武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046023919

作品紹介・あらすじ

この本は、ビジネスマンのための「哲学の使い方」をまとめた1冊です。哲学というと、これまでは「実世界では使えない教養」と捉えられてきましたが、それは誤解です。実際は、ビジネスマンが、「クリティカルシンキング」つまり現状のシステムへの批判精神を持つために、とても重要な示唆をくれる学問です。
本書の著者、山口周さんは、慶応義塾大学大学院の哲学科出身でありながら、経営コンサルとして現役で活躍する異色の経歴の持ち主。独自の視点から、「ビジネスマン向け」に役立つ哲学の思想、用語を解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 無教養な専門家こそ、我々の文明にとっての最大の脅威。悪事は思考停止した「凡人」によってなされる(アーレント)。集団では個人の良心は働きにくくなる(ミルグラム)。わかりあえない人こそ学びや気づきを与えてくれる(レヴィナス)。人間が作り出したシステムによって人間が振り回される(マルクス)。努力もいずれ報われるの大嘘(ラーナー)。二項対立に縛られていないか(デリダ)。

  • 【感想】
    すごく単純な感想だが・・・本当に勉強になった。
    色んな賢者の哲学に広く浅く触れる事ができ、この本1冊でも役に立つと思う。
    昨今「リベラルアーツ」が重視されるこの世の中において、中々手出しをし辛い「哲学」というジャンルを学ぶのにはとっておきの1冊である。

    「弁証法」「ルサンチマン」「マタイ効果」「VUCA」「無知の知」
    などなど、普段よく耳にするがあんまり意味を理解していなかった言葉も、この1冊で充分に理解することができた。

    個人的に気に入ったのは、アリストテレスの「ロゴス・エトス・パトス」とサルトルの「実在主義」、ソクラテスの「無知の知」。
    知識を磨いて、判断力や人間力を磨いて、自分の人生を自分で創っていくように生きていこうと思った。

    これから知識を武器にできるように、しっかりと磨いていきたいと思った今日この頃です。


    【内容まとめ】
    1.無教養なビジネスパーソンは「危険な存在」である。
    世界のエリート達の教育には、哲学を中心ときたリベラルアーツがますます重視されるようになってきた。
    無教養なビジネスパーソン、哲学を学ばずに社会的な地位を得た人は、文明にとっての「脅威」つまり「危険な存在」である。

    2.弁証法
    「真理に至るための方法論」
    「対立する考えをぶつけ合わせ、闘争させることでアイデアを発展させる。」
    命題(テーゼ)に対し、矛盾する反命題(アンチテーゼ)を提示する。
    この二つの命題の矛盾を解決する統合された命題「ジンテーゼ」を提示する。
    ジンテーゼは両者の矛盾を中立・両立・平定するカタチ。

    3.アリストテレス「ロゴス・エトス・パトス」
    →論理だけでは人は動かない。
    →人の行動を本当の意味で変えさせようと思うのであれば、「説得よりは納得、納得よりは共感」が求められる。
    「ロゴス」=ロジック、「エトス」=エシックス=倫理、「パトス」=パッション=情熱のこと。

    4.16世紀に始まった宗教改革は、免罪符に対するマルティン・ルターによって口火を切られた。
    ルターの教えはヨーロッパ全土へと広まっていき、やがて「プロテスタント」と呼ばれる大きな運動へとつながっていく。
    プロテスタントとは、「意義を申し立てる」、つまりは「ケンカを売る」という意味。
    この場合は当時思考が浸透していたローマ・カトリック教会が相手であった。

    5.ジョン・ロック「タブラ・ラサ」
    →経験と学習によっていくらでも学ぶことができるという主張。
    ラテン語で「何も書かれていない石版」という意味。(「タブレット=板」の語源)
    生まれつきなどない。経験次第で人はどのようにでもなる。
    個人の素養はすべて生まれた後にどのような経験をするかによって決まる。
    すなわち教育によって人間は出来上がる。

    6.ニーチェ「ルサンチマン」
    ルサンチマンとは、「弱い立場にあるものが、強者に対して抱く嫉妬・怨恨・憎悪・劣等感などのおり混ざった感情」を指す。
    要するに、「やっかみ」。

    7.ドーパミン=快楽物質ではない。
    ドーパミンは快楽を感じさせることよりも、何かを求めたり、欲したり、探させたりすることであることが分かっている。
    食べ物や異性などの物質的要求だけでなく、抽象的な概念、つまり素晴らしいアイデアや新しい知見などが含まれる。

    快楽に関与しているのはドーパミンよりオピオイドである。
    「欲求系=ドーパミン」により特定の行動に駆り立てられ、「快楽系=オピオイド」が満足を感じさせて追求行動を提示する。

    8.サルトルの実在主義「人間は自由の刑に処されている」
    私たちは「人生そのもの」を使ってある「企て」を実現しようとしているのであり、反対に私たちに起きることはすべてその「企て」の一部として受け入れなければならない。
    あらゆる選択が可能であるのに対し、それをせずに受け入れた以上、それはあなた自身の問題である。
    →要するに、自分の身に降りかかる出来事は、良い悪い抜きにして全部自分のせいなのであると受け入れる事がmust

