旦自分の中の抵抗感を無視して読んでみたらいいと思う。

  • 大変素晴らしい本でした。発達障害に対してこういった書き方をしている本を私は他に知りません。

    この本は大量のライフハックが書かれています。それは大量のライフハックであり大量の対処療法で、ある意味では根本治療からは遠い、目の前の問題に対する「生存」の為の本です。ですので、序盤、私は若干訝しげに読んでいました。明らかに普通の人よりもIQの高いこの著者だけれど、これは根本的な問題解決になってはいないのではないのか、本人はそれを分かって書いているのだろうかと。

    早計でした。本屋にいけばお医者さんや医療機関の執筆した「根本治療」に値する本が沢山並んでいます。「まず仕事を休みましょう」「価値観の認めあえる職場を選びましょう」それが出来れば苦労がないんだ!できるだけ詳細に、論理的に書いている著者ですが、特に序盤から「部族(私達の分からない価値観で動き、それが理解出来るか出来ないかに関わらず価値観の共有を強要してくる社会 = つまり会社のこと)」に関する章までの行間から溢れる「怒り」と「諦め」の感情は物凄いものがあります。

    ここに沢山並んでいる対処療法の数々もお医者さんの書く「根本治療・社会が変わる・平等な社会」の実現が今すぐ出来るならこんなことは末端の行いは必要ないのかもしれません。ですが、それが出来ない。それが出来ないことによって著者は一体どれだけの不利益を強いられてきたのだろう?それがひしひしと伝わってきて、私は非常に辛い気持ちになりました。

    「部族が共用する儀式」(※有給明けの出勤日に同僚の皆さんにありがとうございましたと言って回る、等)の意味・価値は全く分からないけれど、それをやらないと洒落にならない決定的な不利益を被るからやるんだよ!と、こういう風にストレートに書いている発達障害の本は初めて読みました。普通、相手の価値観を重んじて、社会をルールを学んで、とか書いてあります。でも、分からないものは分からないんだ、意味不明だけれどとりあえずやるんだよ!じゃないと殺されるんだ!これを生存をかけたライフハックなのですね。

    特に「相手を褒める」章ではADHD/ASDの人々にとって「空気を読む」ということがどれだけの苦労であるかを私達に伝えてくれます。この章はもしかしたら定型発達者の方が読んだらある意味滑稽な部分かもしれません。「なんでこんな簡単なこと一生懸命分析してるの?」「こんなの考えなくても分かるじゃん」。この悲しくなるほどの全力の分析を見ても、それでもどれだけの人が彼らを「やる気が足りない」「努力が足りない」と言えるのでしょうか。それほどまでに当事者には難しい行いであると、健常者が読んでも理解の助けになると思います。「こんなことが分からないのか」分からないんです。

    一箇所に束ね書きをすること、計画的な平置き等、同じような状況を経験している人同士で、同じような対策を練っていることに大変驚きました。実は、本書で行われている具体的対策の大体半分ぐらいは私も生活の中で自然と身につけた対策でした。お互い、頑張っていたのだ、さぞ大変でしたでしょうね、とても労い合いたい気持ちになりました。

    特に後半「アルコール・睡眠薬依存症」の章からは著者が決して元来他罰的・攻撃的な人格ではないことが伝わる、心からの思いに私は胸を打たれます。「ウツの底」の章ではその自己観察と非常に・非常に具体的な方法論にとても関心致しました。

    ですがそれだけに、これほどまでに理知的・論理的な著者が「意味が分からなくても部族の儀式に従うんだ、でないと殺さるぞ!」と全力で具体的な迎合を説明していること、その内容が涙が出るほど実践的・具体的であり、時に滑稽とまで映るほど極端であることに、非常に心が苦しくなりました。そしてその行間から溢れる怒りと、悲しみ、一体著者はこれまでの人生で、この分かろうとしても分かることの出来ない価値観の強要にどれほどまでの不利益を被ってきたのでしょう。

    そんな当事者に、社会を恨まないで、理解し合って仲良くいこうよ、なんて私は言えません。障害を受け入れた、それが問題にならない労働環境、職種、交友関係を作りましょう。「お医者さんの書く根本治療」に描かれるこうした方策が、大多数の当事者にどれ程無力で、具体性のない指南かをまざまざと見せつけられる、徹底的なまでの対処療法・ライフハックの山でした。その奥底から伝わってくる「意味がわからなくてもこれを真似するだけで良いんだ。意味なんかない。でも、頼むから俺と同じ辛い経験はしないでくれ!」というこの熱い思い、胸が苦しく、本当に悲しい気持ちになってきます。

