イラストで楽しむ 日本の七十二候 (中経の文庫 あ 15-11)

著者 :
  • KADOKAWA/中経出版
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本棚登録 : 45
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046025548

作品紹介・あらすじ

本書では、「二十四節気」をその節気に合わせた浮世絵で、「七十二候」をそれぞれの名称に合わせた描き下ろしイラストで紹介。さらに、七十二候それぞれの旬の花や野菜、魚、行事などをテーマにしたクイズに答えながら、より旧暦の世界に親しむことができる。

感想・レビュー・書評

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  • 秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露にぬれつつ
     天智天皇

     ご存じ、「百人一首」の1番目を飾る歌。秋の田近くの仮小屋で番をしていると、かやぶき屋根の編み目が荒いので、衣の袖は夜露に濡れるばかりだ、という歌意。
    鑑賞するなら、農作業の厳しさをつぶやいた歌ではなく、むしろ、収穫の秋を喜び、晩秋の詩情を誘うような夜の光景を思い浮かべたい。

     日本の農業の目安には「旧暦」が有効だそうだが、「秋分」や「冬至」などを区切りとする「二十四節気」を、さらに3等分した「七十二候」の存在も興味深い。6世紀ごろに古代中国から日本に伝わり、その後、江戸時代の暦学者が日本にふさわしいように改訂したものという。

     そもそも、「気候」という言葉は、「節気」の気と「七十二候」の候を組み合わせたものだとか。季節感と日本語との、深い関係性も再発見させられる。

    「七十二候」では、ほぼ5日ごとに名称がつけられており、新暦(現在の暦)11月7日から11日ごろは、「山茶始開【つばきはじめてひらく】」。つややかな桃色の山茶花【さざんか】をツバキと間違えた名称で、そういう裏事情も雑学としておもしろい。

     次なる11月12日から16日ごろは、「地始凍【ちはじめてこおる】」。冷え込みの厳しくなる朝晩の、まさに実感のこもった名称だ。

     ほか、秋の章では「涼風至【すずかぜいたる】」、冬の章では「虹蔵不見【にじかくれてみえず】」など、風情ある言葉に出会え、旧暦の奥深さにひかれてしまう。
    (2016年11月6日掲載)

  • 誕生日に姉から貰ったもの。

    それぞれの季節を表現する言葉がたくさん載っていて、語彙が豊かになりそう。

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著者プロフィール

1980年、アフロフォトエージェンシーとして設立。自社での撮影業務及び、国内外の写真家約2000名の作品を取り扱う。1998年には、日本オリンピック委員会オフィシャルフォトエージェンシーに認定。2006年にアフロに社名変更。風景をはじめ、人物・スポーツ・食・動物・イラスト・ファインアートなどの広告向け写真から、出版・報道写真まで、幅広い写真コンテンツを取り扱い、広告・出版・テレビ業界へ日々写真を提供し続けている。

「2016年 『絶対に行きたい! 世界遺産120 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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