    9.アイヒマン実験
    非人道的な営みにも、多くの人が葛藤や抵抗感を示しながらも実験を続けた。
    「誰かに言われたから…」という責任転嫁が可能な状況だと、実に90%以上の人が実験を続ける。
    しかし、命令する側にちょっとした反対意見など、良心・自制心を後押ししてくれるアシストさえあれば、みな実験を取りやめたという結果もある。

    10アーレント「悪の陳腐さ」
    →悪事は思考停止した「凡人」によってなされる。
    悪とは、システムを無批判に受け入れることである。意図することなく受動的になることに「悪の本質」がある。
    思考停止してはいけない。
    多くの人は、現行のシステムがもたらす悪弊に思いを巡らすことなく、むしろそのシステムのルールを見抜いて「その中でうまくやること」をつい考えている。
    「現行のシステムを所与のものとせず、システム自体をより良きものに変えていくことに思考も行動も集中させる」生き方に思いを巡らすべき。

    11.マキャベリ「君主論」
    →君主としてあるべき「振る舞い」「考え方」。
    どんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであればそれは許される。といった内容。

    道徳<合理
    「よりよい統治のためには、非道徳的な行為も仕方がない」という事で、憎しみを買って権力基盤を危うくしろというわけではない。
    「不道徳たれ」ではなく、「冷徹な合理者であれ」ということ。

    12.ロバート・キング・マートン「マタイ効果」
    →「持っている人は与えられていよいよ豊かになるが、持っていない人たちは今持っているものまでも取り上げられるであろう」
    学校の教育も、会社の指導も一緒。
    私たちは「より費用対効果の高い人」に教育投資を傾斜配分してしまう傾向があり、その選別は初期のパフォーマンス結果によってなされる。

    13.アダムスミス「神の見えざる手」
    →「最適な解」よりも「満足できる解」を求めよ。
    「神の見えざる手」とは、市場による調整機能のこと。

    14.公正世界仮説「見えない努力もいずれは報われる」の大嘘。
    「努力は報われる」と無邪気に主張する人たちがよく持ち出す根拠の一つに「一万時間の法則」がある。
    「モーツァルトは努力していた」→「努力すればモーツァルトになれる」ではなく、
    「努力なしではモーツァルトのような天才になれない」が、対偶の命題となる。
    努力したからといって必ずしも成功するとは到底言い切れないのは火を見るより明らかなのである。

    世界は公正ではない。
    そのような世界にあって尚、公正な世界を目指して闘っていくというのが私たちに課せられた責務である。
    「人目につかぬ努力もいずれは報われる」という考え方は人生の浪費につながりかねない。
    より合理的な消費・リターンを自分で見出さなければならない。

    15.ソクラテス「無知の知」
    →学びは「もう知っているから」と思った瞬間に停滞する。
    そもそも、「自分は知らないのだ」という認識を持てないと学習がスタートしない。
    「自分はわかっている」と考える人は知的に怠惰になってしまう。


    【引用】
    p3
    ・無教養なビジネスパーソンは「危険な存在」である。
    世界のエリート達の教育には、哲学を中心ときたリベラルアーツがますます重視されるようになってきた。
    なぜ「役に立たない学門」とされがちな哲学を、これだけプライオリティの高い学門として学んでいるのか?

    「無教養な専門家こそ、我々の文明にとって最大の脅威」。
    哲学を学ばずに社会的な地位を得た人は、文明にとっての「脅威」、つまり「危険な存在」である。


    p9
    ・弁証法
    ある主張「A」があったとして、それに反対あるいは矛盾する主張「B」があり、それが両者を否定することなく統合する新しい主張「C」に進化するという思考のプロセスを指す言葉。


    p46
    ・論考を二軸で整理する。

    問いの種類「What」と「How」
    ①世界はどのように成り立っているのか?
    =Whatの問い
    ②私たちはどのように生きるべきなのか?
    =Howの問い
    学びの種類「プロセス」と「アウトプット」


    p58
    ・論理だけでは人は動かない。
    アリストテレス「ロゴス・エトス・パトス」
    人の行動を本当の意味で変えさせようと思うのであれば、「説得よりは納得、納得よりは共感」が求められる。
    論理的思考に優れたコンサルタントが苦戦するのは、「論理によって人が動く」と誤解しているから。

    ・「ロゴス」
    →ロジックのこと。論理だけでは人は動かないと指摘したものの、論理的に無茶苦茶な企てでは人の賛同は得ることができない。
    「論理」は必要条件なだけで、十分条件ではないということ。


    ・「エトス」
    →エシックス=倫理のこと。
    いくら理にかなっていても、道徳的に正しいと思えることでないと人のエネルギーは引き出せない!