    恐らく現存する発達障害に対する最も実践的・具体的な対処療法の本です。根本治療からはもしかしたらズレているという所はあるかもしれません、ですがお医者さんの言う「まず仕事を休んで下さい」「価値観の認めあえる職場を選びましょう」という非常に難度の高い根本方策よりも、遥かに実践的であるかもしれません。少なくとも今日から真似できない方法は一つも書いてありません。それだけ一番具体的な本であり、これ程までの行動を取らなければいけない日本社会の同調圧力の強さを物語る本当に辛い本でした。

    素晴らしい本です。他に類を見ません。

  • 例えば、長い間、病気に侵されている。
    たまたま、自分が行ってる治療が、
    激的に効果を上げた場合、嬉しい感情が沸き起こる反面、
    「もっと早く知っていれば、、、もっと早く適切な処置を施していれば、、、
    こんなに苦労しなかったのに」と思います。

    著者も、この著書で自身が患っている双極性障害に関して語っています。

    引用

    「もしかしたら、小学生のときに発達障害の診断を受けて、
    自分と社会の間にある折り合えなさの理由を理解していたら、
    そして適切なタイミングできちんとした休みを取り、
    また社会に対応していく訓練を早いタイミングで始められたていたら、
    せめてこの厄介な双極性障害だけは回避できたのかもしれないと思うと、
    なかなか悔しいものがあります」。

    そう、悔しいんですね。
    苦しんできた時間が長ければ長いほど、その状態を脱出できる光明が見つかった時、
    天にも昇れるような高揚感を味わう一方で、もっと早く処置していればと悔しい思いになる。

    そういう状態になった時、過去をいくら後悔しても、あまり生産的ではありません。
    とにかく「受け入れる」しかありません。それは、今を充実して生きることであり、
    そのために、努力することです。そして、いずれは、過去の苦しさを、
    客観的に、もしくは、笑い話しとして語ることができ、
    それが、他者に対して、「価値」を生むことだってあります。

    個人的には、精神疾患を患い、それが回復するまで、
    経験した一連の出来事(良いことや悪いこと含めて)は
    素晴らしい財産であると思います。

    それは、一言で言えば、自分がよりわかるようになり(より客観的になれる)、
    また他者の苦しさがわかるようになること(他者理解の能力の向上)
    と言えます。

    これは、人生を豊かにする上で非常に大事なことだと思います。
    自然体で生きるほど、素敵なことはありません。
    その方法が、精神疾患の苦しい経験で、自覚的になります。

    この著者の斬新な所は、ADHDの方が、どうすれば社会で適応できるか?を語ったノウハウ本ではなく、
    適応できないということを前提に、どうごまかしながら、社会へ適応できているように周囲を思わせるかを、
    はっきり言語化した点でしょう。

    著者は非常にクレバーな人だと思います。ややもすれば、多くのADHD対策本は、周囲の人に理解してもらうように働きかけたり、社会のADHDに対する理解のなさを嘆いたり、ADHDの行動指針本だったりします。しかし、この本は、ADHDの方が、どうこの社会で生きればいいかを越えて、多くの人が、今の社会で、どう生きれば、まぁ、少しは楽しく、充実して生きられるか、そのヒントを多く提示しています。この点で、著者は、ADHDや長い精神疾患の辛い経験を通して、明らかに、常人とは異なる見方をし、それが、今この社会で、死にそうになりながらも、生きている多くの人に、支持されている理由だと思います。

  • 本書にきれい事はない。40代も後半にさしかかった私でも目から鱗の連続だった。冷徹に自分と社会(組織)を見つめている。

    精神疾患者、発達障害者、そして、生活、仕事にうまく適応できていない感覚を抱いて生きるすべての人々にお勧めします。

    あとがきの精神科医の先生の指摘も含めて。

  • 「誰かと競い合うのはもうやめましょう。」
    誰かと比べて自己肯定感が減る、休日に何もできなくて落ち込む、暇な時間を作らないよう予定を埋める。
    自分はこんな状態になることがよくある。しかし、著者はそんな焦りより何より休息することが大切だと説いている。本書の言葉に言い換えるなら「何もしないをする」という言葉で語られていた。
    これから自分も歳をとっていくだろうけど何歳になっても成長は続けられると思うし、自分のペースでやっていきたい。いい本だった。、

  • 道具に頼れ
    集約化、一覧性、一手アクセス
    訓練してもできないことは諦める
    必要なものを全てカバンに入れておく
    書類は案件ごとに全てバインダーに
    予定は全て小型の手帳に書く
    本質ボックスを作って行き場の無いものを放り込む
    貴重品、仕事、雑多、など
    作業用のクリーンスペースを用意
    人の名前を覚えるにはあだ名をつける

