Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦

  • KADOKAWA
3.78
  • (21)
  • (47)
  • (25)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 500
感想 : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046040497

作品紹介・あらすじ

プリファードネットワークス、通称PFN。

2019年、日本ベンチャー大賞受賞。日本屈指のユニコーン企業。2014年の創業(2006年にPFI創業、2014年にPFN創業)以来、錚々たるリーディングカンパニーの数々と共同研究を重ね、自動運転、ロボット、がん診断にはじまるバイオヘルスケア等々の課題解決に挑む、天才技術者集団――。

新聞や雑誌で語られるPFN像といえば、こんなところだろう。

しかし、実際のところPFNは何をしているのか。若き創業者たち(本書の著者、西川徹社長と岡野原大輔副社長)は何を考え、どんな未来を描いているのか。
本書では2人の創業者が、ベールに包まれていたPFNの仕事、そこで働く人々の描く未来、深層学習の可能性をつまびらかにする。

・天才集団とすら呼ばれているのに、なぜ「Learn or Die 死ぬ気で学べ」なのか
彼らは答える。PFNが挑戦しているのは変化の大きな分野であり、その中で最先端であり続けるためには、学ぶことが唯一の方法だ。未来を切り拓くために、私たちは、学び続けなければならない。

・パーソナルロボットの夢はこれまでに何度も語られてきたが実現していない。本気で作ろうとしているのか。
彼らは答える。もちろん可能性があるからやっている。私たちは、できるとわかっていること、誰でも実現できることはやらない。

・日本を代表するスタートアップ企業と聞けば、カラフルで華やかなオフィスが想像されるが、飾り気がない。なぜか。
彼らは答える。PFNには、洒落たオフィスにお金をかけるより、コンピュータ(GPU)を1台増やすほうがいいと思う人しかいない。

――9割にも及ぶ失敗を推奨し、成功率10%以下の仕事に挑み続けるPFNの思考とは?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • プリファードネットワークス(PFN)の創業者西川さんと岡野原さんのビジョン、事業内容そして未来。PFNの見据える未来は頼もしく、ずっとワクワクしてました。

    各人が学び挑戦し続けると同時に、違う特技を持った人と謙虚に繋がってチームで解けない問題に挑戦する。組織の作り方としても参考になる。

  • PFNがプロセッサ(アクセラレータ)の独自チップ開発をしていることを知ったときは、「早い!」と思っていたが、なるほど、西川氏がハードよりの方ですぐにその必要性を理解されていたからなのだろうと悟った。

    本書においては、PFNの沿革がストーリー仕立てで分かりやすく記されており、特に会社としての行動規範や哲学、考え方にふれることができる。

    個人的には7章以降に金言が多かったと思う。勢いがとてもよく伝わってくる。
    読んでよかったと思える1冊。

  • 刺激的な題名だなと思って手に取った為、恥ずかしながらPFNのことは全然知りませんでした。本の内容はPFNがどのような会社で何を目指しているのかでした。凄い企業が日本にあるのだと知れて良かった。大人になったら学ばなくて良いと、学生の頃思っていましたが、社会人になっても仕事する為にはある程度学ばなくちゃいけない。ただ、その学ぶレベルや量がPFNの人達は全然違う。彼等程にはなれなくても、頑張らねばと身が引き締まる思いでした。パーソナルロボット産業はまだ覇者がいないと思うので、イーロン・マスク等に負けず、頑張って頂きたい!