    人は、道徳的に正しいと思えること、社会的に価値があると思えるものに自らの才能と時間を投入したいと考える。

    ・「パトス」
    →パッション=情熱のこと。
    過去の偉人たちが情熱を持って未来を語ったからこそ、世界は今あるように変わった。

    ・レトリック
    →弁論術。人を酔わせ、動かす力。ヒトラーの演説などが良い例。
    レトリックの危険性を知った上で、これを用いることができるかどうか。


    p63?
    ジャン・カルヴァン(1509~1564)
    「予定説」
    →努力すれば報われる、などと神様は言っていない

    16世紀に始まった宗教改革は、免罪符に対するマルティン・ルターによって口火を切られた。
    ルターの教えはドイツばかりかヨーロッパ全土へと広まっていき、やがて「プロテスタント」と呼ばれる大きな運動へとつながっていく。

    プロテスタントとは、「意義を申し立てる」、つまりは「ケンカを売る」という意味。
    この場合は当時思考が浸透していたローマ・カトリック教会が相手であった。

    ・予定説
    「ある人が神の救済にあずかれるかどうかは、あらかじめ決定されており、この世で善行を積んだかどうかといったことは、まったく関係がない。」
    仕事に置き換えると、「努力」をしたからとて「報酬」をもらえる人ともらえない人は予め決まっていると考えられる。

    たしかに、「努力→結果→評価→報酬」というシンプルかつ合理的な考えが、うまく浸透していないものだ。
    単純に努力するのではなく、予め決まっていると割り切った上で、施策を練ってみたほうがいいのでは?


    p70?
    ジョン・ロック(1632~1704)
    「タブラ・ラサ」
    ラテン語で「何も書かれていない石版」という意味。(「タブレット=板」の語源)
    生まれつきなどない。経験次第で人はどのようにでもなる。

    個人の素養はすべて生まれた後にどのような経験をするかによって決まる。
    すなわち教育によって人間は出来上がる。
    経験と学習によっていくらでも学ぶことができるという主張。


    p73
    フリードリッヒ・ニーチェ(1844~1900)
    「ルサンチマン」
    →あなたの「やっかみ」は私のビジネスチャンス

    ルサンチマンとは、「弱い立場にあるものが、強者に対して抱く嫉妬・怨恨・憎悪・劣等感などのおり混ざった感情」を指す。
    要するに、「やっかみ」である。
    イソップ寓話の「酸っぱいブドウ」のような話。

    ルサンチマンを抱えた個人は、その状況を改善するために次の二つの反応を示す。
    1.ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する。
    2.ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる。

    ・高級車、高級時計の市場で応用
    「最新のもの」を常に市場に送り出すことで、「古いもの」を持っている人にルサンチマンを抱えさせる。
    現代人は「平等性」について極めて繊細なセンサーを持っているため、ちょっとした差に対してもルサンチマンを抱えてしまう。

    ・ルサンチマンの転倒
    「高級フレンチなんて行きたいと思わない、サイゼリアで十分だ」
    単に「サイゼリアが好きだ」と言えばいいのに、それでは本人のルサンチマンが解消されないためにやっかんでしまう。

    ルサンチマンに根ざしたものなのか、より崇高な問題意識に根ざしたものなのかを私たちは見極めなければならない。


    フランシス・ベーコン
    「富を軽蔑するように見える人々を余り信用しないほうがよい。富を得る望みのない人々が、それを軽蔑するからである。こういう人々が富を得るようになると、これほど始末に困る手合いはいない。」


    p81
    カール・グスタフ・ユング(1875~1961)
    「ペルソナ」
    →私たちは皆「仮面」を被って生きている。

    ペルソナとは、一人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である。
    恐ろしいのは、自分自身が「自分らしくない」言動をとるようになっていても、そのことに当の本人が全く気づかないところ。


    p87
    エーリッヒ・フロム(1900~1980)
    「自由からの逃走」
    →自由とは、耐えがたい孤独と痛烈な責任を伴うもの。
    多数の犠牲を伴って獲得した「自由」とやらは非常に高価な買い物であったが、その「自由」を手に入れた人々はそれで幸せになったのか?

    ・ナチスドイツで発生したファシズム
    「自由の果実」を味わった現代人が、それを投げ捨て、ファシズムの全体主義に何故あれほど熱狂したのか?
    自由のもたらす刺すような孤独と責任の重さに人々は疲れ果て、全体主義に傾斜することを選んだと、フロムは分析している。

    人は自分より上のものに媚びへつらい、下の者に威張るような一種「権威主義的性格」で成り立っている。
    その人たちに自由が与えられても、孤独と責任の重さが待っている。
    自由というものが突きつけている重荷に対して、私たちはあまりにも訓練されていません。


    p92?
    バラス・スキナー(1904~1990)
    「報酬」
    →人は不確実なものにほどハマりやすい。

    ・人は何故SNSにハマるのか?
    →それは、「予測不能だから」。
    ネズミとエサの出る箱の実験
    その行為による報酬が必ず与えられると分かっている時より、不確実に与えられる時の方がより効果的に強化される。