    全ての会社は部族である
    部族の人間関係には見えない通貨が流通しており、対価として支払われないと怒る
    通貨には、褒め、面子、挨拶など
    褒めるのは音ゲー、表現ではなく、タイミング
    5個ぐらいの褒めセリフを発声練習しておく
    協力に対しては面子を立てるというの通貨を支払う必要がある
    金銭的な報酬を得られない部署で重要
    挨拶を返さない人にも通貨として挨拶を支払っておいて損はない

    飲み会はが終わって気疲れしたと思えれば安心、ぐらいの感覚で
    雑談は通信プロトコルの確認、言葉を拾って同意するだけで充分
    気持ちの理解は無理なので共感は適当でいい
    相手の苦労、努力に理解を示すと良い

    世の中に対する茶番センサーは意識的に解除する。声を出して茶番を必死でやるしかない。

    焦燥感に焼かれる休日は休息になっていない。意思を持って何もしない行動を選ぶ。
    ビジネスホテルにこもるなどして、退屈し始めたら回復してきた証拠

    鬱集中が起きたら蒸気アイマスクやヘッドホンで五感を遮断

    朝起きるにはベッドから少し離れた、目に入るところに飲み物を置いておき、飲むことだけを目標にする
    起きるという概念が抽象的で目標に向かない
    身だしなみはリカバリーを重視して、道具などをカバンに入れておく

  • 発達障害の僕が社会人になって知ったこと | プレジデントオンライン
    http://president.jp/articles/-/25220?cx_referrertype=mail

    KADOKAWAのPR
    うつでもコミュ障でも必ず成果は出る!発達障害だから書けた「弱者の戦略」
    自分は「大人の発達障害」なのでは、と悩む人が多いなか、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。
    本書には、発達障害当事者である著者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハックだけを詰め込みました。
    発達障害の人はもちろん、グレーゾーンの人、仕事や人間関係がうまくいかない人にも役立つ1冊です。
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321704000406/

  • 「世界は茶番です。無意味でくだらないクソです。でも、勝ちたかったら全力を出すしかないわけですよ」(p.151)


    僕がこの本を読んで(というかブログで読んでいたときから)特に感銘を受けていた概念が「部族の掟」「茶番センサー」である。スキー狂で山ごもりを続けていた非社会的な友人などは昨年ようやく就職(それも旧弊的な不動産会社に)した際、上記の概念が彼の社会適応を助けたという。僕にとっては世の中の解像度がひとつあがった。ある種の「保守性」がこの世界にはなぜ存在するのか、『社会はなぜ左と右にわかれるのか』とともに腑落ちさせてくれたテキストだった。


    「もっと早く僕が圧倒的に打ちのめされる機会に遭遇していれば、事態はここまで悪化しなかったのかもしれません。でも、気づいたときには全てが手遅れでした。逃げて逃げて逃げて、ついに逃げ切れなくなったとき、やっと人生の問題と向き合ったのが僕です」(p.20)

    「世界は「人生ハイスコア自慢」で満ちています。新聞も、テレビもインターネットも、人生ハイスコア自慢だらけです。まるで、ハイスコアを出すことが人生の目的みたいな気がしてきます。そんなことはありませんよ。あなたの人生を生きましょう」(p.256)


    人生からの敗走。僕もいまはなんとかやっていっているけれど、気持ちとしては20代で人生に負けて、あとは消化試合のようなものだと思っている。人生なんてその程度のものだ。その程度のものだからこそ、気負う必要なんかない。世界は茶番で無意味だからこそ、何に挑戦してみてもいいじゃないか。そういう意味でも《「日本一意識が低い」自己啓発書》というキャッチコピーがしっくりくる本でした。


    「しかし、まずは「打開」という概念を中心に据え、そこから思考をひとつひとつ広げていく。これならば、「もうダメだ」「こんなことになったのは全部僕が無能だからだ」「こんなことをするべきではなかった、もう死んでしまいたい」みたいな思考をある程度追い払うことができます」(p.68)

  • 読むなら序盤だけでいい それも鵜呑みにしてはいけない 後半から自己満要素が強くなっていって最終的に薬の比較って...
    そんなこと書くなら題名変えるか別冊にしてくれ 当てはまる部分も多かったし参考になると思い読み進めていたが終盤でアホくさく感じてしまった わきまえろボケナス

  • ・業務習得や遂行の最高の潤滑油は「好意」
    ・職場の見えない通貨は「褒めあげ」「面子」「挨拶」
    ・「敬意」や「尊重」はかなり強力な決済手段。
    ・挨拶してこない先輩はトラップ。無視されても挨拶せよ。

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著者プロフィール

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。

「2018年 『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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