  • 何故か「ストーリーとしての競争戦略」を連想しました。世によくあるHow Toやベストプラクティスはなく、あるとするなら疑え。経験に甘んじることなく常に学び続ける。とてもパワーを貰えるし、読者が行動を起こせるように非常に理解しやすい言語セレクトがされている事が印象的。こんな文章を書く人ほど、非常に優秀なのだろうなと感じる。そもそもこの本が何のためにリリースされているのかを実感する。

  • 成功率10%以下の課題に挑み続ける。
    PFNバリュー
     Motivation-Driven 熱意を元に
     Learn or Die 死ぬ気で学べ
     Proud, but Humble 誇りを持って、しかし謙虚に
     Boldly do what no one has done before 誰もしたことがないことを大胆に為せ

    IoT × AI
     深層学習+ロボティクス、クリエイティブ、スポーツアナリティクス
     深層学習専用プロセッサー MN-Core

    ファナック
     ロボットがロボットを作っている
     機械学習が機能する領域はロボット、物理世界での問題をAIとロボットで解く

    自動運転
     シミュレーター×強化学習  報酬の計算
    ゲーム
     強化学習で自分と同じくらい強い相手をつくり、学習する

    生成モデル
     深層学習の派生技術 教師なし学習 似た事例を生成

    深層学習
     汎化能力 「確率的勾配降下法」 適当なノイズを入れて追試する

    インターネット時代の研究開発
     自分以外が優れたアイデアを出す可能性はすごく高い。
     外部のアイデアを見ながら自分たちができるところを探る。 
     フレームワークでは機能差がなくなり、競争の源泉が移り変わった。

    技術を作るために
     一人では絶対できないことをやるために会社を立ち上げた。
     エキスパート同士が分担し、繋がり、理解する。
     一匹狼では会社は知識を吸収できない。
     
    500年後のテクノロジー
     今と全く異なったものになる、今から500年前を振り返っても何もなかった。

    製造業
     モノを作っているからできることがある。
     今のハードウェアは人が設計しやすいようにできている。
     将来は深層学習が設計まで踏み込める。人ができない並列で考えることができる。

    ロボット
     手と足がついたコンピュータになる 自動車もロボット
     パーソナルナルロボット分野に取り組む
      目は人間にほぼ近いものができている
      手=アクチュエーターはこれから
     プログラミングのハードルを下げる=ビデオ予約と同じくらいの感覚に
     人間ができている情報処理能力を与えるためには ソフトとハードを密に融合
     今のロボットもロケットも モデルベースの制御技術、AIではない

     ルールベースから、「学習ベース」になると複雑な制御も可能になる
     エッジでもクラウドでもない最適化=ネットワークの革新
     コンピュータネットワークにも人間の細胞同様、免疫システムを

    順当にやることはGAFAのような大手がやる。
    できるわけないと思っているところに解を探す。

  • 著者が大事にしていることを理解できた。
    深層学習、強行学習についてもたくさん触れられていて、
    とても勉強になった。

    ★motivation driven ; 熱意を元に
    自分たちが自ら選び、成果と真剣に向き合う。
    簡単すぎるコンフォートゾーンと、難しすぎるパニックゾーン、そのあいだにあるラーニングゾーン。
    今よりちょっと背伸びできるタスクがラーニングゾーン。
    ラーニングゾーンを目標に設定すべきである。
    ★演繹的なプログラミングから、帰納的な手法へとパラダイムシフトが起きている
    ★相手のことを尊重できて、自分自身にちゃんと取り込めているのかといった成長の軸が大事である
    ★どんどん新しいことにチャレンジし続けられる環境をつくること、壁があれば取り除いてあげることが私にはあっている

  • プリファードネットワークス(PFN)創業者の2人、西川・岡野原が綴ったこれまでの軌跡と、行動規範・未来についてである。

    PFNはAI技術を扱う会社でありソフトウェアとハードウェアの融合、AIを扱うロボットを目指す企業だ。
    個人的には、GAFAに蓋をされたような日本において、未来に希望を抱くことのできる内容だった。

    まさにGoogleのように研究開発重視の姿勢で20%のリソースを自由な研究に割き、組織も同じ方向性に立つ人材に限って採用する、まさに前に進み続けるためにある企業だ。
    コミュニケーションを重視する姿勢も良くあるIT企業とは異なると感じる。