    ギャンブル、カジノ、ソーシャルメディア

    ・ドーパミン
    1958年にスウェーデンで発見された物資で、快楽物質であると考えられてきた。
    しかし最近の研究では、ドーパミンの効果は快楽を感じさせることよりも、何かを求めたり、欲したり、探させたりすることであることが分かっている。
    食べ物や異性などの物質的要求だけでなく、抽象的な概念、つまり素晴らしいアイデアや新しい知見などが含まれる。

    快楽に関与しているのはドーパミンよりオピオイドであることがわかっている。
    「欲求系=ドーパミン」により特定の行動に駆り立てられ、「快楽系=オピオイド」が満足を感じさせて追求行動を提示する。

    より大きな快楽を得るために、追求行動に欲求を高く持つ!


    p97
    ジャン・ポール・サルトル(1905~1980)
    「アンガージュマン」
    →人生を「芸術作品」のように創造せよ。

    ・アンガージュマン=エンゲージメント
    主体的に関わることにコミットする。

    サルトルといえば「実在主義」。
    実在主義とは要するに、「私はどのように生きるべきか」という「HOWの問い」を重視する立場だ。

    ・自分自身の行動
    私たちの行動や選択は自由であり、したがって「何をするか」や「何をしないのか」という意思決定について自分で責任をとる必要があります。

    ・「人間は自由の刑に処されている」
    私たちは「人生そのもの」を使ってある「企て」を実現しようとしているのであり、反対に私たちに起きることはすべてその「企て」の一部として受け入れなければならない。
    あらゆる選択が可能であるのに対し、それをせずに受け入れた以上、それはあなた自身の問題である。


    p101
    ハンナ・アーレント(1906~1975)
    ・悪の陳腐さ
    →悪事は思考停止した「凡人」によってなされる。

    ・悪とは、システムを無批判に受け入れることである。
    意図することなく受動的になされることにこそ「悪の本質」があるのかもしれない。

    ・思考停止してはいけない。
    多くの人は、現行のシステムがもたらす悪弊に思いを巡らすことなく、むしろそのシステムのルールを見抜いて「その中でうまくやること」をつい考えている。

    「現行のシステムを所与のものとせず、システム自体をより良きものに変えていくことに思考も行動も集中させる」生き方に思いを巡らすべきではないか?


    p106
    エイブラハム・マズロー(1908?1970)
    ・自己実現的人間
    →自己実現を成し遂げた人は、実は「人脈」が広くない。

    マズローの欲求5段階説
    1.生理の欲求
    2.安全の欲求
    3.社会欲求と愛の欲求
    4.承認(尊重)の欲求
    5.自己実現の欲求

    私たちの「広く、薄い人間関係」もまた、逆に依存して足を引っ張ってしまっていないか?


    p121
    ・アイヒマン実験
    非人道的な営みにも、多くの人が葛藤や抵抗感を示しながらも実験を続けた。
    「誰かに言われたから…」という責任転嫁が可能な状況だと、実に90%以上の人が実験を続ける。
    しかし、命令する側にちょっとした反対意見など、良心・自制心を後押ししてくれるアシストさえあれば、みな実験を取りやめたという結果もある。


    p144
    ・マキャベリズム
    ニッコロ マキャベリが著書「君主論」の中で述べた、君主としてあるべき「振る舞い」「考え方」を表す用語。
    どんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであればそれは許される。といった内容。

    ・道徳<合理
    道徳や人間性とやらを言っていられない乱世でこそ映える論理。
    「よりよい統治のためには、非道徳的な行為も仕方がない」という事で、何も憎しみを買って権力基盤を危うくしろというわけではない。
    「不道徳たれ」ではなく、「冷徹な合理者であれ」ということ。


    p152
    ジョン・スチュアート・ミル
    「悪魔の代弁者」
    その人の判断が本当に信頼できる場合、その人はどうやってそのようになれたのだろうか?
    それは、自分の意見や行動に対する批判を、つねに虚心に受け止めてきたからである。
    どんな反対意見にも耳を傾け、正しいと思われる部分はできるだけ受け入れ、誤っている部分についてはどこが誤りなのかを自分でも考え、できれば他の人にも説明することを習慣としてきたからである。

    様々に異なる意見を全て聞き、ものの見え方をあらゆる観点から調べ尽くすという方法しかないと感じる。


    p163
    クルト・レヴィン
    「解凍=混乱=再凍結」
    変革は、慣れ親しんだ過去を終わらせることで始まる。
    「解凍」とは、今までのやり方を終わらせる、ケリをつけるという意味。

    「あの時代は良かったね」といつまでも過去を振り返り、とらわれ続けるようでは何にもならない。
    いかに「切るか」が重要!!


    p184
    ロバート・キング・マートン
    マタイ効果
    「おおよそ持っている人は与えられていよいよ豊かになるが、持っていない人たちは今持っているものまでも取り上げられるであろう」

    学校の教育も、会社の指導も一緒。
    私たちは「より費用対効果の高い人」に教育投資を傾斜配分してしまう傾向があり、その選別は初期のパフォーマンス結果によってなされる。


    p202
    ・反脆弱性
    「外乱や圧力によって、かえってパフォーマンスが高まる性質」のこと。

    反脆弱性は耐久力や頑健さを超越する。
    耐久力のあるものは、衝撃に耐え現状をキープする。
    それに対し、反脆弱性は衝撃を糧にしてしまう。
    予測の難しい時代を生きるにあたり、「反脆弱性」という概念は非常に重要視される。
    リスクをあらかじめ予測し、そのリスクに対応できるような「システム」を組めばいい。
    なぜなら、「脆さは測れるが、リスクは測れないから」だ。


    p228
    アダムスミス(1723~1790)
    ・神の見えざる手
    →「最適な解」よりも「満足できる解」を求めよ。

    「神の見えざる手」とは、市場による調整機能のこと。
    妥当性のない価格は、進化論でいう自然淘汰のプロセスによって排除され、やがて最も妥当と市場で認められた価格に落ち着きます。

    最適な解をオプティマルなアプローチによっていたずらに求めようとせず、「満足できる解」をヒューリスティックによって求めるという柔軟性が必要なのでは?


    p234
    ダーウィン「自然淘汰」
    1.生物の個体には、同じ種に属していても、様々な変異が見られる。(突然変異)
    2.そのような変異の中には、親から子へ伝えられるものがある。(遺伝)
    3.変異の中には、自身の生存や有利な差を与えるものがある。(自然選択)


    p262
    ・パラノとスギゾ
    パラノイア「偏執型」
    スギゾフレニア「分裂型」
    アイデンティティだなんだと一つのものに固執せず、ヤバそうだと思ったら「さっさと逃げる」こと!
    重要なのは、「危ないと感じるアンテナの感度」と「逃げる決断をするための勇気」

    誰もが羨む会社に所属している自分をアイデンティティの柱にしてしまいがちだが、その会社が「花形」でいられる期間はどんどん短くなっている。
    「自分」というものを崩壊させずに分裂させておくことができるか?
    まさに「パラノからスギゾへの転換」が求められる。


    p274
    ・差異的消費
    →自己実現は「他人との差異」という形で想定される。
    何もお金持ち達がフェラーリを買うという選択のみではない。
    「それを選んだ」ということと、「他を選ばなかった」ということで記号を生む。
    逆に言えば、なんらかの記号を持たない、あるいはあってもそれが希薄な商品・サービスは市場において生き残りにくい。


    p279
    ・公正世界仮説
    →「見えない努力もいずれは報われる」の大嘘。
    「努力は報われる」と無邪気に主張する人たちがよく持ち出す根拠の一つに「一万時間の法則」がある。

    「モーツァルトは努力していた」
    →「努力すればモーツァルトになれる」
    ではなく、
    「努力なしではモーツァルトのような天才になれない」
    が、対偶の命題となる。

    だから、努力したからといって必ずしも成功するとは到底言い切れないのは火を見るより明らかなのである。

    世界は公正ではない。
    そのような世界にあって尚、公正な世界を目指して闘っていくというのが私たちに課せられた責務である。
    「人目につかぬ努力もいずれは報われる」という考え方は人生の浪費につながりかねない。
    より合理的な消費・リターンを自分で見出さなければならない。


    p288
    ・ソクラテス「無知の知」
    →学びは「もう知っているから」と思った瞬間に停滞する。

    そもそも、「自分は知らないのだ」という認識を持てないと学習がスタートしない。
    「自分はわかっている」と考える人は知的に怠惰になってしまう。


    p294
    ・プラトン「イデア」
    →理想に囚われて現実を軽視していないか?


    p298
    「知は力なり」フランシス・ベーコン

    イギリス経験論哲学の開祖。
    演繹より帰納を重視する。
    「正しい知識とはむしろ、常に実験や観察といった経験からスタートするべき。」

    帰納…経験からもたらされる知識を重視し、結論を導き出す。
    演繹…一般化された法則から個別の結論を推論する。

    イドラ…ラテン語で「偶像」。思い込み。アイドルの語源でもある。
    4つのイドラが誤解を招く。

    1.種族のイドラ
    →自然性質によるイドラ。わかりやすく言えば、「錯覚」。

    2.洞窟のイドラ
    →個人経験によるイドラ。自分の受けた教育や経験・常識など、狭い範囲の材料をもとに決め付けてしまう。

    3.市場のイドラ
    →伝聞によるイドラ。いわゆるミスコミュニケーション。噂など。

    4.劇場のイドラ
    →権威によるイドラ。高名な学者の主張など、権威や伝統を不批判で信じることで生じる偏見のこと。

    自分の主張の根拠となる認識が、4つのイドラのどれかによって歪められていないか?
    確認する必要がある。


    p303
    「我思う、ゆえに我あり」
    ルネ・デカルト


    p310
    ・弁証法
    「真理に至るための方法論」
    「対立する考えをぶつけ合わせ、闘争させることでアイデアを発展させる。」

    命題(テーゼ)に対し、矛盾する反命題(アンチテーゼ)を提示する。
    この二つの命題の矛盾を解決する統合された命題「ジンテーゼ」を提示する。
    ジンテーゼは両者の矛盾を中立・両立・平定するカタチ。


    p323
    ・VUCA
    Volatility「不安定」
    Uucertainty「不確実」
    Complexity「複雑」
    Ambiguity「曖昧」