    表題にもある当社のバリューのうち、Learn or Dieこそが躍進の源泉なのだろう。その他含めて

     *Motivation-Driven(熱意を元に)
     *Learn or Die(死ぬ気で学べ)
     *Proud, but Humble
     (誇りを持って、しかし謙虚に)
     *Boldly do what no one has done before
     (誰もしたことがないことを大胆に為せ)

    どれも、らしさを、表している。

    世界を変える様なことをできる彼らを羨むだけであることはもったいない、成功すると分かっていることは面白くないという気概で生きたい。

  • 謎の天才集団というイメージが強いPFN。本書ではその天才性をまざまざと感じつつ、「学び続ける」「謙虚でいる」といった姿勢こそが肝要なのだということを伝えてくれる。
    読んでいてここまでワクワクする企業ものもなかなかない。
    研究開発を主体にした「なにをやっているのかよくわからない」企業への理解を深め、圧倒的に興味を持ってしまう魔力をもった一冊。

  • 4つの行動規範
    #1 motivation-driven 熱意を元に
    #2 learn or die 死ぬ気で学べ
    #3 proud but humble 誇りを持って、しかし謙虚に
    #4 boldly do what no one has done before 誰もしたことがないことを大胆に成せ

    自分が面白いと思えることに、もっと敏感になるべきだと考えた。人生は有限だ。面白いと思えることにフォーカスしないと、最大の成果は出せない。

    面白いことをやらないなら生きている意味がない

    スタートレック
    To boldly go where no man has gone before.

    ボーア象限 わかればよい
    エジソン象限 動けば良い
    パスツール象限 理解したいし、役に立つ

    機械学習 解き方を教えるのでなく、正解の事例を大量に見せることによって、コンピュータ自身にパターンを見つけされる

    深層学習 機械学習の一つ 深層学習によって可能になったのは表現学習

    機械学習 教師あり学習、教師なし学習
    現在のビジネスでリスクが低く使えると考えられているという手法は教師あり学習

    誤差逆伝播法

    強化学習 試行錯誤しながら学ぶ 思考していないことには何も覚えないので、滅多に起きない事象に対応するのが苦手

    滅多に起きない事象を作ってみせる技術 生成モデル

    人間の行動を観察することによって、人間の持つ報酬関数を推定する逆強化学習

    敵対的生成モデル

    確率的勾配降下法 わざとノイズを含んだ上でアップデート

    深層学習の研究は職人と理論家が共同して進める領域

    人の学習から学べることはたくさんがるが、一つの重要あテーマはメタ学習

    ずっと学び続け、成長できる人かどうかを見極めるのは難しい。だが一つの重要あシグナルは「楽しんでいるかどうか」だと思う。面接でも自分のやりたい分野について熱く語るかどうかは重視する。

    要は「知識を吸収したい」と考えているかどうかだ。

    基本的には、誰もやったことがないことに挑戦する人、勉強し続ける人、あとは、謙虚であるひとを評価している

    大まかにいうと、相手のことを尊重できて、自分自身にちゃんと取り込めているかといった成長の軸は非常に重要視している。

    水樹奈々 深愛

    絶対にできるということはやらないでほしい。それは我々でなくてもじつげんできるからだ。できない可能性が9割であってもいい。我々でなければ実現できないこと、できるかどうかわかないことをやってほしい

    巷で言われていることを疑い、可能性の抜け穴を探せ

  • ある一つの軸・目標があるからこそこのように活躍してきたんだなと思った。
    今後のロボット産業に注目しようと思う。

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1982年11月19日、東京都生まれ。2005年、IPA未踏ソフトウェア創造事業にて1テーマ採択。2006年、第30回ACM/ICPC世界大会19位。同年、Preferred Infrastructureを創業。2007年、東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。2013年、情報処理学会ソフトウェアジャパンアワード受賞。2014年3月、Preferred Networksを設立、代表取締役社長に就任、現職。声優で歌手の水樹奈々さんの大ファン。

「2020年 『Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西川徹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リチャード・P・...
エリック・リース
アンデシュ・ハン...
佐藤 優
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×