    単純でなく明確ではないものを明晰に把握する事は難しい。
    ソクラテスの「無知の知」で触れたが、短兵急に「わかったつもり」になることは大きな誤謬の元になる。

    ・エポケー
    私たちが持っている「客観的な世界像」はそもそと主観的なものでしかあり得ない。
    ならばその世界像を確信するのではなく、また捨て去るのではなく、いわば中庸的に中途半端な経過措置として一旦「保留する」という姿勢。


    p332
    ・ブリコラージュ「何の役に立つのかよく分からないけど、何がある気がする。」
    エジソンの蓄音機、ライト兄弟の飛行機など、多くのイノベーションは「結果的にイノベーションになった」に過ぎず、当初想定されていた通りのインパクトを社会にもたらしたケースはむしろ少数派なのです。
    その時点では何の役に立つのか分からないけど、「これはいつか何かの役に立つかもしれない」と考える予測能力は、コミュニティの存続に重要な影響を与える。

    ・ICUはアポロ計画がなければ実現できなかった?
    ICUは患者の身体に生命の影響を及ぼすような変化が起こったら、すぐにそれを遠隔で医師や看護師に知らせる。
    このシステムは、宇宙飛行士の生命や身体の状況を遠隔地からモニタリングして、何か重大な変化が起これば即座に対応する「アポロ計画」のような長期の宇宙飛行においての必要性から生じた技術。

    世界を変えるような巨大なイノベーションの多くは、「何となくこれはすごい気がする」という直感(=ブリコラージュ)に導かれて実現しているのだ。


    p338
    ・パラダイムの概念、定義
    「一般に認められた科学的業績で、一時期のあいだ、専門家に対して問い方や考え方のモデルを与えるもの」
    =常識、みたいな感じ。


    p348
    今ある世界は偶然このように出来上がっているわけではありません。
    どこかで誰かが行なった意思決定の集積によって今の世界の風景は描かれているのです。
    未来の世界の景色は、今この瞬間から未来までのあいだに行われる人々の営みによって決定される。

    本当に考えなければいけないのは、「未来はどうなりますか?」ではなく、「未来をどうしたいか?」という問いであるべき。
    未来というものは、予測だけではなくむしろそれをビジョンとしておもいえがべきものだ。

  • 20180718
    UCSBのFaculty of Law & Societyで、最初に習ったのは哲学だった。transcendental philosophy. 懐かしい響き。カントを読み解くとそこには「無知の知」が内包され、ホッブスの怪物が、国家権力と法体系を召喚する。人間の愚かさと可愛らしさ、哀しみと切なさ。戦争と平和、闘争と統制、そして二項対立を打ち崩す脱構築。そして、今日も生きていくことの確かな光。本書は狙いに満ち溢れ、ありがちな空論を排除して使える哲学に集中している。青白き炎の様な、熱を孕んでいる。

    ー無教養な専門家こそ、われわれの文明にとっての最大の脅威である(シカゴ大学教授 ロバート・ハッチンス)

    ーロゴス(論理)エトス(倫理)パトス(情熱)、論理だけでは人は動かない。(アリストテレス「弁論術」)

    ー予告された報酬は動機付けを減退させる(学習心理学の定説)努力すれば報われるなどと神様は言っていない(ジャン・カルヴァン「予定説」)

    ー自分の努力に対して正確に相関する報酬を受け取れる。そういうわかりやすいシステムであれば、人間はよく働く。そう思っている人がすごく多い。雇用問題の本を読むとだいたいそう書いてある。でも僕は、それは違うと思う。労働と報酬が正確に数値的に相関したら、人間は働きませんよ。何の驚きも何の喜びもないですもん。(内田樹、中沢新一「日本の文脈」)

    ーペルソナとは、一人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である(カール・グスタフ・ユング)

    ー人間は自由の刑に処されている(ジャン・ポール・サルトル)アンガージュマン=engagement

    ー悪とは、システムを無批判に受け入れることである(ハンナ・アーレント「エルサレムのアイヒマン」)

    ー人間は合理的な生き物なのではなく、後から合理化する生き物なのだ(レオン・フェスティンガー「認知的不協和理論」)

    ーミハイ・チクセントミハイ「フロー概念」挑戦とスキルの相関図

    ーどんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであればそれは許される(ニッコロ・マキャベリ「君主論」)不道徳たれと言っているわけではなく、冷徹な合理者たれと言っているだけで、時に合理と道徳がぶつかり合う時には、合理を優先せよと言っている。

    ーリーダーシップには文脈依存性があります。ある状況においてうまく機能したリーダーシップが、全く別の局面においても機能するとは限りません。

    ーある意見が、いかなる反論によっても論破されなかったがゆえに正しいと想定される場合とそもそも論破を許さないためにあらかじめ正しいと想定されている場合とのあいだには、きわめて大きな隔たりがある。自分の意見に反駁・反証する自由を完全に認めてあげることこそ、自分の意見が、自分の行動の指針として正しいといえるための絶対的な条件なのである。全知全能でない人間は、これ以外のことからは、自分が正しいといえる合理的な保証を得ることができない。(ジョン・スチュアート・ミル「自由論」)

    ー神の見えざる手、経済分野における過剰な統制への拒否(アダム・スミス「国富論」)

    ー組織における意思決定のクオリティは、侃侃諤諤の意見交換が行われれば行われるほど高まる。(中略)たくさんの反論に耐えられた言論が優れたものだとすれば、反論を封じ込めることで言論の市場原理は機能不全に陥ることになる。

    ーその人の判断がほんとうに信頼できる場合、その人はどうやってそのようになれたのだろうか。それは、自分の意見や行動にたいする批判を、つねに虚心に受けとめてきたからである。どんな反対意見にも耳を傾け、正しいと思われる部分はできるだけ受け入れ、誤っている部分についてはどこが誤りなのかを自分でも考え、できればほかの人にも説明することを習慣としてきたからである。ひとつのテーマでも、それを完全に理解するためには、さまざまに異なる意見をすべて聞き、ものの見え方をあらゆる観点から調べつくすという方法しかないと感じてきたからである。じっさい、これ以外の方法で英知を獲得した賢人はいないし、知性の性質からいっても、人間はこれ以外の方法では賢くなれない。(ミル「自由論」)

    ーdevil’s advocate 悪魔の代弁者、キューバ危機の際のEXCOMにおけるケネディ大統領のエピソード

    ー解るということはそれによって自分が変わるということでしょう(阿部謹也「自分のなかに歴史をよむ」)

    ーおおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう(マタイの福音書)条件に恵まれた研究者は優れた業績を上げることでさらに条件に恵まれる: 【マタイ効果】利益優位性の累積メカニズム(ロバート・キング・マートン)

    ー機長と副操縦士、事故が多いのは機長が操縦桿を握っている際である。それは何故か。「意見の表明による摩擦の表出」が存在せず、組織の意思決定のクオリティが著しく低い状態。権力格差(ヘールト・ホフステード)

    ーanti-fragile 反脆弱性: 外乱や圧力によって、かえってパフォーマンスが高まる性質(ナシーム・ニコラス・タレブ)脆弱の反対語は頑強robust ではない。耐久力のあるものは、衝撃に耐え、現状をキープする。だが、反脆いものは衝撃を糧にする。

    ー「曙のまばたきのように、光を放ち始める。口からは火炎が噴き出し火の粉が飛び散る。(中略)首には猛威が宿り顔には威嚇がみなぎっている。(旧約聖書ヨブ記41節より)トマス・ホッブス「リバイアサン」

    ー世界というシステムのあり様を1.人間の能力に大きな差はない、2.人が欲しがるものは希少で有限である、という二つの前提とすると、必然的に引き出される社会の状態は、「万人の万人による戦い」。ここから社会契約論が導かれ、「私はあなたの所有物には手を出さないと約束しますから、あなたも私の所有物に手を出さないと約束してください」となり、「安全な社会をつくるためには国家権力が必要だ」となる。巨大権力に支配された秩序ある社会か、自由だが無秩序な社会のどちらが人々にとって望ましいか?

    ー優秀アリとマヌケアリの話し。自然淘汰のメカニズムにはエラー(突然変異)が必須の要素として組み込まれている。エラーを起こすことで意外な正解に偶然辿り着く。結果的に短期的な非効率が中長期的な高効率につながる。(チャールズ・ダーウィン)

    ーパラノとスキゾ(ジル・ドゥルーズ)どうもヤバそうだと思ったら、さっさと逃げろ。

    ー人種差別は逆に同質性の問題だとわかる。私と深い共通性を持った者、私と同意すべきであり、私と信条を分け合うはずの者との間に見出される不和は、たとえ小さくとも耐えられない。その不一致は実際の度合いよりもずっと深刻なものとして現れる。差異を誇張し、私は裏切られたと感じ、激しい反発を起こす。(セルジュ・モスコヴィッシ)

    ー消費とは記号の交換である。古典的マーケティング論では、消費の目的とは、1.機能的便益の獲得、2.情緒的便益の獲得、3.自己実現的便益の獲得。私はあなた達とは違うという、差異を表す記号。(ジャン・ボードリヤール「消費社会の神話と構造」)

    ー見えない努力もいずれは報われる、世界は公正であるべきだし、実際にそうだ: 公正世界仮説(メルビン・ラーナー)これに対し現実は、世界は公正ではない。これを直視する必要がある。

    ー無知の知、学びは「もう知っているから」と思った瞬間に停滞する(ソクラテス)達人への道:1.知らないことを知らない、2.知らないことを知っている、3.知っていることを知っている、4.知っていることを知らない

    ーコミュニケーションにおける聞き方の深さ: 1.自分の枠内の視点で考える、2.視点が自分と周辺の境界にある、3.自分の外に視点がある、4.自由な視点。「要するに何々でしょ」はLEVEL1: Downloadingにすぎない。(オットー・シャーマー「U理論」)

    ーイドラ、誤解にはパターンがある(フランシス・ベーコン「知は力なり」)1.種族のイドラ(自然性質による錯覚)、2.洞窟のイドラ(個人経験による独善)、3.市場のイドラ(伝聞によるミスコミュニケーション)、4.劇場のイドラ(権威による盲信)

    ー我思う、ゆえに我ありCogito Ergo Sum(ルネ・デカルト「方法序説」)存在の確かなものなど何もない。しかし、ここに全てを疑っている私の精神があることだけは、疑いえない。キリスト教が盲信を押し付ける世界の中で、徹底的に自分の頭で考えろ、とシャウトした。自分がここにいるという、確実な地点から厳密に考察を重ねようとした。

    ーエポケー: 客観的事実をいったん保留する(エドムント・フッサール)リンゴが存在している、故に私がそのリンゴを見ているという主観的認識を結果とする考え方を止めて、リンゴを認識している自分がいる、故にリンゴがそこに実在していると考える。還元の思考プロセス: 客観的実在を主観的認識に還元する。「本当にそれで正しいのか?」という視点を差し挟むことの重要性。

    ーブリコラージュ:何の役に立つのかよくわからないけれど、なんかある気がする、というグレーゾーンに対する直感(クロード・レヴィ=ストロース)用途市場を明確化しすぎるとイノベーションの芽を摘むことになりかねない一方、用途市場を不明確にしたままでは開発は野放図になり商業化は覚束ない、というジレンマ。

    ー二項対立の構造を崩す:脱構築(ジャック・デリダ)

    ーThe best way to predict the future is to invent it. 未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ。

    ーソマティック・マーカー仮説: 人は脳だけではなく身体でも考えている(アントニオ・ダマシオ)情報に接触することで呼び起こされる感情や身体的反応(汗が出る、心臓がドキドキする、口が渇く等)が、脳の前頭葉腹内側部に影響を与えることで、目の前の情報について、良い或いは悪いの判断を助け、意思決定の効率を高める。論理を超えた直感的考察が人間には機能として存在しているのかもしれない、という仮説に耳を傾けることの価値、無知の知。

  • 1キーコンセプトごとから学べることが多い。
    今までの哲学入門とは違い、著者の使えるか使えないかという判断基準から書かれているのも面白い。
    哲学はアウトプットの言葉より、それに至るまでの思考の積み重ねこそ真髄であると感じた。

  • 哲学の入門として、数多くの哲人のエピソードが書かれており、人や社会、思考などのコンセプトごとに広く浅くまとめられていました。
    哲学には、結論からの学びと考えの過程からの学びとあり、考えの過程を知ることが重要だと書いてました。例えば、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉は有名ですが、このデカルトが出した結論を知っていたとしても、学べることはほとんどなく、結論に至った思考のプロセスを学ぶことでデカルトの考え方や名言の意味を知ることができると学びました。哲学を学ぶ上では、有名な名言を覚えるのではなく、どういう風に考えて名言が生まれたのかを理解するようにしようと思いました。なかなかすぐに実践できるような、ものはなかったですが、人間や考えの根本に立ち戻りたいときに哲学をまた学んでみようと思いました。

  • [予想以上] ★★★★☆

    哲学を、「現代の問題に使えそうか」という切り口から説明していておもしろかった。他の哲学入門書よりも読みやすいです。

  • 哲学というか結構広い概念で、社会学のようなものを含んで50のトピックス・思想について山口さんが解説するもの。なかなかというか、かなり勉強になりました。多分これで判った気になっては行けなくて、興味を持ったところが原典に当たるべきなのでしょうが、一通り読むだけでかなり読みごたえがありました。ほぼほぼマーカーだらけです。丁度来週から夏休みになるし、きちんと復習しなければいけない本・・・という認識を持ちました。とても良い本だと思います。

  • 哲学に興味があるビジネスパーソンに、
    学生さんに、特に実践的な嗜好をお持ちの方々に。
    哲学行為主義ではないですが、行動に活かすための学びを得ることができるはず。
    そして、哲学初学者にはさらに深掘りするためのハブ本としても活用できる良書。

  • まえがきで筆者の上から目線に辟易、内容に疑いを持ちつつよみすすめたが…、これがおもしろい。よく整理されかつ筆者の観点も明瞭で楽しめた。よりよく生きようとする先人たちの知恵、視点、フレームワークは勉強になる

  • 教養大事だ系の本は基本的に好きでないけど、これは良かった。
    哲学が何故面白くなく見えるのかをきちんと分析して、哲学の必要性を場面毎に用意してある。
    1つ1つは短いけれど取っ掛かりとしては良い。

    読書中

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著者プロフィール

1970年生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科前期博士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)など著書多数。神奈川県葉山町に在住。

「2018年 『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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